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Webサービスって何?

そもそも「Webサービス」とは何なのでしょうか?「Web」と名が付く以上、インターネット上のサービスだろうと想像は付くかもしれません。

もともとのIT系サービス

その名の通り「Webサービス」はインターネット上で動作する様々なサービスの総称として使われている言葉です。IT系のサービスはインターネットが現在ほど一般レベルまで普及していなかった時代、ソフトウェアやシステム全体をインストールしたり導入したりすることで利用できるものがほとんどでした。

大容量・高速インターネットの登場

しかし西暦2000年代に入り、一般家庭でもインターネットの常時接続が普及し、なおかつインターネット回線が全世界的に大容量・高速化したことをきっかけとして変化が起きたのです。それまで主流だったIT系の各種サービスはスタンドアローンでした。実際に機器を設置したり接続するほうが動作速度の面でも安定稼働のためにも確実性が高く、またメンテナンスも容易だったからです。

大容量・高速ネットワークによる恩恵とWebサービスの誕生

しかしインターネット回線が大容量・高速化し、ネットワークを介してソフトウェアをインストールすることが当たり前になり始めると、これまでPCに直接インストールしなければ使えなかったような機能やサービスがネットワーク上だけで使用しても遅延無く使用できる環境が整い始めました。そのため、PCに直接インストールしなくてもWeb上だけで完結するサービスが生まれたのです。つまり「Webサービス」という名前のサービスがあるわけではなく、「インターネット(Web)上だけでも機能する各種サービス」の総称を「Webサービス」と呼ぶようになったのです。

Webサービスの仕組み

Webサービスは「インターネット上だけでも機能するサービス」だと言うことをご説明しました。では、具体的にどのような仕組みで動いているのでしょうか?例をあげてご紹介します。

使用する機器・デバイス

Web=インターネットに接続できなければどんなWebサービスも利用することはできないので、インターネットに接続できる端末を使うことが必要条件となります。PC、スマートフォン、タブレットなど、インターネット回線に接続可能なデバイスがあれば基本的にはWebサービスにアクセスすることが可能です。

現代では私達が日常的に使うIT機器のほとんどでインターネットに接続することが可能になっています。むしろインターネットに接続することを前提に製品デザインが作成されていることが常識と言ってもいいほどです。そのため、Webサービスとはいえインターネットに接続していることを意識しないで使っているものも多いかもしれません。

サーバー

実際にWebサービスを使うユーザーにはあまり直接の関係はありませんが、ほとんどのWebサービスとサーバーは深い関係にあると言っても過言ではありません。

Webサイトやオンラインショッピングのサイトは、実際には運営者が保有または借りているサーバー上の保存領域に素材やデータなどを保管してあり、それらの各種データにアクセスするための「目次」として「トップページ」や「ランディングページ」などが用意されています。

Web上で動作するサービスやアプリケーションなどは全てこれらのサーバー上に保管されていて、インターネットを通じてユーザーがアクセスすることで初めて稼働することになるのです。つまり、サーバーを全く使っていないWebサービスは基本的に皆無だと言ってよく、サーバーの能力や容量に加えて回線処理能力などがWebサービスの品質に直結することになります。

Webアプリケーション

インターネットに接続可能な機器が手元にあり、サーバーが準備されている状態があれば、サービスを提供する側はサービスそのものの本体であるプログラムをサーバーにインストールし実装します。多くの場合、こうしたプログラムのことを「Webアプリケーション」と呼んでおり、ひとくくりにして「Webサービス」と呼ばれているのが現状です。

サービス提供者は提供するサービスをプログラムとして組み上げ、Webアプリケーションとしてサーバーにインストールします。ユーザー側はインターネット接続可能な各種デバイス(スマートフォン、タブレット、PCなど)から、サービス提供者が用意したトップページやランディングページにアクセスすると同時に、サーバーにインストールされたWebアプリケーション本体に到達します。

これがWebサービスのおおよその仕組みとなっています。次の項目では一般的によく使われているWebサービスを事例として紹介していきます。

検索エンジン

「え?これも?」と驚かれる方がいるかもしれませんが、GoogleやYahoo!、Bingなどの検索エンジンはある意味で「世界最大のWebサービス」だと言うことが可能でしょう。インターネットを使う誰もが一度は使ったことがあるサービスですし、インターネット上で何かを調べることが当たり前となっている現代では検索エンジンなしに何かを調べることはとても不便な状況にすらなっています。

検索エンジンはインターネット上の膨大な量のデータを解析し、ユーザーが入力したキーワードと意図を類推して、想定される回答例を提示するためのプログラムです。世界中から数億人単位で常にアクセスされる検索エンジンは広告プラットフォームとしても活用されており、取り扱うデータ量も他のWebサービスの追随を許さないほど膨大です。

そのため各検索エンジンが持つサーバーは大容量・高速、かつサーバーの数そのものが大量です。「データセンター」と呼ばれる大規模なサーバー格納施設を完備し、世界中のユーザーが行う検索処理を日々行う最も身近なWebサービスです。

Webメールサービス

メールサービスも身近なWebサービスの代表例だと言えるでしょう。GoogleのGmailやYahoo!のYahoo!Mailを使っている方も多いと思いますが、これらもWebサービスの最たるものです。

スマートフォンやタブレット、PC本体にも受信し通常の「メールソフト」を介して管理することも増えていますが、もともとのWebメールは「インターネットブラウザ上で管理すること」を前提に作られたサービスでした。スマートフォンやPCなどのIT機器がまだ今ほど個人レベルにまで普及しきっていなかった時代に生まれたWebメールは、インターネットカフェや大学、一定レベル以上のホテルなど「公共の場」に用意されたPCさえあればメールのやり取りができるように、というコンセプトをもとに生まれたサービスです。

IT機器の普及が進むにつれて個人が保有する各種デバイスでも送受信できるようになりましたが、今でもメール本文はWebメールのプログラムがインストールされているサービス提供者のサーバーを介してやり取りされており、設定によっては自分のIT機器で送受信しているメール本文は単なる「サーバー上でやり取りしているデータのコピー」であることは、意外と知られていません。

動画サービスやSNS

YouTubeやニコニコ動画、Netflixにアマゾンプライム・ビデオ、さらにはInstagramやTikTokなどの動画共有サイトや動画配信サービス、そしてSNSなどもWebサービスの代表的なものだと言えるでしょう。

現在ではダウンロードして個人のデバイスそれぞれに一定期間保存できる機能も実装されていますが、もともとはどの動画サービスもインターネット上のみで視聴し完結するものでした。これらの各サービスも、大量のユーザーから送られてくる多くの視聴要求を即座に処理し、要求された動画を再生したりリアルタイムで一時停止や早送り巻き戻しができる機能を提供したりしているため、サーバー上に置かれたデータを遅延なく管理するための機能が実装されています。

動画共有サービスやSNSの場合は各ユーザーがアップロードする写真や動画などを保存し、なおかつ他のユーザーからの視聴要求にも同時に応えつつ、スマートフォンやタブレット向けアプリにも同時並行で反映させるという高度な動作をしているため、サーバーに求められる負荷と性能は非常に高いものになります。

まとめ

実は知らずに使っているWebサービスについて、代表的な事例をあげてご紹介してきました。検索エンジンやWebメール、そして日常的に使っているSNSや動画サービスなどがWebサービスの一種であることを知らなかった方もいるかもしれません。現代ではWebを使ったサービスは日常生活に直結しているため、他にもWebサービスだと気づかずに使っているものもあるかもしれません。自分が普段使っているサービスがどのような仕組みで運営されているものなのか?Webサービスなのかどうかなどを調べることで、新たなアイディアが生まれることもあるかもしれません。気になるサービスがあればぜひ調べてみてください。