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はじめに

サーバーサイドエンジニアは、インターネット上でサーバー側から行う処理に対して必要なプログラムの設計・開発に携わり、データ処理などを行うエンジニアのことを指します。表側の目に見える部分・ユーザーが直接触れる部分を担当するフロントエンドエンジニアやWebデザイナーと協力して、ユーザーが快適にWebサイトやWebアプリケーションを利用できるようにする重要な役割があります。IT人材の不足が懸念されている日本において、サーバーサイドエンジニアも当然の如く不足しています。今回は、サーバーサイドエンジニアに転職する際に知っておくべき仕事内容の詳細や年収、必要なスキル、あると良い資格などをまとめました。

サーバーサイドエンジニアの年収

まずは、サーバーサイドエンジニアの年収についてみていきましょう。サーバーサイドエンジニアの平均年収は約500万円です。経験により異なるので、未経験や20代前半、新卒エンジニアだと約300〜350万円スタートです。サーバーサイドだけでなく他の領域に守備範囲を広げられるかどうかで年収も変わってきます。

未経験からサーバーサイドエンジニアへの転職を成功させるコツ

サーバーサイドエンジニアへの転職を成功させるコツは、サーバーサイドで主に扱われる言語(RubyやPHPなど)を勉強し、同時進行で転職エージェントに登録することです。転職エージェントは求人情報以外の情報も収集できるので、積極的に活用しましょう。また転職保証付きのプログラミングスクールに通う、という方法も有力です。ある程度プログラミングスキルが身についたら、ポートフォリオを作成し、転職活動の際の武器にしましょう。作成段階で苦労したこと、なぜそのようなサービス・プロダクトを作ろうと思ったのか、など面接官に聞かれた際にスムーズに回答できるよう、日頃から気づきをメモしておくことも重要です。

バックエンドエンジニアとの違い

よく混同されがちなバックエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアですが、一体どのような違いがあるのでしょうか。実際に違いを認識せず使用している人も多いです。転職の際に優位に働くよう、しっかり押さえておきましょう。厳密に線引きできるような明確な違いはありませんが、バックエンドはWEB系企業に使われることが多く、一方でサーバーサイドは基幹系企業に使われることが多いです。敢えて分けるのであればWeb領域のバックエンドを担当するのがバックエンドエンジニアで、その他のバックエンドも担当するのがサーバーサイドエンジニアといったところでしょうか。その企業がWEB系企業なのかどうかで、どちらを使用したら良いかの目星がつきそうですね。

サーバーサイドエンジニアの仕事内容

サーバーサイドエンジニアに転職するには仕事内容について知っておかねばなりません。ここでは大きく分けて3つを紹介します。

プログラムの開発・保守

アプリそのものがWeb上で快適に扱えるよう、ユーザーの目に見えない領域を開発・設計します。具体的には、バックサイドでのデータ処理環境の構築と新しいソフトウェアやバージョンアップに伴う環境の調整・構築などがメインになります。Twitterなどのサービスで個人のデータの保存・呼び出しを行ったり、ログインしていない人が不正にアクセスできないようにしたりする仕組みをRubyやPHP等の言語で構築します。

データ管理

プログラム開発をした後、そのプログラムに必要なデータ管理に着手します。1つのアプリに必要なデータは膨大にあるため、それぞれのデータをソートし、必要な情報を必要な場合に引き出せる環境設計も重要な業務です。

バグの修正、アプリケーションの保守

サーバーサイドエンジニアの仕事内容はバグ(システムの不具合)の修正もあります。アプリをWeb上に反映させて、継続的にその後も利用していく場合、多かれ少なかれバグの発生は避けられません。そうしたシステム上の不具合を随時調整・改善し、ユーザビリティの評価をして使いやすさを改善していきます。こういった仕事もサーバーサイドエンジニアの重要な仕事となります。

サーバーサイドエンジニアに必要な知識、スキル

サーバーサイドエンジニアに必要な知識やスキルを解説します。

プログラミング言語の知識

プログラミング言語のスキルは必須です。あらかじめプログラムにある命令を実行し、情報を機械語に変換するための言語であるインタプリタ型言語は、記述されたプログラムが即時に実行されるため、動作確認・修正がしやすいというメリットがあります。インタプリタ型の代表的な言語はPHPやRuby、Pythonなどがあります。「コンパイル」という変換作業が含まれるコンパイラ型言語は、規定プログラムの機械語変換後に命令を実行するタイプの言語です。コンパイラ型言語は実行速度が速いというメリットがありますが、プログラムの実行に随時コンパイルが必要となるため、プログラムの確認に手間がかかることがデメリットになります。代表的な言語には、JavaやC++などがあります。サーバーサイドエンジニアは、これらインタプリタ型の言語の知識と、コンパイラ型の言語の知識が必要になります。

フレームワークの知識

プログラム開発をスムーズにするための汎用的なひな形として、「開発フレームワーク」が存在します。フレームワークを有効に活用すれば生産性の向上が期待できます。 現在ではこのフレームワークを開発ステップに採用するケースが増えています。そのため、各言語に対応したフレームワークスキルに精通していることが求められます。フレームワークはRubyであればRuby on Rails, JavaScriptであれば React.jsなどがあります。

データベースの知識

仕事内容の項目で紹介したように、サーバーサイドエンジニアが扱う処理作業は、主にアプリに必要とされるデータベースと連動する傾向にあるため、データベース管理のスキルも必須です。 データベースには多くの種類があり、特に採用されるのはリレーショナルデータベース(RDB)です。よく使われるデータベースには、Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Server、MySQL等があります。データベースにデータを新規登録したり削除したりする際に扱う「SQL」言語のスキル習得も必要になります。

フロントエンドの開発の知識

HTMLやJavaScriptを使い、ユーザー向けのWeb画面を作成する技術がフロントエンドの開発スキルです。実際の作業はフロントエンドエンジニアが担当しますが、フロントエンドの開発スキルを習得しておくと、一貫してよりスムーズに開発を進められるようになるでしょう。またキャリアップの観点からも、サーバーサイド・フロントエンド両方に精通したエンジニアには高い需要があります。年収アップにもつながるので、ぜひスキルを習得しましょう。

サーバーに関する知識

サーバーサイドエンジニアは、サーバーそのものに関する知識・スキルを持ち合せ、多彩なシステム設計、アプリ開発をWeb上で稼働させるための能力が求められます。そのため、サーバー環境・システムを熟知しておく必要があります。ネットワークの知識もあると尚良いでしょう。

サーバーサイドエンジニアに必要な資格

サーバーサイドエンジニアに必要な資格を解説します。様々なスキルや知識が必要なサーバーサイドエンジニアですが、取得しているとより理解度が深まる資格を3つ紹介します。

MCP(マイクロソフト認定資格プログラム)

MCPは、マイクロソフト製品に関するあらゆるニーズに適応できる世界共通の資格です。IT企業が求めるエンジニアとしてのスキルや知識を持っているという証明にもなります。

LPIC(Linux技術者認定資格)

LPICは、Linux技術者認定試験のことです。Linuxの知識や技術力を問うのはもちろんですが、ITエンジニアに今後必要とされる「仮想化技術」や「クラウドセキュリティ」なども出題範囲に含まれます。サーバーサイドエンジニアとして必須の資格ではないものの、勉強するだけでも相当サーバーの知識が身につき、現場で役立つ実践的なスキルが身につきます。

CCNA(Cisco Certified Network Associate)

CCNAは、シスコシステムズ社が実施する、ネットワークエンジニアの技能を認定する資格です。CiscoルータやCatalystスイッチに関する技術力の証明となるだけではなく、基礎的なネットワーク技術を持つことの証明にもなります。サーバーエンジニアは、サーバーと密接に関わる職種です。ネットワークにも精通していれば、障害対応にも役立てることができるでしょう。

サーバーサイドエンジニアの需要と将来性

サーバーサイドエンジニアの需要と将来性について解説します。現状、IT化が進む一方で、日本のITエンジニアは不足しています。IT技術を支える技術者が不足している点は、サーバーサイドエンジニアの領域でも共通して言えることです。高度な技術を要し、その分高収入も狙えるサーバーサイドエンジニアは、将来性・需要ともに非常に高いと言えるでしょう。また今後仮想化やクラウドの技術が進歩することで、より一層サーバーサイドエンジニアの役割は重要なものになっていきます。必要な人材として高い市場価値を維持するには、情報をいち早くキャッチアップし、自分の技術力として落とし込んでいく必要があります。スキルや知見に慢心することなく、積極的に学び続けましょう。ITエンジニアとして働くということは、常に学び続けるということでもあります。

まとめ

今回はサーバーサイドエンジニアへの転職を成功させるコツや仕事内容、必要なスキル、あると良い資格などをまとめました。IT人材は慢性的に不足しています。今後はさらに深刻化すると予想されています。サーバーサイドエンジニアとして求められる知識は、時代とともに移り変わります。基本的なスキルを身に付けるだけでなく、新しい知識を積極的に取り入れて、市場価値の高いエンジニアを目指しましょう。