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はじめに

インターネットの普及やIT技術の向上で、私たちの生活はとても便利になっています。その一方で、個人間においても企業などでも、ウイルスやサイバー攻撃の技術も進化しており、手口は非常に巧妙で複雑になっています。大事な情報セキュリティを守るために、情報セキュリティを守ることができる人材の育成や確保は社会全体の課題となっていると言っても過言ではありません。実際に、そのような社会ニーズにこたえるため、情報セキュリティに関する国家資格が存在します。 そこで今回は、セキュリティに関連する国家資格についてと、それらの特徴についてご紹介します

国家資格とは?

そもそも国家資格とは何なのでしょうか。国家資格とは、国の法律に基づいて定められている資格のことを指します。国家資格の試験は、国から委託を受けた団体や、自治体などが実施します。難易度の高い資格が多い傾向にあるため、国家資格を取得すると社会的な信頼度が高まったり、企業からの需要は高くなります。

セキュリティ分野での国家資格は?

国家資格についてご紹介しました。それでは、ITのセキュリティ分野での国家資格は、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、3つ挙げていきます。

ITパスポート試験

ITパスポート試験は、情報処理技術者のエントリーレベルの国家資格です。IT企業での転職には特別有利にはたらく資格ではありませんが、新卒では最低限のITに関する知識を持っていますと証明できる資格であるため、取っておいて損はない資格といえるでしょう。合格率は、大体50%程度ですので、初学者は頑張って学習すれば取得は困難ではないレベルです。計算問題も出題されるため、数字に対して苦手意識をなくす必要があります。ITパスポートには、決まった試験日程はなく、テストセンターにより日にちが変わります。試験会場は自分の都合のよいところで受けられます。

情報セキュリティマネジメント試験

独立行政法人情報処理推進機構が主催している、情報セキュリティマネジメント試験という試験があります。情報セキュリティマネジメントの計画や運用を通じて、企業などの組織の情報セキュリティを確保しながら、ウイルスや内部不正などの脅威から組織を守るために必要とされる知識や技術を問う試験です。エンジニア向けというよりは、マネジメントをする人向けの資格です。平成30年度、平成31年度春期、令和元年度秋期の3回の平均合格率は27%です。ただし、これはすべての業種や学生も含めた合格率であり、ITに携わっている人の合格率は50%から80%であるため、比較的挑戦しやすい資格であると言えるでしょう。

試験は、春期と秋期の年2回開催されます。(令和2年度春期試験は、新型コロナウイルスの影響で、中止となっています。秋期はについては、8月7日時点では、予定通り実施予定です。)

情報処理安全確保支援士試験

情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティマネジメント試験の主催と同様、独立行政法人情報処理推進機構が主催しており、経済産業省が情報処理の技術者として、知能やスキルが一定以上であると認定している国家試験です。この試験に合格し、資格を取ることができれば、情報セキュリティに携わるプロフェッショナルであるという証明になります。サイバー攻撃などがあるなか、日本の情報を守るべく、日本が最も力を入れている分野だと言っても過言ではありません。期待される水準として、情報システムの脅威分析に関する知識があることはもちろん、ネットワークやデータベース、システム開発や品質管理の知識など、幅広く求められます。難易度は先述した情報セキュリティマネジメント試験よりもはるかに高く、試験の主催をしている情報処理推進機構が公表している合格率は19.1%です。ただ、合格率が低く、難易度が高い場合でも、勤務先のセキュリティレベルが高ければ、実務で当然のように使っている技術やスキルに関する問題が出るため、合格が容易である場合があります。

試験は、春期と秋期の年2回開催されます。(情報セキュリティマネジメント同様、令和2年度春期試験は、新型コロナウイルスの影響で、中止となっています。秋期はについては、8月11日時点では、予定通り実施予定です。)

まとめ

今回はセキュリティ分野における国家資格についてご紹介しました。ネットの脅威のために、情報セキュリティの確保が求められるなか、セキュリティ分野の国家資格というものをなにかひとつでも取得できていれば、就職や転職のみならず、きっと役に立つことが多いはずです。「実務ができれば、資格なんて関係ない」という意見もあるとは思いますが、資格という形として残っていれば、客観的に知識があるという証明ができるので、取っておいてマイナスになるということはまずありません。今回紹介したうちの、ITパスポートや情報セキュリティマネジメント試験は、比較的取得しやすい資格であるため、興味があれば一度受験してみるのはいかがでしょうか。