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はじめに

IT業界では「Amazon Web Service」、通称AWSが完全に定着しており、その普及率はますます加速しています。企業やシステムの需要に合わせてスペックなどをカスタマイズでき、高額な初期投資も必要ありません。スタートアップ企業や駆け出しのベンチャー企業などは新規に採用し、大手企業でもオンプレ環境からAWSへの移行を実施しているところが増えています。

そんな中AWSを扱える人材、すなわちAWSエンジニアが不足しています。今回はAWSエンジニアの仕事内容や年収、必要とされるスキルなどをまとめました。

AWSエンジニアの仕事内容

AWSエンジニアの仕事内容について解説します。実際の案件・求人例も参考にしながら、業務内容や必須経験についても見ていきましょう。

AWSを基盤としたアプリケーションの開発

AWSを基盤として、アプリケーションの開発をする仕事です。使用言語はJavaやJavaScript、PHP、Pythonなど様々です。AWS基盤での開発となるので、AWSの多くの機能を熟知していることが必須となります。

実際の求人例としては、Java+AWSエンジニアのアプリケーション開発・サーバ構築がありました。業務内容としては、AWSを中心としたクラウド環境でのJavaを使ったアプリケーション開発、サーバ設計・構築です。必須経験としては、AWSの移行・開発経験がある方やJava言語を使ったシステム開発経験などが求められているようです。

AWSのインフラ設計、構築

AWSインフラ設計と、設計書を元に構築する仕事です。AWSを用いたWebサーバやLDAP、DBやDevOps基板などを設計します。運用自動化のためにパラメータシートを作成することもあります。

実際の求人例としては、ゲームのインフラの設計・構築がありました。業務内容としては、AWSでのサーバ設計・構築です。サーバ環境はLinux、OSはCentOSです。必須経験としては、AWSやGCP、Azureでのインフラ設計・構築経験やインフラ経験、データ分析などDBやSQLの知識などが求められるようです。求人を見ていると、AWSだけでなくAzureやGCPにも精通していると尚良いといった記述が多いことに気づきます。クラウドプラットフォーム全般に強い人材を、企業が欲している証拠ですね。

AWSのインフラ運用、保守

AWSインフラの運用、監視を行います。インスタンスの監視、障害時の対応、OS、ミドルウェアのチューニングや最適化、設定変更など幅広く運用を行います。

実際の求人例としては、インフラ基盤の運用の求人がありました。業務内容としては、自社サービスのAWSインフラ運用業務です。構築から運用まで幅広く携われるようです。必須経験としては、AWSに関する設計・構築・運用経験やサーバーレスアーキテクチャ基盤に関する知見、ビッグデータ分析基盤に関する知見などが求められるようです。

AWSエンジニアの年収

AWSエンジニアの年収の相場は約400〜600万円です。仕事内容やスキルセットによっては、1,000万円以上の高額な年収を得ているエンジニアもいます。AWSエンジニアのポジションは、インフラエンジニアと似ています。企業としては、インフラエンジニアにプラスしてAWSが使えるという考え方を持っているところが多いようです。ですので、年収帯もインフラエンジニアと似ています。

AWSエンジニアの需要と将来性

AWSエンジニアの需要と将来性についてみていきましょう。AWSを利用する企業は100万社を超え、AWSを基盤として新規にアプリケーションを開発したり、オンプレ環境からAWSに移行したり、管理の一元化をはかるなど利用目的は様々です。また多額の先行投資やサーバーなどを物理的に用意する必要がないので、資金的にまだ余裕のないスタートアップ企業で採用しているところが非常に多いです。IT人材の不足が懸念されている昨今ではAWSエンジニアの数も少なく、比較的新しいプラットフォームであるAWSを扱えるエンジニアは重宝され、需要・将来性共に高いと言えるでしょう。しかしながら、AWSエンジニアに求められる要件や仕事内容は今後もさらに変わっていくであろうと予想できます。AWSエンジニアとして長く安定して活躍していくためには、設計や構築の経験をたくさん積むと同時にできるだけ多くのAWS機能を扱えるよう努力し、最新の情報を常にキャッチアップすることを継続していきましょう。

AWSエンジニアに必要なスキル

AWSエンジニアになるのに必要なスキルを見ていきましょう。

クラウドに関する知識

まずクラウドに関する知識が必要です。AWSはご存知の通り、Amazon.comにより提供されているクラウドコンピューティングサービスです。似たようなものとして、マイクロソフトのMicrosoft AzureやGoogleが提供しているGoogle Cloud Platformがありますね。これらはクラウドで様々なインフラ環境を構築でき、利用しやすいように機能を必要な分だけに制限し、カスタマイズが可能です。オンプレからクラウドへ移行する企業が増えている背景もあり、クラウドに関する知識はAWSエンジニアに必須と言って良いでしょう。AWSだけでなく先に挙げた3つはクラウドプラットフォームの大手であり、企業でもこのどれかを使用することが多いです。AWSだけでなくAzureやGCPにも精通していると導入の際に比較検討できるので、尚良いでしょう。

AWSについての知識

AWSエンジニアとしてまず必要になるのはAWSの知識です。書店にいくとすでに多くの書籍が出版されており、1つのコーナーとして成り立つほどです。その利便性や可用性は世界中で評価されています。AWSは様々なサービスを提供しているので、現場では「どのサービスが最適か」を見極める必要があります。AWSには40以上のサービスがありますが、特に利用シーンが多いのは、仮想マシンを実行できる「Elastic Compute Cloud(EC2)」、オンラインストレージサービスの「Simple Storage Service(S3)」、AWS上で様々なRDBを利用できる「Relational Database Service(RDS)」などです。AWSエンジニアの仕事としてクライアントが要望する機能を実装するのに最適なサービスを選択、カスタマイズし、提案することが求められます。

ネットワーク構築

AWSでEC2インスタンスなどを構築する際に必要になるのが、ネットワーク構築に関する知識です。クライアントや現場に応じて最適な環境構築をしなければならないので、リソースや予算、ランニングコストなどを鑑みて適切な判断を下す必要があります。企業によっては部署単位で使用する回線を変えることもあります。クライアントの要望をAWS上でスムーズに実現するには、ネットワーク構築の経験やネットワーク機器に関する知識、セキュリティに関する知識も必要になります。

サーバー、仮想化に関する知識

AWSは仮装サーバやストレージなど様々なサービスを提供しています。クラウドを使用する際に欠かせない概念となってくるのが「仮想化」です。AWSエンジニアとしてだけではなく、ITエンジニアに必須となってくる項目の一つと言っても良いでしょう。

インフラエンジニアとしての経験

先にも記述した通り、AWSエンジニアとインフラエンジニアの仕事内容には共通する部分があります。企業側もAWSエンジニアを「インフラエンジニアがAWSも扱えるようになった人材」と捕らえることが多いです。ですので、インフラエンジニアとしての経験があると尚良いです。具体的なスキル云々ではなく、独特の「あって当たり前」「快適に使えて当たり前」と思われがちなインフラを管理運用することの難しさを知っていると、AWSエンジニアとしてのキャリアにも役立つでしょう。特に障害対応を多く経験していると、同じような障害が起きた時に慌てず対処することができるようになります。

未経験からAWSエンジニアになるには

未経験からAWSエンジニアとして仕事がしたい場合は、どうすれば良いのでしょうか。積極的に勉強した方が良い内容をまとめました。

AWS認定資格を取得する

AWSには「AWS認定資格」という試験がベンダー資格として実施されています。こちらの試験を取得すれば、AWSエンジニアとして持つ自分のスキルを簡単に証明できます。学習難易度は高いのですが、未経験からAWSエンジニアとして活躍したい場合は資格を取得することが一番の近道と言えるでしょう。自分の環境でも実際にAWSを利用することをおすすめします。

まとめ

AWSはクラウドプラットフォームの分野でトップを走り続けています。今後もさらに拡大していくでしょう。それに伴いAWSエンジニアの需要は拡大し、さらに高まると予想されます。現在インフラエンジニアの方は市場価値を高めるためにもAWSについての学習を開始すべきです。得意な開発言語があるプログラマーの方はAWS環境を用意して、AWS上での開発も経験してみると尚良いでしょう。今後必要とされるクラウドの知識、AWSの知識はあなたをより高みへと導くきっかけになるでしょう。