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データ解析とは

データ解析とは、「ある問題に直面した際、データを集約、加工することで様々な視点からデータを捉えることでその問題を解決するための対策を具体的な方法を導き出す手段」です。データ解析自体は今までも各種研究機関や組織の中で行われていましたが、何故最近になってデータ解析という言葉が注目を集め始めたのでしょうか?その裏には「ビッグデータ」があります。ビッグデータとは業務で取り扱うデータが一般的なソフトウェアでは処理が困難なほど膨大かつ複雑になってきたことを受けて、そのデータの集合を指す言葉として用いられます。クラウドサービスや各種ネットワークを活用した仕事が浸透してきた昨今において、もはやビッグデータという言葉は特別なものではなく、どのような組織にも関わりが深くなってきています。データが膨大である、ということは逆に言うとサンプル数が十分確保できていることに繋がりますので、ビッグデータを有効活用しビジネスに役立てることが出来れば大きなメリットとなります。そうした点からビッグデータを取り扱うことが出来るデータ解析の手法が注目を集め始めています。以上の点を踏まえて、データ解析を担う職務について紹介していきたいと思います。

データエンジニアとは

データエンジニアは他に、「基盤エンジニア」「データ分析基盤エンジニア」と呼ばれることもあります。仕事としては、組織においてビッグデータの運用を支えていく基盤の構築および運用・管理を行うことが主です。そのスキルとしては、インフラエンジニアとしての知識や開発職としての知識といった幅広い基本スキルと、ビッグデータを扱う上で必須となるデータベースに関する知見(RDB、NoSQLデータベースに関わらず幅広い知識)およびマネジメントのスキルも必要となります。もう少し具体的に業務内容を紹介いたしますと、基本的な作業内容はユーザーの望む形でのデータ基盤の設計、構築を行った後、そのデータ基盤の運用と管理を担うことになるのでインフラエンジニアとしての業務に近いものがあります。ところが必要に応じてデータを格納したり抽出したり、といったことを可能にするアプリケーションやシステムの開発を行うこともあるため、JavaやPythonといったプログラミング言語やデータベースの構築などに関する開発エンジニアとしてのスキルも必要になります。よい後述のデータサイエンティストと混同されがちですが、その業務内容には大きな違いがあり、データエンジニアは基本的にはデータサイエンティストやデータアナリストがデータを活用できるようなデータ基盤の設計と構築を担っています。あまり表立って目立つポジションではありませんが、データエンジニアがいなければデータサイエンティスト達の仕事は成り立たず、非常に重要なポジションと言えます。

データサイエンティストとは

データサイエンティストの仕事は、組織における問題解決に向けて統計学や数学といった様々な方面からアプローチを行いデータの解析を行い、そこから得られた結果を用いて問題の解決策を提案することが主な内容となります。データ基盤の構築はデータエンジニアが行ってくれますが、そこから分析を行うために必要なシステム構築などが適宜自身で行っていく必要があるため、ある程度Pythonなどのプログラミング言語のスキル、データベース操作に関するスキルが最低限必要になります。さらに、クラウドサービス関する知見や機械学習、統計学といった知識も求められることとなります。こういったデータサイエンティストの仕事が活かされている具体例としては、人事部門にあつまる勤怠データおよび周囲の評価といったデータを基にしたメンタルヘルスを管理し不調や離職の可能性を予測するモデルの構築を行う、といった例や、企業の現状と周囲の環境を取引明細のデータから把握するための金融分析のシステム開発を行う、といった例が挙げられます。どちらもデータの分析をデータサイエンティストに任せることによって適切な対策を講じることを可能にしました。アメリカなどの諸外国ではデータサイエンティストのニーズが高まっていると聞きます。この背景として、データサイエンティストが活躍できる場が特に新規事業の開拓、ビッグデータを抱えているが有効活用できておらず解決困難な問題を持っている組織、といった場が多いことや、日本においてデータサイエンティストの価値や重要性の認識が未だ浸透していないことが原因と考えられます。しかしながら日本においても、横浜市立大学や武蔵野大学においてデータサイエンス学部やデータサイエンティスト学部が設立されるようになっており、今後データサイエンティストの需要は高まっていくものと期待されます。

データアナリストとは

データアナリストの仕事は、組織が潜在的に抱えている問題の洗い出しを行うことで判明した問題、既に明るみに出ている問題に対して、消費者動向やユーザデータなどの組織が保持するデータの分析結果を用いて対策の提案を行うことが主な内容となります。データアナリストの型としては、基本的に「コンサル型」と「エンジニア型」が存在します。コンサル型は、データの分析結果を用いた対策として、具体的な施策の提案から実施後の分析を含めたコンサルティングを行います。エンジニア型は、データの分析結果を用いた問題の対策としてシステム構築や環境の整備や改善を通じてサービスの質の向上を図ります。コンサル型はマーケティング部門、エンジニア型はWebメディアなどのネットワークに関する事業で活躍しています。データアナリストは行う業務内容がデータの分析および問題の対策の提案と、データサイエンティストと非常によく似ています。実際、そこまで明確にこの2つの職業の線引きはされておらず、具体的な違いとしてはデータサイエンティストは分析モデルの「構築」から行うのに対して、データアナリストは基本的に得られたデータ分析の「結果」を用いて提案を行います。プロジェクトのどの部分から関わってくるのか、どのような関わり方をしてくるのか、といった点に違いがありますが、そこまで強く意識して区別せずとも良いかもしれません。

終わりに

ここまでお読みいただきありがとうございました。いかがだったでしょうか。データ分析を行う仕事は以前日本では認知度が低く、表立って目立ってはいませんが既にデータエンジニア、データサイエンティスト、データアナリストとしての業務を担っている方もいらっしゃいます。今後、こういった職業の名前が広く浸透してくるのに合わせて需要も増えてくると考えられます。いち早くデータ分析に必要なスキルを身に着けること、データ分析の手法を確立している人財の確保を通して来る新時代に備えておきましょう。