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はじめに

今や世界に誇れる文化として確立したといっても過言ではない地位を築いた日本のアニメ作品。その作品作りに携わる業種の1つ「CGアニメーター」について、あなたはどのようなイメージをお持ちでしょうか? 今回はそんなCGアニメーターの仕事内容と、就職するまでの道のりについて紹介します。

CGアニメーターとは?

「CGアニメーターとはどんな仕事をする人なのか?」
筆者のイメージでお答えするのであれば、「物やキャラクターに動きをつけ、作品に命を吹き込む職人」「CG技術でリアルな世界を表現する専門職」とお答えします。

CGアニメーターは2Dや3Dで制作されたキャラクターなどに対し違和感がないように動き(アニメーション)をつけ、アニメの世界において現実には不可能な表現をCGで作り上げたり、あるいは現実世界かのようなリアルな世界観をCGで表現したりするのを仕事としています。
アニメという作品において、動きは作品のクオリティを左右する重要なポジションでもあり、その責任と役割はとても大きいと言えるでしょう。しかしそれ故にやりがいもあり、成功したときの達成感も得られやすい仕事でもあります。また、アニメーション技術を磨くことでアニメ業界に限らず映画やゲームなどあらゆる分野での活躍が期待できる点を踏まえても、将来に期待が持てる職種と言えます。

CGアニメーターの仕事内容とは?

前述でも紹介した通り、CGアニメーターの仕事は2Dや3Dで制作されたキャラクターや物の動きに対して違和感がないよう自然な動きや表情をつけたり、架空の世界を現実世界のようにリアルな表現したりと、映像としての表現やリアルな動きを追求する必要がある技術職となります。
作業工程としては平面のデッサン画をCGソフトで立体的に表現するモデリングや、光の加減を調整するライティング、モデリングされたCGに質感を表現するテクスチャリングなどがあります。 その他にもキャラクターを動かすためのボーンと呼ばれるデータ(人間でいうところの骨)をモデルに挿入するリギングを作成したり、キーフレームアニメーションやモーションキャプチャなど様々な制作手法があるため、それぞれに対応できるよう3D作成ソフトを使いこなす力も求められます。

また、実際は1人のCGアニメーターだけがすべての作業するのではなく、チームで分業して作成していくことが一般的なので、協調性を持って取り組む必要があります。

CGアニメーターになるためには?必要なスキルと道のり

CGアニメーターになるためには、最低限Maya/3ds MaxなどのCGを制作するためのツールを使いこなすためのスキルを身につける必要があります。
そのためには、CG・アニメ、あるいはデザイン系の専門学校や大学などで実践的な学習を通じてアニメーターとして必要なスキルを習得すること、その上でアニメ制作会社や映像制作会社に就職するのが一般的な道のりです。 アニメーターに必要なスキルとしては、以下の資質が求められます。

1.デッサン力

実際の作業でデッサンをすることはありませんが、表現する上でデッサン力は必要不可欠です。どれだけツールを使いこなせても、リアルな世界観をCGで表現できる技量がなければ、クオリティの高いアニメを制作することができないからです。 CGアニメーターとして高い表現力を目指すなら、現実世界のものをよく観察し、どのように表現すればリアリティが増すかを考えて実践できるデッサン力を磨く必要があります。

2.コミュニケーション能力

CGアニメの制作現場はチーム体制が一般的です。他のCGアニメーターと協力して作業したり、プロデューサーやディレクター、デザイナーと連携して制作を進めたりしていきます。
そのため、関係者と連携してスムーズに仕事を進めるためのコミュニケーション能力は欠かせません。

3.発想力

CGアニメでは魔法や架空の都市など、現実には存在しない世界を表現することがよくあります。作品を観賞する人々が、その世界観に没入できるようにするためには、現実世界にないものでもリアルにイメージして表現するための発想力が必要です。様々な芸術作品や映像作品に触れて、発想力を鍛える姿勢が大切です。

4.根気強さ(忍耐力)・体力

経験の浅いクリエイターの場合、頭で思い浮かべた形・動きを一発で表現するには、相応の経験や熟練された技術が必要です。また、仕事では納期内にクオリティの高い作品の提出が求められますので、常に試行錯誤を繰り返しイメージどおりの動きが再現できるまで取り組める根気と集中力が必要になります。制作の現場では、長時間同じ姿勢で作業をしますので資本となる体力も重要になります。

CGアニメーターとしてキャリアを積んだ後はCGプロデューサーやCGディレクターなど、制作現場を指揮する役割へキャリアアップを目指したり、フリーへ独立する道もあるので、きちんと技術を磨けば将来的には幅広い分野で活躍できる可能性があるでしょう。
また、CGアニメーターを目指すにあたって、独学からCGアニメーターに就職することはできるのか?そのような疑問を持つ方もいるでしょう。
結論から言うと、独学からCGアニメーターを目指すことは不可能ではありません。

現在はネットや参考書などで調べればツールの使い方などはすぐに調べられますし、無料で使えるサービスなども充実しています。CG制作をするにあたって最低限のスペックを備えたPCさえ用意できれば、独学でCGアニメーションを学ぶことは可能でしょう。ただし、ツールの使い方などで分からないことや悩みが出たときに、気軽に相談できる人や教えてもらうことができないという環境下での学習は想像以上に精神的な負担も大きいため、独学で目指す場合にはそれ相応の覚悟と根気が必要と言えるでしょう。

まとめ

アニメーターというと一般的にはアニメ業界で活躍するイメージが多く、実際にアニメ制作会社へ就職するケースが多いですが、その後映画やTVなどの映像業界やゲーム業界に転職するパターンも少なくないかと思います。
続けて行くには並々ならぬ努力と根気が必要にはなりますが、一度技術を習得できれば他の業界にも幅を効かせられる面もありますので、CGアニメーターに興味を持った方は、まずは専門の教育機関やスクールに通ってみるか、無料の制作ツールをインストールして調べてみるなどしてみてはいかがでしょうか?