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Webサイトの保守管理とは?

SNSやブログ、ショッピングサイトや動画サイトまで、インターネットを閲覧する際には必ず利用することになる「Webサイト」。様々なコンテンツが公開され、アクセスできれば多様な情報を得たり、今まで知り合えなかった人達と交流できたり、実店舗に行かなくても買い物ができたりと非常に便利です。

もはや現代の日常生活はWebサイトやWebサイトを軸としたWebサービス無しでは考えられない状況になっていますが、Webサイト運営の裏側で行われている最も重要なことを知らない方は意外とたくさんいます。

Webサイトの運営で最も重要なこと。それは「保守」と「管理」です。保守運用とも呼ばれることがありますが、この記事では保守と管理にそれぞれ分けて説明していきます。

Webサイトの「保守」と「管理」はどう違うか?

Webサイトだけではなく、サーバーなどでも保守や管理、運用といった単語が使われますが、そもそも保守と管理は何がどう違うのでしょうか?一度「保守と管理の違い」について整理してみましょう。

Webサイトの保守とは?

Webサイトの保守というのはどんな内容なのでしょうか?保守業務とは簡単に言うと、トラブルや問題が起きた際に、それら解消し元の状態に復旧させることを言います。

一言で説明すると簡単に済んでしまいますが、実際のWebサイトには様々なことが起こります。例えばサーバーが反応しなくなってしまう、いわゆる「落ちた」状態になってしまったり、インターネット上の住所であるドメインが気づかない間に期限切れになってしまっていたり、メールサーバーが容量オーバーになってしまい問い合わせを受け付けられずにエラーを生じさせてしまう、など内容は多岐に渡ります。

これらのトラブルが起きた際に、迅速に解消し復旧させるのが保守業務です。

Webサイトの管理とは?

では、Webサイトの管理とはどのような内容でしょうか?

実はWebサイトの管理とは保守も含めたものになっており、まとめて保守管理と呼ぶこともあります。ただし、細かく分けていくと保守業務は保守業務で細分化されている部分もあるため、「保守管理」というのは全体論。個別の事例として「保守」という呼び方をすることが多いのです。また、「管理」という呼び方はせずに「運用」という呼び方をすることもあります。保守管理の全体的な仕事として、そもそも保守業務が必要になるような状況に陥らせないようにするという意味で「管理する」という目的が含まれています。

Webサイトの保守管理ではどのようなことをするのか?

ここからはWebサイトの保守管理業務とは実際にはどのようなことをするのかについて解説していきます。大きな括りとして「管理」という目的があり、その目的を達成するための手法が保守であり管理・運用であるということはすでにご紹介しました。次はもう少し細分化したそれぞれの役割についてご紹介していきましょう。

サーバーの保守管理

Webサイトにとって必要不可欠なものの一つがサーバーです。サーバーがなければWebサイトは存在することができませんし、素晴らしいコンテンツをいくら持っていても公開することができません。サーバーは自社で用意することもできますし、現在ではクラウドサーバーでの運用も一般的になっていますが、いずれにしても何らかのサーバーを持っていないことにはWebサイトを外部へ公開することはできないのです。

サーバーの中にはWebサイトを構成する様々な画像や動画、イラストやテキストなど、必要な素材全てが格納されています。それらをまとめてコンテンツとして表示させるための窓口がWebサイトのトップページになるのですが、サーバーが不調を起こし、トラブルに見舞われるとこのトップページにユーザーがたどり着けなくなる=トップページを表示できなくなってしまいます。

トップページだけでなく、サーバーの中に格納されている全てのデータにアクセスできなくなってしまうため、Webサイトは実質的に公開できない状態になってしまうのです。そのため、サーバーエンジニアなどはWebサイトの公開に必要なサーバーである「Webサーバー」がトラブルを起こさないように監視・管理し、万が一何らかのトラブルが起きたときには迅速に解決してユーザーがアクセスできない時間を一秒でも短くするように最新の注意を払って管理・運用することになるのです。

ドメインの保守管理

サーバーとも関連する話になりますが、ドメインの保守や管理も重要な項目の一つです。Webサーバーが用意されていてトラブルなく機能していても、ユーザーが訪問するためにブラウザなどに入力するURLの一部となる「ドメイン」が有効でなければコンテンツの表示はできなくなります。

ドメインは契約制になっており、サイト名が「www.ABCD.com」だった場合、この「ABCD.com」全体がサイトのドメインということになります。これが「ABCD.con」ではユーザーはサイトにたどり着けませんし、サイトも表示されません。多くの場合ドメインは1年間を最低単位とした年間契約となっており、時期によって契約の更新が必要になります。

ドメインはコンテンツの内容と並んでサイトを印象づける重要なシンボルであるため、様々な企業やサイトが独自のドメイン獲得と保持に大きな労力と努力を注いでいます。日本でも近年話題になりつつありますが、海外では以前から「話題になりそうなドメインを先買いしておき、売却する」というビジネスがあるくらいです。そのため、仮に「ドメインの更新を忘れてしまった」ということになってしまうと大問題になります。悪意のある第三者に更新を忘れてしまったドメインを取得され、法外な料金を支払わないと再使用させてもらえなくなるなどのトラブルに発展しかねないからです。

そのため、サイト全体の保守管理も兼ねる意味で、ドメインの契約期間や更新タイミング管理し、ドメインそのものを保守するというのはとても重要なタスクだと言われているのです。

SSL対応

Webサイト全体の保守管理という観点ではSSL対応も重要項目の一つです。「SSL」とは、ネット上の様々なデータを暗号化してやり取りする仕組みのことです。例えばWebサイトにアクセスする際、ユーザーからはユーザー個人のIPアドレスなどが送信され、そのIPアドレスに向けてWebサイトから表示するコンテンツのデータが送信され、最終的にHTTPの形式でユーザーのブラウザに表示されることになっています。

この段階でSSL対応がされていない場合、ユーザーがWebサイトにアクセスする際に送信されるデータを第三者が抜き取ることを画策できてしまいます。Webサイト全体がSSL対応されていない場合、このように悪意ある第三者がWebサイト内の情報やデータを抜き取ろうとしたり、改ざんしたりすることが可能になってしまうリスクがあるのです。

100%完璧に防げるとは限りませんが、こういった悪意ある攻撃からWebサイトやユーザーのデータを守るための技術がSSLです。特に近年ではGoogleがこの分野にとても力を入れており、Googleが開発したWebブラウザであるGoogle Chromeでは、SSL対応されていないWebサイトはどんどん表示されなくなってきています。SSL対応とはそれだけ重要視されている技術であり、Webサイト全体の保守管理においてなくてはならない対応の一つでもあるのです。

コンテンツの保守管理

コンテンツの保守管理もWebサイトにとって大切な項目の一つです。例えば動画サイトだった場合、公開されているべき動画が公開されていなかったり、リンクが切れていたりして視聴できない状態になっていることは許されません。ショッピングサイトにおいて、商品ページに至るリンクが間違っていることもあってはならないことです。

このように、あるべきコンテンツが意図した通りに機能していたり公開されている状態が、Webサイトのあるべき姿であり、それが正しい状態であることがコンテンツやサイト自体の質が高いということの証明でもあります。そのため、Webサイトの運営においてコンテンツが保守され、正しい状態に管理されているということは必須条件だとも言えます。企業のWebサイト運営現場においては、コンテンツを保守管理する専属のスタッフが置かれていることもありますので、それだけコンテンツの保守管理が重要だということがご理解頂けるのではないでしょうか?

CMSなどの更新・メンテナンス

現代のWebサイトはWordPressによって作成・運用されているものがおよそ43%以上だと言われています。そしてWordPressのようなシステムのことをCMS=コンテンツ・マネジメント・システムと呼びます。CMSはWebサイトなど「コンテンツ」を抱えるシステム全体を管理するためのツールで、テキスト、画像、動画、あらゆるコンテンツを管理することが可能です。

WordPress自体は無料のツールとして公開されていますが、内部はカスタマイズが可能であるため、Webサイトによって操作できる項目や機能が異なっていることがあります。したがって、CMSを扱ったことがない方の場合はすぐに使いこなすのは難しいケースもあるでしょう。しかしWebサイトにおいてユーザーが魅力に感じることの一つに「情報の更新の速さ」があげられます。最新の情報が定期的に更新されるWebサイトにはユーザーが集まりやすくファンもできやすいと言われているため、このCMSを効果的に使って更新作業を行ったり、Webサイト全体のコンテンツ量を調整するなどメンテナンスを実行することが必要になります。このような作業もWebサイトの保守管理の一環として行われます。

アクセス解析・レポート作成

Webサイトはコンテンツを公開して終わり、ではありません。ユーザーを集め、ユーザーに価値を提供し、場合によっては集客による売上を獲得する必要があるなど様々な目的や目標があります。

目標となるアクセス数は獲得できているのか?どのような経路でユーザーがWebサイトに辿り着いているのか?ユーザーの年齢層など、傾向値はどのような状態なのか?などを調査し、レポートとして定量化しておくことも大切な作業です。このような作業も保守管理の一環と考えられています。マーケティングスタッフなどがアクセス解析とレポート作成も行う場合があります。

まとめ

ここまで、Webサイトの保守管理に関して、どのようなことが必要なのかを解説してきました。Webサイトを運営する際には保守管理のことまで含めた企画を立てることが必要になります。どのように管理し運用するか?保守業務を自社で行うか外部に委託するか?なども含めて、どのような作業が必要なのかをまとめておくと良いでしょう。エディターのみで管理することも可能ですが、世界のトレンドとしてはCMSの利用が進んでいます。CMSを活用した保守管理や、CMSを使ってどのようなことができるのかも合わせて確認しておくとなお良いでしょう。