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ネットワーク設計の概要について

IT技術を活用していくためには、インフラストラクチャであるネットワークが必要不可欠です。素晴らしいシステムを開発したとしても、利用環境であるネットワークが上手く運用できなければシステムを活かすことが出来ません。そこで今回はネットワークの設計についての基本的な知識を解説していきます。

ネットワーク構築における設計

ネットワーク構築を行う際には、大きく分けて「要件定義」「基本設計」「詳細設計」の工程が必要となります。そして設計工程が完了すれば、ネットワークの構築をおこなうことができるのです。

要件定義

「要件定義」はネットワークに何を求めているかを明確にする工程です。要件定義を行う際に必ずと言っていいほど必要となるのが、現状のネットワーク課題把握をすることです。十分な現状調査をしないでネットワーク構築を行うと、前より通信速度が遅くなる、使い勝手が悪くなってしまうといった思わぬ不具合が発生する可能性もあります。
また、要件定義を行う際には、現状の課題と合わせて、どことどこを接続できるようにするかといった「ネットワークの接続性」や、ネットワーク機器の「性能」、そして「セキュリティ」は勿論のこと将来接続機器が増えたときにどうするかという「拡張性」などもこの要件定義のフェーズで検討しておく必要があります。

基本設計

「基本設計」では、ネットワークの基本的な設計を行っていきます。ネットワーク設計と聞いて一番にイメージできるのがこの工程であると言えるでしょう。基本設計と言っても、ネットワーク構築が上手くいくかはこの工程次第といってもいいくらい重要であり、設計項目も多岐に渡ります。主な設計項目としては、どんなシステムを扱うか、どんな機器を使用するかといった「システム設計」、ネットワーク機器の配置やどのような配線にするかといった「物理設計」、機器がどのネットワークに所属するか、そのネットワークの論理構成を設計する「論理設計」クラウドネットワークを利用する場合は「クラウド設計」サーバーを構築する場合は「サーバ設計」などがあり、必要な設計項目を余すところなく検討していく必要があります。また、基本設計は顧客となる企業やユーザーとの打ち合わせで共有することもあるので、「外部設計」と呼ばれることもあります。

詳細設計

「詳細設計」とは、基本設計の項目を基にさらに詳細な設計を行っていきます。この詳細設計から実際にネットワークを構築していくので「内部設計」とも言います。詳細設計では、具体的には機器のパラメータや、IPアドレス管理表など、ネットワークを構築していく上でエンジニアたちが知る必要がある情報全てを記載する必要があります。また、ネットワークは一つだけとは限りませんので、例えば社内LANと社外に接続できるWANがある場合は、LANの詳細設計書とWANの詳細設計書がそれぞれ必要となります。ネットワークの詳細設計書はネットワーク構築における環境設定などの工程が記載されていることもあるので「手順書」と呼ばれることもあります。

試験工程について

設計は一度行えば終了、というわけにはいきません。設計書通りにネットワークの構築、設定を行い、問題なく運用できるかどうか試験を行いチェックすることも非常に大切です。不具合が発生した場合には原因を調査し、再び設計を行わなければなりません。

単体試験

設計工程の項目を基に、個別の機器にパラメータの設定を行ったり、インストールなどを行い問題なく運用できるかテストを行います。単体試験であるので、使用するネットワーク機器ごとに個別にテストを行っていきます。 このテストでは、設定したパラメータ通りに機器が動作してくれるか、不具合が発生するかどうかといったことをチェックします。

試験工程

設定、単体試験を無事に終えた機器同士を接続し、ネットワーク全体としての動作を確認するのが、試験工程です。システムが問題なく動いている状態であるとき、つまり正常な状態においての通信チェックと、何か異常が起こった状態でも、セキュリティやシステムが動作しネットワークシステムが回復するか、またネットワークシステムの運用に必要な機能が設計した通りに動作することをチェックします。負荷が限界までかかったときのネットワークシステムの動作についてなど、様々な状況のなかでどのようにネットワークシステムが動くのか、そして設計した要件を満たしているかということを様々な視点からチェックします。もしここで、設計通りにネットワークが構築できていなかった場合には、原因を調査し、改めてネットワークを設計する必要があります。

まとめ

いかかでしょうか。ネットワーク設計を行う際の工程を「要件定義」「基本設計」「詳細設計」と一つずつ紹介してきました。より良いネットワークを構築していくためにはどれも欠かすことのない非常に重要な工程となっています。ネットワーク設計は失敗のできない大きな仕事ではありますが、企業やユーザーに貢献できる非常に価値のある仕事と言えます。