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  • 「アプリを作りたい」を叶えるツール。

スマホ用のアプリはどうやって作る?

今や生活必需品と言ってもいいほど私達の日常生活になくてはならないものが、スマートフォン=スマホです。地図や乗り換え検索、おかずレシピやSNS、メッセンジャーアプリまで、私達は様々なアプリを日々使っています。現在一般に販売されているスマホはGoogleが開発した「アンドロイド(Android)OS」を搭載したもの=アンドロイド系スマホと、Appleが開発したiOS搭載のiPhoneという2種類に大別されています。全世界的な「端末の出荷台数」では、iPhoneよりも価格帯に幅があるアンドロイド系スマホのほうが多くなっています。

では、アンドロイド系スマホやiPhoneなどで日常的に使われている「アプリ」はどうやって作られているのでしょうか?基礎的な話になりますが、アンドロイド系スマホ向けに作られたアプリはiPhoneでそのまま使うことはできず、iPhone向けに作られたiOS用アプリをアンドロイド系スマホでそのまま使うことはできません。

スマホアプリに限らず、PC用のアプリも含めた全てのアプリはプログラミングによって制作されますが、映画やドラマに出てくるような「真っ黒な画面にひたすら文字列を記述する」といった作り方はされません。実際にスマホアプリを制作する際には、専用の開発ツールを使用することになります。

スマホ用アプリを作るためには専用ツールが必要

スマホで使われるアプリを作るためには「専用の開発ツールが必要」であると紹介しました。では「専用の開発ツール」とは何でしょうか?

スマホアプリは他のITプロジェクトと同じようにプログラミングによって制作されます。例えばWebサイトなどを制作する際にはHTML・CSS、JavaScriptやPHPなどの言語を使用しますが、Webサイトを制作するWebエンジニア達はプログラミング言語を全て手作業で記述するわけではありません。いわゆる「予測変換」のような機能を持つプログラミングを補助してくれるツール(=ソフトウェア)を使って開発を行います。

スマホアプリの制作も同様で、アンドロイド用もiOS用も、専用の開発ツールが用意されており「統合開発環境(=IDE)」と呼ばれています。アンドロイド用の統合開発環境は「アンドロイドスタジオ」、iOS用の統合開発環境は「Xcode」というものがあります。

アンドロイドスタジオやXcodeなどの統合開発環境の特徴は、プログラミングソースコードの記述と補助、ローカルビルド機能、デバッグ機能などが1つのツールとしてまとまった形になっていることです。アンドロイドスタジオやXcodeなどを使わずにアプリを制作しようとすると、ソースコードの記述を行った後に別の形でローカルビルド、つまり「ソースコードを読み取りアプリとして動く形に生成する」作業を行う必要があり、さらにアプリとして設計通りに動くかどうかなどのバグチェックも手動と目視で行わなければなりません。アンドロイドスタジオやXcodeなどの統合開発環境はこれらの機能を1つにまとめてあるため、極端な言い方をすればソースコードを書いた後は「ボタン1つでデバッグまでできる」とも言えるツールなのです。

アンドロイド用アプリを作るなら「アンドロイドスタジオ」が必要

スマホ用のアプリはアンドロイド用でもiOS用でも、いずれの場合でもPCによるプログラミングによって作られます。そしてその際に使用されるのが「アンドロイドスタジオ」という統合開発環境です。iOS用のアプリはXcodeというMacでのみ動作する統合開発環境を使いますが、アンドロイドアプリを開発するための統合開発環境であるアンドロイドスタジオはWindowsでもMacでも動作させることが可能です。

アンドロイドアプリの開発にはJava、Kotlin、C言語、Rubyの4言語を使うことができ、もちろんこれらの言語を記述して開発を行うこともできるのですが、書いたソースコードをアプリの形式に仮組みし、擬似的に動かしたりエラーの有無をチェックしたりするという多岐にわたる操作を行うためには、それらを1つのソフトで行える統合開発環境であるアンドロイドスタジオのインストールを行い、使うことがベストです。

統合開発環境を使用する理由として、ローカルビルドやデバッグまでも行えるということは大きな理由の1つではありますが、実際にプログラミングをするとなった場合に最も恩恵を感じるのはコードの補完機能を目の当たりにした時でしょう。

自分で1からソースコードを書くことも大切ではありますが、全てのコードを覚えるわけにはいきません。また、アプリの設計図や仕様書などを見ながらコーディングしていれば、スペルを間違えることもあるでしょう。しかし統合開発環境を使ったプログラミングを行っていれば、必要なコードをある程度記述したところで「予測変換」をしてくれて、ソースコードの記述内容を自動的に補完してくれる機能を使うことができます。

アンドロイドスタジオを使うには

アンドロイドスタジオは公式Webサイトから無料でダウンロードすることができます。公式サイト内に使い方ガイドも載っていますし、インターネット上には世界中にいるアンドロイドアプリの開発者が使い方を説明するブログや説明文がたくさんあります。YouTubeなどの無料動画サイトでもアンドロイドスタジオの使い方を解説する動画がアップされていますし、使い方を解説した書籍なども書店で購入することができます。

アンドロイドスタジオの使い方手順としては大きく分けると以下のような流れになります。

1.初期設定

2.プロジェクトの作成

3.名前の設定

4.アプリ公開時の名前の設定

5.アンドロイドOSの対応バージョン設定

6.テンプレートの選択

アンドロイドスタジオの初期設定を行い、「○○アプリの制作」という開発作業全体の名前を決め、アプリの名前、アプリ公開時の名義を決め、アンドロイドのどこからどこまでのバージョンで利用できるかを設定し、使えるテンプレートがあれば選択する。ざっくりとした使い方は以上の手順になります。

この一連の作業でアプリ開発プロジェクトを作成した後は、実際にソースコードを記述していくことになります。アンドロイドスタジオそのものの使い方としてはそれほど複雑ではありません。しかし、制作したいアプリに対応した適切なソースコードの記述まで含めた使い方となると、別途調べたり使い方についての検証を行う必要も出てくるでしょう。

どのような分野のどのようなツールでも同様ですが、使い方を学ぶ事自体は実際には難解というほどではありません。しかし使い方を知るだけなのと、使い方を身につけて使いこなすというのは少し別の話になるので、アンドロイドスタジオの使い方をしっかり身につけて理想的なアプリ開発に進んでいきましょう。

アンドロイドとiOS、アプリを作るならどちらがオススメ?

もし今「アプリを作りたい」と思ったら、アンドロイド向けアプリかiOS向けアプリ、どちらを作るのがオススメなのでしょうか?結論から言うと「現時点での世界的なシェアの観点で判断すればアンドロイド」ということになります。理由は次の通りです。

アンドロイドとiOSのシェア

公共交通機関の中などで目にする限りでは、日本ではiPhoneを所有し使っている人が多い印象があります。実際に2020年度の日本における「OSシェア」はiPhoneが65%、アンドロイドが35%となっており、日本においてはiOS=iPhoneを使っている人が多くなっています。

しかし視線を全世界に向けてみると、アンドロイドのシェアが約75%、iOSが約25%であるとされています。Apple製品は世界的に見ても比較的高価な部類に入る製品が多く、国によっては購入できる層は限られている場合があります。日本は平均所得が世界の中でも高めであり、且つ携帯キャリアによるキャンペーンが豊富なため世界的にもiPhoneを購入しやすい環境にあります。アンドロイドはGoogleが開発しているスマホ用OSですが、アンドロイドを搭載可能なスマートフォン本体=端末は世界中の様々なメーカーが開発し発売しています。

そのためアンドロイド搭載スマホは高価な高機能端末もありますが、機能的には限定されつつも最低限の使用は可能で、尚且つ価格が安い端末が多く販売されています。このような背景があるため、世界全体で見た場合にはアンドロイドの方が高シェアになっているのです。

つまり、日本のみで使用するアプリという観点ではiOS用アプリを開発するほうが広まりやすいという見方もできますが、スマートフォン市場全体という観点で見れば、アンドロイド用アプリを開発したほうが世界的な拡散力は高いと考えることも可能です。

アプリをリリースした後の拡散性

前述の通り、世界的にはアンドロイドの方がシェアは高く、アンドロイド搭載端末の流通量がiPhoneを上回っていることになります。これはiPhoneがAppleによる「ハードとソフトの一括生産」が行われているのに対して、アンドロイド搭載スマホの場合は「OSと端末の開発・販売元が別々」であることが大きな理由だと言われています。

iPhoneの場合はAppleが自社で生産したiPhone端末にiOSをインストールし、各国の販売店・取引先に出荷します。しかしアンドロイドの場合、OSそのものはネット上から各端末メーカーがダウンロードし、自由にカスタマイズを加えた上で自社の端末に最適な状態に仕上げるか、開発可能な端末で動作する範囲の機能をインストールして販売することになります。端末のリリースまでにかかる時間がアンドロイド搭載スマホの方が早いのはこれが理由です。

尚且つiPhoneは世界的に見ても価格が各国で一定水準が高めに維持されていますが、アンドロイド搭載スマホの場合は新興国では新興国向けの端末価格があり、ハイエンドな高機能端末を求める先進国やユーザーには高機能高品質な端末価格で販売するという「幅の広い」商品展開が可能になっています。

そのためiPhoneよりもアンドロイド搭載スマホの方が様々な層に波及しやすく、端末の流通量が多いため1つのアプリが「バズる」と一気に世界的な流行になりやすい「高い拡散性」を持っていると考えられているのです。

こうしたことから、世界的な市場を狙うのであればアプリ制作はアンドロイドがオススメ、と考えられます。

まとめ

アンドロイドアプリを制作するための統合開発環境である「アンドロイドスタジオ」とその使い方についてご紹介してきました。IT時代における最新のものづくりとも言えるアプリ開発は、開発ツールを無料で手に入れることができ、使い方も工夫次第で費用をかけることなく身につけることも可能な分野です。これからアンドロイドアプリを開発し、世界中の人々に便利なツールを提供したい、という夢を叶えることは十分に可能な分野だと言えるでしょう。アンドロイドスタジオの使い方をマスターし、アプリ開発者への第1歩を踏み出しましょう。