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現代社会で求められる人材とは?

社会人として仕事をし、様々な環境で業務に携わっていると多種多様な人と巡り会います。それぞれが異なる能力で高い実力を発揮し、困難な状況でも「この人がいれば何とかなる」と便りにされている人。普段はさほど目立っているわけではないにも関わらず、蓋を開けてみればいつも効果的な業務調整をしてくれていたと後から気づく人。色々なタイプの能力を発揮する様々な人と出会うことでしょう。

ここで例に挙げたどちらのタイプの人材も、業務上求められるタイプであることに変わりはありません。では実際に現代社会で求められる人材とはどのようなタイプの人なのでしょうか?人にはそれぞれ得手不得手というものがあり、できることとできないことも人それぞれ異なります。

この記事ではいくつかの例を挙げて考えてみることにします。

業界ごと、職種ごとに求められる人材は異なる

社会人向けのセミナーや書籍などで「求められる人材になってキャリアを築きましょう」という内容が語られるのを目にしたり耳にしたりすることがあると思います。しかし、実際には「求められる人材」というのは各業界、さらに各職種で大きく異なり多種多様であると言えます。

全体論として考えた場合には「自分の意見がありながらも周囲のアドバイスに耳を傾ける謙虚さがあり、未知のものに挑戦する勇気もあって吸収力の高い人」などは確かに求められる人材だと言えるのかもしれません。しかし「自分の意見」を出しすぎてしまうと自己主張が強すぎると思われることもあるでしょう。周囲の言葉に耳を傾けていると思っていても、あまり自分を出さない人だと思われてしまうこともあるかもしれません。

抽象的に語られる「求められる人材」像が、果たして自分が置かれた環境に当てはまるものなのかどうかは、よく考えてみる必要があるでしょう。

同じ業界でも会社や職場、部署によって求められる人材は異なります。経理部門で求められている人と、倉庫で求められる人は違います。そのため、必然的に「今自分が置かれた状況で、どのようなことが求められているか」ということを考え、実践できる人は重宝されると考えて良いでしょう。経理に配属されたのに倉庫で行うような力仕事を懸命にやろうとしても評価はされませんし、倉庫に配属されて力仕事を求められているのにExcelのシートを作り出す人は歓迎されることはありません。

IT業界で求められる能力、求められる人材とは?

ここ数年に渡ってずっと「人材不足」と言われているIT業界の場合はどうなのでしょうか?日本のIT業界では「エンジニアの人材不足」が2030年頃まで続くと言われていて、その数は70万人に及ぶとも試算されています。しかし、いくらエンジニアが不足しているとは言っても「エンジニアなら誰でもいい」というわけではないのが現実です。

このように分解して見ると、IT業界では次のようなことが言えるのではないでしょうか。

ITエンジニアが足りないため、それぞれの職場やプロジェクトに合致したエンジニアが求められている。

そして、求められるスキルもそれぞれの職種によって異なります。プログラマー、システムエンジニア、Webデザイナーなど、ITエンジニアにも様々な職種があり、それぞれの職種が携わるプロジェクトは異なります。

プロジェクトが異なるということは行う業務内容も異なりますので、当然求められるスキルも異なることになるのです。例として、いくつかの職種で求められるのはどんなことなのかを挙げてみましょう。

プログラマー

プログラマーは設計者によって作られた仕様書や設計書に基づき、要求される機能の実装を担当する職種です。世の中に存在するシステムやアプリケーションは、ほぼ全てプログラマーの手によって実装されています。その意味では、プログラマーほどIT業界で必須の存在として求められている人材はいないかもしれません。

最終的にソースコードを完成形にし、案件を形にする重要な役割を持っているプログラマーですが、ソースコードさえ書ければ良いというわけではありません。思い込みや前例に従って判断することなく、設計者や発注者がどのような完成形を思い描いているのかを想像し、時には本人に確認しながらプログラムを書いていく丁寧な姿勢が求められます。

システムエンジニア

ITシステム全体の設計を行い、顧客が求めるシステムの全体像を言語化して道筋を立てる役割を担うのがシステムエンジニアです。要件定義や仕様策定から始まり、システム全体の基本設計をしてプログラマーがスムーズにプログラミング作業に移れるよう整理をするのも仕事の一つです。

システムの設計能力が高いことが求められるのは事実ですが、同じ案件に関わる他の業務担当者が作業しやすいように配慮された仕様を考えたり設計したりする能力も求められます。独りよがりな仕様を策定しても周囲の同僚から賛同を得られるとは限りませんし、わかりにくい設計書ではプログラマーの作業に支障が出てしまいます。周囲への気配りができるシステムエンジニアは誰からも必要とされる存在になるでしょう。

Webデザイナー

Webサイト全体の構成やレイアウトをデザインし、いわゆる「サイトの見た目」を作り上げるのがWebデザイナーの役目です。色彩検定などの資格を持っているとその能力を活かしやすい職種としても知られていますが、ただ単純に「見た目」さえ良ければいいというわけではありません。

Webサイトを利用する上で見た目は重要ですが、最も大切なのは「利用者にとってストレスがない」ことです。買い物を目的としたショッピングサイトなのに「購入ボタン」がどこにあるかわからなかったり、そもそも商品検索がしにくい作りになっているようなことがあってはいけません。デザインとしては素晴らしくても、HTMLやCSSを使ってサイトを構築する際に複雑すぎる作業が必要になるデザインは現場を混乱させることにもなりかねません。

以上のことから、Webデザイナーとして求められる人材になるためには「ユーザーの立場に立った考え方」や「後工程の人の立場に立った考え方」が必要だと言えるでしょう。

求められる能力を身につけるために必要なこととは?

ここまでご紹介してきたように、それぞれの職種で求められる能力は異なります。しかし大きな視点で見た場合に共通していることとしては「相手の立場に立って考えられる」ことではないでしょうか。よく耳にするフレーズではありますが、これは「相手のことを尊重する」という意味だけには留まりません。

業務において相手の立場に立って考える場合、相手が普段どのような仕事をしているのか知る必要があります。そして、普段どんな仕事をしているのかを知るためには普段から相手とコミュニケーションを取っている必要があります。一緒に働く相手がどんな状況であれば喜んでくれるのか?どのような準備をしておけば相手の仕事が楽になり、巡り巡って自分の仕事もうまくいくのか?相手の立場、相手の視点に立って考えることと同時に、自分も含めた全体的な視点が身につけば、最終的にはそれぞれの職種で求められる人材として重宝されるようになるのではないでしょうか。

自分が働く環境の中で「ナンバーワン」として求められることは簡単なことではありません。しかし結果としてナンバーワンになれなくても、ナンバーワンを目指すことで得られるものもたくさんあるでしょう。ITエンジニアであれば上を目指す中で得られる知識やスキルは必ず自分の糧になります。また、そうした動きをすることによって自分だけの特徴である「オンリーワン」を手に入れることもできるでしょう。

まとめ

ここまで、現代において求められる人材とはどのような人材かについてご紹介してきました。それぞれの職種で求められる能力は異なりますが、自分が今いる職場や環境の中で向上心を持って取り組むことで自然と周りから必要とされる人材になることができるでしょう。