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個人事業税を経費計上することは可能

個人事業主になると必ず払わなくてはならない「個人事業税」ですが、実は個人事業税は個人事業主の経費に入れることができます。個人事業主は出費を経費に入れるか入れないかで、収支は大きく変わってくるため、個人事業税についてきちんと理解しておくことが大変重要です。

個人事業税の勘定科目は「租税公課」

まず経費には「勘定科目」という、どういった種別の経費なのかを決める項目があります。例えば仕事で使っている電話代などは「通信費」、商品の仕入れ高は「仕入」と勘定する必要があります。
個人事業税も例外ではなく、勘定科目を決めなくてはいけません。そして個人事業税を経費として計上する際の勘定科目が「租税公課」です。

「租税公課」とは言葉の通り

  • 印紙税、収入印紙などの「国税(租税)」
  • 固定資産税、不動産所得税などの「地方税(公課)」

を合わせた勘定科目のことです。他にも勘定科目はさまざまあるため、間違えないようにしましょう。

プログラマー・エンジニアの個人事業税

個人事業税の計算方法はシンプルなのですが、個人事業税は業種によって税率が変わってくるため、その割合は覚えておかなくてはなりません。
個人事業税は個人事業主の仕事のうち「法定業種」と呼ばれる70種類だけ、3〜5%の税金がかかります。

ただし、フリーランスのプログラマーやエンジニアといった職業の人は、個人事業税はかかりません。
なぜなら基本的には「コーディング業」として考えられるからです。

しかし「業務を行う上でデザインまで請け負っている」「主な業務内容がコンサルティング」など、細かい業務内容によっては法定業種に入ってくる可能性もあります。
細かい判断は個人で行うのは難しいため、判断がつかない場合は税務署に確認しましょう。

個人事業税の計算方法

具体的な個人事業税の計算方法は、「個人事業税 =(売上-経費-専従者給与-各種控除)×税率」こちらの計算式によって決まります。
上記計算式の税率は、先ほどご紹介した法定業種の割合を当てはめて完成です。「専従者給与」「各種控除」については以下を参考にしてください。

  • 専従者給与:家族従業員への給与のこと
    (青色申告と白色申告で控除額が異なる)
  • 各種控除:「事業主控除+繰越控除」のこと
    事業主控除は一律290万円
    ※繰越控除は損害が生じた場合や赤字だった場合に適用される控除のこと

個人事業主になると税金が難しく、収入が少ないときはマイナスになるのではないかという不安もあるかと思います。しかし、各種控除に入っている「事業主控除」は、290万円とかなり高額になっているため、1年間の売り上げが290万円以下の場合、個人事業税は課税されません。
そのため個人事業税を気にするのは、月の売上が20万を超えてからにしましょう。

個人事業税の納付方法

それでは個人事業税の納付方法について確認していきましょう。個人事業税はフリーランスや個人事業主になったその年から課税されるのではなく、確定申告が終わってから課税されます。そのため1年目からある程度の貯金がなければ、次の年にかかってくる税金を支払うことができないため、覚えておきましょう。

個人事業税は基本的に特別な措置を取る必要はなく、他の経費と一緒に行います。納付期限は年に2回、8月・11月の末日です。納付金額については、自宅に届く納付書に記載があるため自分で計算する必要はありません。

  • 口座振替
  • コンビニエンスストア
  • クレジットカード
  • 電子納付

など様々な方法があり、自分が1番支払いやすい方法で納付しましょう。

租税公課と事業主貸

個人事業主が支払う個人事業税は「租税公課(経費)」として、勘定科目に入れることができると説明しました。その他にも、租税公課として勘定科目に入れられるものもあります。
ここでは個人事業税以外にも「租税公課」に勘定できる税金と、「事業主貸」として勘定しなくてはならない税金について解説していきます。

租税公課に勘定できる税金

消費税

消費税は処理の仕方によって勘定できるかどうかが変わってきます。もし売り上げを税抜き処理している場合、租税公課に勘定出来ませんが、税込処理をしている場合は租税公課に勘定できます。

自動車税

プライベートで利用している自動車にかかる税金は、租税公課に勘定できませんが、社用車として利用している自動車の場合、自動車税は租税公課として経費に含めることができます。

印紙税

印紙税とは契約書や領収書を発行したときに付与される税金のことです。契約書や領収書は仕事に関わるため、こちらも経費として租税公課に勘定することができます。

事業主貸に勘定するもの

「事業主貸」とは事業に関係のない支出の時に使用する勘定科目のことです。例えば「生活費などプライベートな出費」や「事業の収支に関わらない税金」が対象となります。

所得税・住民税

所得税や住民税は収支計算が終わり、確定申告後に支払うお金のため経費にすることはできません。

相続税

こちらも経費に入れることは出来ません。

罰金等・損害賠償金

業務に関わる損害賠償金であっても、経費に計上することはできません。

税金の勉強は早めにしておこう!

今回は個人事業税に関しての解説でした。しかし、他にも税金の種類は多くあり、保険や年金など個人事業主になると考えなくてはなりません。
会社員と違って福利厚生もなく、自分で支払わなければならないため、早めの勉強をしておくことで実際の場面でも焦ることがなくなるでしょう。