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  • ソフトウェア品質技術者資格認定とは?

ソフトウェア品質技術者資格認定の概要について

ここでは、ソフトウェア品質技術者資格認定(JUSE Certified Software Quality Engineer)とは?という点について詳しく解説させていただきます。
ソフトウェア品質技術者資格認定は一般財団法人日本科学技術連盟が運営する資格であり、ソフトウェアの品質向上を目的として実施される資格です。 現在の社会においてソフトウェアの分野が占める領域は非常に大きく、我々の生活と密接しております。 また、その割合は将来的に増えていくでしょう。その一方でエンタープライズ系・組込み系を問わず品質事故が発生するなどまだまだ課題は少なくありません。 例えば組込みシステムを使う消費者であれば、システムに問題があれば危険を招きかねません。 また、情報システムを利用する企業であれば利益を阻害されるだけでなく、多くの関係者に影響を与えさらには企業の信頼を落とすことになりかねません。 高度に発展したソフトウェア産業ではありますが、品質面を考慮するとまだまだ大きな課題が残ることは 間違いありません。
ソフトウェア品質技術者資格認定はこのような課題に取り組み、品質向上を実施するために設立されました。 もちろん多くのソフトウェア開発組織では、ソフトウェアの品質向上策を講じています。しかし、十分な効果を上げている組織は少ないのが現状です。 それは品質向上策が一面的であったり、品質保証スタッフなど一部の人員だけで進めていることが原因です。
また、一過性の策や表面的な策に終始してしまうのも原因でしょう。 特に、中小企業のソフトウェア開発の現場においては、納期や管理者の問題などもあり品質に課題が生まれるケースは非常に多いというのが現実です。 ソフトウェア品質技術者資格認定を取得した開発者やエンジニアが適切に現場にいることで、こういった課題を解決することができるのではないでしょうか。
ソフトウェアの品質向上を効果的に進めるためには、包括的かつ体系的で本質的な品質向上策を継続的に実施することが重要であることは言うまでもありません。そのためには、品質保証スタッフなど一部の人員だけがその責を担うだけでは不十分であり、品質は組織全員で作り込まねばならないのです。 まず必要なのは、ソフトウェアの品質向上に関する知識を組織全員が身につけることに他なりません。 品質保証スタッフはもちろんのこと、開発者やテスト技術者、プロジェクトリーダやマネジャー、保守運用技術者、教育担当者、そして経営者といった全ての人員が身につけることが必要です。
現在、日本国内においてはテストや品質保証に関する資格は多くありません。 ソフトウェア品質向上のための資格制度一般財団法人日本科学技術連盟は、日本のソフトウェア産業から品質事故を根絶し安全・安心な社会を実現するために、ソフトウェア品質に関する資格認定制度を設立しました。 これらの知識はエンジニアとしてのスキルアップやキャリアアップに貢献するだけでなく、組織に対して大きな貢献をもたらすことは間違いありません。

申し込みの流れ

ソフトウェア品質技術者資格認定に申し込みを行う際は、まずWebサイトから開催日程を確認する必要があります。 東京、大阪の会場は基本的に毎回開催されておりますが、地方都市の場合必ずしも開催されているとは限りませんので注意が必要です。また、会場定員が設定されているため、実施されている場合においても申込のタイミングによっては受験できないことがありますので注意が必要です。 申込締切後の追加申込、キャンセル待ち受付などがありませんのでWebサイトをチェックし、開催が決定した時点で早めに申し込みをするといいでしょう。その後受験の可否は登録のメールアドレス宛に送られてきます。
振込の案内は、申込締切後、受験可能な方へのみ連絡がきます。 振込期限までに入金がない場合は取り消しとなるため、期限に遅れないように注意が必要です。 その後実施要領・受験票が郵送されますので、それらを持参し試験日に会場に向かいましょう。

ソフトウェア品質技術者資格認定の詳細について

ソフトウェア品質技術者資格認定は難易度によって二つの試験が準備されており、それが初級ソフトウェア品質技術者資格試験と中級ソフトウェア品質技術者資格試験です。 それぞれについて説明させていただきますので、参考にしてみてください。

初級ソフトウェア品質技術者資格試験

初級ソフトウェア品質技術者資格試験はソフトウェア品質技術者資格認定の中で難易度の低い試験に該当します。出題形式は選択問題(40問)で、試験時間は60分間(休憩なし)、合格ラインは合格ライン70%程度とされております。
シラバス内には、知識レベルを設けており、初級ソフトウェア品質技術者資格試験は知識レベル1~3で出題されます。 シラバスの知識レベルは以下の通りに設定されております。
レベル 1(L1)は知っているレベルです。概念や用語を知っており、その概要を述べることができるレベルです。
レベル 2(L2)は知識を説明できるレベルです。 概念や用語の意味や背景を理解しており、具体的な例を挙げて説明することができるレベルとなります。
レベル 3(L3)は概念と使い方がわかるレベルです。 概念や技術の使い方がわかっており、それらを適切に選択して、限られた条件の下で与えられた課題を解決できるレベルです。
レベル 4(L4)は詳しく理解し応用できるレベルです。 概念や技術を詳しく理解しており、実用的な問題を解決するために、その知識を応用できるレベルです。
レベル 5(L5)は熟達しているレベルです。 実社会の複雑な問題に対して、構造を明らかにして要素に分解するとともに、解決に必要な検討を加えて結論を導くことができるレベルです。
初級ソフトウェア品質技術者資格試験は、現代で重要なキーワードとなっている人工知能、AI、クラウド、アジャイル開発やDevOpsといった領域を抑えているので、それぞれについて簡単に説明させていただきます。

人工知能は、インテリジェントな機械を作成する方法を研究するコンピューターサイエンスの一分野です。これは非常に広い用語であり、機械学習からロボット工学、自然言語処理、画像認識まで、あらゆるものが含まれます。
AIは、社会のさまざまな分野に適用できるテクノロジーです。その最も一般的なアプリケーションの1つは、インタラクティブなレッスンやゲームを生徒に提供することで、生徒に新しいスキルを教えたり、学習プロセスを強化したりするのに役立つ教育の分野です。また、ヘルスケア業界に提供するものもたくさんあります。 AIは、人間よりも正確に医用画像とデータを分析することで、医師がより良い診断を下せるように支援します。 さらに、輸送システムの改善や気候変動との戦いなど、より効率的な手段を通じて各国が目標を達成できるよう支援することにより、開発目的の重要なツールとして使用されてきました。 これらのテクノロジーはソフトウェアのテクノロジーと融合し、今までになかった世界を開拓することになるでしょう。
ソフトウェア品質技術者資格認定の中で扱う内容としては以下の通りとなっておりますので、参考にしてみてください。 人工知能システムにおける品質の分野では、人工知能システムにおける品質の考え方を知っており、その概要を述べることができる能力が問われます。必要な知識のキーワードとしては、 人工知能システムにおける品質、ハイパーパラメータ、モデル、回帰、学習プログラム、機械学習、強化学習、 教師あり学習、教師なし学習、訓練データ(学習データ)、深層学習、人工知能、分類、となります。また、人工知能システムにおける品質の概念を知っており、その概要を述べることができるための知識も必要で、キーワードとしては、人工知能システムにおける品質の概念、A/Bテスティング、AUC(Area Under Curve)、F値(F-Measure)、 KPI(Key Performance Indicator)、ROC曲線、コンセプトドリフト(concept drift)、 テストデータ、マクロ平均、一般化エラー、仮説検定(hypothesis testing)、過学習(over fitting)、頑健性(robustness)、決定係数、交差検証、公平性、混同行列(confusion matrix)、再現率(Recall)、 真陽性、偽陽性、真陰性、偽陰性、性能、正解率(accuracy)、説明可能性(explainability)、敵対的サンプル(adversarial example)、適合率(Precision)、汎化性能、平均二乗誤差(RMSE)、未学習、となります。

次に、IoTデバイスは今や私たちの日常生活で一般的になっています。それらはほとんどすべての家、オフィス、そして路上でさえ見つけることができます。これらのデバイスは、データを収集および分析して、環境や私たち自身の健康に関する正確な情報を提供することができます。最も重要な利点は、以前は手動で実行されていたタスクを自動化することで時間を節約できることです。また、特定のタスクで人間が入力する必要がなくなるため、日常生活がより便利になります。 IoTは、物理的なデバイスとオブジェクトの接続を中心に展開する広大なシステムで、これらのオブジェクトはすべてインターネットに接続されており、特別なアプリでアクセスできます。このシステムは3つの層に分けることができます。一つは物理的なオブジェクト、もう一つはセンサー、さらにもう一つがクラウドです。クラウドはデータを収集し、保管しさらに利便性を提供します。
ソフトウェア品質技術者資格認定においては、IoTシステムにおける品質の考え方を知っており、その概要を述べることができるための知識が問われます。キーワードとしてはIoTシステムにおける品質、CPS(Cyber-Physical System)、IoT(Internet of Things)、 エッジ(Edge)などです。IoTシステムにおける品質の概念については、その概要を述べることができるための知識が必要となります。 キーワードとしてはIoTシステムにおける品質の概念、CoAP(Constrained Application Protocol)、 DTLS(Datagram Transport Layer Security)、IoTセキュリティ、IoTプライバシー、Trustworthinessや信用性、フォレンジック、プライバシー・バイ・デザイン、レジリエンス(Resilience)、脅威などです。
以上が簡単ではありますが初級ソフトウェア品質技術者資格試験に関する説明とさせていただきます。

中級ソフトウェア品質技術者資格試験

中級ソフトウェア品質技術者資格試験はソフトウェア品質技術者資格認定の中で上級の資格に該当します。 出題形式は選択式25問、記述式3種類の出題形式により、あわせて17問出題します。 試験時間は120分(休憩なし)で実施されます。 出題範囲は中級シラバス(Ver.3.0)に準拠しており、シラバス内には、前述の通り知識レベルを設けておりますが、選択式は知識レベル2~3で、それ以外の問題は知識レベル3~4で出題されます。 合格ラインは70%程度(選択式、記述式ともに)となります。

中級ソフトウェア品質技術者資格試験について具体的な内容について少し触れておきます。
例えば、品質の概念について出の項目では、品質の概念を知っており、その概要を述べることができるための知識が要求されます。キーワードとしては品質の概念、品質要求、QCD、Trustworthiness、コトづくり、エラー、バグ、フォールト、故障(failure)、障害(fault)、機能性欠陥、発展性欠陥などです。
品質の定義(品質の考え方の変遷)では品質の定義および品質の考え方の変遷を知っており、その概要を述べることができるための知識が必要です。設計品質、適合品質、一元的品質、当たり前品質、魅力的品質、品質管理、デミング賞、ディペンダビリティ、ISO 9000シリーズ、ISO/IEC 25000 シリーズ(SQuaRE)などがキーワードです。
ソフトウェア品質モデルも重要な内容です。ソフトウェア品質モデルを知っており、その概要を述べることができるための知識が必要です。ソフトウェア品質モデル、システムおよびソフトウェア製品の品質モデル、製品品質モデル、利用時の品質モデル、データ品質モデル特性、ISO/IEC 25000 シリーズ(SQuaRE)、品質特性、セキュリティ、リスク回避性、移植性、機能適合性、互換性、効率性、使用性、信頼性、性能効率性、保守性、満足性、有効性、利用状況網羅性、などがキーワードです。
品質マネジメントも、その概念や意味、背景を理解しており、具体的な例を挙げて説明することができるための知識が必要となります。 品質マネジメント、品質改善、品質管理(quality control)、品質計画、品質保証(quality assurance)、品質方針、品質目標、ISO 9000シリーズ、TQC、TQM、検査重点主義、現地現物、工程管理重点主義、小集団活動、 新製品開発重点主義、全員参加などがキーワードとなります。
品質管理は、ソフトウェアエンジニアリングプロセスの重要な部分です。このプロセスにより、製品が高品質であり、顧客が確実に使用できることが保証されます。品質管理プロセスはまた、製品が顧客の期待と要件を満たすことを保証します。
品質管理は、製品の品質を評価および改善する方法を定義する品質計画から始まります。また、これらの評価を実行し、製品を改善し、顧客の要件を満たすための進捗状況を測定するための一連の手順も含まれています。 品質管理の重要性はどの業界でも過小評価することはできませんが、ソフトウェアエンジニアリングでは、顧客と開発者の両方に大きな影響を与える可能性があるため、特に重要です。

中級ソフトウェア品質技術者資格試験の学習においては、 「ソフトウェア品質知識体系ガイド - SQuBOK Guide - 第3版」著者:SQuBOK策定部会や、「初級ソフトウェア品質技術者資格試験(JCSQE)問題と解説【第3版】」「ソフトウェア品質知識体系ガイド - SQuBOK Guide -」 などが主参考書籍として取り上げられております。
以上が中級ソフトウェア品質技術者資格試験に関する説明となります。

ソフトウェア品質技術者資格認定に関連する資格について

ソフトウェア品質技術者資格認定に関連する資格について説明させていただきます。 それはCompTIA(The Computing Technology Industry Association)が主催する資格の一つである、CompTIA IT Fundamentals(ITF+)です。 CompTIAは多くの資格を認定しており、業界において最も有名な認定団体の一つで、ITF+は最も難易度の低い資格となります。 ITF+と同様にエントリークラスの資格は複数ありますが、 その中でグローバルに認められている資格の代表格とも言えるので、これから業界の挑戦する若手エンジニアは是非挑戦してみることをおすすめします。

ITF+の特徴として、世界的に認知度が高いため資格取得者はグローバルに活躍の場が広がるということがあげられます。日本国内だけでなく海外でソフトウェアエンジニアとして活躍するためにも有効な認定資格ということが言えるでしょう。
ITF+を取得するメリットの一点目がベンダーニュートラルであり、多くの現場で活躍する可能性が高まるという点です。これはCompTIAの認定資格全てについて言える共通点でもありますが、特定のベンダーに依存しない中立な知識を獲得することであらゆる現場に対応するための柔軟性を得ることができるでしょう。 近年の傾向として特定のベンダーが市場シェアを大きく奪っており、それらに対する専門知識の重要性は増す一方です。
その一方でソフトウェアやITテクノロジーに対する基礎的な知識というのは普遍的なものであるということも また事実です。このような基礎知識がないまま活動してしまうとベンダーのシェアが変わることや変化が生まれた際に対応できないというケースが生まれてきてしまいます。 IT業界のテクノロジーの変化の動きは非常に速いため、より柔軟性の高い人材になるためには特定ベンダーに依存した知識よりも普遍的なテクノロジーの知識や理解がより重要視されることは言うまでもありません。ITF+を入り口として、CompTIAの他の認定資格を獲得するというキャリアアップは推奨できます。 また、ソフトウェア品質技術者資格認定のように特定の業務に対する専門的な知識を獲得することもキャリアアップに大きな役割を果たすでしょう。
メリットの二点目が世界標準の認定資格であるという点となります。 例えばCompTIAのいくつかの資格は米国国防総省(The U.S. Department of Defense: DoD)の必須資格とされております。ITF+はその難易度の低さから必須の認定資格としては認定されておりませんが、世界標準のCompTIA(The Computing Technology Industry Association)の認定資格ということで高い権威性を担保することができるでしょう。 これらはエンジニアのキャリアアップに大きく貢献することは間違いありません。

ITF+は「ITの基本と専門用語」「アプリケーションとソフトウェア」 「データベースの基礎」「インフラストラクチャ」「ソフトウェア開発」「セキュリティ」の6つの分野から構成されております。 CompTIA IT Fundamentals(ITF+)は75問で、単一/複数選択、900までのスコア形式 650スコア以上、60分で実施されます。
「ITの基本と専門用語」はITの基本的な知識を体系的に学習することができます。 ここでは基礎データの種類とその特性を比較対照する知識、基本的なコンピューティングとプロセスを説明する知識、データと情報の価値を説明する知識、一般的な単位を比較対照する知識、トラブルシューティング方法について説明するための知識などが出題範囲となります。トラブルシューティングの方法としてまずは問題を特定すること、 仮説を立てること、さらに仮説に対して- 仮説が証明された場合(根本 原因の証明)、問題解決に向けた今後の対応を決定することや仮説が証明されなかった場合、 仮説を立て直すか、エスカレーションするなどの正しい行動を学ぶことができます。 また、問題解決のための対応計画を策定 し、潜在的な影響を分析することや計画を実行するか、必要に応じてエスカレーションすること、システム全体の機能を検証し、該当する場合は予防対策を実施すること、原因、対策、結果を文書化し共有することなど具体的な対応方法についても理解をすることが可能です。 ITの現場において全く同じトラブルシューティングが発生するというケースは多くありませんので、そのケースに応じて柔軟に対応することが求められます。 そのために必要なことが上記のような基本的な知識や、トラブルシューティングのためのフレームワークの理解となります。
「アプリケーションとソフトウェア」では、入力/出力デバイスインターフェースの一般的な種類を区別することができるための知識、与えられたシナリオに基づいて、ノートパソコン/PCに一般的な周辺機器の設定とインストールを実施する知識、一般的なコンピュータの内部コンポーネントの目的を説明する知識、一般的なインターネットサービスのタイプを比較対照することができる知識、ストレージの種類を比較対照する知識、一般的なコンピュータデバイスと使用目的を比較対象する知識、基本的なネットワークの概要を説明する知識、与えられたシナリオに基づいて基本的な無線ネットワークをインストール、設定し、セキュリティを維持する知識などが出題範囲となります。 この内容はソフトウェアエンジニアだけでなく、インフラエンジニアやサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアやヘルプデスクなど様々な職種の基本を担う知識を言ってもいいでしょう。
「インフラストラクチャ」では、一般的な周辺機器をインストールしたり、基本的なワイヤレスネットワークをセキュアに接続する方法を理解するといった知識が必要となります。 現在のビジネスにおいてクラウドやDXの推進など、インフラストラクチャに関する需要は高まる一方です。 特に、ネットワーク通信の基礎、パケット通信の基礎、DNS 、URLからIPへの変換、LANとWANの違い、デバイスのアドレス 、IPアドレス、MACアドレス、基本的なプロトコル、HTTP/S、POP3、IMAP、SMTP 、デバイス、モデム、ルーター、スイッチ、アクセスポイント、ファイアウォールといったネットワークエンジニアにとって基礎的な用語を学習する必要があります。
「データベースの基礎」では、データベース概要と利用目的について説明する知識、さまざまなデータベース構造を比較対照する知識、データベースインターフェースの使用方法を要約する知識などが出題範囲となります。
「ソフトウェア開発」では、様々なプログラミング言語のカテゴリを理解し、ロジックを解釈し、プログラミングコンセプトの目的を理解するための知識が問われます。プログラム言語のカテゴリーに関して比較対照することができる知識、 与えられたシナリオに基づいてプログラミング構成テクニックとインタプリタ方式を使用することができる知識、プログラミング概要の目的と利用について説明することができる知識などが出題範囲となります。
以上が簡単ではありますがITF+に関する説明とさせていただきます。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

ソフトウェア品質技術者資格認定に関連する資格として、エンベデッドシステムスペシャリスト試験(Embedded Systems Specialist Examination)があります。エンベデッドシステムスペシャリスト試験はIoTを含む組込みシステムの開発に関係する広い知識や知識を証明するための資格で、組込みシステム開発基盤の構築や組込みシステムの設計・構築・製造を行うエンジニア、あるいはIoTの業務に携わるエンジニアが対象となります。ソフトウェアテストのための資格ではなく、比較的難易度の高い資格となりますが、今後大きな需要のある資格であるため、ソフトウェア品質技術者資格認定に関連する資格として紹介させていただきます。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、午後Iと午後IIで構成されており、出題範囲は、 コンピュータ構成要素、ハードウェア、ソフトウェア、システム開発技術、情報セキュリティ、 コンピュータネットワーク、ソフトウェア開発管理技術、ビジネスインダストリ、 基礎理論(離散数学、応用数学、アルゴリズム、プログラミングなど) 、ヒューマン・インタフェース・デバイス、マルチメディア 、データベース、プロジェクトマネジメント、ITサービスマネジメント、システム監査、 システム戦略、システム企画、経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント 企業活動、法務などです。 上記からも分かる通り、多岐に渡る専門的な知識が問われることが最大の特徴と言えるでしょう。そのため、合格するためには特定の領域の知識を深めるだけでなく満遍なく知識を身につける必要があります。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験の資格取得によって、 機能仕様に基づき、ハードウェアとソフトウェアの適切な組合せを実現し、組み込みシステム開発における各工程を主導的に遂行できるための知識、また、特定の技術・製品分野についての高度で専門的な知識、開発経験を基に開発する当該分野の専門家から技術上の知識を獲得して、組み込みシステム開発を行う上で効果的な開発環境の構築と改善ができるための知識を獲得できます。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験の合格率は毎年10%前後で推移しており、受験者の多くが応用情報技術者試験や基本情報技術者試験の合格に到達していることから考えると、難易度の高さをご理解いただけるはずです。 また、電子回路や電気に関する知識も要求される問題があり数学の知識も必要とされますので、 事前の準備が必要です。 計算問題も出題されますので、不慣れな方は練習して慣れておく必要があります。

すでに本文で述べたように、エンベデッドシステムスペシャリスト試験の需要が高まる理由の一つがIoTです。 IoTとは「Internet of Things」の頭文字をとった文字で、「モノのインターネット」という意味になります。 ヒトのインターネットである「Internet of Human/IoH 」(ヒトがインターネットと繋がる)や、能力のインターネット化である「Internet of Ability/IoA」 などと共に人々の生活を豊かにする新しいテクノロジーとして様々な開発が行われております。 IoTが活躍するシーンは非常に多岐に渡り、例えば家電・車など我々の身の回りにあるありとあらゆる「モノ」がIoTの対象となります。
IoTが我々にもたらすメリットは非常に大きく、その一点目は利便性です。IoTにより人々は圧倒的に快適な暮らしを実現することができるようになります。 例えば家電の遠隔操作などはその代表的な例になるでしょう。IoTによる快適な暮らしの実現については、各家電メーカーにより日々研究が行われております。 IoT導入により、「衣食住」の住に関わる部分の質を上げることでQOLの高い暮らしを実現することが可能になります。 また、これらのテクノロジーや医療や介護にも使われます。 高齢化社会を迎えるにあたり、IoTのテクノロジーがより多くの人を豊かにし健康的な生活を行うための基盤となる日が近いことは間違いありません。
二点目が経済の発展となります。IoT導入により生産工程や物流工程において大幅なコスト削減を行うことが可能になります。 今までは人間が担当して無駄なコストが発生していた作業をIoT化することで、働き方や生産性に大きな変化が生まれてくることは間違いありません。 こういった業務の効率化がイノベーションを起こし、経済の発展に繋がっていくと見られております。 実際に多くの企業においてはIoTや人工知能(AI)のテクノロジーにより、人々の仕事はよりクリエイティブな業務に集中できるようになっております。 これらの社会的な変革を担うのがIoTであり、それらは経済の飛躍的な発展に繋がると見られております。 このように、 IoTには非常に大きな可能性がありそれらに関する体系的な知識をエンベデッドシステムスペシャリスト試験によって学習することが可能となります。

組み込み系エンジニアにとってもエンベデッドシステムスペシャリスト試験は重要な資格の一つと言えるでしょう。 組み込み系システムは長い歴史を持ち、今後も様々なシーンで活用されるテクノロジーの一つとなります。 組み込み系のエンジニアにとって関連する認定資格は決して多くないため、この資格を取得することで第三者に対して知識やスキルを証明することが可能となります。国内における組み込み系の認定資格の最難関の資格の一つと言えますので、資格を取得することでエンジニアのキャリアアップに繋がることは間違いありません。
以上がエンベデッドシステムスペシャリスト試験についての説明となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
ソフトウェア品質技術者資格認定について説明させていただきましたので、参考にしていただけましたら幸いです。