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あなたはVBAという言葉を聞いたことがあるでしょうか?今回はVBAとは何なのか?また、どんな仕事で役に立つのか?などを具体的にご紹介していきます。この記事を読んでいただければ、VBAについて分かるでしょう。

VBAとは一体何なのか?

VBAとは「Visual Basic for Application」の略語です。Microsoftが提供するソフトウェア「Office」のアプリケーションを使って、効率的に業務を進めていけるスキルになります。ご存知のように、Officeには、Word、Excel、PowerPointなどのアプリケーションがあります。また、InternetExplorerや、OutlookなどもVBAのスキルがあれば使いこなせ、業務を効率化することが出来るのです。

VBAを使うとどのような作業が出来るのか?

VBAを使うと、どのような作業が出来るようになるのでしょうか?具体的に事例を挙げながら解説していきましょう。

①一つのデータベースから複数の表やシートを作成できる

VBAを使って出来る作業の1つ目は、「データベースからの表作成」です。表計算ソフトのExcelを使えば誰でも表作成は可能ですが、VBAのスキルがあれば1つのデータベースから複数の表やシートなどを自動で作成することが出来るようになるのです。つまり、今までマンパワーで行っていた表作成が自動的に行えるようになります。

②入力フォームの作成

VBAを使ってできる仕事には、「入力フォームの作成」というものもあります。通常の場合入力フォームで明らかに間違えたデータを入力しても、集計結果を見るまでエラーに気が付きませんが、VBAを使いこなすことで間違えたデータ入力があった事を警告する専用入力フォームを作ることが可能なのです。

③メールの自動送信

VBAを使いこなせれば、「メールの自動送信」も行えるようになります。これは、Microsoft の提供するメールソフト、Outlookの機能を使い、顧客のデータベースの中から自動で該当の顧客データを抽出し自動的にメールを送信する仕組みになります。今までは、事務員が一つ一つ手作業で宛先の設定から、本文の作成、メールの送信まで行っていたのであれば、その作業が不要になるでしょう。

④グラフの自動作成

VBAのスキルで自動化できる仕事の4つ目は、「グラフの自動作成」です。表やグラフというのは、データを参照し、手入力でExcelに指示を出し、作成するのが普通ですが、VBAのスキルがあれば、ピボットテーブルなどの抽出されたデータを基に自動的にグラフや表を作成することが出来ます。

VBAを仕事で使う事のメリット・デメリット

VBAのスキルを仕事で使う上でのメリットやデメリットには、どのようなことが挙げられるでしょうか?

①仕事で使うメリット

VBAを仕事で使うメリットは、以下になります。

・仕事が早く終わる
・スキルアップの為の学習時間が増える
・論理的な思考で物事を見られるようになる
・仕事で結果が出やすくなる

このようなことがメリットとして挙げられます。 VBAのスキルがあれば、今まで3日間かかっていた作業が半日程度で終わる事もあります。もちろん、システム構築まではある程度の時間が掛かりますが、継続して処理をするような仕事には効率化が行えるでしょう。また、作業時間が減った事で、スキルアップのために時間を有効活用できるようになります。個人としてもメリットになりますし、高いスキルの人材を獲得することは、企業側にもメリットになるでしょう。

また、その他のメリットとして、論理的な思考で物事を見られるようになることが挙げられます。勘や感覚だけに頼った今までの思考から離れ、常に物事をロジカルに判断する癖が付くでしょう。業務が効率的になり、思考方法にも変化が生まれるため相対的に仕事で結果が出やすくなるはずです。

②仕事で使うデメリット

では、一方でデメリットにはどんなものが挙げられるでしょうか?具体的に以下が挙げられます。

・VBAの習得までに時間が掛かる
・ExcelやWordをチーム全員が使えないと意味がない
・複雑な処理をするプログラムを組むには時間が掛かる
・システム作成途中で、作成を諦めてしまう事もある

まず、VBAの習得にはそれ相応の時間が必要です。学習方法には、「インターネットの情報を活用する」「VBAの専門書籍で勉強する」「プログラミングスクールで教わる」などの方法があります。また、VBAのスキルが身についてくれば、「VBAエキスパート Accessベーシック」や「VBAエキスパート Excelスタンダード」などの資格を受験してみることも可能です。

その他のデメリットとしては、「ExcelやWordをチーム全員が使えないと意味がない」ということも挙げられます。VBAで作ったシステムはあくまでも、Microsoft が提供しているアプリケーションを自動で動かすシステムです。チームメンバーの中にExcelやWordへの認識が甘い人がいると、スムーズに使いこなすことが難しいでしょう。

さらには、「複雑な処理をするプログラムを組むには時間が掛かる」というデメリットも挙げられます。VBAのシステム構築には、それ相応の時間が必要です。しかも、そのシステムが複雑になればなるほど、比例して作業時間が増えていくのは間違いありません。また複雑化したシステムには「デバグ」が付き物です。何度も何度もデバッグの作業を行う事にもなり兼ねません。

そして、複雑なシステムを構築しようとするあまり「システム作成途中で、作成を諦めてしまう事もある」というデメリットもあります。今のようにITが普及しきってしまうと、あまりに簡易的なシステムでは、誰も満足してくれないため、全てがオートメーション化した複雑なシステムを組もうとすることになります。そうした時に、モチベーションが途中で下がり、システムの完成まで至らない事もあるでしょう。

VBAを使った仕事内容にはどのようなものがあるのか?

VBAのスキルを使った仕事には、どのような仕事があるでしょうか?具体的にご紹介します。

①事務職・経理職

VBAのスキルで出来る仕事、1つ目は「事務職・経理職」です。事務職・経理職は、常にある一定のルールの処理業務をルーチン的にこなす仕事です。そういった、ルーチン業務をVBAで処理できる仕組み作りを行えば、その他のルーチン業務ではない仕事に、時間をさけるようになるでしょう。

②プログラマー・システムエンジニア

VBAのスキルで出来る仕事の2つ目は、「プログラマーやシステムエンジニア」です。プログラマーやシステムエンジニアはコーディングの業務以外にも、Excelなどを活用した資料作成の業務などもあります。全ての仕事にVBAが生きるわけではありませんが、VBAのスキルがあれば短時間の資料作成に繋がり、業務の効率化を実現することが出来るでしょう。

③クラウドソーシングの案件を請け負う仕事

また、VBAのスキルがあれば、「クラウドソーシング」で応募している案件をこなせるようにもなります。一例としては「マクロを使って、MacのアプリをWindowsでも使えるようにする」といった案件がありますが、隙間時間をうまく使えるので、スキルアップや収入アップに使えるでしょう。

今後のVBAを使える人材の将来性とは?

では、これから先VBAのスキルはどのように評価されていくのでしょうか?楽観的に見る将来性と、悲観的に見る将来性があるためそれぞれ簡単にご説明します。

①楽観的な将来性

・Office製品がある限り重宝される
・簡単にシステム開発ができる

Office製品はWindowsがある限り、ずっと残っていくアプリケーションだと言えます。そのためOffice製品がある限り、VBAの需要は無くならないでしょう。また、その他の言語プログラムより簡単にシステム構築が出来る為「簡易的なシステムが欲しい」というニーズには答えやすいでしょう。Office製品がある限り、今後も資料作成などはExcelやWord、PowerPointを使う事になると予想されるため、VBAのスキルは業務効率化に欠かせないのです。

②悲観的な将来性

では、一方でVBAの仕事の将来を悲観的に見る意見です。

・大量のデータ処理がしにくい
・汎用性が無い
・クラウドサービスの普及で必要とされなくなってきている

このような将来性が考えられるでしょう。まず、データ入力や処理ですが、Office製品はあくまでオフラインで使用するアプリのため多方向からの同時アクセスは出来ません。つまり、結局のところデータ入力に関しては、一人で行うほかにないのです。

また、Office製品の内部ではとても便利なシステムを組むことが出来ますが、C言語などのように開発されたフレームワークが無いため、汎用性が無く悲観的に感じられるでしょう。

前述したデータ入力の際には、「クラウドサービス」のサーバー内に、多方向からデータを入力することが当たり前になりつつあります。こうしたシステムがもっと広がりを見せると、オフライン上でしか入力できないOffice製品は不利です。つまりVBAのスキルもなかなか活かすきっかけが生まれにくくなるでしょう。ただ、VBAスキルで培われた論理的な思考は、クラウドベースの作業になっても多少は活かすことが出来るはずです。

まとめ

今回は簡単なシステム構築のスキル、VBA、「仕事内容」や「メリット・デメリット」「今後の将来性」について、具体的に解説してきました。こうやってクラウドサービスがどんどん普及してくると、VBAの需要自体も落ち込んでくるのは避けられないでしょう。しかし、Office製品をベースに事務処理や経理処理をしていく以上は、すぐにVBAの需要が無くなってしまう事は考えにくいです。ただ、今はVBAのスキルのみで必要とされていても、この先数年後には、+αのスキルを必ず求められるようになるでしょう。そうした時に、環境に適応するための自己研鑽は、今から始めておくべきです。