フリーランスのエンジニアとして案件を獲得する方法

最終更新日:2026年8月5日

はじめに

働き方改革が掲げられるようになってからというもの、残業時間の削減という拘束時間の見直しだけではなく仕事スタイルそのものの多様化も見られるようになっています。基本的に在宅でのリモートワークのスタイルとなった企業や社内に固定の席を持たないフリーアドレス制を取り入れる企業も出てきています。

こういった働き方の変容は浮いた時間での副業や、また独立してフリーランスとして活動し始める動きにも繋がってきています。この記事ではフリーランスのエンジニアとして活躍するための始め方や案件の探し方のノウハウを紹介していきます。

フリーランスを目指す

フリーランスになるというのは自分の気持ち次第ではあるので、ある日突然に現職を退職してフリーランスとして始めることもできなくはないです。しかしながら、収入が全く見通せない状態で勢いで独立することは危険も伴いますのである程度の下準備はしておいた方が無難です。

フリーランスとして働き始める

様々な雇用形態で企業に属しているところからフリーランスになる人に関しては、日々生活するのに必要となる固定費の確保は最低限しておくことをおすすめします。ここでいう固定費とは自宅や事務所の家賃、光熱費、税金、年金、保険料などです。

保険料に関しては企業によって対応している雇用形態は異なりますが、企業に属している場合は法人保険を会社と分け合って支払いを行っています。しかしフリーランスは国民健康保険などを全額自己負担で支払っていくこととなり、大抵法人保険料よりも高くなります。なお加入していた法人保険によって、しばらくの間任意継続ができ保険料が国民健康保険料よりも安く済むことがあるため、退職時に必ず確認しておくと良いでしょう。

フリーランスとなる際に気になるのが税務署での開業届けの必要有無です。結論からいうと開業届けは必須ではありません。ただ開業届けをするということは屋号を得ることになります。銀行口座を開設する場合などに届出した屋号を使うことになり社会的な信頼性が出てきます。また仕事上で発生する支出を経費として計上することや、税金の特別控除を受けられる部分が出てきて節税にもなります。

エンジニアとして働き始める

フリーランスのエンジニアとして働き始めたい場合まずは何から始めたら良いのでしょうか。例えば独立開業医などでしたらもちろん資格が必要となるため開始するタイミングが明確になりやすいです。しかし、エンジニアは資格が必須ではありません。そのため仕事の案件を獲得していなくても、自分がフリーのエンジニアであると名乗ってしまえばその瞬間からフリーランスのエンジニアなのです。

また飲食店や医者は店舗や医院を構えるため、第三者からも開業したことが明らかです。オープンさえしてしまえばお客さんを獲得できる可能性が一気に上がります。それに対して、エンジニアにはほとんどの場合に店舗などはなく、事務所がなくてもパソコンさえあればできてしまう職種です。そのため能動的にアピールすることはとても重要になってきます。待っているだけでは開業したことは誰の目にも触れることなく、気付かれません。

それではアピールするための材料はどういったものなのかというところを掘り下げていきます。エンジニアという職種の場合、案件獲得ができるウェイトのほとんどを占めるのが実績になります。IT関連の資格は書類上やプロフィールの見栄えはしますが、実務経験がなくても取得できてしまうものもあります。

IT業界を長く経験している人はどの資格が実戦向けであるという見分けがある程度つくようにはなりますが、それでもどういうプロジェクトに携わっていて、どのような実績を残したかということが把握できた方が、依頼する側もより具体性が増して任せる際の適性判断がしやすくなります。

IT関連の業種は往々にして一つのプロジェクトに関して工程という独特の概念を持ちます。さらに業務を行っていくうえでのIT業界での共通言語のようなものも少なからず存在していますので、実務経験の有無は仕事上のコミュニケーションをとっていくうえでも重要な部分になってきます。

フリーランスになる必要があるかどうか?

フリーランスはとても魅力的な働き方に感じますが多くのことを一人でこなさなければいけなくなるため、苦労することや自分でやることも必然的に多くなります。仕事の案件を自ら獲得するための営業はもちろんですし、経理など担当の部署でやってもらっていたメイン業務以外の事務的な処理も全て自分で対応しなければなりません。例えば出勤せずに仕事をする、好きな場所で仕事をしたいということであれば、それらに対応している会社へ転職するということも一考する価値はあります。

現在定職があって独立を考えている方は果たして本当にフリーランスとしてやっていく必要があるのか、フリーランスになりたい理由は何なのかという点を冷静に見つめ直すこともおすすめします。

もしエンジニアとして現職歴が浅く、特に不満もなく独立を急いでいない状況であれば、まずは経験や勉強を積み重ねていくという選択肢も一つかもしれません。

フリーランスのエンジニアになった場合の年収は?

まず正社員として企業に勤めている人の平均年収ですが、20代で300〜400万、30代で400万〜500万という年収が相場となり、全職種の平均か少し多い状態です。一口にエンジニアといっても幅が広いためプログラマーやインフラ、ネットワークなど担当している種別によって多少の違いは出てきます。それに対しフリーランスのエンジニアとなった場合の平均年収は300〜400万程度となります。

フリーランスのエンジニアとして引く手あまたとなり1,000万円以上稼ぐ方もいますが、平均年収となると正社員時とさほど変わらないことが多い傾向にあります。それでも働く場所や時間に縛られることなく仕事をしていけるところは大きな違いとなります。

フリーランスエンジニアのメリット・デメリット

ここまででも少しずつ紹介させていただいていますが、改めてフリーランスのエンジニアになった際のメリット、デメリットをまとめていきます。

メリット

メリット 詳細
働く場所の自由 自宅・カフェ・コワーキングスペースなど好きな場所で仕事ができる
時間の自由 仕事をする時間を自分の生活スタイルに合わせやすい
通勤ストレスの解消 出勤にかける時間がなくなり、生産的な時間が増える
案件選択の自由 自分の希望する仕事案件が獲得しやすくなる
組織の制約からの解放 組織内で働く場合に発生する意思決定などの不自由さが解消される

デメリット

デメリット 詳細・対策
業務範囲の広さ 営業・経理・確定申告など、メイン業務以外も自分で行う必要がある
収入の不安定さ 定職時より収入が不安定になる可能性が高い。3〜6か月分の生活費を蓄えてから独立するのが理想
常駐を依頼されるケース フリーランスになったにもかかわらず常駐を依頼させられる場合がある
大企業案件の受注難 大きな企業からの仕事案件の委託や依頼をされづらくなる
自己管理の必要性 時間や場所が自由な分、自分自身のモチベーションの管理が必要となってくる

メリットとしては、フリーランスとして働いた場合の方が制約などから開放されて自由に仕事ができるという点が目立ちます。デメリットとしては自由になるからこその自己管理の必要性や、幅広い業務内容をこなさなければいけなくなるという点が挙げられます。各業種によっても他に様々なメリット、デメリットがあると思いますが、これらを比較して検討材料の一助にしていただけると幸いです。

エンジニア案件の探し方と獲得方法

エンジニアとして独立することを決めたらまずは案件探しとなります。会社だと営業担当が仕事を取ってきて、その案件を各部署で手分けして行うという流れがありますが、フリーランスの場合は営業も自分で行うこととなります。

エンジニア案件はどの程度あるのか

幸いなことにエンジニアという業種に対する需要は高まっている最中です。企業などの場合はより人件費のコストダウンを実現したいというような意図から、海外などに案件を委託することも多くなって来ています。

フリーランスのエンジニアはこのコストダウンを目的としての案件依頼の受け皿となれる可能性を秘めているのです。海外に依頼した場合どうしても細かいコミュニケーションの部分で問題が生じる可能性もあります。同じ国内のフリーランスであればコミュニケーションが容易に取れることで、コストダウンしたまま品質を維持することにも繋がりやすくなります。

エンジニアという職種は使用するプログラムやシステムの仕組みそのものが目まぐるしく変化する業界ですので、スピード感を持った知識のアップデートが必要です。しかし、変わりが激しいだけに各企業が採用しているシステムの再構築などの案件も止まることなく発生していきます。

これから紹介するクラウドソーシングなどにもエンジニア案件は途切れることなく掲載されているため、どの程度のスキルがあるかにも左右されますが、比較的案件を獲得できる可能性が多い職種と言えるかもしれません。

どういった案件の探し方があるのか

エンジニアとして仕事を獲得する方法をいくつか紹介していきます。昔からある方法として直接訪問したり電話やメールを使用したりする営業がありますが、こちらは効率が良いとは言えず個人で開業するには不向きであり、時代にも合いづらいためおすすめな方法とは言えません。

知り合いから仕事を獲得する、または紹介してもらう

確実で安全性の高い方法となります。親しい間柄であればあるほど用件の細かい確認ができるなど、仕事を進めやすくなります。その一方で、知り合い料金などを要求されて期待する成果報酬が得られない、支払い時期が曖昧になってしまうなどのデメリットもありますので仕事として割り切れるかどうかが大切になります。

クラウドソーシングのサイトに登録する

フリーランスとなって取り掛かりやすい案件の獲得方法がクラウドソーシングです。クラウドソーシングとは直接対面することなく、仕事の契約、進行、収入がネット上で完結する仕組みです。様々なサイトがあり各サイトによって募集案件の多い職種に特徴があるため、複数登録して使い分けをするとより案件の獲得に近づきます。個人事業であまり利用することはありませんが募集だけでなく仕事を発注することもできます。依頼側によって源泉徴収を行ってくれる場合、されない場合と様々なので確定申告の際には注意が必要です。

自分のスキルを売るサイトに登録する

こちらもネット上で行う方法となりますが、自分のスキルを売っていくサイトも存在しています。クラウドソーシングが基本的に受注するのに対し自分のスキルを商品としてページ内でアピールしておき、依頼を待つという方法です。こちらもサイトへの登録が必要となります。

フリーランスエージェントを利用する

近年ではフリーランス向けエージェントサービスが充実しており、案件紹介から契約・請求のサポートまで一括して行ってくれるサービスが増えています。クラウドソーシングと異なり、エージェントが間に入るため単価交渉や契約条件の確認などのサポートを受けながら仕事を進められる点が特徴です。特に独立初期の実績が少ない時期や、高単価案件を狙いたい場合に活用しやすい方法です。

コワーキングスペースを利用する

最後に紹介するのはコワーキングスペースの利用です。コワーキングスペースは主にその場で仕事をすることを目的としたカフェやイベントスペースです。近年ではオフィスをもたずにコワーキングスペースを仕事場として利用する会社があり、フリーランスの人が仕事をアピールすることを斡旋してくれる場所もあります。雑談をしていく中でお客さん間で仕事の話が進んでいくということもあるようです。またスタートアップの相談会などのイベントが実施されている場所もあります。

案件獲得方法の比較表

フリーランスエンジニアが案件を獲得する主な方法を比較しています。自分のフェーズや目標に合った方法を選びましょう。

獲得方法 特徴 単価の目安 向いている人
知人・紹介 信頼関係があり進めやすい。ただし金銭交渉が難しい場合も 交渉次第 人脈のある経験者
クラウドソーシング 案件数が多く初心者でも参入しやすい。競争率が高く単価は低め 低〜中 実績を積みたい初期フリーランス
スキル販売サイト 自分のスキルをパッケージ化して販売。自分のペースで提供できる 低〜中 得意分野が明確な人
フリーランスエージェント 契約・交渉サポートあり。高単価案件が多い。紹介手数料がかかる 中〜高 経験3年以上・単価アップを目指す人
コワーキングスペース 人脈形成・イベント参加で受注機会が生まれる。即時性は低い 交渉次第 対面コミュニケーションが得意な人

※単価は案件内容・スキルレベル・交渉力によって大きく異なります。

よくある質問(FAQ)

Q. 未経験からフリーランスエンジニアになることはできますか?

まったくの未経験からいきなりフリーランスとして独立することは、案件獲得の難しさや収入の不安定さから非常にリスクが高いといえます。まずは企業に就職してエンジニアとしての実務経験を2〜3年積み、案件獲得に必要なスキルセットと実績を作ってから独立するルートが一般的です。現職でポートフォリオを充実させ、クラウドソーシングで小さな案件から副業としてこなしておくと、独立後のスタートがスムーズになります。

Q. フリーランスエンジニアとして案件を獲得するまでどのくらい時間がかかりますか?

既存の実績・スキル・人脈の有無によって大きく異なります。知人からの紹介であれば独立直後に案件が決まるケースもありますが、クラウドソーシングや営業活動からスタートする場合は数週間〜数か月かかることも珍しくありません。独立前から副業で小さな案件を受注しておき、すでにクライアントとの関係を作っておくのが最も確実な方法です。独立後の生活費として3〜6か月分の余裕資金を用意しておくことも重要です。

Q. エージェントとクラウドソーシング、どちらがフリーランスエンジニアに向いていますか?

独立初期の実績づくりにはクラウドソーシングが向いています。一方、ある程度の実務経験(目安:3年以上)があり単価アップを狙いたい場合はフリーランスエージェントの方が向いています。エージェントは単価交渉や契約周りのサポートをしてくれるため、営業に慣れていない人でも高単価案件にアクセスしやすいというメリットがあります。両方を組み合わせて利用するのも有効な戦略です。

Q. 単価交渉のコツを教えてください

単価交渉で重要なのは自分のスキルと実績を数字で示すことです。「〇〇のプロジェクトで開発工数を30%削減した」「月〇件の案件を安定して納品できる」など、具体的な成果や稼働可能な数量を示すと交渉しやすくなります。また、市場相場を事前にリサーチしておき、相場を踏まえた上で希望単価を提示することが大切です。クラウドソーシングでは直接交渉が難しいケースもありますが、エージェント経由であればエージェント担当者がサポートしてくれるため交渉しやすくなります。

まとめ:フリーランスエンジニアとして案件を獲得するために

この記事のポイント:

  • フリーランス独立前に固定費の確保・開業届の検討・生活費の蓄えをしておくことが重要
  • エンジニアとして案件獲得で最も重要なのは「実績」。資格よりも実務経験が評価される
  • 案件獲得方法は知人紹介・クラウドソーシング・エージェントなど複数あり、自分のフェーズに合わせて選ぶのが効果的
  • 独立初期はクラウドソーシングで実績を積み、経験が増えたらエージェントで単価アップを目指すステップアップ戦略が有効
  • フリーランスエンジニアの平均年収は正社員と大きく変わらないが、働き方の自由度という点で大きなメリットがある

エンジニアに関してはそれまでの実績がとても重要となり、情報も日々更新されていくため、常にアンテナを張って新たな知識を吸収していくことも必要となってきます。その一方で情報の少ない新しいプログラムや希少な知識があればそのスキルを重宝されることにもなります。能力を高めていくためにフリーランスになるという選択もこれからのワークスタイルの一つとなるかもしれません。

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