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システム開発やソフトウェア開発において、本来の意図とは異なる動作が起きたり、発生すべきではない動作が発生する要素のことをバグと呼びます。そのようなバグを発見し取り除く作業のことがデバッグです。一言でデバッグと呼ばれますが、具体的には「バグの発見」「原因の特定」「原因の除去」という複数のプロセスが必要になります。バグを残したままでは開発予定のシステムやソフトウェアを正常に動作させることができないため、どんな種類の開発現場でも必ずデバッグは必要になります。

「バグ」とは何か?

冒頭で述べたように、本来の意図から外れた動作や発生してはいけない動きなど、「異なる動きや事象」「欠陥」のことをバグと言います。もう少し具体的に言うと「コンピューターのプログラムに潜む誤りや欠陥」のことです。デバッグというのはこの「誤り」や「欠陥」を正し、取り除くことを言います。

デバッグの流れ

デバッグは「バグの発見」「原因の特定」「原因の除去」という複数のプロセスで行われます。それぞれの作業について解説していきます。

【1】バグの発見

システムやソフトウェアの開発において、最初から完璧なものが出来上がるとは考えられていません。まず大枠を作り、正しく動作するかどうかのチェックを行うことが作業工程に組み込まれています。つまりどんな開発においても「バグが発生すること」と「そのバグを取り除くデバッグ作業を行うこと」は想定されているのです。したがって、バグは偶然「発見されたもの」ではなく、「あると想定されるものを見つけ出す作業」であるとも言えます。バグの発見方法は主に3つに集約されています。

目でチェックする

最もシンプルな方法として行われる方法です。プログラマーがコーディングしたものを別の担当者が目視でコードのエラーを探します。能力が高いプログラマーであっても、人間である以上100%完璧な作業を行える保証はありません。最初から順にチェックしていくことで、本来記述されているべき内容とは異なるコードを発見しやすいこともあります。

デバッガを使う

「デバッガ」を使う方法もあります。デバッガはバグを発見するためのソフトウェアです。プログラムのある一点をターゲットにして変数を測定できたりするなど、目視でのチェックよりも効率的な作業を行うことも可能です。デバッグを行える人数が足りない場合などは、少なくともバグやエラー箇所を特定する作業が自動化されるので便利です。エラー箇所の特定さえできれば、残す作業は修正だけになります。

分割統治法

問題が大きすぎる時に用いられるのが分割統治法です。エラーを小さく区切ることによりエラーをひとつひとつ解決していく方法です。まとめてやると途方もないことですし、何から直していけばいいのか頭を抱えることになりますが、細かく区切ることにより目の前のエラーを直していけばおのずと全体的なエラーも解消されるのです。

【2】原因の調査と特定

バグを発見することができたら、そのバグがどうして発生したのかを調査し特定します。バグ原因の調査と特定にもいくつかの方法があります。

エラーログの調査

エラーが起きた場合にエラー内容がログに書き込こまれるよう設定しておきます。この設定を行っておくことでメッセージが残り、原因特定や対策のための参考情報になります。エラーログは英語で書かれているため、英語が得意でない場合はすぐに理解するのは難しいかもしれません。しかし過去に同様のエラーやバグを解消した情報などがネットなどにも紹介されているケースがあります。参考情報として有用なので、少なくともエラーであることが理解できるようになるといいでしょう。

テストデータの作成をし検証

最もポピュラーな手法の1つがテストデータの作成と検証です。テスト環境をローカルに作って、検証を進めていきます。こうすることで、どの段階でエラーが起きたのかを再現できます。原因を特定するのにとても有効です。

ネットで検索したり上司や経験者に相談する

IT業界の実務を知らない人からは驚かれることかもしれませんが、Googleなどエラーコードやバグの症状を検索すると、類似する過去の事例が紹介されていることがあります。事例が紹介されているだけでなく、対処法や解消までのプロセスも発見できることがありますので、ITエンジニアの「検索力」は重要だと言われています。自力で検索して調べる以外にも、上司や同僚などの経験者にアドバイスを求めることも必要です。エンジニアは技術職ですが、大きな現場ではチームワークが大切です。一人で抱え込んで時間を使うよりも、仲間と一緒に解決するほうが時間の節約にも繋がります。

【3】原因の除去

バグの原因がはっきりしたら、その原因を除去しバグを解消します。原因を除去しバグを解消することでシステムは正常に作動するようになります。しかし場合によっては、ある一箇所のバグやコードを修正したことによって、別のバグが発生する可能性も否定はできません。1度作業が完了したら再度エラーチェックや動作テストを行い、別のエラーやバグが発生しないかどうかを確認する必要があります。

まとめ

デバッグは開発現場においては必須の仕事です。どんな開発現場でも必ず行うことになる作業であると同時に、開発案件の信頼度を高めるための大切な作業であるとも言えます。プログラムを組むのが苦手でも、なにかのチェックをするのは得意という方が活躍できるフィールドでもあります。身近にデバッグの案件がある方はぜひ一度トライしてみて、自分の適性も見定めてみるといいでしょう。