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今回は独立系システムインテグレーターという企業の一形態について簡単に解説させていただきます。

独立系Sierとは

起業時からシステムインテグレーターとしての業務を専門に行う企業のことを指します。企業の一部門から派生した会社組織とは異なり、システムインテグレーション事業を遂行するために設立された会社が独立系にカテゴライズされます。その名の通り、独立した経営スタイルによってさまざまな業界のプロジェクトに携わることが多く、主にソフトウェア系の要件定義、設計、開発を業務の中核としています。また、金融、官公庁、公共、流通など多種多様な分野で仕事をすることができるので、業界事情にも幅広く精通するチャンスがあります。

独立系Sierの特徴

次に独立系Sierの特徴について見ていきましょう。

1.自由度が高い開発

独立系Sierには、メーカー系、ユーザー系のような親会社が存在しません。そのため、システム構築時のソフトウェア選択の幅が広く、自由度が高いことが特徴といえます。親会社を持つメーカー系の場合は選択できるソフトウェア製品を自由に選ぶことができないことが挙げられますが、独立系Sierはメーカーの規定がない分、さまざまなメーカーの製品を組み合わせることによって、独自のシステムを構築していくことができ、顧客に合わせた最適なシステムを生み出していくことが重要となります。

ただし、メーカー系とユーザー系とは異なり親会社の後ろ盾がないので、独立系Sierはシステム開発案件を探し、案件を受注するところから始める必要があります。また、エンドユーザーからシステム開発の依頼を直接請負うことができるのは、ほとんどの場合、大手のSierで、独立系Sierは2次請け、3次請けになっていることが多いです。業界構造的に上流工程の作業はなかなか請負うことが難しいですが、いろいろな開発案件に携わることができるので、同時に幅広いスキルや知識を得ることを目的としている人には、大きなメリットと言えます。ただし、受注した案件によっては限られた時間と予算でニーズに応じる必要に迫られ、少ない人員で業務を回すことによって休日出勤や残業が増えがちです。

これらを他のSierと比較した場合、メーカー系では親会社の製品を使用することによる使用機器の縛り。そしてそこから来る幅広いハードウェアの知識を身につけることが困難である点。

ユーザー系では上流工程に業務が集中しやすく、実際のプログラミングなどの工程ができないことも多いことから、要件定義、設計、開発、運用、保守までの幅広い業務を経験したい人からすれば物足りなく感じる点が挙げられます。

2.システム開発がそのまま売り上げになる

独立系Sierは親会社からの受注はないため、営業力が非常に重要になります。親会社から仕事が入ってくるメーカー系やユーザー系と違い、営業において精力的に活動しています。そのため、システム開発のみでしか利益を上げることができず、それがそのまま売り上げに直結します。

3.スキルアップがしやすい

独立系Sierは独立した経営スタイルによってさまざまな業界のプロジェクトに携わることが多く、多種多様な分野での仕事を行うことが多い性質と開発プロジェクトの請負によって、開発に関連するスキルを要求されます。案件があれば、いろいろな業務を担当することが必然的に多くなることから、より幅広いスキルと知識を身につけることができるはずです。

4.親会社が存在しないこと

独立系Sierは親会社がいない企業のため独自のビジネスモデルによって経営を行います。基本的には他社から依頼を請けて代わりにシステム開発を行うことが業務となり、資本関係が一切ない、様々な会社の開発を手掛けていくことになります。

なお、メーカー系、ユーザー系SIerのような親会社やグループ会社が大きい企業は、開発規定を細かく決められていることが多いので、非効率なやり方でも遵守してしまうことが多いと言われます。

独立系Sier企業の一覧

・大塚商会

・SCSK

・日本ユニシス

・トランスコスモス

・インターネットイニシアティブ

・オービック

・NSD

・ワークスアプリケーションズ

・東洋ビジネスエンジニアリング

まとめ

・独立系Sierは親会社を持たない、起業時からシステムインテグレーターとしての業務を専門に行う企業のことを指す。

・独立系Sierは主にソフトウェア系の要件定義、設計、開発を業務の中核とし、メーカーの規定がないので、さまざまなメーカーの製品を組み合わせ、独自のシステムを構築することで、顧客に合わせた最適なシステムを開発できる。

・いろいろな開発案件に携わることができるので、同時に幅広いスキルや知識を得ることが可能。

・システム開発のみでしか利益を上げることができず、それがそのまま売り上げに直結する。

・システム開発の依頼を直接請負うことができるのは大手Sierが多く、独立系Sierは2次請け、3次請けになりがち。