支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡


「イラストレーター」ってどんな仕事?

イラストレーターの仕事は簡単に言ってしまうと「絵を描くこと」です。具体的にはクライアントからの要望に沿って、クライアントの希望を実現したりイメージを具現化できる絵を描くことがイラストレーターの仕事には求められます。「描くテクニック」を発揮しながらも、自分の発想よりもクライアントの発想や希望、要望を実現するための読解力やコミュニケーション能力も要求されます。

イラストレーターが受ける代表的な仕事例5つ

イラストレーターは絵を描く仕事だと知っていても、どのような仕事を受けているのか知らない方もいるでしょう。代表的なイラストレーターの仕事は次の5つです。

1. 広告用ポスター

2. スマホアプリなどのアイコン

3. ゲームソフト用イラスト

4. 商品用パッケージイラスト

5. 小説や雑誌などのイラスト

冒頭でご紹介したように、クライアントからの依頼と要望に応じて描く案件が代表的です。実績が増えて知名度も上がった後には、自分が描きたいイラストを公開し拡散していくことで指名の依頼が入ることもあります。その場合でも「作風」を気に入られた上で「クライアントの要望を実現して欲しい」という依頼になることがほとんどです。

イラストレーターになる方法

絵を描くことが好きで、絵を描くことを仕事にしたい、イラストレーターになりたいと思ったらどうするのが良い方法なのでしょうか?

【方法1】進学する

最もオーソドックスなのは、美大や芸大などの大学、もしくはデザイン系の専門学校などに進学し、その後に就職活動をすることです。大学が専門学校がイラストレーターとしての就職を保証してくれるわけではありませんが、デザインの知識や考え方、そして実習や課題の制作などを通じて基礎技術を体系的に学ぶことが可能です。独学などで身に付けた知識や技術も当然有用ですが、体系化された理論を学ぶことで効率よく学ぶことができるのは大きなメリットです。

学校への進学した場合は、学校関係者の知り合いを紹介してもらえる可能性があったり、講師が経験者だったりすることもあるので情報面でも有益な情報収集が可能になることがあります。

【方法2】独学から副業or転職

進学可能な年齢でなければイラストレーターになれないのかというと、そうではありません。例えばすでに就職していて、イラストなどとは全く縁のない仕事に就いているとしてもチャンスはゼロではありません。幸いなことに現代では社会人でも通える夕方以降のスクールや、休日に自宅でも学習可能なイラスト・デザインスクールや教材など、勉強方法や素材がたくさんあります。学校に通い、講師から説明を受けるよりも時間がかかるケースもあるかもしれませんが、独学は十分に可能です。

学習を続けながら少しずつ自分のイラストを描き、SNSや投稿サイトなどで公開することで自分自身の上達のプロセスを第三者に見てもらえることもできます。クラウドソーシングやスキルマーケットサイトなどで案件を受注することも可能ですし、いきなりクライアントとのやり取りをするのが不安であれば、イラストを公開してダウンロードしてもらうことで収益が発生するサイトで販売することも可能です。このやり方であれば、今の仕事を退職せずに少しずつイラストレーターへの転職を狙っていくことが可能です。

イラストレーターとして必要な素養とは?

イラストレーターになれる人、イラストレーターとして必要な素養はどのようなものなのでしょうか?

描くことが好き

仕事としてイラストレーターになるとしても、やはり絵を描くことが好きでなければ継続することも難しくなってしまいます。嫌いなことを仕事にするのは辛いものですし、好きであればこそ丁寧で質の高い仕事をすることが可能になります。

安定した技術

クライアント側から見た場合、仕上がってくるイラストが安定した品質であることは重要です。そのためにはイラストレーター側が安定した技術を持っていることが必要になります。毎回少しずつ違うテイストのイラストではクライアントも困りますので、イラストは手作業であるにせよ一定の仕上がり品質を確保できるしっかりとした技術が求められます。

他のイラストレーターにはない個性

イラストレーターの世界でも競合がいます。クライアントに選んでもらうためには、他のイラストレーターにはない特徴や個性が必要です。「これが自分のイラストである」という独自のスタイルをイラストレーターが持つことは、クライアントから選んでもらいやすくなる方法だと言えるでしょう。

コミュニケーション能力

絵を描くことが仕事ですが、イラストレーターにとって技術と同じくらい大切なものがコミュニケーション能力です。クライアントは絵のプロではないことも多く、依頼の際にどのように依頼者側の希望を伝えたら良いのかわからないケースもあります。そのような時にイラストレーター側からクライアントの希望を読み取り、具体的に確認することができればクライアントからの信頼も厚くなり継続した受注が可能になります。

イラストレーター向けの資格5つ

イラストレーターになるために特別な資格は必要ありません。しかし、保有しておくのはクライアントに信頼感を与えられる方法の1つですし、資格を得る過程で仕事に役立つ知識が得られるものがいくつかあります。代表的な資格を4つご紹介します。

Illustratorクリエイター認定試験

「サーティファイ ソフトウェア活用能力認定委員会」が主催しているAdobe Illustratorの活用能力を認定する試験です。Illustratorを使ったコンテンツ制作に関するスキルを認定する試験で、「ai」フォーマットのファイル作成やデザインパーツの作成を始めとして、課題となる作品を完成させる能力を高める試験です。問題の指示に沿って新規に1つのドキュメント、コンテンツを作り上げる内容です。コンテンツの制作と完成が目的として設定されているため、アプリケーションの操作方法も含めて非常に実践的な内容を学ぶことが可能です。また「スタンダード」と「エキスパート」の2種類が用意されており、自分のレベルに合わせた受験が可能です。特にエキスパートは技術面・実技面だけではなく、知識に関する問題も多いため、実際のオペレーションに関わる人だけではなく、将来的なプロジェクトマネージャーとしての素養も身につけることができます。

Photoshopクリエイター認定試験

Illustratorクリエイター認定試験と同様に、「サーティファイ ソフトウェア活用能力認定委員会」が主催する試験です。Illustrator同様、クリエイティブ職にとって必須のツールであるAdobe Photoshopを使ったコンテンツ制作に関するスキルを認定する試験です。Illustratorクリエイター認定試験と同じく「スタンダード」と「エキスパート」の2種類が用意されています。IllustratorもPhotoshopも試験対策用の問題集が発売されており、模擬試験を行って試験対策を行うことも可能になっています。

Adobe認定エキスパート=ACE

アドビシステムズの主要な製品ごとの機能に関する知識と操作技術を図る能力検定試験です。略して「ACE」とも呼ばれます。アドビ製品は世界中で使用されている業界標準のツールなので、この認定を得られることでプロフェッショナルとしての能力が認められたとしてアピールになります。なおAdobe認定エキスパートは民間資格ではありますがアドビシステムズが認定するため世界共通の資格になります。「単一製品認定」「スペシャリスト認定」「マスター認定」の3種類が用意されていますが、ACE資格を得るためにはどれか1つの製品別認定試験に受かっていることが必要です。

CGクリエーター検定

公益社団法人「画像情報教育振興協会(=CG-ARTS)」が主催する検定試験で、アニメやCM、ゲーム制作などで使用されるCG映像の表現技術と理論、技術活用能力を認定しています。CGは年々使用されるシーンが増加しており、現在ではフルCGの映画やアニメ、ゲームなども珍しくありません。イラスト制作にもこうした映像表現に関する技術知識は応用できるものであり、クリエーターとして幅を広げてくれる検定だと言えるでしょう。

色彩検定

公益社団法人「色彩検定協会」が主催・認定している資格で、色に関する知識と技術を体系的に学び「色に関する理論と実践的な活用能力」を身につけることを目的としています。日本国内では他にも色に関する認定試験が複数ありますが、色彩検定は最も権威の高い検定として最大の知名度を誇ります。また、受験資格が特に定められていないため、勉強してみようと思う方は比較的気軽に始められるのも特徴です。間口は広いですが1級から3級まであり、特に1級は難関として知られます。

イラストレーターが使うツール

PCやDTPツールがまだ普及していなかった時代には、イラストの制作はアナログの手作業でした。しかしPCが個人ツールとして普及し、DTPツールもプロユースのアプリケーションが個人でも使えるようになった現代ではほとんどの作業がデジタルで行われており、イラストレーター個々によってツールの使用方法も様々です。

ペンタブレット

専用のデジタルペンを使い、タブレット端末の画面上でイラストを描画します。ペンで紙に描くような感覚でありながら、手書きの雰囲気とデジタルの補正作業を行えるツールとして多くのイラストレーターに愛用されています。デジタルペンは「入力用デバイス」として機能し、本体のメニュー操作などで複数のペン、インクの濃淡や色、消しゴムツールや定規ツールなど画材の選択を行えます。ペンタブレットで作成したイラストはデジタルデータとして保存することが可能なので、そのまま原稿として使用することもできます。ペンタブレット専用製品も発売されていますが、例えばApple Pencil対応のiPadシリーズはペンタブレットとしても機能します。

PC

アプリケーションを使うにせよペンタブレットなどの専用ツールを使うにせよ、最終的に作成されたイラスト原稿(データ)を保存したり、最終加工したりするためにはPCが必要です。かつてはイラストや画像などを扱うクリエイティブワークにはAppleのMacが最適と言われていましたが、現在ではWindows搭載PCでも遜色なくクリエイティブワークを行える状況になっています。また近年ではデスクトップ型やノート型PC以外にもタブレット型に可変できるタイプのPCも販売されています。

アプリケーション

グラフィックアプリケーションのAdobe Illustrator、画像編集アプリケーションのAdobe Photoshopは必須ツールです。以前は個人では購入するのが難しい価格で販売されていたアプリケーションですが、現在では月額課金のサブスクリプション方式で利用することができます。1製品のみの利用もできますので、必要に応じてサブスクリプション製品を増やすこともできるようになっています。

スキャナー

以前よりは優先度が下がりましたが、資料や下地となる背景などをスキャナーで取り込んで使う場合もあるため、スキャナーがあると作品の完成度が上がる可能性は高まります。そのため、今でもスキャナーが重要なツールであることに変わりはありません。

まとめ

イラストレーターとはどんな仕事なのか?イラストレーターに必要なことや、イラストレーターになる方法とは何かについて紹介してきました。好きなことを仕事にするのは大変ですが、情熱を注ぎ込める仕事は一生のものになります。また、保有していると役立つ資格は多いものの資格がなければイラストレーターになれないわけではありません。時間がかかっても少しずつ目指すことができるのはイラストレーターを目指すためにメリットになるでしょう。これからイラストレーターになりたいと思っている方や、すでにプロを目指している方もぜひこの記事を参考にして自分なりの勉強方法を見つけてイラストレーターの道を確かなものにしてください。