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1. ポテンシャル採用とは

企業の中途採用には、「募集する職種に必要な経験・知識がない人の潜在能力を評価し、入社後に職業能力を育成することを前提に採用する」ポテンシャル採用があります。

一般的な転職市場では、技術や経験重視のキャリア採用が多くなる傾向にあります。ポテンシャル採用は第2新卒と呼ばれている20代前半を対象としていると考えている人も多いと思います。

社会に出てからキャリアを考え直し、別の業界・職種へ転職する方は一定数存在します。幹部候補を早い段階から育成することができるため、若手を採用する手段の一つとしてポテンシャル採用を導入している企業も多いです。

ポテンシャル採用の対象は若者だけではありません。「未経験でも採用する」ということがポテンシャル採用の定義なので、多種多様なバッググランドを持った人を採用することもポテンシャル採用に含まれています。

就職氷河期世代など30歳以上の人、家事や育児のため離職している主婦や不安定な就労を繰り返している非正規雇用者など個人個人の意欲によっては、ポテンシャル採用のニーズは存在しています。

人手不足の影響を受けて「未経験者歓迎」の求人広告が多く存在しています。専門的な技術や知識が求められ、「長期的に業界で必要な能力を身につけてもらう」ということがポテンシャル採用になります。

2. ポテンシャル採用が必要な理由

・深刻な人手不足

少子高齢化も伴い、新卒の学生の数が年々減少しています。新卒で就職活動を行う学生は依然として大企業を志望している学生が多く、有効求人倍率は中小企業と大企業では大きな差があります。中小企業を希望している学生はあまり多くいません。

・転職者の増加

一方で、離職してしまう若者が一定数いることも確かです。大学卒業の新入社員が3年以内に退職する割合は約30%以上います。一度決めた就職先が合わなかったり、別のキャリアを目指したいと考え離職した社会人の受け皿としてポテンシャル採用に力を入れることは効果的です。

・技術革新の影響

技術革新が労働に与える影響として、オフィスや事務職など高度スキルが要求されない職種の需要が減り、「上流工程やIT業務などの高度なスキルが要求される仕事や新しい付加価値を与えられる仕事、他社とのコミニケーションが必要とされる職種」への需要が増加してきています。

・人材育成

ポテンシャル採用の導入がIT業界で増加しているのは、IT化が進んでいく中で、IT人材へのニーズの増加にあります。ITなどの専門技術を持った人材、あるいは福祉サービスの知識を持った人材を育成するには時間がかかります。

中途採用が難航している要因として、「採用したい技術を持った人材が少ない」から採用しづらい状況になっています。そこでポテンシャルっ採用をして人材育成を行うことを提案できます。

3. 会社にとってポテンシャル採用を行うメリット・デメリット

・メリット

若手の確保をしやすくなります。特に中小企業では難航する新卒採用を減らして中途採用に力をいれている企業が増えてきています。新卒採用において採用することが難しい高学歴や大企業志望者なども採用できる可能性があり、若手の人材を確保できることにつながります。

第2新卒は一旦社会に出ている経験から、「最低限のビジネスマナーやコミニケーション能力を身につけている、自分の将来のキャリアについて社会に出たうえで考えられている」といったプラスの側面があります。会社の文化に慣れてもらい、幹部候補生として育成を目指すなど長期的に企業に利益をもたらす人材を育成することができます。

また、長期間ぼ離職していたり、ずっと定食につくことが出来ずにスキルが身についていなかったり、正規雇用がこれまで難しかったり、何らかのハンデがある求職者を雇用、育成すると国から助成金をもらえることもあります。

・デメリット

スキルや経験重視の中途採用よりも、選考の基準が曖昧で難しいという問題があります。これまでの人生経験から、会社が求めている職種への向き不向き、成長する可能性を理解した上で、本人の仕事への価値観や意欲から判断しなければなりません。

第2新卒でよくあることとして「すぐにあきらめてしまう人」「ヤメ癖がついてしまっている求職者」がいますので採用する際は注意が必要です。

4. IT業界におけるポテンシャル採用

・ポテンシャル採用は景気の動向に左右される

ここ数年、IT業界は慢性的にエンジニアの不足が続いています。東京オリンピック、2025年大阪万博の開催に決定より景気も向上に向かって、2020年3月までの転職希望者と採用希望企業のバランスでいうと、採用したい企業の方が多く売り手市場でした。

しかし、2020年上半期に広まったコロナウイルスの大流行によって景気が悪化し、2020年5月時点では、ポテンシャル採用での求人が大幅に縮小の傾向にあります。先が見えずに、新規の案件が発生していないなど、企業側も人材の採用も慎重になっているようです。

ポテンシャル採用は通常のキャリア採用よりも景気の動向に左右されやすい採用方法であると言えますが、IT業界の人材不足である以上、コロナウイルスの流行が収束した後に需要が再び高まる可能性はあります。

5. ポテンシャル採用にで内定を獲得するポイント

・自主的に学習し、複数の成果物を持っているか

「エンジニアになるために自主的に勉強していること」がとても大切なポイントです。プライベートで勉強していてそれを証明できる複数の成果物があると、企業側もそのエンジニアが今後活躍するイメージを持つことができます。

現時点でひとつひとつの青果物のクオリティが低かったとしても、「ポテンシャル採用では主体的に学ぼうという姿勢が評価」のポイントなります。実際にそういった人の方が伸びしろがあることを企業側も理解してくれます。

・ITトレンドのキャッチアップ

「IT業界はトレンドの変化も早いので、最新情報をキャッチアップしている」か、関心を持っているか、エンジニアになりたいという意欲を測る基準になります。

トレンドのキャッチアップは、TwitterなどのSNSでエンジニアをフォローして、最新の技術情報や勉強会の情報を入手することから始められます。

・コミニケーション能力

企業の案件では、1人でプロジェクトをすることはほとんどありません。「チームで仕事ができるかどうか」コミニケーション能力や協調性も求められます。

6. まとめ

今回は、ポテンシャル採用についてまとめました。前半には、企業側からの視点からポテンシャル採用についてまとめました。後半は、求人者向けにポテンシャル採用に向けた合格方法についてまとめました。
ポテンシャル採用をおこなうことで、企業側はポテンシャルが高い人材を採用することができ、エンジニアとして育てることで、会社に必要な人材に育成することができます。求人者側としては、未経験の分野に転職することが可能になり、知識を深めることができる環境が用意されているため、安心して転職に踏込みことができます。この記事が参考になれば嬉しいです。