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インターネットも普及により、iotの活用が急速に増加しています。スマートスピーカー、照明などの日用家電製品や自動運転車やZOZOUITなど各分野でも注目を集めています。さらに次世代通信の5Gの登場で、インターネットに接続されたモノが増え私たちの生活により身近になっていくことでしょう。今回iotがどうゆうものなのかという概要と活用事例を紹介していきます。

iotについて

・iot(Internet of Things)とは

読んで字の如く「モノのインターネット」という意味です。世間一般でいうiotのモノとは、パソコンや携帯、スマートフォンのような前からインターネットとつながっていたモノだけではなく、家電や自動車、産業用機械などのことも指します。

・今後も市場規模が拡大する

マイナビニュースのiot市場規模のニュース(2020/9/28)によると日本国内での2019の支出額は7兆258兆円であり、2020から2021年にかけてコロナの影響で若干減速が予想されるが、2024での支出額は11兆4697億円になるという予測をIDC Japanが発表しました。

・iotの仕組み

iotは対象のモノにセンサーや、カメラ、無線通信装置が搭載されており、モノの動きや状態を感知したり、データを取得します。入手した情報をインターネットを介し人やモノに伝達することが基本的な仕組みです。iotの活用によって実現できる機能は大きく分けて「モノを操作する」「モノの状態を知る」「モノの動きを検知する」「モノ同士で通信する」の4つに分類できます。例えばApple Watchを身に着ければその人の歩いた距離、心拍数、血圧を自動で取得し集めたデータをスマートフォンへの共有やビックデータとしてクラウド上でサーバストレージに蓄積されます。そうして集めたデータをAIで分析することにより新たな付加価値を人に提供することができます。

・コスト削減につながる

これまで人の手で行ってきた設備の保守点検、データ管理の仕事をiotの活用により、あらゆる産業で無駄なコストが削減され、生産性の向上を期待できます。

・iotの4つの課題

・iotサービスの開発や、ビッグデータの活用には高度なIT人材が必要
・iot機器の増加に伴い、膨大な電力供給とインフラ基盤の整備が求められる
・使用する側のヒューマンエラーをどう防ぐか、どのようにアナウンスするか
・iot機器の増加は、ネットワークセキュリティのリスク増加に直結する

iot活用事例

日常生活での活用例

・Qrio Hub(Qrio株式会社)
スマートフォンを近づけるだけで開錠するQrio Lockという製品と玄関の扉を組み合わせることで、ネットワーク経由で外出先でも解施錠が可能となり、またカギの操作があった場合に連絡もしてくれる優れものです。

・Echo dot
音声だけでリモート操作できるスマートスピーカーです。「アレクサ」と話しかけるだけで、音楽の再生、天気やニュースの読み上げ、スマートホームの操作、アラームのセットなど簡単に音声操作できます。またAlexa対応家電であれば、照明、空調、テレビなども音声操作できます。

医療分野における活用

*Iomt(Internet of Medical Things)と呼ばれ、区別されることもあります。

・FiNC(株式会社 FiNC Technologies)
AIがトレーナーとして適切な美容や健康メニューを厳選してくれる美容・健康トレーニングアプリで、ダイエットや健康的なカラダづくりを目的としたスマートフォンアプリです。毎日の歩数・体重・睡眠・食事といったライフログを記録し、一人ひとりの興味や悩みに合ったアドバイスもしてくれます。

・CALM-M センサー(EMC Healthcare株式会社)
ウェアラブルデバイスとして活動量、睡眠、脈拍、心拍、心電位などの患者バイタルを取得することができます。それにより活動や体動の分析、体位のモニタリング、睡眠分析及び睡眠障害のスクリーニングに活用できます。

・オンライン診療CLINICS(株式会社メドレー)
オンライン診察、服薬指導アプリでパソコン、スマートフォンで利用できます。オンライン予約から診療、会計、アフターフォローまでを実現する遠隔診療システムです。ビデオチャットによる診察が実施でき、診療待ち時間を短縮できます。患者は、医療機関へ行く必要はないため、利便性が大幅に向上します。診察前後に、患者はオンラインで体調情報や医師への質問などを登録するため、実際の診療の際に参考情報として使用でき、診療後は患者の自宅に薬を配送することができるサービスです。

生産、製造における活用(スマート工場)

*スマート工場とは「見える化」「制御」「自動化」の仕組みを持った工場のことです。

・製造ライン遠隔モニタリングシステム(旭鉄工株式会社)
自動車部品を製造している同社はセンサーによって稼働状況を取得することで、各部品の生産にかかる時間やラインの停止時間をスマホで取得する独自システムを開発し、生産性の向上に成功しました。製造において時間がかかった、あるいは短くなった原因を見える化です。このシステムによって、旭鉄工株式会社は生産性を30%向上させました。

・長島鋳物株式会社の独自のiotシステム
マンホール蓋専業メーカーの同社は、解決すべき課題がありました。(マンホールの製造には、熟練の技術を継承していく必要あること、マンホール製造には金型の管理作業などに費用と労力がかかり過ぎているということ)同社は、ITの知見がある社員が現場のニーズを調べ、必要な機能だけに特化したIoTシステムの開発を行いました。その結果注文から生産の各種情報の入力を自動化することができ、無駄な作業を削減することができました。電気炉の温度設定など危険を伴うため頻繁に行うことができなかった作業も、人の手で行わずに済むようになり、リアルタイムで監視可能となりました。また蓄積したデータを分析することで、熟練の技術者しか再現し得なかったことも、再現性を持って行うことができるようになりました。

農業分野での活用事例(スマート農業)

・奥野田ワイナリーの事例
富士通が開発したネットワーク機器を農園に設置し、農園の気温や湿度、雨量データなどを10分単位で取得することができるようになり、農園には小型カメラも設置して、リアルタイムで農園内の様子を確認できる体制を整えています。この結果農園内の状況を短時間で確認でき、問題の早期発見、対策を行うことができるようになりました。各種データを分析することにより、ぶどうの適切な収穫時期なども判断できるようになっています。