ITパスポートを取得するには?過去問や参考書を使った試験対策について
はじめに
ITパスポートは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。少ない学習時間での取得や、独学での取得も可能という声を多く聞く資格ですが、何から手をつけたらいいのかお困りの方はいませんか?
今回は、ITパスポート取得のために参考になる過去問を扱ったサイトや参考書をご紹介します。
試験に関する諸データ
〇試験概要
・試験時間
120分
・問題数
100問、四肢択一式
ストラテジ系(経営全般):35問程度
マネジメント系(IT管理):20問程度
テクノロジ系(IT技術):45問程度
・試験方式
CBT方式
〇合格基準
総合評価点1000点満点中600点以上取得が合格ラインです。
さらに、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の分野別に、分野別評価点1000点満点中300点以上取得できていなければ不合格になります。総合評価点は、分野別評価点を基に算出されます。試験終了後にすぐに自動採点が始まり、試験の結果が表示されます。
〇合格率
令和2年4月時点までの累計合格率が48.9%と発表されています。いくら基礎的な知識に関する試験とはいえ、2人に1人は不合格となってしまうことを考えますと、それなりの勉強時間の確保が必要となります。
試験対策
〇効果的な勉強方法
・情報系未経験の方
まずは後述する過去問を取り扱っているサイトを一通り読み、全体の概要やご自身の知識レベルを把握することから始めてみましょう。その後はご自身のレベルに合った対策教材を購入しての学習や、空き時間に用語集を読み、過去問を反復することがおすすめです。特に計算問題は苦手に感じる方が多いようです。計算問題は出てくるものが決まっており、きちんと押さえていれば確実に得点が取れるポイントになります。計算問題にもパターンがあるので、繰り返していくことで苦手意識を克服するよう取り組んでみてください。
・情報系の学習経験がある方
これまでに情報系の勉強をしていても、ストラテジ系、マネジメント系の分野は初めて見る用語も多いのではないでしょうか。まずは用語集に一通り目を通してみて、知らない分野がないかをチェックしてください。英字の略語など、用語を知らなければ答えようのない問題が多くあります。用語集はしっかりとチェックしましょう。その後過去問を一通り解くことで、問題の傾向に慣れることがおすすめです。
〇過去問を取り扱っているサイトでの学習
・ITパスポート過去問道場(ITパスポート試験ドットコム)
平成21年に試験が開始されて以降の公開問題について、解答・解説付きで出題問題を閲覧することができます。試験回、分野を指定できるだけでなく、模擬試験形式での出題、計算問題のみの出題、最初から解説文を表示するなどの設定ができます。ITパスポートの勉強を一から始めるので、解説を読みながらやりたい場合や、ある程度勉強を進めて苦手な分野が分かってきたので、分野を絞って学習したい場合にも対応できます。
・ITパスポート用語辞典(ITパスポート試験ドットコム)
シラバスに掲載されている用語とその関連ワードの計631語(令和2年6月現在)の読み・意味が分野別にまとまった、ITパスポート試験対策に特化した用語集です。最新シラバスの掲載用語までを網羅していますので、用語の暗記や確認に活用しましょう。
〇参考書での学習
・いちばんやさしいITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集
要点やよく出る問題がシンプルにまとめられています。途中で挟まれるコラムや学習のポイントでは、その単元の要点や学習法などが書かれていて息抜きができたり、巻末には寝る前の用語の復習ができるようまとめられたページがあったりと集中的に学習するために必要な要素が一冊に詰め込まれています。
・キタミ式イラスト塾 ITパスポート
説明にイラストが多く用いられています。文字をあまり読みたくない、キャラクターを交えながら楽しく勉強したい方におすすめです。
〇CBT方式への対策
CBT(Computer Based Testing)方式とは、PCを利用して実施する試験のことで、受験者は試験会場に行き、PCに表示された試験問題にマウスやキーボードを用いて解答するものです。ITパスポート公式HPにおいて、CBT疑似体験ソフトウェアが無料でダウンロードできます。過去の公開問題を制限時間120分で100問解き、得点まで出してくれる形式になっています。解説は提供されませんが、あとから自分の解答、正答、全問題の問題文を見直すことができますので、試験勉強を一通り行った方は、CBT形式に慣れるためにもソフトウェアでの疑似体験を行ってみてください。
まとめ
今回はITパスポートの試験対策についてご紹介しました。
ITパスポートは、情報処理技術試験で有効とされていた過去問を重点に置いた学習方法が通用しなくなっているという話もあります。しかし、対策サイト、対策本での学習、過去問に触れておくことで知識のストックができます。正解の選択肢が一目でわからずとも、過去問で知った単語がその問題の解答に当てはまらないから、という消去法で答えを導き出すこともできます。過去問を解いて試験対策を行うのは、過去問の流用を期待するということではなく、知識の蓄積ということを意識してください。
もちろん、ITは常に新しい技術が発達しているので、過去問による対策以外にも、それらに関する用語、説明などについては参考書などを使用し対策を行ってみましょう。