CCNA(シスコ技術者認定)の基本知識
はじめに
ネットワークエンジニアが取得する資格には数多くの種類が存在します。そのためどの資格を取得するべきなのか迷うこともあるかもしれません。そこで今回はネットワークエンジニアとして取得しておけば損にはならない資格として言われているシスコ技術者認定資格の一つである「CCNA」についてご紹介していきます。
シスコ技術者認定資格とは
シスコシステムズが運営しているベンダー資格のことを指します。ベンダー資格とはいえその認知度や信頼性は高く、幅広く普及しているシスコ機器を取り扱えるという能力はネットワークエンジニアにおいて必須条件とされているため、この能力が保証される資格として非常に多くの需要があります。
シスコ技術者認定資格にはレベルに応じて31種類の資格が存在しますが、今回のネットワークエンジニアにとって必須レベルとされているのは[CCNA]とされています。
CCNA(Cisco Certified Network Associate)とは
CCNAはシスコ製品を取り扱う能力を保証する資格と言いましたが、一口にCCNAとは言っても種類は9種類あり、今回ご紹介する内容としてはCCNA Routing and Switchingになります。
CCNAはおおまかに言ってしまえばネットワークの構築・保守業務を行うことを想定した内容の資格です。そのため未経験の初心者やインターネットエンジニアとして成長を目指す方に非常におすすめされる資格になります。
CCNAの種類
・CCNA Cloud
・CCNA Collaboration
・CCNA Cyber Ops
・CCNA Data Center
・CCNA Industrial
・CCNA Routing and Switching
・CCNA Security
・CCNA Service Provider
・CCNA Wireless
CCNAの難易度について
先述の通り、CCNAには能力のレベル帯によって細かく資格段階が設定されており望むレベルの受験が可能です。それぞれのレベルと必要とされる専門知識によって5種類に分けられており、以下に簡単にご紹介します。
[エントリー]:未経験者などネットワーク初心者を受験対象者としており、勉強をし始めた方におすすめです。
[アソシエイト]:入門的な知識からさらに踏み込み、ネットワークの基礎とルーティングやスイッチングなどの専門的な技術の知識が問われます。
[プロフェッショナル]:先の知識に加え、ネットワークの構築・設計やトラブルシューティングの方法などの実務的な知識が問われます。
[エキスパート]:ここからは上記の内容をさらに専門的な知識が必要とされ、加えて筆記試験合格後にラボ試験にも受験し合格する必要があります。こちらは半日程度の時間で指定されているシスコ施設内で用意されている問題に回答することになります。
受験方法と注意点
試験日は基本的に日曜・祝日以外は毎日実施されます。しかし受験するテストセンターの営業日内となります。
さらに受験申込みは受験希望日の前日までに申し込めば受験はかのうになります。だからといってギリギリに申し込みをするのではなく、先に受験申し込みをしてしまって期限を設けるという方法もおすすめです。
申込方法として、
シスコの試験申し込みページへアクセス→アカウント作成→必要事項を入力してサインアップ→登録したユーザーアカウントで試験申し込み→受験したいテストセンターと時間を予約→受験料の支払い情報を入力→申し込み完了
という流れになります。それらに加えて、行政発行の顔写真付き身分証明書健康保険証やクレジットカードなどの身分証をそれぞれ1点ずつ用意しておいてください。
受験料
当然ながら受験するレベルによって受験料は異なります。
・200-125J CCNA一科目受験:39,000円(税抜)
・100-105J ICND1、100-105J ICND2の二科目受験:各19,800円(税抜)
後者のICND1とICND2の2科目受験を選択した場合、一科目受験と受験料を比較すると税抜で¥600高いことになります。しかしCCNAの下位資格にあたる[CCENT]じゃICND1にあたるため、もしCCNETを既に合格していた場合はICND2の受験と合格だけで認定となります。
受験料支払い方法
試験申し込みページからオンラインで申し込んだ場合、クレジットカードやプロモーションコード、事前に購入したバウチャー(割引引換券)にて支払いが可能です
さらに上記の方法でなくても直接テストセンターを訪れて申し込むことが可能です。しかしテストセンターによっては現金での支払いを受け付けていない場合がありますので、前もって調べておく必要があります。
結果発表
試験終了後、即時発表となり、画面上に結果が表示されます。合格だった場合、試験後1ヶ月程度で合格証書が郵送にて届きます。
CCNAの1科目受験か2科目受験か
CCNAを受験し認定を受けるほうが良いのか、ICDN1とICDN2を別々で受験し認定を受けたほうが良いのか、悩まれるかもしれません。しかし受験方法によってそれぞれ特徴があります。自身に適した内容で決定しましょう。
<CCNA>試験範囲
・ネットワークの基礎
・LAN スイッチング テクノロジー
・ルーティング テクノロジー
・WAN テクノロジー
・インフラストラクチャ サービス
・インフラストラクチャ セキュリティ
・インフラストラクチャの管理
<ICDN1>試験範囲
・ネットワークの基礎
・LAN スイッチングの基礎
・ルーティングの基礎
・インフラストラクチャ サービス
・インフラストラクチャの運用
<ICDN2>試験範囲
・LAN スイッチング テクノロジー
・ルーティング テクノロジー
・WAN テクノロジー
・インフラストラクチャ サービス
・インフラストラクチャの運用
CCNAではICDN1とICDN2の両者を合わせた範囲で出題が行われますが、2教科受験の場合ではそれぞれの範囲の詳細な部分まで出題がなされる場合があります。つまりCCNAの方が覚える内容としては少なくなるため短時間での合格に向いています。しかし少なくなるとはいえ範囲が広く、難易度は非常に高くなります。確実に合格を目指すには2科目受験を選択する方法も良いかもしれません。
再受験のインターバル
万が一、結果が奮わず不合格だった場合の再受験は可能です。しかし再受験可能になる日付は試験結果のスコアレポートに記載されています。CCNAじゃバウチャー資格とはいえ決して安い受験料ではありません。一発合格するためにも試験に備えて知識と情報を蓄えて備えましょう。
CCNA以外のネットワークに関する資格
CCNAの他に「応用情報技術者試験」や「ネットワークスペリシャリスト試験」などがありますが、非常に難易度が高くCCNAなどのような初心者向けの内容ではありません。将来的にスキルアップを図ることを目的に目指しても良いかもしれませんが、焦らず自身のレベルに合った資格の取得をおすすめします。
さいごに
CCNAは非常に需要・信頼性に富む資格です。そのため、甘い考えで受験し用意に取得できる資格ではありません。しかしきちんと学習を進め、CCNAを取得することが出来ればエンジニアとしての基礎能力が上がるだけではなく自身のキャリアアップにも繋がるため、非常に心強い資格になります。頑張って資格取得のために頑張りましょう。ここまで読んでくださってありがとうございました。