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手順書とは?マニュアルとの違い

手順書は、文字通り業務や作業の手順を記したものであり、作業手順書、または作業標準書とも呼ばれています。手順書とは作業者が確実に、そして安全に必要な方法で作業を行えるようにまとめたものとなっています。業務マニュアルという言葉をしっている人も多いと思いますが、手順書と業務マニュアルは厳密には違います。業務、そして作業を記したものである点では同じですが、業務マニュアルが業務全体に渡っての作業の流れや留意すべき事項についての情報をまとめたものであることに対し、手順書は業務の中に含まれる一つの単位作業ごとの手順を記したものとするとイメージしやすいでしょう。

単位作業とはどういうものか

作業を行う時に実際に行うことを「単位作業」として手順書の中に明確に記載する必要があります。単位作業という言い方はIE(Industrial Engineering)という生産工学で使われている用語です。例えば、「PCにソフトウェアをインストールする」といった場合にはどのような単位作業が発生するでしょうか。あくまでも一例ですが、
・インストールするソフトウェアの入手
・プログラムのインストール先を指定
・インストールの際の設定の値を決める
・セットアップ
大まかに挙げてもこのような作業が必要になります。作業を行うためには、どんな単位作業が必要か、どこまで明確にできるかが、手順書の書き方に大きく関わってくる事になるのです。

手順書の書き方

手順書の意図を明確にする

手順書の意図とは、その手順書を読み作業を行う利用者はどんな人か作業工程目的といった観点のことです。これらの観点が曖昧だと、何の為の手順書なのかがはっきりしません。この手順書の意図を明確にすることが大切です。

形式・構成の決定

形式は業務手順書の利用者が理解しやすいこと、そしてアップデートしやすいものが適しています。複数手順書を作成する場合は、書き方や構成・形式も出来るだけ同じにしておくべきです。例えば、同じソフトウェアを使用しているのにも関わらず、違う書き方で手順書を作成してしまうと、違うソフトウェアを使用していると勘違いをされてしまう危険性があります。

手順を整理する

業務手順を構成に沿って記述していきます。この時にしっかりと手順を整理することが非常に重要です。時系列に沿って5W1Hを意識して整理し、簡潔に書いていきます。業務手順は、誰が読んでも、理解できるよう記述するのがポイントです。例えば、略称を多用する、専門用語を当たり前のように使うなどと、その分野に精通している人ならば理解できる、というような文章は読みやすい手順書とは言えません。勿論、最低限の知識は必要になりますが、専門用語や略語を多用すると、理解できない時には各自で調べなければならず、もしこの調べた情報が間違っていれば、作業にも悪影響を与える可能性もあります。できるだけ手順書内で完結できる方が、誤解もミスも少なくなります。手順を書いていく際には、特に書き方に注意が必要とあなります。

テストを行う

手順書が完成すれば、次はテストを行います。手順書を見ながら実践していき、作成した手順書の書き方が理解できるものであるかどうか、不足している情報は何か、などといったことに気づくことが出来ます。そして、利用者からフィードバックを得ることが出来るので、それをもとに書き方を見直し、反映することでより良い手順書へとアップデートできます。

継続的なアップデート

一度手順書が完成すればそれでお終い、ではありません。手順書が使われなくなってしまう大きな要因の1つは、最新の手順が書かれていないことです。しっかりと最新の情報が反映されるよう、メンテナンスの計画、そして対応者をあらかじめ決めておくことが大切です。

わかりにくい手順書の危険性

手順書を使って作業を行う人が知識やスキルがある人とは限りません。勿論のこと、初めて作業する人もいます。ある程度業務についての知識がある人もそうでない人も確実に作業を行えるように手順書を作成するのですが、中にはわかりにくいものもあります。このような手順書では、作業する人にとって非常に理解しにくいものとなり、作業効率が格段に下がってしまいます。それだけでなく、わかりにくい手順書のまま作業を行ってしまうと、作業をする人が困ってしまうだけでなく、不具合や事故が発生し企業の損失にも繋がります。

わかりやすい手順書を書くポイント

書き方を統一する

手順書のフォーマットを決めておき、できれば企業内での手順書はそのフォーマットに沿って記載されている方が望ましいです。書き方がしっかりと統一されていることで、一つの手順書を読んで理解できるようになれば、全ての手順書の理解にも繋がります。

表記を統一する

コマンドの表記の仕方なども例えばコメントアウトの表記が違うだけでも誤解が生まれてしまう可能性もあるので、表記も統一しましょう。

作業の意図を書く

コマンド一つとっても、それがどのようなコマンドなのか、どのような意図をもった作業であるのかをしっかりと記述することは非常に大切です。

手順書内完結を意識する

専門用語など、理解できていることが望ましいですが、知識がなければ調べる必要があります。調べた知識が間違っていれば、効率も良くない上にミスを起こしてしまいます。それを防ぐためには、初めから手順書内にリンクを張ったり、語句の説明を記載しておきましょう。

簡潔で、分かりやすい文章を意識する

長文で略語やカタカナ語が頻発している文章を想像してみてください。読みやすい文章を心がけましょう

手順は時系列にそって記載する

手順書を読み進めていく際に、戻ってしまったり、他の手順書を参照する、といったことはできれば避けましょう。図や概要はあらかじめ提示しておき、読み進めていくことで作業が進むように書くことが望ましいです。

曖昧な書き方は避ける

個人の感想や、曖昧な表現、不明確なデータなどは避けましょう。

まとめ

いかかでしょうか。手順書を作成する人はその分野に精通している人の方が多いと思いますが、必要としているのは初めてその作業を行う人であることが圧倒的に多いです。誰が読んでも理解しやすい優しい手順書であることを心がけましょう。