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はじめに

2022年の現在、私達の生活の中にはインターネットを利用したサービスが溢れており、一般企業の提供するサービスだけではなく日本での確定申告や、海外では選挙までもがオンライン上で可能になっており、いまや生活インフラの一部となっています。それと同時にWebサイトやWebアプリ、業務システム等インターネットを通して利用するWebサービスもなくてはならないものとなっています。そんなWebシステムの開発に携わるITの仕事は様々な職種に分類されています。今回はWeb開発に関する職種、また利用されるプログラミング言語、キャリアパス、Web業界の将来性について紹介していきます。

Web開発に利用される言語について

Web開発は大きくBtoB(Business to Business)、BtoC(Business to Customer)、CtoC(Customer to Customer)のシステム、社内システムに分けられます。またアプリ開発がWeb開発の一部に含まれることもあり、サービスによってネイティブアプリ、Webアプリ、ハイブリッドアプリといった種類のアプリが開発されます。この項目ではそれらWeb開発で利用されるプログラミング言語をフロントエンド、バックエンドに分けて紹介します。

なおこのフロントエンド、バックエンドという言葉は主にWeb開発の際に使われる言い方で、フロントエンドはユーザー側がブラウザやアプリを介して直接触れる画面の開発をメインで行う側のことを表しており、クライアントサイドと言うこともできます。対するバックエンドは、フロントエンドの機能を通して行われた操作をサーバー側で内部処理する部分のプログラムを開発する側で、サーバーサイドと言うこともできます。

フロントエンド(クライアントサイド)

フロントエンドで利用されるプログラミング言語はJavaScriptが挙げられ、近年のフロントエンド開発ではほぼJavaScript一択と言っても良いでしょう。その他にはマークアップ言語としてHTMLやCSS、XML等を利用してサービスのインターフェースが構成されています。マークアップ言語が画面デザイン等の静的な部分を構成し、JavaScriptではデータの取得や画面の一部分のアクション、更新等の動的な部分を構成します。

バックエンド(サーバーサイド)

バックエンドでは様々な種類のプログラミング言語がされ、フロントエンドとして紹介したJavaScriptもフレームワークを利用することでバックエンドの言語として利用することもできます。その他の言語としてはPHPやJava、Ruby、Python、Perl、Windows用のシステムを開発する場合はVBScript、ASP.netと言った言語が使用されます。なおJavaScriptとJava、PHPといった言語は長い間、需要ランキングや人気ランキングの上位を占める言語となっています。

PHPはWeb開発に相性が特に相性が良い言語とされていて、簡単なところではWebサイトのお問い合わせフォームを構築する際に利用されます。またECサイトにおけるカートの構築に使用される場合もあります。ブログやホームページを作成できるCMS(Contents Management System)で近年主流となっているWordPressの開発にもPHPが利用されていて、WordPressで利用できるテーマやプラグインにおいてもPHPでの開発が行われています。

Javaは1990年代半ばにリリースされた言語でWebシステムだけではなく組み込み系システムや大規模システム、ゲーム等幅広い分野で長い間利用されている言語です。Javaで構築したプログラムは、JVCという仮想マシンをインストールすることでOSに依存せず動作可能、オブジェクト指向のプログラミングが取り入れられているという点が大きな特徴です。

Rubyはシンプルなコードでプログラミング可能という点が大きな特徴で、初心者でも習得しやすい言語です。またJavaと同じオブジェクト指向を前面に取り入れた言語で、Webサイトやアプリの他、ECサイトやSNSにおいてフロントエンドとバックエンド両方の構築が可能です。なおフレームワークが充実していて、有名なフレームワークにはRuby on RaisやSinatra、Padrino等があります。

Pythonは1990年台前半に登場した言語ですが、統計処理や計算処理が得意な言語ということもあり近年は機械学習やディープラーニングのシステム開発に多く利用されている傾向にあります。もちろんWebシステムやアプリ、ゲームの開発にも利用できる言語で、Web開発系のフレームワークも充実しています。またRuby同様、シンプルで少ないコードでのプログラミングが可能という特徴も持ち合わせています。

近年は案件数が減ってきてはいますが、Web開発に利用されることの多いPerlという言語もあり、PHPと同様にWeb上の動的なコンテンツを作成する際に使われます。perlの登場はPHPやPythonよりも古く1987年に一般公開されていて、初めはテキスト処理、ファイル処理といった利用に限定されていましたが、その後対応可能な機能が増えていきました。コンパイルが不要なインタプリタ型であるにもかかわらず処理が早く、記述もシンプルで初心者でも習得しやすいという特徴があります。

VBScriptやASP.netはWindowsOS向けのシステム開発で利用される言語で、VBScriptはMicrosoft製品のExcelでも利用されるスクリプト言語です。なお動作するブラウザはMicrosoftのInternetExplorerの過去バージョンとなり、Microsoft Edgeでは動作しないため、利用されるシステムは限られているのが現状です。またASP.netは言語ではなくWebアプリ開発用のフレームワークで、HTML等に詳しくなくても簡単にWebアプリの開発が可能という点が特徴です。

Web開発に携わる職種について

Web開発では多くの職種の人がプロジェクトに参加し、業務を遂行していきます。フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、Webデザイナー、Webディレクター、Webエンジニアが主な職種ですが、企業によってはさらに細分化されている場合、逆に複数の職種を兼任している場合もあります。

フロントエンドエンジニアはプログラミング言語の項目で紹介したように、HTMLやCSS、XML、JavaScript等の言語を利用して画面の開発をメインで担当する職種です。バックエンドエンジニアはPHPやRuby、Java等を使用して、サーバー側のシステムを開発する職種となります。

Webデザイナーはサイトやアプリのデザインやレイアウトそのものを発案したり、作成したりする職種で、AdobeのIllustratorやPhotoshop等のソフトウェアを利用してイラストデザインや画像を作成します。自社の案件ではなくクライアントからの依頼がある場合は、クライアントの要望を忠実に汲み取るために打ち合わせ等を繰り返します。場合によってはフロントエンドエンジニアの領域であるHTMLやCSSでのコーディングを行うこともあります。

WebディレクターはWeb開発の現場におけるマネジメントを担当する職種です。プロジェクトにおける進捗管理や予算管理、トラブル対応を行って現場をまとめるだけではなく、クライアントや社内の経営層と現場の仲介役のような動きが求められます。

WebエンジニアはWeb開発で必要となるサーバーやネットワーク、データベースといったインフラ一式を設計・構築し、システムの稼働後は引き続き運用・保守を担当する職種です。そのためプログラミングの知識はもちろん、サーバー、ネットワーク、データベースの仕組み、利用する機器の物理的な知識といったITシステム全般の幅広い知識が必要とされ、さらにはIT業界のトレンドな情報をいち早く掴めるようなアンテナの高さも求められます。

Web開発の仕事をした場合のキャリアパスは?

Web開発でのキャリアパスとしては、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、Webデザイナー、Webエンジニアを経験した後にWebディレクターやWebコンサルタント、フルスタックエンジニアを目指すといったものが一般的です。なおWebコンサルタントとはWebサービスを使ってクライアントの抱える問題を解決に導いたり、企業のWebサイトの有効活用やECサイトの売り上げアップする方法を提案したりといったコンサルティング業となります。フルスタックエンジニアは、Web開発の現場において今回紹介した職種のほとんどを網羅できる知識やスキルを持ったエンジニアを指し、マネジメントではなく、継続してWeb業界での技術力を極めたい場合に目指す職種となります。

Web業界の将来性

IT業界の中でもWeb業界は特に市場規模が拡大しており、それは世界的に見ても同様です。有名な企業で言えばApple、Amazon、Microsoft、Facebook等がWeb業界に該当します。さらに分野を絞るとスマホアプリ開発の需要が今後さらに伸びるとみられていて、Andoroidアプリ作成向けの言語「Kotlin」やiOSアプリ作成向けの言語「Swift」といった言語の開発も進んでいます。またAIやディープラーニングといった最新技術も次々とWebシステムに取り入れられていく傾向にあるため、今回紹介したPythonを扱えるスキル等を持っていると、より多くの企業やWeb開発プロジェクトで活躍できることでしょう。なおWeb業界で将来性の高い言語はJavaやPython、Go言語等が挙げられます。

まとめ

Webはこれからも発展が見込める業界であるのでWeb開発の職種は安定して仕事がある可能性が高いと言えますが、一方で新た技術がスピード感を持って次々と入ってくるため、長い間Web業界で活躍するには常に最新情報にアンテナを張りながら、既存のスキルに満足せずスキルアップし続ける意欲を持つ必要があります。Web開発の分野への就職・転職を希望している人はぜひこの記事を参考にしていただいたうえで、自分のやってみたい分野、興味を持った分野についてさらに調べて志望先や職種を検討してみてはいかがでしょうか。就職後は自分の得意分野を作ったうえで、新たな知識やスキルを身につけていきましょう。