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  • 高年収が狙えるGolangの求人市場

200以上が存在するといわれるプログラミング言語から、どれを優先して学ぶべきなのか、ITエンジニアの多くが次のチョイスに悩んでいるのではないでしょうか?トレンドの移り変わりが激しいIT業界を生き残るには、ニーズの高いスキルを身に付けることが、仕事につながる重要なポイントだからです。現在であれば、Go言語、あるいは単にGoとも呼ばれる、Golangがその筆頭に挙げられるでしょう。業界トップクラスの年収が狙えるという、Golang求人の噂を耳にしているエンジニアの方も少なくないかもしれません。

では本当に高年収が狙えるのか?未経験でもGolangにチャレンジ可能なのか?どんな仕事があるのか?将来性は有望なのか?など、さまざまな疑問を抱いている方も多いでしょう。そんなエンジニアの方に向け、Golang求人市場の実態や将来性についての詳細を解説していきます。

Golang(Go言語)の特徴

Golangは、Googleによって開発された静的型付き・コンパイル型のオープンソースプログラミング言語です。C言語やC++を置き換えることを目的とするGolangは、2009年に開発された比較的新しいプログラミング言語です。C言語の開発者であるKen Thompson氏をはじめとした著名エンジニアが開発に携わっているうえ、Googleで活用されているという安心感から近年Golang人気が爆発的に高まっており、複雑な大規模開発に最適な数多くの工夫が盛り込まれているのが特徴です。簡単に解説していきましょう。

シンプルでわかりやすい構文

C言語などと同じ手続き型言語に分類されるGolangは、コーディングの仕方が限定される静的型付き言語として、迷いのないシンプルな記述が可能なほか、わかりやすい構文・文法になるような工夫が施されているのが特徴です。例えば、C言語では「for」「while」などの繰り返し構文が使用でき、条件分岐を多様に記述できますが、Golangの繰り返し構文は「for」のみです。fmtパッケージによってコードが書式化されていることもあり、統一感のあるコードを記述できるだけでなく、コードレビューが容易だというメリットも生まれます。

マルチプラットフォーム

リリース当初はLinux、MacOSのみの対応だったGolangも、2013年にはWindows対応を果たし、現在ではiOSやAndroidなどのスマートフォンOSも含めたマルチプラットフォーム対応を果たしています。比較的簡単に開発環境を整えられるのもメリットであり、macOSの開発環境でコーディング・コンパイルしたexeファイルをWindowsで展開する、Linuxの開発環境でmacOS、Windowsの実行ファイルを作成するなども可能です。開発に際して複数のOSを用意する必要がない点は、Golangの大きな特徴のひとつだといえるでしょう。

高速で安全な処理

ソースコードを機械語に全面的に翻訳・実行する、コンパイル型のプログラミング言語であるGolangは、インタプリタ型のPHP、Pythonなどよりも実行速度が速いという特徴を持っています。マルチタスク機能が標準装備されているのもGolangのポイント。マルチコアのPCに即座に対応できる並列処理をソフトウェア側で実装できるため、より高速で効率的なプログラムの実行が可能になります。

タイプセーフであるGolangは、エラーのない安全なプログラム実行が可能なのも特徴といえるでしょう。型に対して決められた定義とパターンを持つGolangは、最初から異なる種類のデータ比較をしない仕様になっているためエラーの心配がなく、メモリリークのリスクも抑制できます。

初心者でも学習しやすい

C言語と記述の仕方が似ているGolangは、よりシンプルでわかりやすい構文・文法を持っているため、プログラミング初心者であっても比較的学びやすいのが特徴です。開発環境を整えやすいのもポイントであり、コンパイラを実行する必要はあるものの、実行時のエラーコードがすぐにわかるため、初心者が間違いを発見したり修正したりするのにも役立ちます。Golangと同じコンパイル型のC言語、C++はもちろん、Python、Ruby、Javaなどからの移行する場合も学習コストを低く抑えられます。

Golang(Go言語)エンジニアの仕事

シンプルで安全、そして複雑な大規模システムに適しているという特徴を持つGolangは、言語としての進化とともにますます活用場面が拡大しています。例えばGolangには、iOS / Androidネイティブアプリ開発用パッケージ「Go mobile」があり、モバイルアプリ開発にも対応できます。しかし、Kotlin、Swift、Javaほどには最適化が進んでいないのも事実であり、Golangはフロントエンド開発に弱い一面も持っています。現時点でのGolangエンジニアの仕事はサーバサイド、バックエンド開発が主流だといえます。

Webサーバ構築

Golangには、標準で「net / httpパッケージ」が用意されており、このパッケージを活用することで安全なWebサーバを簡単かつ効率的に構築できます。シンプル・安全・高速というGolangが持つ特性はWebサーバ構築にもピッタリであり、複雑な大規模システムに適しているという特性は、スケーラビリティにも大きく貢献できます。オンラインストレージのDropboxなどがGolangを採用しており、その汎用性の高さから活用がさらに拡大すると予想されています。

Webアプリケーション開発

某フリマアプリで知られる企業が業務の中心として活用するなど、サーバ構築だけでなくWebアプリケーションの開発にもGolangの採用が広がっています。Gin、Revel、EchoなどのWebアプリケーションフレームワークも活用できるため、フレームワークを利用した効率的な開発も可能でしょう。サーバ・アプリケーションどちらもGolangひとつで構築できるメリットは計り知れません。

CLIツール開発

キーボードでコマンドを打ち込んで操作するためのツール、CLI(コマンドラインツールインターフェース)を開発するのにもGolangが活用されています。クロスコンパイルでマルチプラットフォームに対応するCLIを開発できるのもGolangの強み。Webサーバ構築と同時にCLIも開発してしまうなども考えられるでしょう。

Golang(Go言語)エンジニアの求人例

それでは、具体的にどのような求人があるのか?Golangエンジニアを目指す方が開発案件のイメージを描きやすいように、公開されているフリーランス向け求人情報をいくつか紹介してみましょう。あるフリーランスエージェントでのGolang求人数は、検索時で約280件ありました。

物流倉庫自動化システム開発
・必須要件:Webシステム開発経験2年以上、Goによる開発経験
・歓迎要件:プロジェクトマネジメント経験、AWS設計・構築経験
・待遇:PM、〜85万円/月

フリマアプリ向けキャッシュレス決済サービス開発
・必須要件:Goによる開発経験、ゼロからのDBテーブル設計経験
・歓迎要件:アーキテクチャ・フレームワーク・ライブラリの提案経験
・待遇:SE、〜95万円/月

AI搭載人事採用システム開発
・必須要件:Webアプリ開発経験、Goによる開発経験
・歓迎要件:MySQLの経験、AWS設計・構築経験
・待遇:SE、〜75万円/月

AWSクラウドアプリ開発支援
・必須要件:AWSクラウドの知識、Goによるアプリ開発経験
・歓迎要件:基本設計以降の経験3年以上
・待遇:SE、〜85万円/月

建築クラウドシステムサーバサイド開発
・必須要件:Webアプリのサーバサイド開発経験2年以上、Goによる開発経験
・歓迎要件:マネジメント経験、フロントエンド開発の経験
・待遇:SE、PG、〜115万円/月

Golang(Go言語)エンジニアの年収は?

フリーランス向けのGolang求人案件は、月80万円台がもっとも多くなっており、求人案件全体の約半数を占めています。具体的に紹介した案件例には100万円を超えるものもありましたが、最高で125万円、平均値は82万円と、プログラミング言語のなかでもトップクラスの高収入が狙えるようです。ただし、月50万円を切る案件も3件とわずかながら存在しており、Golang求人だからすべてが高額報酬というわけにいかないのも事実です。

一方、2020年のプログラミング言語別会社員給与の調査によれば、Golangの下限平均年収は約470万円で全体の2位に付けており、ランキング1位のR言語との差も誤差の範囲内です。Golang全体の平均年収は約600万円、最高年収は約1,600万円ともいわれており、2018年のランキング1位からわずかに後退したとはいえ、現在、もっとも高収入が狙えるプログラミング言語であることに変わりありません。

Golang(Go言語)エンジニア求人の特徴

Golang求人の報酬、年収が高額なのは、需要の高まるサーバサイド開発をはじめ、複雑で大規模なシステム開発に最適というGolangの特徴のほかに、まだまだ優秀なエンジニアの絶対数が足りない稀少言語だというのも関係しています。例えば、上述したフリーランスエージェントの求人を見てみると、Javaが約2,000件、JavaScriptが約1,400件、PHPが約1,300件、Pythonが約500件となっています。Kotlinの200件よりは多いものの、Golangの求人数はまだまだ多くはないといえるでしょう。求人例からもわかるように、サーバサイド開発案件が多いのも特徴です。

未経験でもGolang(Go言語)エンジニアになれる?

Golangの求人には、Webサーバやパブリッククラウドの設計・構築経験があれば、趣味程度の知識でもOKという案件もあります。C言語やPython、Rubyなどの実務経験があれば、Golang未経験でも参画できるプロジェクトが見つかるはずです。また、第二新卒程度までなら、実務経験なしの初心者でもGolangエンジニアとして採用している企業もあるようです。ただし、自身でGolangを習得する意欲や、ポートフォリオの充実などを怠っているようでは採用もままならないでしょう。

高年収求人に求められるスキル

高年収が狙えるGolangといえども、コーディングやテストを担当しているだけではキャリアアップは望めません。フリーランス求人案件を見てもわかるように、高報酬の案件ではマネジメントの実務経験が求められており、Golangではサーバ設計・構築、アプリケーション開発を含むサーバサイドの知識・スキルを磨いていくのがポイントです。ネイティブアプリ開発にGolangが採用されるケースも徐々に増えていますが、その場合はSwift、Java、Kotlinなどのスキルも備えておくべきでしょう。

Golang(Go言語)の将来性

開発元でもあるGoogle自らが積極的に活用していること、需要の高まるサーバサイド開発への採用が進んでいることから、Golangの将来性を有望視する声は大きいといえます。実際、サーバサイド開発を中心に案件数は増加傾向にあり、国内外を問わずに大規模サービスへのGolang採用事例も増えています。ただし、Golang人気を支えている要因に、Googleに依存している部分が少なからずあることを忘れてはいけません。Golangだけに集中するのではなく、幅広い視点でキャリアパスを描いていくのが重要です。