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はじめに

私はプログラミングを学びはじめて2ヶ月たった頃に初めて「COBOL」というプログラミング言語を知りました。それまでC言語やJava、Python、Rubyなど、現在流行している言語に関しては一通り、少なくとも名前は知っていると思っていましたが、COBOLは知らなかったのです。初めてCOBOLという言語を聞き、興味が湧いたため当時調べたことをこの記事では紹介させていただきます。

COBOLとは

そもそもCOBOLとはどんなものかというと、1959年に誕生し、1960年に仕様書が発行されました。これを「COBOL-60」と呼び、今なお現役で使われている事務処理用に開発されたプログラミング言語です。日本では1970年代から官公庁や大企業、銀行などの金融業界の基幹システムとして導入されました。現在もなお利用され続けており、電気やガスなどの社会インフラでもCOBOLのプログラムが稼働しています。

COBOLの特徴として、記述方法に自由が効かず、Javaなどと比較すると不自由さを感じます。しかし、そのデメリットとも取れるところがかえってメリットになります。それは、ヒトによるコードの書き方のばらつきが少ないという点です。そのため他人が書いたソースコードでも読みやすくなり、修正等も容易になります

なぜCOBOLが銀行などの金融業界で利用され続けるのか?その理由は?

2020年で還暦を迎えたCOBOLですが、なぜ今なお銀行などの金融業界で利用され続けているのか・・・その理由の1つに前述したソースコードのばらつきが少ないという点が挙げられますが、他にもいくつか理由があります。

1970年代から長年の間、COBOLを利用した業務プログラムが膨大な数があるため現在もなお利用し続けている現状があります。また、コンパイラやOS、ハードウェアの組み合わせ次第で処理能力が高速かつ高並列で処理できる点があります。この点においてはJavaよりも優れていると言われています。さらに銀行では計算に誤差が生じることは許されませんが、COBOLは誤差なく大きい桁数の計算が可能なのです。もしJavaで同じことをすると、その都度オブジェクト化しなければならず、処理に時間がかかり、メモリもその分使用してしまいます。COBOLは入出力データをバイナリ変換を意識せずとも計算に使用できるというメリットがあります。これらの理由により今なおCOBOLは銀行でも利用され続けているのです。

COBOLプログラマーがおすすめ

上記のような背景からCOBOLは古い言語ではありますが、まだまだ生き残る言語であると言えるため、これからプログラミングを初めてみようという方にもオススメできる言語です。しかし、常に新しいことを求めるタイプの方はCOBOLではなくほかの言語をオススメします。前述したようにCOBOLは官公庁や大企業、銀行などの金融業界、さらには電気やガスなどの社会インフラ関係で導入されているため、お堅い企業が多く、新しいことを柔軟に取り入れ難い体質が多い印象です。そのため常に新しいことを学ぶことよりも安定した仕事を求める方なら良いかもしれません。

また、COBOLは他のプログラミング言語よりも比較的容易に習得できるため学習期間が短く、学習コストを低く抑えられます。ですが、COBOLのプログラマーはデータなど業界知識を把握している人が求められやすいため、COBOLの学習をある程度終えたら、携わる業務の知識の学習をしておいたほうが良いでしょう。また、COBOLの案件に入れるとすれば、その現場は基本的に大手の企業であることがほとんどです。大手企業に勤めたい方はCOBOLを学ぶことでその道も開くことも可能です。

COBOLは業務系の基幹システムにしか使えない?

ここまででCOBOLは大企業や銀行などの基幹システムとして利用されてきたと説明してきましたが、実はCOBOLとAWSクラウドを利用して恋愛ゲームやドローンを飛ばしたり招待客の受け付けができるアプリを作成することも可能です!詳細はCOBOL ハッカソン 2020でご覧ください。このようにCOBOLの可能性は想像以上に広がっています。若手のCOBOLプログラマーを増やそうと様々な企画を考えていたり、COBOLに触れ合える機会を設けています。COBOLに興味がある方はいろいろ検索してみてると面白い企画に出会えるかもしれませんよ。

おわりに

COBOLは60年もの間、現役で基幹システムを支え続けています。大手の導入企業はシステムの乗り換えをそう簡単にするとは到底考えられないため、まだまだCOBOLが現役で活躍するでしょう。しかし、COBOLプログラマーは高齢化しているため、若手のCOBOLプログラマーは需要があります。世の中から官公庁や銀行などの金融業界、電気、ガスのインフラ企業がなくならない限り、COBOLもなくならないと考えています。

40代でも若手と言われるCOBOLプログラマーなので、興味がある方は今からでも学習しておくと良いでしょう。今回は、なぜCOBOLが銀行で利用され続けるのかという理由と、COBOLのこれからについて紹介しました。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。