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はじめに

ITの発展により、エンジニアという職業が注目されるようになりました。エンジニアだけでも様々な職種がありますが、その中でも、ネットワークエンジニアになりたいと思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、ネットワークエンジニアと聞いてもあまりどのような仕事を行っているのかイメージしづらいと思います。

この記事ではネットワークエンジニアの仕事内容、年収、必要なスキルについて詳しくご紹介します。

ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアは主にコンピュータのネットワークに関する業務を全て行います。しかしネットワークがしっかりと構築されていなければ、ファイルを送ることや、受け取ることはできません。さらにハッキングされやすくなり、データを盗まれるということも十分に起こりうるのです。それだけ、ネットワークは大切なのです。

ネットワークエンジニアの年収相場

ネットワークエンジニアの平均年収は450万円です。スキルや経験年数によって大きく幅がありますが、低ければ300万円程度、高ければ1,000万円以上になります。情報に直接関係する仕事のため、高度な技術を持っているほど、年収は高くなります。

また企業に勤め正社員として実務経験、スキル習得をして一人前の仕事ができるようになれば、独立をしてフリーランスになることでより収入アップを目指しやすくなります。フリーランスについてはこの記事では詳しく説明しませんが、これからもっと世の中に認められてくる働き方のため、一度検討してみてください。

ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアはネットワークに関する構築などの仕事を全て行うと記述しましたが、具体的にはどのような業務を行っているのでしょうか。
様々な業務を行っていますが、大きく「設計」「構築」「運用」「保守」「監視」の5つに分けることができます。

ネットワーク設計

クライアントがどのようなシステムを求めているかをヒアリングし、要件定義をして設計書を作成します。この段階でしっかりとヒアリングできているかによってこれ以降の業務に大きく影響するため、徹底的に要望を聞き出し理解することが重要です。そのため、一番責任のある業務になります。
具体的には、どのようなネットワーク機器を使用するか、予算はいくらかなど決めてしまいます。

ここで必要になってくるのが、提案力です。相手はネットワークのプロフェッショナルではありません。クライアントの要望をヒアリングすることはもちろん大切ですが、あなたが持っているネットワークに関する知識を用いて、提案することが大切です。提案した内容をクライアントが気に入ってくれれば、より信頼されることになり今後の仕事にも繋がるかもしれません。

ネットワーク構築

クライアントの要望をまとめて作成した設計書に基づき、実際にネットワークを構築していきます。

構築業務は設計書を基に行うため、基本的なネットワークのスキルやコンフィグの理解があれば行うことが可能です。しかし、設計書のミスに気付かずにそのまま完成させてしまうと「完成したけれど思うように動かない」という状況になってしまいます。そのため基本的な知識があれば行える業務ですが、ミスに気付ける程度の知識は持っておく必要があるでしょう。

ネットワーク運用

ネットワークを構築させても、ネットワークエンジニアの仕事は終わりではありません。ネットワークに関する変更や増設を行っていく必要があるのです。変更や増設業務はクライアントの要望により常に発生するので、その都度行っていく必要があります。

ネットワーク保守

保守は文字通り、ネットワークを守ることが仕事内容です。ソフトウェアや機器など、ネットワーク周辺では障害が起こってしまうことはよくあることです。その障害を修復して正常の状態に戻すのが保守の仕事です。アプリやサイトでもよくメンテナンスを行っていますが、それらはこの「保守」にあたります。バグやユーザの声に基づき保守を行っているのです。

また、起こってしまった障害の修復だけではなく、障害を起こさないように未然に防ぐことも必要になります。

ネットワーク監視

ネットワークシステムの監視は、監視システムを用いて正常に動いているか確認をしますが、それらの監視システムが検知した問題を運用、保守を担当している人に報告するのが監視の仕事です。

ネットワーク監視の業務は大きく「死活管理」「遅延管理」「経路管理」「リソース管理」4つに分けることができます。

死活監視

外部からシステムが正常に動作しているかを監視します。継続的に信号やバケットを送り反応があるかどうかでサーバや周辺機器が正常に動いているかを確認します。

遅延監視

ネットワークのレスポンスの速さを確認することが仕事です。サーバのレスポンスが遅いほどユーザにとってストレスとなり、アクセスすることを諦めると大きな損失に繋がってしまう可能性があります。

経路監視

レスポンスが遅い原因の一つに「トラフィックの集中」という問題が考えられます。これはサイトへのアクセスが集中してしまうことで起こります。場合によってはアクセスができないという状態にもなってしまうため、定期的に確認する必要があります。

セールや限定販売を行う際に、一斉にアクセスが集中するためよく起こりやすいです。

リソース監視

サーバのCPUやディスクの状態を監視します。サーバのリソース状態を把握できていなければ、パフォーマンスの低下や高負担状態のような障害を引き起こしてしまう原因となります。それらの障害を起こさないためにも、リソース状態を把握し未然に防ぐことが重要です。

ネットワークエンジニアになるために必要なスキル

ネットワークエンジニアの仕事内容を詳しく説明してきましたが、実際に業務を行うためにはどのようなスキルや、知識が必要なのでしょうか。「専門的な知識・技術」「論理的思考能力」「コミュニケーション能力」の3点に絞ってご紹介します。

ネットワーク機器に関する専門的な知識・技術

ネットワークに関する仕事のため最低限インターネットの設定ができる程度の知識が必要になってきます。持っている知識を元に、設定できるということが大事となってきます。知識を持っているだけでは仕事が出来ないため、学習期間は実際に手を動かすようにしましょう。

論理的思考能力

システムを構築していく中で、論理的に考える力が必要です。要件に過不足はないか、全ての要件が満たされ正常に動くかなどを論理的に考えなければいけません。また、障害が発生した際にも「なぜ、このようなことが起こってしまったのか」原因を突き止め、修復をして再び起こることがないようにしなければいけません。

コミュニケーション能力

クライアントにヒアリングを行う際、どれだけ詳細に要望を聞き出すことができるかがシステムを構築していく上で一番大切な段階です。コミュニケーションを上手に取ることができなければ、詳細を聞くことが困難です。また、ネットワークに関する専門的な知識をクライアントに説明しなければいけない場面もあるため、どれだけわかりやすく説明することができるかという点も必要です。

ネットワークエンジニアに活かせる資格

ネットワークエンジニアになるために取らなければいけない資格はありません。しかし、取得すれば「ある程度スキルを持っている」という証明になりますので、取って損はないでしょう。持っていれば有利になる資格を3つご紹介します。

ネットワークスペシャル試験

この資格を持っていれば、ネットワークの設計、構築、運用、保守を一人で行えるスキルを持っているということを証明することができます。ネットワークスペシャル試験はレベルの高い国家試験で、技術面だけでなく専門知識を十分に学習する必要があります。

この試験より受けやすい「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」もあるため、難しいと感じた方はこれらの2つを先に取得してみてください。

CCNA

世界最大のネットワーク関連機器メーカー・シスコシステムズ社が実施している試験です。世界共通の資格で高く評価されているため、国内だけでなく海外での就職を考える際にも強みになるでしょう。

CCNP

CCNAの上位資格です。この資格を取得するためには、まずはじめにCCNAを取得している必要があります。CCNPを取得することで、大規模なネットワークの設計から保守までを行えるスキルを持っているということを証明できます。

資格を有していれば、給与アップの可能性もあるため取得しておきたいですね。

ネットワークエンジニアとして働くには

ネットワークエンジニアとして働くには大きく2つの働き方があります。
・正社員として働く
・派遣社員として働く
正社員として働くメリットは、給与が安定している、比較的重要度の高い案件を任せてもらえる、などでしょう。社会的地位も高くなりやすいです。派遣社員は、社会福祉が安定していない、比較的簡単な仕事しか行えない、などのデメリットがあります。しかし、短期間で色々な案件に携われることもあり、汎用的にスキルを伸ばすことが可能です。スキルアップをし、正社員を目指すことは十分可能です。

正社員として実績を十分に積むことでフリーランスとして独立を目指すことができるようにもなります。

まとめ

ネットワークエンジニアの仕事はIT業界が発展していく中で、とても重要な役割を果たしています。ネットワークが安定しなければ私たちが普段から使用しているパソコン、スマートフォンもただのガラクタになりかねません。

ネットワークエンジニアになるためには専門的な知識・技術が必要となるため、それなりの覚悟を持って学習に取り組みましょう。