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はじめに

Javaは、PHPやJavaScript、C言語等と同じプログラミング言語の一つです。プログラミング言語の類はIT業界に属していないとあまり意識することがないものですが、JavaはOSに依存せず様々な分野のシステムで利用できることから、家電製品等の組込システムの言語として使われていることもあります。Javaが使われている場合は小さくJavaのロゴマークが貼られていることが多く、Javaが具体的にどういったものかがわからなくても、何となく見たことがある、聞いたことがあるという人もいることでしょう。

JavaがOSに依存せずに利用できる理由は、JVM(Java仮想マシン)というソフトウェア群にあります。JVMにはJavaの動作に必要なソフトウェアが一式含まれており、これがインストールされているコンピュータでは基本的にJavaの動作が可能となります。そのため、Javaで開発を行う際はもちろん、インターネット利用やアプリ利用を目的とした私用のパソコンであったとしても、特に意識することなくいつの間にかJavaをインストールしていたということも珍しくありません。例えば、DVD、Blu-rayプレイヤーや、金融サービスのアプリ、ゲーム、業務用ツール等を利用している場合に、Javaを同時にインストールしている可能性があります。

今回はJavaのUpdate方法について、またUpdateができない、エラーが発生したという場合の対処方法について紹介していきます。Javaでの開発をしている方はもちろん、Javaが使われたアプリ等を利用している方、使っているかわからないものの、急にJava Updateの表示が出て困っているという方はぜひご覧ください。

Java Updateの重要性について

Javaにかかわらず、コンピュータで利用するアプリやソフトウェア、OSは最新版がリリースされます。最新版をリリースする理由は、見つかった脆弱性への対処、セキュリティ対策、機能の追加、開発システムを正常に動作させるため等、様々です。Java Updateによって受ける影響に関しては、そのサービスを提供する側(今回の場合は Java)の公式ページ等で詳細が記載されていることが多いです。新機能追加や性能向上のためのUpdateであれば提供元にてある程度予定が組まれていますが、脆弱性への対応に関するUpdateの場合は検知した時点で急遽行われることもあり、利用しているコンピュータが脅威にさらされないためにも実施は必須と言えます。実施しないと、ハッキングやサイバー攻撃の対象となるウィルスの侵入を許してしまうという状況になりかねません。また、開発に利用したプログラムとJavaのバージョンが合っていないと動作しない場合があるので、この場合もUpdateが必須となります。逆に、Updateしてしまうと利用できなくなるプログラムもあるので、稼働中のシステムにおいてはUpdateの通知が出たからといって計画性なく実施せず、慎重に検討を重ねる必要があります。

以上のように、システムを運用するうえで重要なUpdateですが、Updateが必要なことはどのように認識すれば良いか気になるところです。Java 7 Update 10以降のバージョンではインストール済みのJavaが最新ではない、あるいは脆弱性が含まれている場合に「Javaのバージョンは最新ではありません。」もしくは「お使いのJavaバージョンは安全ではありません。(Java 7 Update 25以前のバージョンの場合)」というメッセージを通知する機能があります。また、Windowsのパソコンを利用している場合は、OSのバージョンによって「Java Update利用可能」「Java アップデートを入手可能」「アップデートを入手可能 新しいバージョンのJavaがインストール可能になりました」等のメッセージを確認できることもあります。いつものようにアプリを起動したタイミングで最新版のJavaがある場合も、似たようなメッセージが表示されます。

なお、メッセージの中には「更新」「ブロック」「後で」「再度表示しない」という4つの選択肢が表示されている場合があります。「更新」は、実際に更新を実施したい場合に選択し、「ブロック」は、最新バージョンへのUpdateが完了するまではJavaプラグインがブラウザでブロックされる状態となります。「後で」を選択した場合、Javaプラグインのロードは続けられ、アプリケーションの実行が許可されているかどうかを確認するようになります。「再度表示しない」の場合は、次のUpdateのリリースが使用可能になるまで再表示はされなくなります。なお、 Java公式ページによると、セキュリティ関連のUpdateは少なくても年に4回はリリースされるとのことでした。

もし、これらのメッセージがいつになっても表示されず心配になった場合は、パソコンにインストールされているJavaのバージョンを確認してみましょう。Windowsの場合は、タスクバーになる検索欄で「Java」で検索すると、「Javaコントロール・パネル」が表示されるのでクリックしてください。Windowsのコントロールパネルから「プログラム」画面を開いて続いて「Javaコントロール・パネル」へアクセスすることも可能です。「更新(もしくはアップデート)」タブをクリックし、「今すぐ更新」をクリックします。この時、すでに最新バージョンがインストールされている場合は「このシステムはすでに最新のJavaプラットフォームになっています。」というようなメッセージが表示されるので、作業は不要です。インストール済みのJavaより新しいバージョンがある場合は、「今すぐ更新」をクリックした際にインストーラーが表示されるので、そのままUpdateを進めてください。

OSのバージョンによっては「次のプログラムにこのコンピューターへの変更を許可しますか?」というユーザーアカウント制御に関するポップアップが表示されるため、「はい」を選択すればUpdateが進められるのでご安心ください。

MacOSの場合は、「システム環境設定」の中からJavaのアイコンをクリックします。「更新」タブをクリックし、「ご使用のシステムにはJavaの推奨バージョンがインストールされています。」と表示される場合は、Update作業が不要となります。「今すぐ更新」と出ている場合は最新バージョンがあるということになるので、Update作業を行いましょう。このように、わざわざJavaの公式ページにアクセスして最新バージョンを確認する必要はないので簡単です。

以上の方法は、バージョンを確認する方法であるのと同時に手動でUpdateを行う場合の方法となるため、ぜひ覚えておいてください。なお、 Java Updateのメッセージが表示されている状態であれば、メッセージの部分から直接Updateを実施することが可能です。

毎回バージョンを自ら確認したり、Updateの表示が出てから手動で行ったりするのではなく、自動でUpdateされるように設定することも可能です。ただし、コンピュータの管理者が意図しないタイミングで実施されることで急にアプリやプログラムが正常に動作しなくなる可能性もあるので、設定には十分ご注意ください。自動更新の設定方法は非常に簡単ですが、念のためOSごとの方法を以下に紹介しておきます。

自動更新の設定方法(Windows編)

バージョン確認する際の「Javaコントロール・パネル」を開きましょう。「更新」タブをクリックすると「更新を自動的にチェック」という部分にチェックボックスがあるため、そちらにチェックを入れ、「OK」を押せば設定完了です。

自動更新の設定方法(Mac編)

システム環境設定からJavaアイコンをクリックします。「更新」タブをクリックすると「更新を自動的にチェック」という部分にチェックボックスがあるため、そちらにチェックを入れ、「OK」を押せば設定完了です。

Updateでエラーが発生したら?

Java Updateは様々な要因によって正常に完了しないことがあります。今回は複数のエラーパターンに分け、解決方法を紹介します。

エラーパターン1「このページのスクリプトでエラーが発生しました。」

特に発生することの多いエラーで、自動更新をONにしている場合に発生しやすいエラーという情報もありました。「スクリプトを実行し続ける」というメッセージも表示されますが、「はい」をクリックしても特に解決しません。同じく「いいえ」を押しても反応がありません。解決方法としては、 Java自体のインストールし直しが挙げられます。

「java ダウンロード」等のキーワードで表示された検索結果から、Java公式ページ(java.com)の「Javaをインストールするには」というページへアクセスすると、各OSのインストール方法が公開されているため、この記事と合わせてご参照ください。 各OSの手順の中に「デスクトップ・アプリケーション用のJavaを取得します(java.com/ja)」というページや、その配下のダウンロード可能なページへのリンクがあるので、そちらをクリックしてダウンロード・インストールを実施しましょう。なお、この記事は2022年10月に執筆しているため、実際に作業を行う時点では多少ページの作りや文言が変わっている可能性もあるのでご注意下さい。

古いバージョンがパソコンにインストールされている状態で、被せるように最新版をインストールして問題ないのか気になるかもしれませんが、古いバージョンのJavaはインストールの過程でアンインストールできるので安心です。そのため「最新でないバージョンの Javaが検出されました」という表示が出た際は、「アンインストール」をクリックしましょう。画面上に「最新でないバージョンの Javaが正常にアンインストールされました:(アンインストールされた Javaのバージョン)」「最新でないバージョンがシステムに残っていることが検出されました:なし」という表示がされたら「次へ」をクリックします。しばらくすると「 Javaが正常にインストールされた」という表示がされるので「閉じる」をクリックして、スクリプトエラーは解決となります。

エラーパターン2「エラー1603: Java Updateが完了しませんでした」

このエラーが発生した場合は、パソコンの再起動を試してみましょう。そのため、 Java公式ページ(java.com)内の「Java for Windowsのダウンロード オフライン・インストール」からオフライン・インストーラ・パッケージを任意のディレクトリにダウンロードしておきます。再起動後にインストーラーをダブルクリックで実行してください。

もし再起動で改善しなかった場合は、手作業でパソコン内にインストールされている Javaを全て削除し、その後、パソコンを再起動し、インストーラーの実行を試してみてください。

なおも改善しない場合は、一旦Javaコンテンツの無効化した上での再有効化をしてみましょう。「Javaコントロール・パネル」の「セキュリティ」内にある「ブラウザでJavaコンテンツを有効にする」の選択を解除したら「適用」「OK」の順でクリックします。この状態でインストーラーの実行を試してみましょう。インストールが完了したら、再び「Javaコントロール・パネル」の「セキュリティ」を開き、有効化し直して完了となります。再有効化を忘れてしまうとJavaが実行されず、一部ページが正常に表示されない原因となるのでご注意ください。

「Javaヘルプ・センター」について

今回取り上げたUpdateできない場合の解決策等を含め、その他Javaに関する報告数の多いエラーについては、Java公式ページ(java.com)内の「Javaヘルプ・センター」にも情報がまとまっています。Windows、MacOS、Linux等のOSやそのバージョンごとに情報を絞ることができるので便利です。Updateできない問題以外では、例えば、Javaのアンインストール方法や、ブラウザでJavaを無効化する方法、Javaアプリケーションがブロックされる場合の対処方法等、一般ユーザーだけではなく、Java開発者が遭遇しやすいエラーやトラブルがまとめられています。

まとめ

Updateの通知は、Javaで開発を行っている等の状況で利用している認識がある場合は問題ないものの、私用のパソコンでJavaを利用していることを意識していないと当惑してしまう方もいるかもしれません。今回見てきたように、JavaのUpdateはセキュリティ維持のため、ソフト利用継続のため、新機能対応のためといった理由等から、基本的には実施した方が良いものなので、ぜひ今回の記事を参考にしていただき、Updateにおいてエラーが発生した場合も冷静に対処して、諦めずにUpdateを完了させることをおすすめします。