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はじめに

働き方改革が掲げられるようになってからというもの、残業時間の削減という拘束時間の見直しだけではなく仕事スタイルそのものの多様化も見られるようになっています。基本的に在宅でのリモートワークのスタイルとなった企業や社内に固定の席を持たないフリーアドレス制を取り入れる企業も出てきています。 こういった働き方の変容は浮いた時間での副業や、また独立してフリーランスとして活動し始める動きにも繋がってきています。この記事ではフリーランスのエンジニアとして活躍するための始め方や案件の探し方のノウハウを紹介していきます。

フリーランスを目指す

フリーランスになるというのは自分の気持ち次第ではあるので、ある日突然に現職を退職してフリーランスとして始めることもできなくはないです。しかしながら、収入が全く見通せない状態で勢いで独立することは危険も伴いますのである程度の下準備はしておいた方が無難です。

フリーランスとして働き始める

様々な雇用形態で企業に属しているところからフリーランスになる人に関しては、日々生活するのに必要となる固定費の確保は最低限しておくことをおすすめします。ここでいう固定費とは自宅や事務所の家賃、光熱費、税金、年金、保険料などです。 保険料に関しては企業によって対応している雇用形態は異なりますが、企業に属している場合は法人保険を会社と分け合って支払いを行っています。しかしフリーランスは国民健康保険などを全額自己負担で支払っていくこととなり、大抵法人保険料よりも高くなります。なお加入していた法人保険によって、しばらくの間任意継続ができ保険料が国民健康保険料よりも安く済むことがあるため、退職時に必ず確認しておくと良いでしょう。 フリーランスとなる際に気になるのが税務署での開業届けの必要有無です。結論からいうと開業届けは必須ではありません。ただ開業届けをするということは屋号を得ることになります。銀行口座を開設する場合などに届出した屋号を使うことになり社会的な信頼性が出てきます。また仕事上で発生する支出を経費として計上することや、税金の特別控除を受けられる部分が出てきて節税にもなります。

エンジニアとして働き始める

フリーランスのエンジニアとして働き始めたい場合まずは何から始めたら良いのでしょうか。例えば独立開業医などでしたらもちろん資格が必要となるため開始するタイミングが明確になりやすいです。しかし、エンジニアは資格が必須ではありません。そのため仕事の案件を獲得していなくても、自分がフリーのエンジニアであると名乗ってしまえばその瞬間からフリーランスのエンジニアなのです。 また飲食店や医者は店舗や医院を構えるため、第三者からも開業したことが明らかです。オープンさえしてしまえばお客さんを獲得できる可能性が一気に上がります。それに対して、エンジニアにはほとんどの場合に店舗などはなく、事務所がなくてもパソコンさえあればできてしまう職種です。そのため能動的にアピールすることはとても重要になってきます。待っているだけでは開業したことは誰の目にも触れることなく、気付かれません。 それではアピールするための材料はどういったものなのかというところを掘り下げていきます。エンジニアという職種の場合、案件獲得ができるウェイトのほとんどを占めるのが実績になります。IT関連の資格は書類上やプロフィールの見栄えはしますが、実務経験がなくても取得できてしまうものもあります。 IT業界を長く経験している人はどの資格が実戦向けであるという見分けがある程度つくようにはなりますが、それでもどういうプロジェクトに携わっていて、どのような実績を残したかということが把握できた方が、依頼する側もより具体性が増して任せる際の適性判断がしやすくなります。 IT関連の業種は往々にして一つのプロジェクトに関して工程という独特の概念を持ちます。さらに業務を行っていくうえでのIT業界での共通言語のようなものも少なからず存在していますので、実務経験の有無は仕事上のコミュニケーションをとっていくうえでも重要な部分になってきます。

フリーランスになる必要があるかどうか?

フリーランスはとても魅力的な働き方に感じますが多くのことを一人でこなさなければいけなくなるため、苦労することや自分でやることも必然的に多くなります。仕事の案件を自ら獲得するための営業はもちろんですし、経理など担当の部署でやってもらっていたメイン業務以外の事務的な処理も全て自分で対応しなければなりません。例えば出勤せずに仕事をする、好きな場所で仕事をしたいということであれば、それらに対応している会社へ転職するということも一考する価値はあります。 現在定職があって独立を考えている方は果たして本当にフリーランスとしてやっていく必要があるのか、フリーランスになりたい理由は何なのかという点を冷静に見つめ直すこともおすすめします。 もしエンジニアとして現職歴が浅く、特に不満もなく独立を急いでいない状況であれば、まずは経験や勉強を積み重ねていくという選択肢も一つかもしれません。

フリーランスのエンジニアになった場合の年収は?

まず正社員として企業に勤めている人の平均年収ですが、20代で300〜400万、30代で400万〜500万という年収が相場となり、全職種の平均か少し多い状態です。一口にエンジニアといっても幅が広いためプログラマーやインフラ、ネットワークなど担当している種別によって多少の違いは出てきます。それに対しフリーランスのエンジニアとなった場合の平均年収は300〜400万程度となります。 フリーランスのエンジニアとして引く手あまたとなり1,000万円以上稼ぐ方もいますが、平均年収となると正社員時とさほど変わらないことが多い傾向にあります。それでも働く場所や時間に縛られることなく仕事をしていけるところは大きな違いとなります。

フリーランスのエンジニアになるメリットとデメリット

ここまででも少しずつ紹介させていただいていますが、改めてフリーランスのエンジニアになった際のメリット、デメリットをまとめていきます。

メリット

・自宅など、働く場所を自由に決められる
・仕事をする時間を自分の生活スタイルに合わせやすい
・出勤にかける時間がなくなる
・自分の希望する仕事案件が獲得しやすくなる
・組織内で働く場合に発生する意思決定などの不自由さが解消される

デメリット

・メイン業務以外のことも自分で行う必要がある
・定職時より収入が不安定になる可能性が高い
・フリーランスになったにもかかわらず常駐を依頼させられる場合がある
・大きな企業からの仕事案件の委託や依頼をされづらくなる
・時間や場所が自由な分、自分自身のモチベーションの管理が必要となってくる
メリットとしては、フリーランスとして働いた場合の方が制約などから開放されて自由に仕事ができるという点が目立ちます。デメリットとしては自由になるからこその自己管理の必要性や、幅広い業務内容をこなさなければいけなくなるという点が挙げられます。各業種によっても他に様々なメリット、デメリットがあると思いますが、これらを比較して検討材料の一助にしていただけると幸いです。

エンジニア案件の探し方と獲得方法

エンジニアとして独立することを決めたらまずは案件探しとなります。会社だと営業担当が仕事を取ってきて、その案件を各部署で手分けして行うという流れがありますが、フリーランスの場合は営業も自分で行うこととなります。

エンジニア案件はどの程度あるのか

幸いなことにエンジニアという業種に対する需要は高まっている最中です。企業などの場合はより人件費のコストダウンを実現したいというような意図から、海外などに案件を委託することも多くなって来ています。 フリーランスのエンジニアはこのコストダウンを目的としての案件依頼の受け皿となれる可能性を秘めているのです。海外に依頼した場合どうしても細かいコミュニケーションの部分で問題が生じる可能性もあります。同じ国内のフリーランスであればコミュニケーションが容易に取れることで、コストダウンしたまま品質を維持することにも繋がりやすくなります。 エンジニアという職種は使用するプログラムやシステムの仕組みそのものが目まぐるしく変化する業界ですので、スピード感を持った知識のアップデートが必要です。しかし、変わりが激しいだけに各企業が採用しているシステムの再構築などの案件も止まることなく発生していきます。 これから紹介するクラウドソーシングなどにもエンジニア案件は途切れることなく掲載されているため、どの程度のスキルがあるかにも左右されますが、比較的案件を獲得できる可能性が多い職種と言えるかもしれません。

どういった案件の探し方があるのか

エンジニアとして仕事を獲得する方法をいくつか紹介していきます。昔からある方法として直接訪問したり電話やメールを使用したりする営業がありますが、こちらは効率が良いとは言えず個人で開業するには不向きであり、時代にも合いづらいためおすすめな方法とは言えません。

知り合いから仕事を獲得する、または紹介してもらう

確実で安全性の高い方法となります。親しい間柄であればあるほど用件の細かい確認ができるなど、仕事を進めやすくなります。その一方で、知り合い料金などを要求されて期待する成果報酬が得られない、支払い時期が曖昧になってしまうなどのデメリットもありますので仕事として割り切れるかどうかが大切になります。

クラウドソーシングのサイトに登録する

フリーランスとなって取り掛かりやすい案件の獲得方法がクラウドソーシングです。クラウドソーシングとは直接対面することなく、仕事の契約、進行、収入がネット上で完結する仕組みです。様々なサイトがあり各サイトによって募集案件の多い職種に特徴があるため、複数登録して使い分けをするとより案件の獲得に近づきます。個人事業であまり利用することはありませんが募集だけでなく仕事を発注することもできます。依頼側によって源泉徴収を行ってくれる場合、されない場合と様々なので確定申告の際には注意が必要です。

自分のスキルを売るサイトに登録する

こちらもネット上で行う方法となりますが、自分のスキルを売っていくサイトも存在しています。クラウドソーシングが基本的に受注するのに対し自分のスキルを商品としてページ内でアピールしておき、依頼を待つという方法です。こちらもサイトへの登録が必要となります。

コワーキングスペースを利用する

最後に紹介するのはコワーキングスペースの利用です。コワーキングスペースは主にその場で仕事をすることを目的としたカフェやイベントスペースです。近年ではオフィスをもたずにコワーキングスペースを仕事場として利用する会社があり、フリーランスの人が仕事をアピールすることを斡旋してくれる場所もあります。雑談をしていく中でお客さん間で仕事の話が進んでいくということもあるようです。またスタートアップの相談会などのイベントが実施されている場所もあります。

まとめ

以上がフリーランスのエンジニアとしての仕事のはじめ方と案件の獲得方法の紹介でした。エンジニアに関してはそれまでの実績がとても重要となり、情報も日々更新されていくため、常にアンテナを張って新たな知識を吸収していくことも必要となってきます。その一方で情報の少ない新しいプログラムや希少な知識があればそのスキルを重宝されることにもなります。能力を高めていくためにフリーランスになるという選択もこれからのワークスタイルの一つとなるかもしれません。