支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡

  • TOP
  •   
  • コラム
  •   
  • 「C♯」学習に入門する前に知っておく

1.概要

1.「c♯」とは

「c♯」とは、マイクロソフト社が2000年に発表し、2002年に正式リリースしたプログラミング言語で、C言語とC++をベースに「Java」の考え方 を取り入れた言語になります。ついては「C言語」「C++」との相互性は一切ないため、別の言語として見るべきです。
「c♯」は「C++」と「Java」の分かりやすい部分をや便利な部分を取り入れてられており、文法や構文は取り入れられた2つの言語とよく似ていますが、比較すると制限や改良されている点が見受けられます。
また「c♯」もC++、Java同様にオブジェクト指向という考え方を取り入れていますが、低レベル層のリソースを使用したプログラミングにおいては非常に不利な立場にあります。間逆に高レベル層にあるリソースやコンポートを使用した比較的安全な設計は得意としています。

2.プログラミングスタイル

あらゆる言語には、「パラダイム」という、プログラミングスタイルの分類があります。
「c♯」のパラダイムは、バージョン1.0当初、「C++」「Java」を参考にした「オブジェクト指向プログラミング言語」でありました。しかし、バージョンアップを重ねるたび、「動的言語」「関数型言語」などと、呼ばれるタイプの言語に見受けられる機能を取り入れ、備えていることから「マルチパラダイム」といいます。
以下は「c♯」が備えている側面になります。

  • ・手書き型言語、システム記述言語
  • ・オブジェクト指向言語
  • ・データベース操作言語
  • ・Webアプリケーション記述言語
  • ・静的な型付け言語、動的な型付け言語
  • ・関数型言語
  • ・文字列処理
  • ・コンパイル言語、スクリプト言語

「c♯」は上段のプログラミングスタイルを有していますが、オブジェクト指向が主なスタイルになります。

2.C言語/C++/c♯との違い

1.用途

「C言語」「C++」は直接ハードウェアに命令を送り制御する「低レベル層プログラム」を組むことが可能としています。いうなれば、組み込みハードウェアなどハードウェアと強く結びつくプログラムに適しています。使用例としては、電子基板やパソコンに搭載するOSなどの開発の場で使用されています。また「C++」は「C言語」の拡張言語に当たるため、文法をうまく使いこなすことで、ソースを短く書くことができます。
一方で「c♯」は、コンピューターのハードウェアを直接プログラマーが処理する必要がないように言語でコンピュータープログラムを作成する高レベル層プログラムを組むことができます。使用例としてはゲームや事務会計ソフト等のアプリケーションの開発に適しています。C++でこれらを設計、組むとなれば煩雑なコードになってしまいます。そのため、アプリケーションの開発においては「c♯」が優れているといえます。
ただし、開発環境として「.NET Framework」の導入が必要であるため、これからc♯の入門を考えている人で、低スペックのマシンを使用している人にとっては大きな負担をマシンに与えてしまいます。加えて、定期的にバージョンアップも行われているため、古い機能の廃止や脆弱性が見つかったときは対処しなければなりません。

2.特徴の違い

名前から分かるように、「C++」と「c♯」は最も歴史の古い「C言語」を元に生み出された言語になります。しかし、「c♯」は「Java」のプログラミング概念を踏襲する形で作られているため、「C++」のように「C言語」との相互性はありません。それは、「c♯」がハードウェアの制御といった低レベル層プログラムではなく、アプリケーション等のソフトウェア開発やWebアプリケーション開発といった高レベル層プログラムに適した言語ということもあるためです。

3.c♯入門の意義

1.メリット

個人で利用するならば、無料かつ高機能搭載の統合開発環境の「Visual Studio Community」が扱えるのでこれを利用してc♯への入門を考えている方でも簡単に始めることができます。さらに「Visual Studio」には、メソッド名を覚えていなくとも、入力候補から選んで使用できる機能がついているため、開発のスピードがグンと上がります。また「Windows」OSのみならず、MacやiPhoneねAndroidアプリやWebアプリケーションの開発ができるため、他の言語を履修せずとも、さまざまなプラットフォーム向けのアプリケーション開発が行えます。
「c♯入門」を決めるにあたってのメリットをまとめると以下のようになります。

  • ・原則はWindows向けであるが、さまざまなプラットフォームで利用することが可能。
  • ・ゲームやVRなど、これから社会の支えとなる高い技術を支える言語となる。
  • ・「Visual Studio Community」を使うことでデバッグや入力候補の表示など高機能に支えられながら学習ができる。

2.言語取得の難易度

「c♯」の文法はC言語スタイルであるため、CやC++、JavaなどC系の言語を使える方は、飛躍的簡単に覚えることが可能です。逆に、如何なる言語にも触れたことがない、これからITの世界に入門を果たそうとしている方でも、c♯を学ぶことで他言語が学びやすくなります。
現在に至るまでたくさんの機能が追加されてきたので、それらを一度に学ぶことは難しく、言語仕様もまた複雑です。逆に言えば複雑だからこそできることが多いともいえます。
言語仕様に加えて、BCL、「Visual Studio」も学ぶ必要があります。つまりは、「c♯」「BCL」「Visual Studio」の3つを学ぶことで生産性が高いプログラミングが可能となります。

3.c♯は何に使われているか

以下は実際に「c♯」を使用して開発されたものになります。

  • ・デスクトップアプリの開発
  • c♯には、「WPF」「WinForms」という2つのGUIフレームワークで、アプリの開発が行えます。さらに、「コマンドプロンプト」などCUIで動作するコンソールアプリの開発も行えます。

  • ・Webサービス開発
  • シンプルな開発に向いている「ASP.NET Web From」と、複雑な開発に向いている「ASP.NET MVC」の2つのフレームワークを活用することで、WebサービスやWebサイトの開発が行えます。

  • ・スマホアプリの開発
  • c♯は原則としてWindows向けでありますが、MacやLinux OSのほかAndroid,iOSといった多くのOSに対応をしています。さまざまなプラットフォームに対応できるということで生産性の向上が期待できます。

  • ・VR/MRアプリの開発
  • 近年注目を浴びている「VR」や「MR」アプリの開発にもc♯が使用されています。
    VRの例を挙げると、PlayStation VRのようなヘッドマウントディスプレイをユーザーがかぶることでその中で仮想空間を構築するものです。一方でMRとは、現実と仮想空間を複合させたモノを言います。さらに、VRとの違いはゴーグルを着用してジェスチャーや音声、視線を利用して操作、入力を行います。

4.まとめ

「c♯」はゲームやさまざまなプラットフォームに対応したアプリケーション開発など、これからの将来性のある十分な機能を有した言語と言っても過言ではありません。よく「C言語」「C++」と相互性があると勘違いされがちですが、「c♯」はまったく別の言語になります。しかし、「c♯」はC++やJava、Delphiなどの言語から影響を受けていますので文法はC++やJavaに近いC言語スタイルをしています。c♯を学ぶことで、他言語にも精通することができます。