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ITサービスマネジメントの資格であるITILⓇファンデーションとは

ITILⓇファンデーションはITサービスマネジメントのデファクトスタンダードであるITILの認定資格です。ITILは2019年に最新版のITIL4が発表され、あわせて資格体系もITILⓇファンデーション資格へと新しくなりました。今回はITサービスマネジメントの資格であるITIL4ファンデーションについて紹介していきます。

ITILとは

ITILとは、Information Technology Infrastructure Libraryの略で、ITサービスマネジメントのベストプラクティス(実践され良いと認められたやり方)をまとめた書籍群のことを言います。ITILはITサービスマネジメント実現のため、ITサービスの品質向上、中長期的に見たコストの削減などを目的とし実在する企業などからITサービスに関する実際の運営やノウハウを収集し、まとめています。ITILはITサービスマネジメントの英国規格であるBS 15000のベースとなっており、現在BS 15000は国際規格であるISO/IEC 20000に移行され、事実上の国際標準となっています。また欧米社会においてITILは既にITサービスマネジメントの業界標準として認知され、ITILの導入・促進のための団体としてはitSMFが各国に存在しています。日本でも2003年にNPO法人として itSMF Japan が設立されており、書籍の翻訳やセミナーを通じてITILの普及活動が行われています。ITILは世界中で広く注目され、ITサービスマネジメントにおいてのデファクトスタンダードと呼べる存在となっています。

ITサービスマネジメントとは

ITサービスマネジメントとは、顧客のニーズに沿った適切なITサービスを提供するマネジメント活動全般のことを言います。その運用の維持管理ならびに継続的改善を行っていくための仕組みがITサービスマネジメントシステムなのです。ITサービスマネジメントの略称はITSMで、ITサービスマネジメントシステムの略称はITSMSとなっています。

ITILⓇファンデーションとは

先程説明したように、ITILⓇファンデーションとはITサービスマネジメントシステムである、ITIL4の認定資格体系のことです。そしてITIL®ファンデーション認定資格は、イギリス政府と契約を結んだAXELOS社が「ITサービスマネジメント及びITIL®に関する基礎知識を保有していること」を認定する公的資格となっています。そしてITIL4は、「モジュール」という形で整理された6冊のコア書籍で編成されているので、それぞれの書籍ごとに研修や資格認定試験が用意されています。モジュールは以下の通りです。

・ITILⓇファンデーション
・ITILⓇスペシャリスト 作成・提供・サポート
・ITILⓇスペシャリスト 利害関係者の価値を主導
・ITILⓇスペシャリスト ハイベロシティIT
・ITILⓇストラテジスト 指示・計画・改善
・ITILⓇリーダー デジタル&IT戦略

ITILⓇファンデーション(正式名称:ITILファンデーション ITIL4エディション)は、ITIL4体系の基礎として必要な知識をまとめたものとなっています。この認定試験では、ITIL4の内容について、知識がある(ブルームレベル1)そして理解をしている(ブルームレベル2)ということが求められます。試験は多項選択式(4択問題)であり、制限時間は60分間となっています。合格基準は正答率65%以上となっていますので、26問以上正解すれば合格となります。前提条件はありません。

ITILⓇファンデーションはITIL4の全体像を示したものとなっているおり、「ITILⓇスペシャリスト」「ITILⓇストラテジスト」「ITILⓇリーダー」という上位資格が存在しています。上位の資格は書籍及び認定試験は、ファンデーションで説明した内容を分野ごとにさらに深く掘り下げたものとなっています。そして「ITILⓇスペシャリスト」の3種類と「ITILⓇストラテジスト」の1種類の試験に合格することで、「ITILⓇマネージングプロフェッショナル」(MP)に認定されます。また、「ITILⓇリーダー」の試験と先ほども紹介した「ITILⓇストラテジスト」の試験に合格すると「ITILⓇストラテジックリーダー(SL)」という認定を受けることが出来ます。

「ITILⓇマスター」という最上位の認定資格も存在していますが、この資格はITILを活用した業務の実績などによって認定されることとなるので、研修や試験を受けて取得するものではありません。

ITILⓇファンデーションの学習方法

公式書籍がありますので、書籍を購入し独学で試験に合格することが可能です。しかし、ITIL4の知識を正しく理解し業務への活用を実現できるようになるには、公式の認定トレーニングを受けることが強く推奨されています。公式の認定試験対策講座では2日間の対策講座の後、ITILⓇファンデーションの認定試験を受けることが可能ですが、料金が10万円近くかかり高額である為、注意が必要です。

まとめ

いかがでしょうか。ITILⓇファンデーションの認定を受けることで、ITサービスマネジメントの知識の証明となり、IT企業の運用に役立てることができます。独学での取得も勿論、資格としての価値は十分にあるのですが、講座を受講することで実践的な知識を身に付けることができるので手段の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。