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インフラエンジニアはどんな職種?

文字通り「インフラ」を設計・構築・運用するのがインフラエンジニアの仕事です。IT業界におけるインフラとは、主に通信基盤のことを指しており、つまりサーバーとネットワークの設計・構築・運用を行うのがインフラエンジニアの役割となっています。

現代ではインターネットに代表される大規模大容量の通信網を利用することが市民生活の基盤となっています。「通信インフラ」とも呼ばれるこれらのネットワークは企業の業務や市民生活にも深く関係していますので、インフラエンジニアに求められるのは世の中のほぼすべての社会活動を支えることになります。

IT業界におけるインフラとは何か?

現代社会で一般的に利用されているIT関連サービスはEメールやスマートフォンのアプリ、動画配信サービスなどがあげられます。これらのサービスはすべてインターネットを通じて提供されており、インターネットやインターネットを通じたサービスはすべてサーバーとネットワークの組み合わせが基盤になっています。

つまり、IT業界におけるインフラとは、

1.利用者が必要な情報を受け取ったり、事業者が情報を送信・提供するためのネットワーク

2.利用者が受け取る情報を受け渡したり、事業者が送信・提供する情報を一時的・恒常的に保存するサーバー

の2つを指しています。

インフラエンジニアの種類

一口に「インフラエンジニア」とは言っても、ITインフラの種類によって求められる業務や役割が異なります。そして異なる業務によってエンジニアとしての種別も変わってきます。

ITインフラが「ネットワーク」と「サーバー」に分かれているように、インフラエンジニアとしての仕事もそれぞれの分野に分かれていることがほとんどです。組織によってはデータベースを専門に扱うエンジニアもインフラエンジニアとして扱うこともあります。ここからはネットワークとサーバー、それぞれの分野を扱うエンジニアについて紹介していきます。

ネットワークエンジニア

インターネットを代表する「ネットワーク」に携わるネットワークエンジニアは、ルータやスイッチなどの物理的なネットワーク接続用機器を扱うことが特徴の一つです。これらネットワーク機器が正しく動作しないと、回線に異常が無かったとしても正しくデータの送受信ができなくなります。

最適な接続機器を使用し、効率の良い適切なネットワーク環境を構築するための機器を選定したり、実際にネットワークを構築することがネットワークエンジニアの仕事です。

サーバーエンジニア

その名が示す通り、サーバーの運用業務全般がサーバーエンジニアの仕事です。目的や用途に応じたサーバーを選定し、サーバー本体にOSやアプリケーションのインストールを行いシステムの立ち上げと構築から担当するのが通常です。立ち上げ後はサーバーが正常に稼働しているかどうかの保守・運用を行い、必要に応じて改修や拡張なども担当します。

ただし、サーバー機器は重要度と比例して価格も高騰します。そのためここ数年では自社でサーバーを設置するのではなく、クラウドサーバーを契約して導入コストと運用コストを一時的に抑え、ユーザーの増減やシステムの必要性とのバランスを見ながら運用する企業も増えてきました。そのため、現在のサーバーエンジニアは実際のサーバー機器を扱える知識とは別にクラウド系技術に関する知識と経験も求められるようになっています。

インフラエンジニアとしての仕事内容について

インフラエンジニアにはネットワークとサーバー、2種類の業務を担当する職種があることをご紹介してきました。どちらも現代のIT環境を支えるために不可欠な職種です。

ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアに関して紹介した部分でも触れたように、インフラエンジニアとしての仕事は大きく3つに分けられます。それぞれについて解説していきます。

(1)設計

要求・想定される使用状況に対応できる規模のインフラが、どのようなサーバーを必要とするのか?回線経路はどのように設定されるべきなのか?それらを実現させるために必要な予算はいくらなのか?などを立案します。システムの立ち上げだけではなく、立ち上げた後の想定されるトラブル内容やその解決方法もシミュレーションしておくことが求められます。

(2)構築

設計段階で取り決められた仕様に基づき、サーバーやネットワークを構築します。サーバーに関しては近年だとクラウドサーバーを利用するケースも増えていますが、構築作業は自社で実際にサーバーを設置する場合に行います。企業で使用されるサーバー用ワークステーションは、用途やスペックによってはかなり大型の機器になります。設置場所の調整から、組み込むネットワーク接続機器、OSやアプリケーションの選定とインストールなどを行います。

(3)運用・保守

例えば電気やガスが突然止まってしまうと困るように、ITインフラも止めるわけにはいきません。サーバーやネットワークの場合は、サーバー機器そのものが故障することや、ネットワーク接続機器の処理能力以上のトラフィックが発生することによるダウンの可能性が考えられます。このようなトラブル・障害が発生しないように状況を把握し、万が一トラブルが発生した際には速やかに解消・復旧できるようにすることが運用・保守業務になります。

インフラエンジニアの働き方

「IT業界の労働時間」に関しては様々な話がありますが、その実態は職種や業務によって異なっています。例えば、設計を行うエンジニアと保守を行うエンジニアは行う業務が異なるため、必然的に労働時間や勤務形態も異なるのです。

設計、構築、運用・保守それぞれの働き方を例としてご紹介します。

設計担当エンジニアの働き方例

・クライアントの要望を確認しながら、要望内容に沿った全体像を設計

・基本的に定時以降に行わなければいけない業務は存在しない

・企業によっては柔軟な勤務形態を採用している場合もあり、比較的裁量に委ねられていることも

・細かい確認が随時必要。(設計段階での見落としは、実際の構築が始まってからでは直すのが大変なため)

インフラ構築担当エンジニアの働き方例

・クライアントの作業環境を用意してテストを行う

・クライアントの業務が修了してからテストを行う場合もあるため、状況によってはイレギュラー勤務の可能性も

・意図しない動作やバグが発生する可能性もあるため、トラブル解消の作業が発生するケースもある

・システム全体のアップデート作業の場合、実施はクライアントの全作業終了後であることが必須。システム非稼働、クライアントの業務外であることが条件になるため、土日の作業となることもある

運用・保守担当エンジニアの働き方例

・基本的に年中無休で稼働するネットワークの運用と保守を担当

・複数人でシフトを組んで業務を行うため、残業は基本的に無し

・シフト勤務なので一般的な休日とはオフの日が異なる場合がある

・シフトの結果としていわゆる時間外勤務となる時間帯の業務になった場合は別途手当が支給される

IT業界の中でも高水準な年収

インフラエンジニアの年収はIT業界の中でも比較的高水準です。20代では平均約350万円前後。30代では平均約450万円前後。40代では平均約500〜600万円前後。経験と、それに基づく技術が評価されやすい職種なので、勤務経験が長く業界での経験が豊富であれば年収が伸びていく職種です。

経験年数と共に年収が上昇する可能性が高い一方で、各種の資格を取得することで早い段階から年収を増加させることが可能です。特にLIPC、Oracle Master、AWS認定などを取得しておくと年収が上がりやすいと言われています。IT環境が整備されていることが当たり前となった現在は、より良いシステムを多くの企業が求めています。そしてその一方で優れたシステムという評価を受けるためにはトラブルが少ないということが条件とされます。

ネットワークやサーバーなどのインフラシステムが安定していることは現代では必須事項と言えるため、インフラエンジニアの存在は不可欠なものになっています。そして需要がそれだけ増えているために相対的にインフラエンジニアの数が足りておらず、企業は常に有能なインフラエンジニアを求めているのです。

未経験からでもインフラエンジニアになることは可能か?

責任があり、必要な知識も多いためハードルが高そうに見えますが、もし未経験でもIT業界に転職し、エンジニアを目指してみたいと思う方にはピッタリなのがインフラエンジニアです。

そもそも人材不足が深刻なエンジニア業界では常に新しい人材を求めています。社会に必要不可欠なインフラエンジニアの場合は、必要不可欠であるがゆえに研修が他の職種よりも充実しているため、未経験から始めたとしてもしっかりとした知識と技術を身につけやすい環境が整っているのです。

場合によっては3ヶ月ほどの長期研修が用意されているため、未経験からだったとしても専門学校の短期コースに行くよりも充実した研修を受けることが可能です。

複数のキャリアプランが選べる

ご紹介してきたように、インフラエンジニアは設計、構築、運用・保守という3つの業務があります。機器の扱いを覚えるのが早い方は保守から。座学での知識吸収が得意でコミュニケーションに優れた方は顧客対応が多い運用からスタートするなど、複数のキャリアプランを設定することができます。

設計からスタートした場合でも、運用・保守に回った場合は仕組みが理解できている分だけ対応力が優れたエンジニアになれます。運用でクライアントとのやり取りに慣れてきた場合は、コミュニケーション能力を活かして実際の環境構築でも活躍することができるでしょう。

まとめ

ここまでインフラエンジニアにはどの様な職種があり、それぞれの職種がどのような仕事をするのかについて紹介してきました。どのような人材が求められていて、必要とされるスキルがどのようなものか?どのような資格が有利なのかについても知って頂けたはずです。

経験によって年収アップが狙えると同時に、充実した研修制度が多いため未経験者でも目指すことができる職種だということもわかりました。ぜひこの機会に世の中から求められているスキルを身につけ、インフラエンジニアとしてステップアップを狙いましょう。