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フリーランスで稼げるようになると、直面するのが税金です。特に会社からフリーランスになった方は、その税額に驚くといいます。フリーランスで稼ぐなら「控除」や「経費」をしっかり抑えて税金対策をしましょう。

フリーランスや個人事業主の税金対策1:所得控除を有効活用する

所得控除とは、国民年金を納めたり寄付をしたときに所得から決まった金額を差し引いてくれる制度です。 フリーランスになると国民年金や国民健康保険を自分で支払う必要がありますが、控除になるのでお得感を感じられるでしょう。 所得は「収入-経費-控除」で計算されるので、たくさんの控除が受けられるほど税金対策になります。

フリーランスや個人事業主が使える所得税控除の種類

配偶者控除

フリーランスが結婚して配偶者がいる場合の控除です。38万円が控除されます。75歳以上の場合は48万円の控除です。配偶者に38万円以上の所得があった場合には、配偶者特別控除になります。

配偶者特別控除

配偶者にパート収入や年金収入があり、所得が38万円以上の場合は配偶者の所得に応じて控除が受けられます。上限は38万円です。

障害者控除

フリーランス本人や配偶者、扶養している家族が障害者の場合の控除です。基本的に27万円の控除が受けられます。

勤労学生控除

フリーランス本人が学生の場合に受けられる控除です。27万円の控除が受けられます。

扶養控除

フリーランスが子供や年金ぐらしの親などを扶養している場合に受けられる控除です。控除額は扶養している家族の年齢や同居の有無によって変動があります。一般的な扶養親族の場合は38万円です。定年後も働いている親は扶養家族に入れられない可能性があります。

医療費控除

医療費控除には2種類あります。1つ目は10万円以上の医療費を支払ったときに還付が受けられる従来の医療費控除。2つ目は12000円以上の対象医薬品を購入した場合に利用できるセルフメディケーション制度です。 従来の医療費控除とセルフメディケーション制度は、どちらかを選択する必要があります。合算できないので注意が必要です。

社会保険控除

国民健康保険や国民年金、民間の社会保険を支払った場合に受けられる控除です。所得税の範囲であれば全額が控除されます。フリーランスであれば確実に支払うものですので確実に利用できます。

生命保険控除

民間の生命保険に加入して保険料を支払ったときに受けられる控除です。最高12万円の控除が受けられます。フリーランスでも独身か扶養家族がいるかで必要な補償範囲が変わってくるので、現状を十分にカバーできる生命保険を選びましょう。

小規模企業共済等掛金控除

フリーランスや個人事業主、中小企業の役員だけが加入できる小規模企業共済に加入し、積立をしたときに受けられる控除です。個人型年金でも控除を受けられます。その年に支払った金額の全額を控除にできます。フリーランスや個人事業主にとっては退職金代わりになるので、事業が安定してきたら加入をオススメします。

地震保険料控除

民間の地震保険に加入している場合に受けられる控除です。最高で5万円の控除が受けられます。持ち家のあるフリーランスや個人事業主にオススメします。

寄付金控除

国が指定する団体に寄付をしたときに受けられる控除です。ふるさと納税も寄付金控除に入ります。お得に納税したいと考えているフリーランスや個人事業主に人気の控除です。

基礎控除

どんな人でも一律に受けられる控除です。38万円の控除が受けられます。

青色申告控除

青色申告を利用しているフリーランスや個人事業主が受けられる控除です。10万円もしくは65万円の控除が受けられます。

フリーランスや個人事業主が控除を利用するときの注意点

家族が従業員だと控除が受けられない

フリーランスのなかには家族に事業を手伝ってもらっている場合もあります。家族に給料を支払っている場合には白色専従者や青色専従者になります。専従者になると配偶者控除・扶養控除が受けられないので、2重に申請していないか注意が必要です。

フリーランスや個人事業主の税金対策2:経費を計上する

税金は「収入-経費-控除」で計算されるので、経費を計上するのも節税になります。フリーランスや個人事業主だと見落としがちな経費もあるので、確認しておきましょう。

フリーランスや個人事業主が使える経費の種類

地代家賃

事業のために借りてる家賃や土地代です。自宅が事務所になっているフリーランスの場合は全体の金額から事業で使っている費用のみを計上する家事按分が必要です。計算方法は部屋数と面積の2通りがあります。 家賃の他にも、火災保険なども家事按分で経費にできます。注意点は、50%以上が事業用になると、住宅ローン控除を使えなくなることです。住宅ローン控除を受けられる条件のひとつが「床面積50㎡以上手自宅の2分の1以上が居住用に使われること」になっています。事務所兼自宅の持ち家をローンで建築しようと考えているフリーランスや個人事業主は注意が必要です。 その一方で、事業用の割合が10%以下ならば、住宅ローン控除を全額受けることができます。自宅を建築するなら、事業スペースが10%以下になるように計算して建築しましょう。

広告宣伝費

フリーランスや個人事業主が仕事獲得のために自分をアピールするときの費用です。宣伝広告費になるのは以下の場合です。

・テレビや新聞などの広告費 ・ホームページの作成費用 ・ポスターやチラシの作成費用や発送費用 ・パンフレットやカタログの発送費用や発送費用 ・社名入りの手帳やカレンダーなどの作成費用 ・ブランディングのための年賀状や名刺の作成費用

旅費交通費

事業ために使った交通費や宿泊費用が旅費交通費です。フリーランスや個人事業主の場合は、以下のものがあてはまります。

・高速道通行料 ・ETC ・パーキングの駐車料金 ・タクシー代 ・バス代 ・電車代 ・航空券代 ・回数券代 ・ガソリン代(家事按分が必要な場合あり) ・運転代行代 ・出張代 ・宿泊費

事業で使ったものが経費となります。自動車を自家用兼事業用で使っている場合は、家事按分にしましょう。

新聞図書費

事業のために必要な新聞・書籍・定期刊行物の購入費用です。フリーランスや個人事業主だと事業の研究や調査のために参考書を購入する機会も多いので、積極的に利用しましょう。新聞図書費に計上できるのは以下のものです。

・新聞 ・専門書 ・専門雑誌 ・参考書 ・雑誌 ・定期刊行物 ・マンガ

事業に関係するものであれば、マンガも新聞図書費に入ることがあります。

通信費

インターネット通信費や電話代などが該当します。特に、フリーランスはインターネットを使った仕事が多いので経費にしやすいでしょう。プライベートと事業用が一緒になっている場合は家事按分が必要になります。通信費に含まれるものは以下のとおりです。

・インターネット通信費 ・電話代 ・サーバー代 ・クラウドストレージ代 ・請求書の郵送費 ・切手代

外注工賃

フリーランス仲間と仕事をシェアしているときや、他のフリーランスに外注を使った場合の経費になります。外注工賃になる条件は以下の通りです。

・請求書が発行されている ・通勤手当がない ・タイムカードがない ・命令指揮系統がない ・備品などの支給がない

諸会費

事業をしていないと入会できない商工会や中小企業協同組合などに参加している場合は経費にできます。フィットネスクラブなどの会費の場合、個人事業主でなくても入会できるので、諸会費とはならないので注意が必要です。

消耗品費

10万円未満の備品を購入したときの経費です。10万円未満のパソコン、文房具、コピー用紙などが該当します。消耗品費として認められるには以下の2つを満たす必要があります。

・金額が10万円未満であること ・耐用年数が1年未満であること

消耗品費の特例で30万円未満の消耗品費が認められる場合がある

上記の条件を満たしていない場合でも、青色申告を利用している中小企業は30万円未満の備品を購入しても取得した年の消耗品費として一括費用の処理をしてよいという特例があります。個人事業主ではなく法人の場合なので、事業が軌道に乗って法人成りしたときに利用するとよいでしょう。

減価償却費

10万円以上の備品を購入した場合は固定資産となります。固定資産は耐用年数に応じて少しずつ経費としてされ、それが減価償却費となります。具体的な減価償却の期間と償却率は、国で定められている「法定耐用年数」で定められています。フリーランスや個人事業主に関わる備品と法定耐用年数は以下の通りになります。

・パソコン:4年 ・事務机、事務椅子、キャビネット(金属):15年 ・事務机、事務椅子、キャビネット(金属以外):8年 ・ラジオ、テレビ、テープレコーダー:5年 ・冷暖房用器具:6年 ・冷蔵庫や洗濯機、それに類する電気・ガス機器:6年 ・タイムレコーダー:5年 ・ファックス:5年 ・時計:10年 ・カメラ、映画撮影機、映写機、望遠鏡:5年 国税庁:耐用年数より

フリーランスや個人事業主の経費の注意点

経費の注意点1:経費の範囲は事業で使うもののみ

経費は事業で使用したもののみ申請することができます。

・事業のために必要だったという証拠がある ・事業でのみ使用している 以上の2点が重要です。事務所で新しい掃除機を購入したとしても、気に入って自宅用にしたという場合は、プライベートで使用しているので経費にはなりません。購入したものは事業でのみ利用しましょう。

経費の注意点2:自宅で作業しているなら家賃を家事按分をする

エンジニアなど自宅作業が多い方は、家事按分といって家賃や電気代などが一部経費として認められます。家賃すべての金額ではなく、事業で使っている部屋のスペースで分ける必要があります。家賃や光熱費が支出の大部分を占めているならぜひ抑えておきましょう。

経費の領収書やレシートは保管しておく

フリーランスや個人事業主になると、レシートをもらう機会も増えます。事業に係る領収書やレシートは、7年間の保管義務があるので保管しておきましょう。税務署の監査があったときに証拠として提出しておく必要があるからです。また、税理士に確定申告を依頼する際にも領収書は必要となるのでしっかり取っておきましょう。

まとめ

フリーランスや個人事業主は自力で税金計算をしなければなりません。しかし、控除や計算を上手に使えば税金を圧縮することができます。フリーランスで収入が増えてきたときには税金対策をしっかりと行いましょう。