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はじめに

アイキャッチ

近頃ビッグデータの一般化に伴い、データベースを扱えるエンジニアの需要が高まっています。 今回はデータベースの管理やデータ処理に欠かせないPL/SQLの概要からPL/SQLを扱う仕事などについて解説していきます。

PL/SQLとは

Procedural Language/SQLの略であり、Oracle社提供のデータベース管理システム「Oracle」と合わせて使用するプログラミング言語を指します。非手続き型言語であるSQLに手続き型のプログラミング言語を組み合わせることにより、SQLに備わったデータの検索や更新・削除機能に加えて手続き型の言語の機能も使用できるようになります。

以下の4つの特徴があります。

SQLとの親和性の高さ

PL/SQLはSQLを拡張した言語なので、SQLでのデータ操作やトランザクション制御などの全ての文、演算子やファンクションの全てを使用できます。また、全てのSQLデータ型をサポートしているのでPL/SQLとSQL間でデータ型の変換の必要もありません

パフォーマンスの高さ

Oracle Database環境でPL/SQLを使用すると、SQLでの処理とPL/SQLでの手続き処理を同時に行えるため、データ量、システムの負荷や処理時間を大幅に削減できパフォーマンスの向上が見込めます。他のプログラムの場合SQL文を1文ずつ処理しますが、PL/SQLでは複数のSQL文を一度に送信し処理することができます。

移植性の高さ

PL/SQLで書かれたアプリケーションは、特定のプラットフォームやハードウェアに依存せず、Oracle Databaseが動作する環境であればそのまま使用できます。

パッケージでライブラリ管理が可能

システムやアプリケーションで使用する共通機能がパッケージで一元的に管理できます。オブジェクト指向的なプログラミングやプログラムの隠蔽も可能です。

PL/SQLを扱う仕事

PL/SQLを扱う仕事はシステム開発から移行、改修、またはデータベースの設計や構築、管理、運用など多岐に渡ります。

システム開発

開発の一般的な流れは以下のようになっています。

  • 要件定義:クライアントの要望や課題をヒアリングし、クライアントに最適なシステムの仕様や構成を提案して同意を得る工程です。
  • 設計:要件定義をもとに画面やレポートなど機能ごとの仕様を決め、各機能をコーディングができる段階にまで詳細化します。
  • 開発:要件定義や設計で決定した通りに、コーディングし機能を実装していきます。開発がある程度進んだらテストを行い意図した通りに動作するか確認し、不具合があれば修正します。
  • 納品:開発が完了したら本番環境でのテストを行い、ここでも不具合があれば修正します。問題なく動作することを確認できたら納品します。
  • 保守・運用:実際にシステムを稼働させ、継続してシステムを使い続けられるように随時監視・監査します。トラブルや問い合わせへの対応も行います。
  • システム移行

    システム移行とは既存のシステムを新しいシステムへ移行することです。

    移行の一般的な流れは以下のようになっています。

  • 移行計画:移行方針や旧システムからどのデータを移行するか、移行スケジュールや作業体制、移行後の検証やコンティジェンシープランなどを策定します。
  • 移行作業:計画に基づき移行作業を行います。システムによっては新システムに合わせてデータの形式を変換する必要も出てきます。
  • 検証:移行後にシステムが想定した通りに動くか検証します。
  • 移行にあたり旧システムの仕様の詳細を把握することや既存バグを取り除くこと、移行プランだけでなくコンティジェンシープランを立てること、システムを止める時間を最小限にしサービスの性質に合わせ移行方式と段取りを決めることなどが必要になり、システムの新規開発よりも難しいと言われています。

    システム改修

    システム改修とは不具合の解消だけでなく、新機能の追加やデザインの変更操作性を向上させるというように、現状のシステムに手を加えより使いやすいシステムにすることを指します。

    改修の一般的な流れは以下のようになっています。

  • 打ち合わせ:クライアントと既存システムの詳細な仕様や構成について共有し、どこをどう改修するかを取り決め同意を得る工程です。
  • 設計:改修作業にかかる費用や詳細なスケジュールを取り決める工程です。既存システムやデータ構造を分析し、クライアントの課題を洗い出した上で改修内容の設計書を作成します。
  • 開発:打ち合わせや設計で決定した通りにシステムの改修を開始します。コーディングはもちろん、改修後の単体テストや結合テストも行います。
  • 納品:改修が完了したら本番環境での動作テストを行い、不具合があれば修正します。問題なく動作することを確認し納品します。
  • 保守・運用:改修後のシステムを稼働させ、継続してシステムを使い続けられるように随時監視・監査します。トラブルが起きた際の対応も行います。
  • データベースの設計・構築

    クライアントのニーズや課題についてヒアリングし、それに沿った最適なデータベースを設計・構築する仕事です。

    Oracle Databaseをはじめとしたデータベースアプリケーションを選定し、どんなデータを管理するかなど仕様を細かく決め、クライアントの同意を得て構築に移ります。データベースの可用性、検索性がそのデータベースを有効に使えるかに直結するので、設計・構築は特に重要な工程です。

    データベースの管理・運用

    稼働しているデータベースおよび格納されたデータを適切に管理し、エラーなどに対応する仕事です。また、アクセス権の管理データの最適化や効率化といったチューニングおよびデータのバックアップ、不正なデータベースへの侵入やデータの流出を防ぐためのセキュリティ設計及び対応も行います。

    何かしらのエラーが発生しデータベースが使用できなくなると、場合によってはサービスの提供がストップし業務に支障が出てしまうこともあり得ます。そうした事態を防ぐための大切な役割を果たしています。

    年収

    PL/SQLを扱うエンジニアの年収はおよそ300万円から950万円で、平均は520万円となっています。
    データベースエンジニアの年収はおよそ350万円から1100万で、平均は580万円となっています。

    PL/SQLの将来性

  • PL/SQLが使用されるOracle Databaseは、アプリケーション開発やシステム構築において幅広く使われていること
  • データベースの設計や管理に使われる問い合わせ言語としてSQLが標準となっており、PL/SQLはそのSQLを拡張した言語であること
  • から、PL/SQLが廃れることは考えにくいでしょう。

    ただ、GUI操作できるデータベースツールや年のクラウドサービスの普及に伴い、データベースやアプリケーション開発を取り巻く環境も変化しています。

    IT業界で生き残る人材となるために、新しい技術や情報に対して常にアンテナを張り、自己学習を行い技術や知識をアップデートするなどの工夫が今まで以上に必要となるでしょう。

    おわりに

    以上、PL/SQLの概要、PL/SQLを扱う仕事や年収などについて解説してきました。 PL/SQLは企業や案件で求められることが多く、これからエンジニアとして働く上で覚えておいて損はありません。 あわせて情報収集や自己学習を行い、情報や技術のアップデートを図ることで、IT業界において生き残れる人材となることでしょう。