支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡

  • TOP
  •   
  • コラム
  •   
  • 構成管理ツールとは?詳しく解説させて

構成管理ツールの概要について

クラウドサービスが多様化し、オンプレミスからクラウド環境への移行を進める企業や 複数のクラウドサービスを併用する企業が増加する中で、システムの複雑さは増す一方です。 また、企業のシステム担当者であればコンプライアンス・内部統制やセキュリティーに対する 対策は常に課題に一つとなるでしょう。 このような現代社会の流れの中で、企業におけるシステムの運用体制や監視体制についても見直しを行う企業が増えており、より効率的な運用を行うことが多くの企業の要望となっていることは間違いありません。 構成管理ツールもそういったテクノロジーや社会の流れの中で様々なサービスが生まれて起きております。 構成管理ツールを理解する前に、構成管理についての理解をしておくことは必須となりますので簡単に説明させていただきます。
構成管理は社内にあるハードウェアやソフトウェアなどのIT資産を最新の状態に管理し、把握し構成することを指します。 ソフトウェアソフトウェア管理は「ビルド」「リリース」「バージョン管理」などが管理対象の中心となるケースが多く適切な構成管理を行うことでシステム開発をスムーズに行うことが可能となり、円滑なプロジェクト推進を行うために重要な役割を担います。 また、構成管理ツールに近い意味を持つ言葉としてIT資産管理ツールがありますので説明させていただきます。 構成管理ツールとIT資産管理ツールは業務内容などはほぼ同じですがニュアンスや重視している考え方に異なる点があるため、使い分けさせるケースが多くみられます。 具体的に説明させていただきますと、IT資産管理ツールは構成管理と比較した際によりコンプライアンスの強化とセキュリティ対策に重点を置きます。 例えばソフトウェアのライセンスを規約違反して利用することがないようにしっかりと管理を行うこともその一つです。 また、社員がIT資産の不正利用を行わないように管理することもその一つと言えるでしょう。
一方で構成管理ツールはあくまでも業務を円滑するために社内の様々なリソースの管理を行うという観点が重視されます。 構成管理ツールはその名の通り構成管理を実行するためのツールとなり、 様々なサービスがリリースされておりますが、構成管理のメリットについて紹介させていただきます。 構成機能の最大のメリットは自動化を行うという点となります。 また、社内のリソースを一元管理し管理者の負担を減らすということもメリットとして忘れてはいけません。 以上が構成管理ツールとIT資産管理の違いについての説明となりますが、製品を選定するポイントについて簡単に説明させていただきます。 構成管理ツールとIT資産管理の製品を選定するポイントの一点目が導入する目的を明確にすることです。 本文で説明したように構成管理ツールとIT資産管理ツールは似たような機能を持っていても本質な意味合いが異なります。 そのため、自動化を実現したいのかあるいは社内のコンプライアンス強化やセキュリティー対策を行いたいのかなど企業が製品を導入する目的を明確にすることが重要となります。 構成管理ツールとIT資産管理の製品を選定するポイントの二点目が機能面の確認となります。 製品が搭載している機能や収集可能な項目の確認、あるいは現在のシステム環境との兼ね合いなども商品選定の調査の際には確認していきたいところです。 構成管理ツールとIT資産管理ツールの商品を選定する際のポイントの三点目がシステム連携となります。 現在利用している構成管理ツールやIT資産管理ツールをうまく利用できてない場合は、既存のサービスやツールと連携して利用することで うまく活用できるケースもあります。企業のシステム担当者は多くのサービスやツール、製品の知識を得ることでより効率的なシステム構成を実現できるため、このような様々な知識を学習することで企業に貢献することができるでしょう。 以上が簡単ではありますが構成管理と構成管理ツールについての説明とさせていただきます。 それではさらに詳しく構成管理ツールについて解説せていただきます。

構成管理ツールのメリットについて

構成管理ツールのメリットについてポイントを3つに絞り紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

自動化

構成管理ツールのメリットの一点目は自動化となります。 構成管理ツールを使うことで今までは一台一台手作業で行っていた構築作業や設定作業の変更を自動化することが可能となります。
もう少し詳しく解説させていただきます。 例えばサーバー構築であれば設計書を参考にパラメータシートを作成し、手順に従い手作業で構築を実行するという形が従来の作業フローでした。 それが構成管理ツールを利用することで、設計書から各ツールのプログラミングの実行により自動的に構築を完了することが可能となります。 例えば構成管理ツールとして有名なAnsibleではパラメータシートや手順書、テスト仕様書を置き換えた定義ファイル (Playbook) を作成しツールを 走らせることで簡単にサーバー構築を実行することが可能となります。 また、自動化はサーバー機器やネットワーク機器の状況についても自動的に情報収集を行い、通知を行うため 常に新しい状態で社内のリソースを管理・監視することができるようになります。 このように構成管理ツールの自動化を有効に使うことで業務効率を上げることができる点は 大きなメリットであることは間違いありません。 その一方で自動化を行うほど社内のシステム規模が大きくないケースや、自動化による定型的な作業よりも手動で行う作業のほうが多いケースにおいては、構成管理ツールではなく手動で作業を行うもしくはより効率の良いサービスを利用するということも選択肢の一つとなるでしょう。

一元管理

構成管理ツールのメリットの二点目は一元管理となります。 システムが大規模になるとシステム間の連携やそれに伴う工数や手間が増加してしまいます。 また、一部の変更が全体に悪影響を与えるケースなどもありますため、 できる限り管理者がシステムを一元管理できる方が好ましいと言えるでしょう。 また、システムにトラブルが起きた場合において早期対処が可能である点も 一元管理におけるメリットの一つと言えるでしょう。 構成管理ツールを使うことでシステムの変更を個別に行う時間を削減し、 かつリスクを軽減したシステム運用を実現することが可能となります。 当然管理者の負担も軽減することができるため、システム運用者を強力にサポートすることを可能にします。

作業の負担軽減

構成管理ツールのメリットの三点目は作業の負担軽減となります。 手動で行ってきた作業をコード化、自動化することで作業の負担軽減を実現することが 可能となります。 それだけでなく、エラーをなくすことやオペレーションミスをなくすことで 品質の向上にも繋がることは間違いありません。 社内システムのリソースの標準化も実施でき、多くの面で管理者の作業を軽減するという点が 構成管理ツール導入のメリットとなります。

構成管理ツールの製品について

構成管理ツールの製品について紹介させていただきます。 Infrastructure as Code(IaC)はインフラ構成管理・機械処理可能な定義ファイルの設定・プロビジョニングを自動化するプロセスであり、IaCツールについても理解しておく必要があります。 IaCのアプローチについても紹介させていただきます。 IaCは「宣言型プログラミング」「命令型プログラミング」「インテリジェント」 の三つのアプローチに分類され、「宣言型プログラミング」は最終的な目的やターゲットを明確して そのために何を実行するかというアプローチとなります。「命令型プログラミング」はどのような方法で 実行するのかということを明確にして定義を行うアプローチとなります。「インテリジェント」 は相互依存(共依存)アプリケーションに影響を与えないように目的の状態を決定するアプローチとなります。 IaCツールはコスト削減、デプロイメントの高速化、エラーの減少、インフラストラクチャの一貫性の向上、構成ドリフトの排除などを目的として導入されるケースがほとんどですが、それぞれの製品ごとに特徴がありますので導入前に調査しておくことが必要となります。 構成管理ツールの製品について紹介させていただきますので、参考にしていただけましたら幸いです。

Ansible

構成管理ツールの製品についての一点目がAnsibleとなります。 Ansibleの最大の特徴はエージェントレスであり、そのシンプルさや使いやすさにあると言ってもいいでしょう。 構成管理ツールでは管理対象のサーバーにエージェントをインストールして利用することが一般的ですが Ansibleにおいてはエージェントは不要となります。PythonとSSH接続さえ利用することができれば、 各端末のエージェントがなくとも稼働することができるようになります。 本文で説明させていただいたChefと比較されることもありますが、 Ansibleではより容易に自動化を実行することが可能となります。 Ansibleでは導入するメリットを「時間を節約し、生産性を高める」 「反復的なタスクを排除する」 「ミスとエラーが少ない」「コラボレーションと仕事の満足度を向上させる」と簡潔に表現しております。 Ansibleは2015年にRedHatに買収されております。

Chef

構成管理ツールの製品についての二点目がChefとなります。 ChefはRubyとErlangで記述された構成管理ツールでとして知られており、 安全なアプリケーションとインフラストラクチャを継続的に提供するための自動化ソフトウェアです。 Chefは2009年のリリース以来、多くの環境で利用されております。 Chefの特徴についていくつか紹介させていただきます。 Chefは名前の通り、料理に関連するキーワードが各機能や技術に対して ネーミングされており、構成管理の自動化による自動化により作業の効率化や 無駄を削減し、担当者の負担を軽減することが可能となります。 ライセンス費用はゼロであり、無料で使用できるため多くの現場に導入されていることでも 知られております。 また、プログラミング言語(Ruby)を利用したインフラの構築・設定を実行するということも Chefの特徴となります。

Puppet

構成管理ツールの製品についての三点目がPuppetとなります。 PuppetはRubyで記述されていることが特徴の構成管理ツールであり、2005年にリリースされました。 Puppetはシンプルでありながら強力な方法で、より多くのインフラストラクチャと複雑なワークフローを管理および自動化することを可能とします。 Puppetは無償のオープンソース版と有償のエンタープライズ版があり、ユーザーが必要な機能や性能によって選択することができます。すでに紹介させていただいたChefに影響を与えたことでも知られております。

構成管理ツールに関する資格について

構成管理ツールに関する資格について説明させていただきます。 構成管理ツールのみを専門に扱う資格、および特定の構成管理ツールのみを 専門に扱う資格は決して多くなく、構成管理ツールに関する資格はベンダーが主催する認定資格の中の 一部分で取り扱われているケースが多いようです。 構成管理ツールに限らず、エンジニアが何かしらの知識を学ぶ際には資格学習を行うことで 知識を体系的に学ぶことができるためおすすめとなります。 「LinuCレベル2 Version 10.0」と「ITサービスマネージャ試験」について説明させていただきますので 参考にしてみてください。

LinuCレベル2 Version 10.0

LinuCは日本独自のLinux認定であり、NPO法人LPI-Japanによって主催されております。 難易度と出題範囲により「LinuCレベル1 Version10.0」「LinuCレベル2 Version10.0」「LinuCレベル3」 に分類されています。
「LinuCレベル1 Version10.0」はエントリーレベルの試験であり、 仮想マシンとコンテナを含むLinuxサーバーの構築と運用・管理ができることや、 クラウドのセキュリティを理解し、安全に運用できること、 オープンソースの文化を理解し、業務に活用できるなど基礎的な内容が問われます。 「LinuCレベル1 Version10.0」では構成管理ツールに関する掘り下げた出題はありませんが、 オープンソースに関する文化や知識が問われるため、経験の浅いエンジニアやこれからインフラエンジニアを目指す方に はおすすめの資格の一つとなります。
「LinuCレベル2 Version10.0」においては仮想環境を含むLinuxのシステム設計、ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計、導入、保守、問題解決 などを行う技術者認定試験となり、「LinuCレベル1 Version10.0」より一つランクの高い知識が問われる試験となります。 一定の知識や経験が問われる試験となるため、現場での経験を積んだエンジニアのほうがスムーズに取得できるでしょう。 「LinuCレベル2 Version10.0」を取得することでLinuxシステムの設計、構築、監視、トラブルシューティングができることや、仮想マシンやコンテナの仕組みを理解し、その管理と運用ができることや、セキュリティとシステムアーキテクチャの基本を理解し、 サービスの設計、構築、運用・管理ができるエンジニアであることなどの証明となります。 さらに具体的な内容としては 「小規模から中規模までのサイトを管理する。」 「仮想マシンやコンテナを含む複数システムを統合管理する。」 「次のような異種OS(Linux, Windows)混在環境ネットワークの計画、実装、保守、一貫性の維持、セキュリティ設定、トラブルシューティングを行う。」 「LANサーバー (Samba, NFS, DNS, DHCP, クライアントの設定)」 「インターネットゲートウェイ(firewall, VPN, SSH, web cache/proxy, mail)」 「インターネットサーバー (HTTPサーバーとリバースプロキシ)」 「プロジェクトメンバーを指導する。」 「システム導入、案件の発注内容、予算等についてプロジェクトマネージャーに助言やサポートをする。」 「代表的な非機能要件である可用性とスケーラビリティを考慮したシステムアーキテクチャの基本パターンを理解し、実際のシステム構成に応用できる。」といったように定義されております。 「LinuCレベル2 Version10.0」の構成管理に関する出題は「2.04.6 システム構成ツール」の範囲であり、 出題内容は「システム構成ツールの機能、メリットを知っている。(自動化の標準化, 効率化, スケール可能, 冪等性)」 「Ansible の構成要素を理解している。(インベントリ、モジュール、Playbook)」 「システムの構成変更を自動化する。(仮想サーバー・コンテナの払い出し)」 「アプリケーションのリリースネットワーク機器のステータス取得・設定変更)」 「自動化のためのファイルとツール(Playbook, YAMLansible, ansible-playbook)」であり概要は「システム構成ツールの必要性を理解している。」 「システム構成ツールを使って、対象ホストの設定が行える。」と定義されております。 参考書やテスト出題内容などを確認することで知識が深まりますので学習に役立ててください。 以上が構成管理ツールに関する資格についての説明とさせていただきます。

ITサービスマネージャ試験

ITサービスマネージャ試験について説明させていただきます。 ITサービスマネージャ試験は独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)が 主催する資格であり、高度IT人材として確立した専門分野をもち、サービスの要求事項を満たし、 サービスの計画立案、設計、移行、提供及び改善のための組織の活動及び資源を、指揮し、管理する者と 定義されております。 ITサービスマネージャ試験はシステム運用管理に関する知識を問う試験区分として 他の資格とはやや傾向が異なりますが、 構成管理および構成管理ツールと関連の深い資格として取り上げさせていただきます。 特に午後の試験で行われる「サービスサポート及びサービスデリバリに関すること」 (定常的なシステム運用管理にかかわるサービスデスク,インシデント管理,問題管理,構成管理,変更管理, リリース管理及びシステム運用管理の計画と改善にかかわるサービスレベル管理,可用性管理,キャパシティ管理,IT サービス財務管理,IT サービス継続性管理など) や「システムの運用管理に関すること」(アプリケーションの展開・運用・最適化にかかわるアプリケーションシステムの受入れ, ライブラリ管理,運行管理,障害時運用方式,システムの監視,稼働状況管理,障害管理,システムのチューニングとパフォーマンス管理, バッチ処理スケジュールの管理と保守,バックアップとリストア,サービス障害又は災害時の代替処理・復旧,ストレージ管理 など)が構成管理と関連の深い内容となります。 ITサービスマネージャは主に業務システムの運用管理責任者(運用管理・システム管理・オペレーション・サービスデスク等のリーダー)向けの 資格であるため社内SEや事業会社などで社内SEやシステム運用を行うエンジニアとの相性が良い資格と言えるでしょう。 ITサービスマネージャ試験として問われる知識としては「サービスマネジメントシステムの計画、運用、評価及び改善を行う」「新規サービス又はサービス変更について、変更を管理し、サービスの設計、構築及び移行を行う。」 「サービス運用チームのリーダとして、安全性と信頼性の高いサービスを顧客に提供する」 「顧客関係を管理し、顧客満足を維持する。提供するサービスについて顧客と合意する。サービスの改善を行う」「顧客の設備要件に合致したハードウェアの導入、ソフトウェアの導入、カスタマイズ、保守及び修理を実施する。また、データセンタ施設のファシリティマネジメントを行う」のようになります。 以上がITサービスマネージャ試験についての説明とさせていただきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?資産管理ツールについて紹介させていただきましたので、 参考にしていただけましたら幸いです。