ps コマンド
「ps コマンド」とは、現在Linux上で動作(起動)中のプロセスの一覧を表示するコマンドです。プロセスとは、Linuxのひとつひとつの処理のことを指します。「ps コマンド」ではプロセスの固有ID(PID)やCPU使用時間、コマンド名、端末番号、ユーザー名などを確認できます。これにより、プロセスの起動確認、プロセスIDの確認、メモリ使用量の確認、動作が遅い原因、不要なアクセスの監視などを行うためのコマンドでもあります。
ps [オプション]
ps コマンド 主なオプション
-A、-e |
全てのプロセスを表示します。 |
-a |
端末操作のプロセスを表示します。 |
a |
端末操作のプロセスを全て(他ユーザーのプロセスも)表示します。 |
c |
実行しているコマンド名を表示します。 |
-C |
実行プロセスやプログラムのファイル名を指定して表示します。 |
-d |
セッションリーダ以外のプロセスを全て表示します。 |
e |
実行しているコマンド名の後に環境変数も表示できます。 |
f(full)、-H(--forest) |
プロセスを階層(完全なフォーマット)で表示します。 |
-g |
プロセスを実行しているグループIDを指定して表示できます。 |
-G(--Group) |
実グループIDまたは実グループ名を指定して表示できます。 |
h(--no-headers) |
ヘッダ行(項目名)を非表示にします。 |
H |
スレッドを表示させます。 |
--info |
デバッグ情報を表示できます。 |
j |
pgid と sid(BSD のジョブ制御フォーマット)を表示できます。 |
k, --sort |
プロセスの表示順を指定して並べ替えて表示できます。 |
l、-L |
表示結果のフォーマットを変更できます。 |
-l(long) |
完全形式またはロング形式(プロセスの状態など)で表示します。プロセスの種類(F)は、0:終了、1:常駐、4:親のプロセスからトレース、5:常駐で親のプロセスからトレースという意味です。 |
L |
フォーマット指定子を全て表示します。 |
m、-m |
プロセスの後にスレッドを表示できます。 |
n |
WCHAN、USERを数値で表示します。 |
-n、N |
WCHANを表示するための名前リストファイルを指定できます。 |
-N(--deselect) |
指定した条件以外のプロセスを表示できます。 |
o, -o(--format) |
指定したリスト順の出力形式で表示できます。 |
-p(p、--pid) |
表示したいプロセスのプロセス番号(PID)を指定して表示できます。 |
-ppid |
指定した親プロセスに属するプロセスを表示することができます。 |
r |
現在実行しているプロセスのみを表示できます。 |
s |
結果をシグナルフォーマットで表示します。 |
S |
死んだ子プロセスのCPU使用量やページフォルトを親プロセスに加算して表示します。 |
-s(--sid) |
セッションIDを指定して表示できます。 |
t、-t(--tty) |
端末IDを指定して表示できます。 |
T |
ログインしている端末のプロセスを全て表示できます。 |
-T |
結果の表示フォーマットを変更することができます。 |
-u、U、-U、--User |
プロセスを実行しているユーザーIDやユーザー名を指定して表示できます。 |
u |
ユーザー名や開始時刻、CPUやメモリの使用率なども表示することができます。 |
v |
結果をVM形式で表示します。 |
V、-v、-V(--version) |
バージョン情報を表示します。 |
w、-w、W |
表示結果の幅を広げます。 |
x |
端末操作以外の全てのプロセスも表示します。 |
X |
結果の表示フォーマットを変更できます。 |
--cols、--columns、--width |
表示するときの幅を指定することができます。 |
--cumulative |
死んだ子プロセスも表示します。 |
--rows、--lines |
表示結果の行数を指定することができます。 |
ps コマンド よく使う「ps aux」
ps コマンド では、「a、u、x」のオプションをよく使用します。これらを組み合わせて「aux」オプションとして ps コマンドを使用することもできます。ps コマンドに「aux」オプションを使用すると、自分以外の実行中プロセスを含めた全てのプロセス一覧を確認することができます。
ps aux
ps コマンド プロセスの表示結果の項目の意味
USER |
実行ユーザー名 |
PID |
プロセスID |
%CPU |
プロセスのCPU使用率 |
%MEM |
プロセスのメモリの使用率 |
VSZ |
プロセスが確保する仮想メモリのサイズ |
RSS |
プロセスが確保する物理メモリのサイズ |
TTY |
制御端末の種類・番号 |
STAT |
プロセスの現在の状態(詳細下記) |
START |
プロセスの実行開始時刻 |
TIME |
消費したCPUの稼働時間 |
COMMAND(CMD) |
実行コマンド名 |
PPID |
親プロセスのプロセスID |
LWP |
スレッドのID |
C |
プロセッサ使用率 |
NLWP |
プロセスにおけるスレッド数 |
ps コマンド プロセスの状態(STAT)の表示内容の意味
O |
存在しない |
S |
割り込み可能なスリープ(イベント完了待ち) |
I |
アイドル状態 |
N |
ナイス値が正 |
T |
停止中、トレース中 |
D |
割り込み不可なスリープ(IO完了待ち) |
R |
実行可能、実行中 |
Z |
vゾンビ状態 |
W |
スワップアウト状態 |