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<1.概要>

<1.クリエイティブディレクターとは>

「クリエイティブディレクター」は各業界におけるコンセプトを開発し企画、立案したアイデアを具体化するための指針を決定する責務を担い、各専門スタッフを指揮する監督者及び責任者でもあります。

企業のブランドイメージや商品、サービス等を消費者にアピールするため、デザイナーやコピーライター等の経験を積んできた方がキャリアアップとして目指しています。

<2.クリエイティブディレクターとアートディレクターの違い>

一般的に「クリエイティブディレクター」はアートディレクターの上司に位置するポジションにあります。

もっと具体的かつ分かりやすくすると、請け負う仕事の内容で仕分けます。

「クリエイティブディレクター」の業務はまず「クライアントの要望を聞き出す」ことからはじまります。どんな商品やサービスをどのような形で消費者にアピールしたいのかという要望に対して具体的な企画案として形作ります。企画案が整い次第、各専門スタッフの選定に移り、チームを結束して制作作業に取り掛かります。

一方の「アートディレクター」はクライアントの要望を確認するところまでは、同じ仕事をこなします。以降はグラフィックデザイナーに指示を与えたり、作成したデザインのチェック作業をするのが主になっていきます。また、カメラマンやイラストレーター、コピーライター等のクリエイターの統括も任されます。

つまり、クリエイティブディレクターは「総監督」アートディレクターは「現場監督」といったイメージを持つとその違いが分かります。

<2.各業界のクリエイティブディレクター>

<1.広告業界>

広告業界のクリエイティブディレクターは、クライアントとの打ち合わせで聞き出した「要望」に対して形作った企画案をもとに広告宣伝、販売促進、広報、マーケティングにおける戦略を練ります。

練った戦略に則りアイデアを用いて、映像やイベント企画、プロモーションPV等を制作してターゲットとなる消費者層の認識、好意等の意識を客観視することでマーケティングします。また、商品開発やサービス開発等のビジネスのイノベーションを推進するコンサルティング業務を行ったりもします。

<2.ファッション業界>

ファッション業界におけるクリエイティブディレクターは、従来のファッションデザイナーと異なり、服のデザインのみならず、広告や戦略イメージ、ショップ展開等のブランドビジネス全体の責任を負って、ビジネスのトータルディレクションを行う立場になります。

<3.クリエイティブディレクターまでの道のり>

<1.求められるスキル>

クリエイティブディレクターに求められるスキルは以下の5つになります。

  • 1.マネジメント
  • クリエイティブディレクターは制作を取り仕切る立場にあります。つまり、制作全体の進捗管理やタイトな納期との駆け引きをうまく調整する必要があります。自分の周りだけでなく、制作全体に目を向けてプロジェクトそのものを管理する重要なスキルです。

  • 2.コミュニケーション
  • チームスタッフやクライアントと、円滑にプロジェクトを進めていくうえで必要不可欠なスキルです。ディレクターはクライアントとの打ち合わせに出席するケースが多々あります。その際に、クライアントから「要望」をうまく引き出すためにも重要なスキルです。

  • 3.リーダーシップ
  • プロジェクトの指揮を執る立場ということもあり、全員を引っ張っていける度量が求められます。チームスタッフを引っ張り、プロジェクト成功へ向けて一丸となって進んでいく意思と進捗の管理や把握をうまくマネジメントするためにも必要な要素です。

  • 4.現場培った経験と知識
  • ディレクターは現場での経験や知識が非常に大切です。それぞれの立場や役割のスタッフの仕事内容や苦労を実際に経験しておくことで、プロジェクト全体の流れを見ることができます。円滑に進めていくうえでも現場で培った経験と知識は、1つの情報としてプロジェクトを成功させる1つのカギとなります。

  • 5.マーケティング
  • 業界の動向やトレンドを分析して、消費者が今何を求めているのかを知ることにより、最適な広告を作り出せます。

<2.資格>

クリエイティブディレクターになるための資格はありません。かといっていきなりなれるものでもありません。まずはデザイナーやプランナー、コピーライターとして制作に携わって地道に経験と知識を積んでいくことがステップアップになります。

<4.キャリアパス>

<1.現場経験から実績を築いていく>

誰しも「クリエイティブディレクター」に初めからなれるわけではありません。まずは「プランナー」や「コピーライター」「デザイナー」として現場経験を積みながら実績を築いていくところから始めていきます。その過程で「クリエイター能力認定検定」等の資格取得ができます。

資格を持っていてもディレクターになれる事もありません。とはいえ、資格を持っていることでどれくらいの知識量を持っているのかを取得した資格のレベルに応じて客観的に判断してもらえる材料になります。加えて資格取得の段階で、現場に出ても役に立つ知識を所持していることにもなりますので、実績を積み上げていくにはもってこいです。

<2.アートディレクターを経由してクリエイティブディレクターへ>

上段でのキャリアを積んでいけば、次は「アートディレクター」へのキャリアアップに進むことができます。アートディレクターはデザイン部門におけるリーダーです。広告全体のクオリティ管理を任されるディレクターであり、いわば「現場監督」という大役でもあります。

<3.クリエイティブディレクターのさらに「上」を目指してみる>

下積み時代からアートディレクター、そしてクリエイティブディレクターとステップよくキャリアアップしてきて、ここで満足するのではなく、より上のステップ、立場である「プロデューサー」を目指すことができます。

「プロデューサー」は全体を総括・管理する立場になりますので、より高いスキルと実績が求められるため、なるのは非常に難しく、万人がなれるというわけではありません。しかし、より高みを目指したいという方は、1つの目標にしておくと仕事へのモチベーションに繋がります。

<4.独立する>

クリエイティブディレクターとしてある程度の実績を築いてから「独立」するパターンもあります。独立してフリーランスとして新たな現場を求めてみたり、起業してみたりと働き方の幅は多くあります。

<5.まとめ>

企画から制作までの一連のプロセスをすべて管理、把握する「総監督」ともいえるクリエイティブディレクターは、豊富な経験と知識が求められる難しくもありますが、やりがいのある仕事です。

「目指すこと」は誰にでもできます。しかし、なるためには様々な現場で経験と知識を「実績」という形で築き上げていく根気強さがステップアップの秘訣です。

そのためにもまずは広告に関わる仕事をしていく中で「何が自分に向いているのか」や「どんなことに興味関心意欲があるのか」と考えてみることです。貪欲に知識を蓄えるのではなく一歩ずつ地道に蓄えていくこともまた大切です。