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リファクタリングとは

システム開発は調査分析・要件定義から始まり、設計・開発・テスト・運用・保守というように複数の工程に分類され作業が行われております。 経験の浅いエンジニアの場合、システム開発において重要な工程は設計および開発工程と考えがちですが、 すべての工程が等しく重要な役割を持ち始めてシステムとして機能しますので、すべての工程において満遍なく学習を行い知識を身につけなければいけません。 また、それぞれの工程において専門的な用語が登場しますのでしっかりと理解しながら業務を行うことが大切となります。 ここでは、リファクタリングという言葉について説明させていただきます。 リファクタリングはソフトウェアの挙動を変更せずに内部構造を整理・改修・改善を行うことを指し、システムの品質向上やソースコードの品質向上のために行われます。 リファクタリングはすでに挙動しているソフトウェアに対するソースコードの見直しを通じてシステム全体のパフォーマンスの向上を上げるために重要な役割を果たしております。そのためエンジニアの方は リファクタリングとは?という点についての基礎的な知識を抑えておく必要があるでしょう。 ここではリファクタリングについて掘り下げて解説させていただきますので、是非参考にしてみてください。

リファクタリングの考え方について

リファクタリングの考え方について説明させていただきます。 リファクタリングはすでに触れたようにソフトウェアの挙動を変更せずに内部構造を整理・改修・改善を行うことです。 ポイントとなる点は「挙動を変更せずに」という点になります。システム開発の現場においてソフトウェアの挙動に問題がないからといってソースコードが最適な状態や万全な状態に整備されているとは限りません。 特に大規模システムが稼働しているの場合ですとシステム全体の整備・システムにおける問題個所の調査や特定を行う事に対して大きな工数が必要となりますので一度構築されたシステムがあまり手を加えられずに放置されているケースも少なくありません。 このようにシステムのリスクがある状態で放置されていることで、現状は問題がないけれども将来的にバグが見つかることや予期せぬトラブルに繋がるケースは少なくありませんので、しっかりとリファクタリングを行う事でリスクを回避することが可能になります。 従来であれば正常に動作しているシステムに対して手を加えるという考え方はあまり好ましいとされておりませんでした。 理由としては、システムの一部のソースコードの手直しをすることで関連するシステムやシステム全体に影響を及ぼす可能性があるためです。 ところが実際の開発現場においては完璧な設計を行うことは難しく、仕様変更や顧客の要求などに対して柔軟に変更できることの優先順位は非常に高いという現実があります。 そこで日常的にプログラムを整理し、仕様変更にも対応可能である整理されたプログラムを書いていくという考え方が生まれリファクタリングの考え方となっていくのです。 以上がリファクタリングの考え方についての説明となります。

リファクタリングを行うタイミングについて

リファクタリングを行うタイミングについて説明させていただきます。 リファクタリングを行うタイミングは工数・納期・予算との兼ね合いがあるため難しい問題であり、現実的にはプロジェクトの状況などによりケースバイケースとなります。 一般的には納期が迫っている場合にリファクタリングを行うことは避けた方が良いとされております。 リファクタリングは必要に迫られて行うという作業ではありませんので、リファクタリングの基本的な知識としてその部分については理解しておくといいでしょう。 アメリカの有名なソフトウェアエンジニアであるマーティン・ファウラー氏は著書『リファクタリング: プログラムの体質改善テクニック』の中で「リファクタリングと機能追加については区別すべき」としております。 具体的なリファクタリングのタイミングについてはコードに「不吉なにおい」を感じ始めたら行うべきと書籍の中で記述しております。 現在の日本におけるシステム開発ではリファクタリングのタイミングを決定するのはクライアント・プロジェクトマネージャーなどプロジェクト運営における決定権をもつ人材であり、チーム体制の中で一人のエンジニアが決定する内容ではない ケースがほとんどです。ただしリファクタリングのタイミングはプロジェクトに及ぼす影響が大きいため、エンジニアとして最低限の知識はしっかりと抑えておく必要があります。

リファクタリングの際の注意点について

リファクタリングの際の注意点について説明させていただきます。 ポイントを3つに絞り紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

作業を細かく行うこと

リファクタリングの注意点の一点目は作業を細かく行うことになります。 リファクタリングの際にはソフトウェアの挙動の変更があってはいけないため、 作業をなるべく細かく分割しリファクタリングの作業前とリファクタリングの作業後で挙動の変更がないかチェックする必要があります。 広範囲の作業を一度に行う方法はリファクタリングにおいては推奨されておりません。

バックアップをしっかりとること

リファクタリングの際の注意点の二点目はバックアップをしっかりとることになります。 バックアップ管理ツールなどを効率的に利用し頻繁にバックアップをとることが重要です。 作業中に挙動やその他何かトラブルが発生した際にすぐにバックアップを使い元のバージョンに戻ることが可能となります。

テストを何度も行うこと

リファクタリングの際の注意点の三点目はテストを何度も行うことになります。 ステップごとに分割しリファクタリングの作業前とリファクタリングの作業後で挙動に変化がないか確認を行うことが重要となります。

リファクタリングのメリットについて

リファクタリングのメリットについて説明させていただきます。 ポイントを2つに絞り紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

開発におけるパフォーマンスの向上

リファクタリングのメリットの一点目が開発におけるパフォーマンスの向上となります。 リファクタリングの実施によりソースコードがわかりやすくなります。 それにより新しく現場に参画したエンジニアのパフォーマンスが上がることが期待できます。 また、頻繁に人が入れ替わる大規模プロジェクトや引継ぎの時間が少ないケースなど 様々なシーンで開発の手助けになるでしょう。

システムの劣化を防ぐ

リファクタリングのメリットの二点目がシステムの劣化を防ぐ点です。 コードが煩雑であることで、エンジニアの負荷が高まり将来的な トラブルを引き起こす可能性が高まるため リファクタリングを実施することでそういったリスクを回避できるというメリットがあります。

リファクタリングのデメリットについて

リファクタリングのデメリットについて説明させていただきます。 ポイントを2つほど紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

工数がかかる

リファクタリングのデメリットの一点目が工数がかかるという点になります。 リファクタリングを行う作業範囲にもよりますが、大規模なシステムの場合にてリファクタリングを実施するとなると調査範囲も広くなりますので工数がかかってしまう点はデメリットと言えるでしょう。

技術力の高いエンジニアの確保が必要となる

リファクタリングのデメリットの二点目が技術力の高いエンジニアの確保が必要となる点です。 すでに稼働しているシステムを改善するため、一定のスキルや経験を保有するエンジニアでないと リファクタリングを行うことが難しいケースが少なくありません。 大規模システムや複雑なシステムあるいは専門的な知識が必要なシステムなどの場合、 経験豊富なエンジニアが対応することが必須と言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか? リファクタリングとは?という点について掘り下げて解説させていただきましたので、 参考にしていただけましたら幸いです。