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はじめに

就職は人生における大事な分岐点ですが、学生は学業と両立しながら就活を進めていかなければならず状況によってはいまいち思うように進まなかった、満足いく結果にならなかったということにもなりかねません。また就活をいつから始めたら良いかわからず、気づいたら周りがみんな始めていて焦って始めることになったという状況にならないために、今回は就活を始める時期とそれぞれの時期にやっておくこと、そして選考時期について紹介していきます。まだ大学1、2年、あるいは大学入学前ではあるものの余裕を持って就活に臨みたいという方、どうしても入社したい企業があるという方はぜひご覧ください。なお今回は年度にかかわらず通年共通する内容として解説します。

就活を始める時期とやるべきこと

大学に入る前、就活を始めるのは4年になってからか、早くても3年の終わり頃で良いのではと何となくイメージしていた方も多いのではないでしょうか。しかし企業エントリーや事前準備、インターンシップを含めると実際にはその遥か前の3年の春頃から就活を開始するべき時期を迎えていると言えます。また当然ながら大学を卒業するために単位の取得が欠かせませんが、必要単位が3年以降に多く残っていると就活との両立が難しくなる可能性があります。そのため大学へ入学した際から就活の時期を逆算して、計画的に単位取得を目指すことをおすすめします。

就活の始まりから終わり

具体的な就活の流れですが、まず3年の春頃から7月にかけてその夏の7~9月に行われるサマーインターンのエントリー、選考が開始されます。インターンは学生のうちから仕事を体験できたり、人間関係を構築できるというメリットがあり、企業によって数日のものから長いものだと1ヶ月程度実施されます。なお長期のインターンシップに関しては1年、2年の時に参加できることもあります。社会人として実際に働き始める前に、仕事がどういったものであるかや業界の実情が把握できる良い機会となるので余裕があれば参加をおすすめしますが、エントリーが上記のように比較的早い段階で始まることに注意が必要です。

就活生がインターンへのエントリーと同時期に始めておいた方が良いことは、企業説明会への参加や自己分析、業界・企業研究等です。企業説明会には自社に招いて行うものの他に大きな会場を貸し切って複数企業が参加する合同説明会があり、合同説明会であると効率良く企業の情報を収集できます。なお企業によってはその後の選考の条件として説明会への参加が含まれている場合があるので、すでに志望する企業がある場合は忘れずにチェックしておきましょう。

またインターンや説明会といった外部イベントと別に進めておきたいことの一つが自己分析ですが、これを行うことで頭の中が整理され、面接での受け答えがスムーズにできるようになります。面接では「自己PRをお願いします」「長所・短所を教えてください」「学生時代にがんばったことは何ですか」という質問をされることが多いですが、これらに対する回答をあらかじめ組み立てておけるということです。これまでの学生生活やアルバイト、ボランティア等を通して客観的に感じた自分の価値観や長所・短所を冷静に捉えたうえで、簡単なエピソードと結び付けてメモ等に留めておいても良いでしょう。

もう一つの業界・企業研究ですが、こちらも実際に就職した後にギャップの大きさにショックを受けてすぐ辞めてしまうようなことがないよう、また自身の業界や企業とのマッチング状況を見極めるためにも重要となります。面接においても志望動機を聞かれることがありますが、業界・企業研究を事前にしていないと全く見当違いのことを伝えることとなり、採用からは大きく遠ざかってしまいます。就活の期間は限られているので、あらかじめ業界・企業研究をしてできる限りミスマッチを防ぎ、効率良く就活を進めていく方が良いでしょう。なお業界・企業研究はインターネット上の情報や書籍、企業ホームページ、SNS等から可能ですが、社内の雰囲気や実際に働いている人の傾向についてはそれらから感じることは困難なため、同時にインターンや説明会に参加することで研究もしやすくなります。

SPI対策についても、3年の終わりころには始めておいた方が良いことの一つです。SPIは応募者の基礎能力や性格特性を測る適性検査であり、書籍や情報も多くあります。それぞれ自分にあった方法で問題ないので、文章の理解能力や数的処理、論理的思考といったSPIで出題される問題の傾向を掴み早い段階から慣れておきましょう。

その他には必ずできるとか限りませんが、OB訪問も就活の情報収集に有効な手段の一つです。自分が志望する企業を訪れて実際に働いている人達の様を見たり、直接話を聞いたりすることで企業の理解が深まって面接に生かせるだけではなく、企業によってはOB訪問が採用も兼ねていることで面接の段階をスキップできる可能性もあります。また夏だけではなくインターンシップは秋・冬に実施している企業もあるので、インターンシップに参加する場合は3年の終わり頃にインターンが発生します。

4年生になった春頃からはエントリーシートの作成・応募や、面接対策を行うこととなります。なおこの時期のエントリーシートはあくまで選考に関するものとなるため、インターンシップ参加時にエントリーシートが必要となる場合は、これより前に作成していることもあります。自己分析や業界・企業研究した結果を元に自分だけのオリジナルな書類を作成しましょう。4年の6月頃から選考面接が開始され、その後8月頃から内定が出始めます。純粋は就活にかかる期間はおおよそ1年程度が目安となりますが、下準備期間や説明会やインターンシップが早い企業を考慮すると1年半程度を見積もっておいた方が良いと言えます。

なお2020年までは採用選考指針の取り決めが日本経済団体連合会によって定められていましたが、2021年以降は主導が政府になっており、学業に支障がないように説明会等の活動は3年の3月〜、選考は4年の6月〜となるよう企業に働きかけをしています。そのため大抵はこのスケジュールに沿って採用活動が実施されていますが決して強制力のあるものではないので、それぞれの開始時期が全く異なる企業もあることには注意が必要です。

その他やっておいた方が良いこと

ここまで見てきたように就活は早めに行動するに越したことはないと言えますが、同時に情報収集も鍵となります。情報収集をする方法として就活サイトへの登録は欠かせません。その多くがインターネット上で簡単に登録できるので、通常の求人サイトやインターンシップの紹介サイト等に登録しておきましょう。また近年はSNS上でも各企業が情報を発信している傾向が見られるため、企業研究の情報源として志望先はチェックしておくことをおすすめします。さらに校内掲示や電車の中吊り広告等で見かける就職セミナーの情報も欠かさずチェックしておき、気になるものは足を運んでみましょう。

選考開始の早い業界・遅い業界

企業の採用活動開始時期は業界の様々な事情によって差があります。大手企業の場合は前述した指針に従って動いているところがほとんどであるため、3年の3月以降に説明会やインターンシップが開始され、選考・内定は4年の6月以降に行われます。また大手ベンチャー企業は大手企業と大きな違いはありませんが、説明会等の開始は3年6月頃、選考・内定は4年2月頃となる傾向にあります。

外資系企業は説明会等がベンチャー企業と同様の3年6月頃ですが、選考・内定が3年の10月頃〜と非常に短い期間で採用活動が進行していきます。他にもマスコミ業界、コンサルティング業界、IT業界は選考・内定の動きが早目となります。逆に選考時期が遅くなっているのは公務員やアパレル業界で、公務員は大学4年の4月に地方公務員、総合職の国家公務員、6月から一般職の国家公務員の選考が開始します。アパレル業界は大学4年の6月以降に開始する傾向にあります。

まとめ

2020年の新型コロナ感染拡大以降、企業の採用活動の在り方も大きく変わってきており、近年は説明会やインターンシップ、面接をオンライン上で実施するところも増えてきました。これにより訪問の時間や交通費を削減できる、遠方から応募し易くなった等のメリットがある一方で、職場の雰囲気が分かりづらくなったというデメリットも生まれています。そのため今後も就活の仕方や要する期間等は変化し続ける可能性があります。それでも現時点で就活においてやるべきことには変わりがないので、今回の記事を参考に早いうちから向う数年間の大まかなスケジュールを立てておき、充実した学生生活を送ったうえで、余裕を持った早めの就職活動を始めてみてはいかがでしょうか。