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  • 最近よく聞く「クラウドサービス」って

インターネットへの常時接続がモバイルでも家庭でも当たり前になりました。それに伴い発展・増加してきたのが各種クラウドサービスです。クラウドサービスが何かということをよく知らなくても、実際に利用しているという方も多いでしょう。この機会にクラウドとは何か?クラウドサービスにはどのようなものがあるのかをご紹介します。

クラウドサービスって何?

個人の保有するデータをインターネット上に保管し、保管したデータのやり取りはすべてインターネットを通じて行ったり、企業が提供するサービスをインターネット上だけでスマホやPCを介して利用する仕組みのことを「クラウドサービス」と呼びます。例えば「PCが手元に無くても、スマホからクラウドサービスに保管された文書ファイルを閲覧・編集できる」であったり、「スマホで撮影した写真をPC上で確認したりする」ことが可能になる利便性の高いサービスが多数展開されています。Google DriveやGoogle Photo、iCloudやAppleMusic、そして最近ではMicrosoftのOffice365なども代表的で身近な個人向けのクラウドサービスです。Microsoftをはじめとして、多くの企業は法人向けクラウドサービスも展開しています。

なぜクラウドサービスが増えているのか?=クラウドサービスのメリット

現在は次々に新しいクラウドサービスがリリースされ、世の中の利便性が高まっています。では、クラウドサービスが続々と増えているのはなぜなのでしょうか?

大きな理由の1つは「コストの削減ができる」ことです。企業がクラウドサービスを利用する場面で多いのは「クラウドサーバー」です。クラウドサーバーを利用する場合は、自社でサーバー機器を購入したり保守費用を負担する必要がありません。

MicrosoftのOffice365などは文書作成、表計算などの基本的なOffice製品を年単位の契約にすることで、複数の端末で同時に使用できるようにしたクラウドサービスです。Microsoft Officeはソフト単体で購入すると数万円を一度に払うことになるうえ、PC1台でしか使えませんが、Microsoft Office365であれば1年に一度1万円程度を支払うことで複数のPCで同時利用が可能になるなどのメリットがあります。

サーバー機器は一般的なPCと比べると非常に高額で、重要なデータを保存するため保守費用が常にかかります。保守を行うためにセキュリティエンジニアと契約するケースもありますので、自社でサーバーを保有するのは非常にコストがかかります。その反面、クラウドサーバーを利用する場合は「サーバー機器の保有」「機器の保守」「エンジニアの人件費」はサービス提供会社が負担、あるいは手配します。利用する側は月額、もしくは年間費用を支払うのみで、手続きも簡単です。自社でサーバーを保有するよりも費用が安価で済みます。なおかつ営業員が外出する際にも、インターネットに繋がる端末を持っていれば社内にいなくても会社の資料やデータにアクセスすることができ、営業活動に自由度が生まれ売上アップのための時間を使う機会を増やせます。リモートワークを行う際にも利便性が高まります。

クラウドサービスのデメリット

一方でクラウドサービスにもデメリットがあります。それは「自由度が低い」そして「継続性への信頼度が低い」という2点です。クラウドサービスは外部サービスであり、自社や自分ではない他の会社が提供するサービスを利用することになります。全てが自分の思い通りに設計されたシステムではないため「かゆいところまで手が届かない」こともあります。全てを希望通りにするカスタマイズサービスを提供しているクラウドサービスもありますが、追加料金が必要になる場合が多いです。

「継続性への信頼度」という点では、サービス提供会社がサービスを停止してしまったりするリスクが常に存在します。自社にとっては有用でも、他の会社にとってそうではないということが多ければ利用者は減るため、いつまでそのサービスが利用できるかどうかは保証できません。場合によってはサービス提供会社が事業継続不可能になってしまうこともあり得ます。法人向けのクラウドサービスではこうした事業継続性も考慮の上でサービスが設計され、事業化されていますので、滅多なことではこのような懸念は現実になりません。しかし可能性としてゼロではないのは確かです。

もう一つのデメリットとしては、Microsoft Office365のように使用頻度の高いソフトウェア系クラウドサービスの場合、継続利用することが必要になるため最終的にはソフトウェア単体で購入するよりも費用を支払っていることにもなり得るという点があります。

代表的な法人向けクラウドサービス

法人向けのクラウドサービスは多種多様なものがリリースされていますが、全世界的に利用者が多く安定的に運用されているサービスはAmazonのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)、GoogleのGCP(グーグル・クラウド・プラットフォーム)、そしてMicrosoftのAzureです。それぞれの概要を簡単にご紹介します。

Amazon AWS

オンラインショッピング大手のAmazonが提供するクラウドサービスの総称がAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)です。もともとはAmazonが自社内での在庫管理や物流管理、データ解析などを行うために、社内用ツールとして開発・運用していたツールです。利便性も高く、外部企業へのサービス展開も可能と判断されたために製品サービスとしてリリースされました。いち早く展開されたサービスであるため導入企業も多く、現在の世界シェアは30%を超えておりトップシェアです。

仮想サーバー、データベース、ストレージなど、クラウドサービスとして連想される主な機能を網羅しており、合計90以上のサービスを展開する多様性が特徴です。サービスが多すぎてどれを使ったらいいのかわからない、というデメリットが指摘されることもありますが、法人向けクラウドサービスとしてまず最初に連想されるのがAWSだと言っていいでしょう。

Google GCP

Googleは検索エンジンとして世界シェアトップであり、GmailやYouTubeなどの一般向けサービスを数多く展開しています。そのGoogleが、各サービスを展開するために構築したプラットフォームを法人向けに提供しているのがGCP(Googleクラウド・プラットフォーム)です。

Googleは大量のユーザーが同時に利用する上で必要な堅牢性と安定性を兼ね備えたサービスプラットフォームを持っており、その堅牢性と安定性が高く評価されています。その利点を活かし、更に人工知能によるログ解析機能、データ運用・解析機能、一般ユーザーにも使われているGoogleの各種サービス(メールやストレージ)を法人向けに強化したサービスなどをGCPで提供しています。

Microsoft Azure

法人向け、個人向けPCのOS市場の巨人として君臨するMicrosoftが提供するクラウドサービスがAzure(アジュール)です。世界中55箇所に巨大なデータセンターを構築しており、それぞれがネットワークで相互接続されることで巨大なネットワークとして機能しています。日本には東日本と西日本にそれぞれ1箇所ずつAzureのデータセンターが設置されており、日本国内のユーザーが使用する拠点になっています。

世界中を繋いだ大規模ネットワークが構築されたクラウドサービスであると同時に、自社で保有するローカルサーバーやデータをクラウド上のサーバーと連携させることができます。サーバーやデータなどを自社で保有・管理する形態をオンプレミス」と呼びますが、Azureとの連携を行うことによりデータのバックアップを文字通り二重にできたり、自社では構築の難しいセキュリティ対策としてAzureを利用できるというメリットを享受できます。

まとめ

ここまでクラウドサービスについて紹介してきました。現在では個人向けにも法人向けにもクラウドサービスが多数展開されており、自分でも気づかないうちに様々なクラウドサービスを利用しているケースもあります。セキュリティやリスク管理の観点からもクラウドサービスを利用するメリットは大きく、今後もますます利用するシーンも増えていくでしょう。この機会にご自身の周りにあるクラウドサービスを把握し、効果的な利用方法をまとめてみるといいでしょう。