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はじめに

アイキャッチ

[PMP資格]についてご存じですか?

PMP資格はプロジェクトマネジメントスキルを証明出来る国際資格で、試験の難易度はもとより、受験資格を満たすことが困難かつ申請手順も難しいことからハードルが高いとされています。今回はそんなPMP資格の概要や出題内容、取得のメリットや受験資格、申請等について紹介していきます。

PMP資格の概要

PMP資格とは、Project Management Professionalの略称で、米国のPMI[Project Management Institute]が運営しているPMBOKガイドに基づいたプロジェクトマネジメントに関する一定水準を超えたスキルを有していることを証明出来る国際資格です。スケジュール調整、品質管理、人材・コスト管理等のスキルを持っているかどうか、またPM[プロジェクトマネージャー]としての姿勢や取り組み方、より実務的な内容についても幅広く問われ、非常に実務に重きを置いています。

出題内容

2020年7月に出題内容が変更になりました。変更以前のようなプロセス群に沿った分類ではなく、タスクの性質に合わせた[ドメイン]での分類および出題がなされるように変わりました。

ドメインには、[プロジェクト、及びチームを効果的にリードするためのスキルと活動にウェイトを置く]人[People]、[プロジェクトのマネジメントにおける技術的な側面を強化する]プロセス[Process]、[プロジェクト及び組織戦略の繋がりを明確にする]ビジネス環境[Business Environment]の3つがあります。

試験時間は4時間で、合計200問の4択問題が出題されます。その200問のうち25問はダミーで、成績に反映されることはありませんが、将来の試験評価に使われています。

取得のメリット

PMP資格では、さまざまなスキルを有していると証明出来ます。プロジェクトマネジメント関連のスキルは、プロジェクトを基に事業を行うあらゆる業種の仕事に適用出来、高い汎用性を持ちます。そのため他業種への転職を考える場合にも活かすことが出来ます。

PMP資格の受験には一定水準を超えた実務経験及び公式で認定された研修の受講が不可欠であるため、受験・取得することによりスキルのみならず豊富な実務経験をもつと証明が可能です。さらに試験勉強を通じ、実務的なスキルがより身につくことにも期待出来ます。

受験資格

PMIの会員、非会員は問わず以下の条件を満たさなくてはなりません。

  • プロジェクトマネジメントを監督する立場での経験
  • 公式に認定されている研修の受講35時間相当
  • それぞれ詳しく見ていきましょう。

    プロジェクトマネジメントを監督する立場での経験

    高校卒業またはそれに相当する資格を持つ人の場合、[プロジェクトマネジメントの実務経験が7500時間]が必須です。

    大学卒業またはそれに相当する資格を持つ人の場合、[プロジェクトマネジメントの実務経験が4500時間]が必須です。

    対象となるプロジェクト業務については試験の申請より遡って8年以内に携わった業務に限定されているので、この点にはくれぐれも注意しましょう。

    公式に認定されている研修の受講35時間相当

    PMP資格の受験には35時間のプロジェクトマネジメントに関するPMI認定研修の受講も求められます。 研修は、REP[PMI認定教育プロバイダー]やPMI支部、大学・企業内教育、Eラーニング、各種研修機関等、さまざまな機関によって実施されています。機関によって日程や場所、費用等の規定が各々異なるため、ご自身が受講しやすいものを選択しましょう。

    申請

    プロジェクトマネジメントを監督する立場での経験について

    まずは前述の受験資格を満たした上で、さらに関わったプロジェクト一つ一つに対しPMBOKの5つのプロセスであるinitiating[5項目]、planning[6項目]、executing[8項目]、monitoring and controlling[4項目]、closing[7項目]の計30項目で、どの項目にどのくらいの時間をかけてきたかを記述します。加えてPMとしての作業概要についての500文字以内での記述も求められ、ここまで全て英語でおこなうことが求められます。

    公式に認定されている研修の受講35時間相当について

    受講した研修の名称や主催者名から開始日・終了日、時間数、取得時間数を全て入力し、受講した研修の時間合計が35時間を超えていれば条件を満たしています。 ここまで全てを抜けなく行ったとしても、場合によっては監査対象に選ばれる可能性があるため、申請時に使った資料は受験が終了するまで全て保管しておくべきでしょう。

    監査について

    ここまで紹介してきたように、申請するだけでもかなり大変な作業になるのですが、申請内容に対する監査を受ける必要が出てくる場合があります。 この監査に関しては、『4人に1人の割合で選ばれるのではないか?』『申請内容が不審な人が選ばれているのではないか?』等さまざまな噂があるようですが、実際のところどういった基準で選ばれているのかは明らかになっていません。

    監査対象になった場合、[大学や高校の卒業証明書、もしくは相当する資格の証明書][35時間の講座修了証明書][各プロジェクト経験を証明する上司など第三者の署名]の全てを米国のPMI宛に送付することが求められます。もし、監査で不合格となってしまったら、受験料を支払済の場合は手数料100ドルを差し引いた金額が払い戻され、不合格となった回の受験は出来ません。さらに次回の申請までに一定期間を置いた上で再試験手続きと受験料の支払いを行い、再度監査を受けて合格しなくてはなりません。申請書類の不備等がないように注意して申請を行いましょう。

    受験料・受験会場

    通常はPMI会員の場合は405ドル、非会員の場合は555ドルと定められています。 再受験時は、PMI会員の場合は275ドル、非会員の場合は375ドルと定められています。

    受験会場は、2020年10月時点では全国に、『東京都千代田区・大阪市・広島市・名古屋市・札幌市・高松市・横浜市・仙台市・福岡市・那覇市』の10カ所があります。

    更新について

    PMP資格には有効期限があるため、3年ごとに更新しなくてはなりません。更新する際は、更新料[PMI会員60ドル、非会員150ドル]及び取得日から3年間で60PDU以上の継続学習とその証明が求められます。PDUとは、Professional Development Unitの略のいわゆる単位のようなもので、1PDUが1時間に相当します。
    PDUの対象と認められる活動として、認定された研修の受講や関連書籍の読書等を行う「教育[PDU取得数の制限なし]」、新しいコンテンツの作成や実務者として関連する仕事に従事する「専門職へのギブバック活動[最大45PDU]」の2つが定められています。

    有効期限が切れるまでに更新を行わなかった場合、1年の間資格停止とみなされます。資格停止期間中であっても、更新条件を満たすことが出来れば再認定が可能です。ですが、資格停止期間中に更新条件を満たすことが出来なかった場合、失効してしまうので注意しましょう。

    おわりに

    以上PMP資格について紹介してきました。PMP資格は、プロジェクトマネジメントの能力を証明する国際資格で、取得には一定以上の実務経験や公式で認定された研修の受講が必要なので、名だたる資格の中でもハードルが高い資格だといえるでしょう。ですが、取得出来ればプロフェッショナルと認められ、転職やキャリアアップの際のアピールにも役立つことでしょう。ぜひチャレンジしてみてください!