支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡


「ITエンジニア」にはいくつか種類がある

現在の日本ではITエンジニアの供給が足りないと言われており、2030年頃までは数十万人単位でITエンジニアの需要が続くと言われています。しかし一口に「ITエンジニア」と言っても、エンジニアにはいくつかの種類があることをご存知でしょうか?

ITエンジニアは1人で全てをこなすわけではなく、複数の分野に細分化されています。それぞれの分野に特化した各エンジニアが「分業」のような形で仕事をするのが一般的な形態になっているのです。

(1)プログラマー

(2)システムエンジニア

(3)Webエンジニア

(4)ネットワークエンジニア

(5)サーバーエンジニア

(6)マークアップエンジニア

少し例を上げるだけでもこれだけの種類に分かれているのがITエンジニアの世界です。

Webエンジニアとは?

では、その中でも今回話題に上げている「Webエンジニア」とはどのような役割を持つエンジニアなのでしょうか?

一般的な定義のWebエンジニアとは、WebサイトやWebアプリケーションなど「Web上で提供されるコンテンツやプログラム」を設計・開発するエンジニアのことを指します。「Web」という言葉の範囲も広いため、実際にはネットワーク関連やWebサイト・Webコンテンツの運用保守なども含めた部分までを担当することもあるのが実情です。そのためベテランのWebエンジニアはWeb回りの知識や経験を広範囲にカバーできる人が多く、担当業務の範囲も広くなっている傾向があります。実際のWebコンテンツ運用まで含めた設計を担当することもあるため、いわゆる営業・マーケティング系の知識を使う場面も少なくありません。

Webエンジニアの仕事内容

Webエンジニアの仕事は「フロントエンド」と「バックエンド」の2つに大別されます。

「フロントエンド」は一般ユーザーや顧客の目に触れる箇所。例えばWebサイトなどでいえばサイトのデザインやコンセプト設計、Webアプリケーションの実装やWebページのコーディングなどです。

「バックエンド」は反対に一般ユーザーや顧客の目には見えない箇所です。例えばサーバーの設定やネットワークの設定、ネットワーク機器やサーバー機器の調整などを指します。

さらにこれら2つに加えて運用・保守もWebエンジニアが担当することになる重要な仕事です。

フロントエンドエンジニア

Webサイトの制作を例にすると、仕事の流れは「設計・企画」「コーディング」「バクチェック」「運用・保守」に大別されます。

このうち、フロントエンドエンジニアが担当するのは主に「コーディング」や「バグチェック」の部分が中心になります。コーディングは主にHTMLなどを代表とするプログラミング言語を記述し、サイトのデザインや構成を実装するための工程で、それらの実装が終わった後に実装項目が正しく動作するかどうかの確認と、エラーが起きる場合の修正を行うのがバグチェックやバグフィックスという作業になります。どちらもユーザーが実際に目にする部分に関わる工程です。

バックエンドエンジニア

バックエンドエンジニアが担当するのは文字通りWebサイトなど各種Webコンテンツの「裏側」に関する業務全般です。顧客情報を扱う商用Webサイトやアンケート機能が実装されたサイトなどでは、情報の蓄積と整理・管理が必要となり、データベースの運用も求められることになります。

そのようなデータベースの実装を行ったり、データベースを実装するためのサーバーや各種内部アプリケーションの実装や管理を行うのがバックエンドエンジニアの主な業務になります。サーバー関連は一部に過ぎず、場合によってはネットワークの設定やサーバー本体の設定や構築など、担当する業務が広範囲に及ぶこともありますので、バックエンド業務の知識だけを持っていればいいというわけでもありません。

運用・保守

WebサイトやWebコンテンツの運用と保守は、Webエンジニアの担当業務で最重要だと言われてもおかしくない仕事です。

トラブルやエラーが起こらないようにWebサイトが運用され、仮にトラブルが起きたとしても適切な保守対応が行われることでサイトやコンテンツの信用・信頼が高まりユーザーの満足度に直結するからです。運用がいい加減で保守対応がされないWebコンテンツはユーザーから見放されてしまい、支持を失ってしまいます。

特に商用サイトの場合はユーザーからの信頼がなくなってしまうと事業の継続可否にも影響してしまいますので、適切に運用・保守が行われる必要があります。

運用・保守業務の代表的な仕事内容としてはサーバーのバックアップ設定(バックアップ作成のタイミングや頻度調整)や、サーバーやネットワーク機器の稼働状況モニタリングが上げられます。特に機器の稼働状況モニタリングは重要で、機器の稼働が不安定だとサイトの表示速度やコンテンツの再生に影響を及ぼします。ユーザーが見たいコンテンツや必要な情報に、ストレスなくアクセスできる状況を常に実現するために必要な仕事が運用と保守だと思っておきましょう。

Webエンジニアになるために必要なこと

Webエンジニアになるために必要な資格は特にありませんが、IT系の資格は持っておいて損はありません。「ITパスポート試験」や「基本情報技術者試験」「応用情報処理技術者試験」などに合格しておくことで、現場に入った際に同僚から信頼を置かれる可能性は高まるでしょう。周囲へのアピール以外にも、体系立った知識を身につけておくことは実務において非常に役に立ちます

Webの世界は技術の進歩も早く、変化も急激に起きることがあるため、今持っている知識のみで仕事をするだけでは不十分です。可能な限り周囲に新しい技術的な話題がないか?業界全体での技術的トレンドはどうなっているのか?などを気にかけて、自分の中でも知識や情報をアップデートできる柔軟さや知識面での貪欲さは必要とされます。

Webエンジニアに求められるスキル

絶対に求められるスキルの一つはプログラミングのスキルです。特に、フロントエンドに関わるのであればHTMLやCSS、JavaScriptなどの知識とスキルは必須になってくるでしょう。

バックエンドに関わることになる場合はサーバーとネットワークに関する知識とスキルも必要になります。フロントエンドで制作されるコンテンツを実装するためのシステム構築も必要になるため、システムエンジニア的なスキルも結果的に求められる場面があると考えておくべきです。

データベースを扱うシステムやサイトを構築することもありますので、MySQLなどデータベースを扱うための知識に抵抗がないことも重要です。運用・保守を行うためにセキュリティに関する知識を身につけていくことも将来的に求められる可能性がありますし、「Webエンジニア」という職種は様々な知識とスキルの集合体であると言えます。

まとめ

ここまでWebエンジニアについて知っておきたいポイントについてご紹介してきました。WebサイトやWebコンテンツの利用が当たり前になっている現代では、それらのWeb関連コンテンツを作り、支えるWebエンジニアの重要性は増しています。2030年まで続くと言われるエンジニア需要の観点から考えてもWebエンジニアが求められる流れは当分続くことになるでしょう。

これからWebエンジニアを目指そうと思う方も、Web関連業務に携わる可能性のある方も、Webエンジニアの仕事内容をしっかりと把握し、実務や自分の将来的なキャリアに活かしていきましょう。