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今回はネットワークモニターについて簡単に解説していきますが、基本的に、ネットワークモニターとは、Windows Server OSで利用することのできる、ネットワーク、パケットのキャプチャ、解析用ソフトウェアのことを指します。ただし、こちらはWindows Server OSに限定したものとなるため広義の内容で今回は解説します。

ネットワークモニターとは

コンピュータネットワーク上での管理を行うハード、ソフトウェア、システムのことを指し、「NMS(Network Management System)」と呼ばれます。

これによって、ネットワーク上にある機材やその構成、設定に関する情報を収集し記録することで、ネットワーク上を流れるデータ、機器の稼働状況などを監視することができます。管理者はコンピュータネットワーク上に接続された各機器を自らの端末上から、状況を一元的に把握できるので各機器を個別に調べる必要がなく、接続されたハード、ソフトウェアの稼働状況を把握することができます。

使用する機器やソフトウェア、システムによりますが、通信量などの情報を統計して、表やグラフにまとめることで一覧として確認できるものから、コンピュータネットワーク上で異常が検知されたら、管理者に通知するもの。管理者の任意の操作によって機器から情報を収集から、遠隔で設定や調整を行う機能を持つものがあります。 ネットワーク機器やサーバなどの遠隔からの監視、操作を行うための標準プロトコル(通信規約)としてSNMP(Simple Network Management Protocol)※が普及しており、単にNMSといった場合はSNMPを利用してネットワークの監視や管理を行うシステムを指すことが多いです。

※IPネットワーク上のルータ、スイッチ、サーバ、端末など様々な機器をネットワーク経由で遠隔から監視・制御するためのプロトコル(通信規約)の一つ

Windowsでの「ネットワークモニター」

Windows Server OSで利用できる、ネットワーク・パケットのキャプチャ/解析ソフトウェアです。こちらも基本的な用途は同じで、コンピュータネットワーク上での管理を行うものになります。

Windows OSは、ネットワーク上のドライバ(NDISドライバ)を経由することで、ネットワーク上を流れるパケットをキャプチャし、それを解釈して表示されます。Windows OSは、物理的なネットワーク・インターフェイス・カードに対して、「NDIS」という統一仕様のインターフェイスを介してアクセスしており、どのネットワーク・カードでも、必ずこのNDISドライバが用意されています。なお、上位プロトコルは、NDISインターフェイスを呼び出すことで、実際のパケットの送受信を行っています。

そこでWindowsネットワーク・モニターでは、そのNDISを介して、NDISのインターフェイスを使ってネットワーク・ケーブルへ送信されるパケットをキャプチャ、逆にネットワーク・ケーブルから入ってくる受信パケットをキャプチャします。上位のプロトコルから見た場合だと、間にネットワーク・モニタ・ドライバが入っていることには気がつかず、まったく通常と同じようにパケットのやりとりが行われます。これらのWindows OSの原理を利用することでネットワーク・モニターは、自分自身から発信されるパケット、ネットワークケーブル上を流れる他のマシン同士の通信内容もキャプチャしているわけです。

ネットワークモニターの種類について

ネットワークモニターには有償のものから無償提供されているものまで幅広くあり、多くはネットワーク機器、サーバーまで統合して監視できるツールが大半です。また、パブリッククラウドや仮想環境上のアプリケーションにも対応しているツールが多くあります。そのため、ネットワーク運用監視に特化しているケースでなければ、サーバーも含めたシステム全体を監視できるツールを利用することが多くなります。

ただし、中規模から大規模のネットワークで、何十台以上ものネットワーク機器を管理しなければならないとなると、それぞれの機器ごとに監視項目や検知方法などを設定しようとすると非常に大変な作業となり、監視対象ごとに、複数ツールの管理画面をそれぞれ確認、若しくは、別々の形式でアラートが通知される状況はとなると運用管理の負担が大きくなってしまいます。そのため、それらを一元管理でき、導入設定や運用の自動化を行うことができるツールが便利です。

ネットワークモニターの運用上のポイントについて

ネットワークモニターは上述した通り、無料で使えるオープンソースのツールも充実しています。そのため、大規模のネットワーク監視が必要な場面でも、オープンソースのツールで十分に運用することができます。ただ、対象機器や監視項目が多くなればなるほど、機器ごとに監視項目を設定しなければならなくなるので、数が多いほど膨大な設定作業が必要になっていきます。

これらに対しては、機器の自動検出、監視項目のテンプレートによる自動設定、ログ分析の自動化などを備えたネットワークモニターがあるので、負荷が予想される場合は、これらのツールの活用すると運用管理の面で負担を軽減することが可能です。また早期検知に繋げるためのアラート通知が行えるようにすることと、それら通知をメール、チャットツール、自動音声による電話連絡、SMS配信や警告灯といった複数の通知手段で、昼夜を問わず対応することができるようにすることでネットワークの保全性を底上げすることもできます。

まとめ

・ネットワークモニターはコンピュータネットワーク上での管理を行うハード、ソフトウェア、システムのことを指す。

・ネットワークモニターには有償のものから無償のものまであり、無償のツールでも十分に運用することが可能である

・ネットワークモニターの運用上のポイントとしては、設定作業を自動検出とテンプレートによる自動設定。複数の通知手段によるアラート通知を行うことで早期検出と対応を可能にすることが求められる。