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システムベンダーについて

システムベンダーとは、企業や行政の情報システムの構築・運用などの業務を一括して請け負う事業者のことです。
「システムインテグレータ」、「システムプロバイダ」、「Sler(エスアイヤー)」等の別名もあります。
「メーカー系」、「ユーザー系」、「独立系」の3つに分けられます。
●「メーカー系」
ハードウェア・ソフトウェア企業の開発部署から独立して生まれた
●「ユーザー系」
主に親会社(ユーザー企業)のシステム開発に関連した案件を受注する
●「独立系」
特定のクライアントを持たずに独立した経営を行う

業務内容

顧客の業務内容を分析し、必要な情報システムの企画や設計、ソフトウェア開発、システムを構成するハードウェアやパッケージソフトの調達、現場への設置やシステム構築、実際の使用者(エンドユーザー)の教育・研修などを総合的に行います。
ある規模以上のシステムベンダーは、営業や企画、設計などの「上流工程」や、顧客窓口やプロジェクトの進捗管理、下請け企業との受発注管理などの「管理・調整業務」に特化しています。

IT業界におけるベンダーの意味

ベンダーとは、「販売会社」の意味で、製品を消費者・ユーザーに届ける役目を持ちます。

メーカー・サプライヤーとの違い

ベンダーと関連する用語に「メーカー」と「サプライヤー」があります。それぞれ、どのような役目をしているか紹介します。
●「メーカー」
メーカーは「製造すること」が役目で、ベンダーが販売する製品を造っています。
●「サプライヤー」
サプライヤーは「供給すること」が役目で、立場によって意味が異なります。
自動車メーカーの場合→製造に必要な部品を供給する会社を「サプライヤー」と呼ぶ
小売業の場合→商品を店に卸すメーカーが「サプライヤー」となる
IT業界の場合→実際の開発業務を行う事が多く、重要な役割を担う
(例).とある会社Aがクライアントからシステム開発の依頼を受ける→会社Aは、そのシステム開発を協力会社Bに委託する。この時、会社Bは会社Aにとっての「サプライヤー」となる
このような状態になるのは、IT業界の構造が「ピラミッド型」になっていて下請けでの業務活動が一般的であるからです。
ゆえに、中には、会社A→B→Cと1次請け〜3次請けのように、サプライヤーチェーンが起きやすいです。

ベンダーの種類

システムベンダー以外にも他のベンダーは存在し、それぞれの役割を持って活動しています。

ITベンダー

ITベンダーはIT製品を販売する企業です。扱う製品の種類によって、以下の2つに分かれます。
●「ハードウェアベンダー」
パソコンや家電製品など、実際に触れることが出来る製品を取り扱います。一般消費者向けの製品だけではなく、法人向けにサーバー等の製品も取り扱います。
●「ソフトウェアベンダー」
ウイルス対策ソフトや会計ソフト等、特定のシステムを取り扱います。
また、ハードウェアベンダーとソフトウェアベンダーは、取り扱う製品の幅によって、以下の2つに分かれます。
●「シングルベンダー」
特定企業の製品のみを扱います。システム構築をする際に、特定企業の製品のみで構築する手法も意味します。
●「マルチベンダー」
複数の企業の製品を扱います。システム構築をする際に、複数の企業製品を組み合わせる事で、柔軟なシステム構築を可能にします。
一見すると、マルチベンダーの方が良いように思えますが、必ずしもそうではありません。シングルベンダーのメリットは、1つの企業のみの製品だけなので、製品や周辺機器の間で互換性の恩恵が受けられます。その為、マルチベンダーと比べて、システム構築が容易になります。

開発ベンダー

開発ベンダーは、開発と販売を手掛けるベンダーです。IT業界では、製造元=販売会社という例がいくつもあります。
(例).「富士通」、「日立製作所」等

セキュリティベンダー

ウイルス対策ソフトを初めとしたセキュリティソフトや関連サービスに特化し、それらを開発・提供するベンダーです。
主な企業として、「トレンドマイクロ」、「マカフィー」、「シマンテック」等があります。

ベンダーを使ったビジネス用語

ベンダー資格

ベンダー資格とは、民間資格の1つで、「自社製品について一定以上の知識・技能を持っていること」を示す資格です。
このような民間資格は、実務に使えるスキルの証明として利用され、その為に取得を目指す人が多いです。

ベンダープレフィックス

ベンダープレフィックスはIT用語の1つで、「拡張機能を示すブラウザの識別子」を指します。
ブラウザのベンダーが、独自の拡張機能や検討中の機能を実装する場合に用います。
「Google Chrome」(対応ブラウザ)→「-webkit-」(接頭辞)
「Microsoft Internet Explorer」(対応ブラウザ)→「-ms-」(接頭辞)等があります。

ベンダーコード

ベンダーコードは、製造元を表す識別番号(Macアドレス)のことです。
例えば、私達が使用しているパソコンには、「11-22-33-44-55-66」のように12桁の番号が書かれたシールが貼られています。
前半6桁は「OUI(Organizationally Unique Identifier)」と呼ばれ、製造ベンダーを表しています。後半6桁は「ベンダー管理番号」と呼ばれ、製造ベンダーの造った機種の識別に使われています。これにより、製造元の特定が出来るのです。

ベンダーロックイン

これは、ベンダー(売主)によるユーザーの囲い込みを意味します。
例えば、パソコンのソフトウェアは使い慣れたモノが便利で、新しいモノに乗り換えるより統一した方が、互換性からもコストから見てもメリットがあります。
そうしたユーザー心理も後押しになり、大手の開発ベンダーがベンダーロックインを行う事例が見られるそうです。

ベンダーコントロール

ベンダーコントロールはIT業界における職種の1つで、開発プロジェクトに必要なエンジニアを取りまとめる役目を果たします。
どんなエンジニアが必要か、何を何処に(又は誰に)依頼するか、といったマネジメント業務を専門とします。

まとめ

ITベンダーや開発ベンダーと比較して、システムベンダーの異なる所は「他ベンダーがシステムの導入までの支援で終了するに対し、システムベンダーは、加えて運用・保守まで支援する」、「他ベンダーは製造した製品を販売するに対して、システムベンダーは、クライアントから要望を聞いてから開発・提供する」という点にあります。日本では、大企業や官庁がオーダーメイドのシステムを、1つのシステムベンダーに一括発注する傾向が強く、これによりシステムベンダーの企業は大きな発展を遂げてきました。