金融系SEとは？

はじめに

◎金融系SEとは

金融系SEとは、「銀行」・「証券会社」・「保険会社」などの金融業界の業務システムを担当するシステムエンジニアのことです。

例えば、ATMや窓口で行っていた手続き等が、銀行や証券会社でもネットやアプリを使った運用・サービスが行われております。 現在も、年々ネットやアプリなどで可能なことを増やそうとし、 金融会社の中で窓口業務のサポートや取引データの集計・分析など新たなシステムを構築しています。 その為、金融系SEは現在売り手市場にあります。 金融系SEとしての技術や知識を持っていることは十分長所となりえます。

また、金融系SEは主に、金融業界の定例業務で利用するシステムの構築や開発を行います。 金融（銀行）業界といっても企業の事業内容は様々で銀行の中でも「都市銀行」だけでなく「地方銀行」、「信用金庫」、「ネット銀行」があります。 保険業界にも「生命保険」や「医療保険」などの様々な保険会社があり、証券業界にも「証券取引」、「国債取引」や「FX取引」などがあります。 その為、金融系SEの仕事内容も担当している業界、事業内容によって大きく異なります。 金融業界は、現在多くのネットサービスがコンピューターを通して「処理」や「管理」されており、他の業界と比べてもITへの依存度が高い業界です。 複雑な業務を支える金融系SEはやりがいと責任のある、社会的に重要な職種となります。

◎銀行業界システム開発例

■勘定系システムの開発

ATMやネットバンキングからの「預金」、「引出」、「貸出」といった入出金の処理や、利息計算などを行うシステムの開発を行います。

■情報系システムの開発

情報系システムでは、勘定系システムなどで処理された取引データや口座情報、外部の信用情報などを利用し、 利用者が集計・分析しやすいようにデータの加工を行います。 このシステムでは分析や各種帳票作成などを行うこと可能になり、銀行の業務に活かされます。

■支援系システム

窓口での事務業務を支援、企業の事務作業などの集中システム。

◎保険業界システム開発例

■業務系システムの開発

業務系システムでは、「保険商品の購入履歴」、「顧客管理」、「契約管理」、「保険料の支払い履歴」や「保険の利用歴」などの管理を行います。

■情報系システムの開発

情報系システムでは、「顧客データ」や「保険の利用歴」、「病気や事故の発生率」など 様々なデータをもとに経営支援、営業支援を行う為のデータ分析、各種帳票の作成などを行います。

■流通経路システムの開発

流通経路システムとは、販売経路で「保険販売」や「既存契約管理」などを行うシステムです。 例えばネット上で自社製品やサービスの情報提供を行ったり、顧客とやり取りを行うシステムのことを指します。

◎証券業界システム開発例

■業務系システムの開発

業務系システムとは、「証券の注文」・「約定の管理システム」、「顧客管理」、「営業店の事務処理」、「コンプライアンスシステム」のことです。

■情報系システムの開発

情報系システムでは、「投資」、「銘柄」、「国内外の情報の管理・共有」、 また顧客データなど様々な情報をもとに経営支援・営業支援のためのデータ分析、各種帳票の作成を行います。

◎金融系SEに必要なスキル

■コミュニケーション能力

金融系SEだけではありませんが、SEにはコミュニケーション能力が重要視されます。 黙々とパソコンで作業をしているイメージがあるSEですが多々社内外の様々な人とのコミュニケーションが必要とされる職種です。 例えば企画提案の段階で子会社や外部のSEの方と連携をとったり、システムの要件や要望について打ち合わせをしたり、 社内のチームメンバーとタスクやスケジュールの調整を行ったりと、プロジェクトをスムーズに進めるためにコミュニケーションを積極的に取る必要があります。 その為、複雑なシステムの内容を説明したり、相手の話の意図を読み取って適切に対応するといったコミュニケーション能力が求められます。 大手企業となると、関わっているSEだけでも数千人になる場合があるので、連携をとるだけでも多大な労力が必要です。 むしろ、連携が上手くいかないと余分な工数がかかってしまう為、様々なコミュニケーションスキルが要求されるのです。

■対応力・行動力・思考力

金融業界は目まぐるしく変化が起こる業界です。 また小さなバグやシステムの不具合が日本中・世界中の何万人もの人に影響を及ぼす可能性があり、常に正確さが求められる業界です。 その金融業界を支える金融系SEには、世界の変化や唐突なトラブルなどに臨機応変に対応できる「対応力」、「行動力」、「思考力」、が必要となります。

■開発能力

SEはこれまでプロジェクト全体を管理するというマネージメント能力が求められることが多かったのですが、 最近は目まぐるしく求められるサービスが変化しているので、そのスピード感に合わせる為、自力で開発できる力が求められています。