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<1.リーダーとしてのスキル>

<1.プロジェクトを円滑に進めるマネジメント>

クライアントから受注したプロジェクトを円滑に進めるチームを牽引役となる「プロジェクトリーダー」は多くのスキルと知識を必要とします。プロジェクトリーダーは、「プロジェクト」の管理を担う要になります。それゆえに「マネジメント」と「スケジュール管理」の二点を求められます。

ひとえに「マネジメント」と言ってもたくさんあります。プロジェクトリーダーに求められる「マネジメント」は起きうるトラブルに即対応できるリスクマネジメントが求められます。プロジェクトは進捗に応じて状況が常に変化します。細かい変化を観察し、状況に応じた適切な調節を行ってトラブルを未然に防ぐのもリーダーの仕事です。

また、スケジュール管理もプロジェクトリーダーの仕事です。作業の進捗状況を常に把握して的確な指示のもと、プロジェクトを進行していきます。とはいえ、進行していくにつれズレが生じます。そのズレを修正していくのもリーダーには求められます。

<2.豊富な業務経験と専門的な技術>

メンバーの先頭に立つ以上はそれ相応の経験と技術が求められます。開発工数の見積もりやプロジェクトの進捗スケジュールの立案等、ベースとなるのは経験と専門的な技術があってこそ的確な判断を下すことができます。また、トラブル発生にも同様のことが言えます。

<3.コミュニケーション力>

プロジェクトリーダーは、チームを牽引する役回りであり、その上に立つマネージャーや経営陣、クライアントと異なる立場の人と接する機会が多いです。

メンバーには、進捗スケジュールに沿って動けるような工夫と仕事の相談といったフォロー業務。マネージャヘーには現場で発生したトラブルの報告をして打開策を講じてもらいます。さらに、クライアントへのヒアリングやミーティングも行います。

<2.リーダーとしての資質>

<1.自己意思を表明できる>

リーダーは、チームの先頭に立つ立場であり、メンバーを1つの目的地まで導く立場でもあります。そのため、チームの意思決定を表明できなければ、チームは目的地を見失い、どこへ向かえばいいのか混乱の渦に陥ります。

リーダーに選ばれたからには、責任を持ってチームの意見をまとめるだけでなく「自己意思の表明」もできなければ、誰一人として付いていこうとはしません。

<2.メンバーに対し寛容的である>

リーダーは決して自分の意見ばかりを押し通す「独裁者」的立場となってはいけません。

リーダーもまたチームのメンバーのひとりであることが前提です。あくまでリーダーはチームメンバーの意見をまとめ、最終的な決断を下す「意思決定」の役割を担う立場です。そのため、メンバーの意見に耳を傾けず、自分の意見ばかり押し通しては、チームは機能しません。

リーダーである以上は、メンバーの意見に寛容的である度量が求められます。

<3.信頼>

リーダーは部下からの「信頼」を得られない限り、はじめてその役割を果たすことはできません。

信頼を得られていないリーダーのプロジェクトというのは基本的にコミュニケーションが疎かであったり、業務上の連携がうまく取れていない場合が多いです。それゆえに、メンバーがリーダーの事を信頼できていないために、自分勝手な行動や報告、連絡が疎かになって状況が把握できない等、負の連鎖へと繋がります。

リーダーである以上は、メンバーと密接にコミュニケーションを取って、自身が頼れる存在であることを認識される存在となることが大切です。

<3.リーダーとしての影響力>

<1.専門知識>

専門的な領域における成功の実績、専門知識を証明する資格の所持は周りからの評価と尊敬の念に繋がります。

専門知識を取得するのは、膨大な時間を有します。しかし、専門知識は資格取得段階でのみなく、現場での働きからも得られます。それだけにとどまらず、プロジェクトに「携わった」「成功させた」という実績にも繋がります。

<2.人間関係の影響力>

人間関係の影響力は、影響力のある人間同士の間で築いていくことでより強力なものになります。

プロジェクトは「チーム」で動くことが第一です。自己を知ってもらうと同時に、自身もまた他人のことを知ることで、はじめて関係性が築かれ、信頼性が生まれます。

同じ目的を持った者同士、うまくバランスを保ちつつ、相互利用することでプロジェクトは成功へと近づきます。

<3.情報発信>

複雑な情報を如何にして分かりやすく伝えることもまた、相手との信頼関係を築く上でのポイントです。

「情報」は複雑なものになるほど、相手はそれを理解することはできません。情報をうまく伝えるためには「論理的」に説明することが重要になってきます。

自身が考えた計画や課題を論理的に説明することが、相手との交渉を成立させ、目指すべき成果へと繋がります。

<4.立場の確立をした上で抜擢する>

「人の上に立つべき存在は優秀である」という理由からリーダーに抜擢して、プロジェクトを炎上、崩壊させたという事例がないわけではありません。如何に有能な人材でも、上段で挙げた資質を持ち合わせていないと、人はついていきません。かといって、資質があっても持ち前の「スキル」や「専門的領域での実績」が乏しくても信頼性に欠けます。

抜擢するポイントは「資質」です。それをより深く掘り下げるとして、リーダーに適した「センス・性格」といった2点について考えてみましょう。

  • 1.責任感
  • 上に立つものである以上、「責任」という言葉の重みは付いて回ります。仕事に情熱があったとしても、仕事に対する責任が薄ければ、口だけのリーダーとなってしまいます。

    自分の仕事さえこなしていればいいという考えは決して悪いわけではありません。しかし、リーダーはチームをまとめるのも1つの仕事です。事業全体、あるいは会社や組織全体にいきわたるほどの広範囲に視野を向け、責任感を持って行動できる人こそがリーダーに適しているといえます。

  • 2.上司・部下への二面性
  • 上司のいうことすべてを許容し、部下には無茶ぶりな要求をするようなリーダーを抜擢してはチーム崩壊は免れません。

    上司からは使い勝手のいい社員とみなされ、利用するだけ利用され、部下からは不満の声が上がり、取り返しの付かないことに発展する恐れがあります。チームの崩壊を事前に防ぐ意味でも、抜粋する場合は注意深く抜擢する人を観察しておくことが重要です。

  • 3.ストレス耐性
  • 責任を伴うリーダーという立場がかえって、プレッシャーとなりストレスになるケースは少なくありません。チームの一員として文句のつけようがない実績を残してきた人材でも、リーダーという立場の重さに耐えられず、満足のいく結果を残せないケースもあります。

    結果を残すことは大切です。しかし、身体を壊してしまえば基の子もありません。ストレス耐性の弱い有力な人材を選ぶより、チームメンバーとして伸び伸びと働いてもらう方がいいです。

<5.まとめ>

誇れる実績と豊富な知識、長年積み上げてきた経験だけで人は「リーダー」という立場になりあがることはできません。そこには「人間性」や「仕事への責任感」等といった内面的要因を持ち合わせている者こそ「リーダーになる」権威があります。

しかし、日本には未だ「年功序列」という考え方が根深く残っています。「仕事ができること」と「リーダーとして仕事ができる」ことはまったくの別物といっても過言ではありません。リーダーの資質とスキルを持っているかを明確に判断したうえで、抜擢することがプロジェクトを成功へと導くことになります。