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Watson Natural Language Understandingの概要について

ここでは、Watson Natural Language Understandingについて説明させていただきます。 人工知能(AI)のテクノロジーは長い間研究されておりますが、近年さらに盛り上がりを見せているのは周知の通りです。 近年ではDX(デジタルインフォメーション)の盛り上がりもあってAIを企業に活用し業務に活用することは大企業を中心に急速な拡大を見せており、その傾向は今後も進むでしょう。また、それらは第三次AIブームという呼び方をされることもあります。 AIの企業は多くの業種や業態に影響を与えており、実際に様々なイノベーションを起こしているのは間違いありません。 将来的にテクノロジーの発展と共に産業の在り方や人々の働き方を大きく変える力を持つこともあり、 AIに関する情報は多くのメディアで目にする機会が増えております。 このページで紹介させていただくWatson Natural Language Understandingは IBM Watsonの主要APIとして公開されており自然言語理解を使用してテキストを分析し、概念、エンティティ、キーワード、区分、評判、感情、関係、意味役割などのメタデータをコンテンツから抽出することが可能なテクノロジーです。 Watson Natural Language UnderstandingはIBM Watsonの提供する他のAPIと組み合わせて利用することでさらに高機能なAIサービスを構築することが可能となります。 IBM Watsonはベンダーが一般に公開しているAIサービスの中では最もシェアが高くかつ高品質なサービスの一つとして知られており、その中の主要APIであるWatson Natural Language Understandingを理解することはAIに 興味のあるユーザやエンジニアにとって役に立つ知識となるでしょう。 Watson Natural Language Understandingはテキスト分析のための自然言語処理(natural language processing)を実現するAPIとなります。 自然言語処理とは人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる一連の技術のことを指し、AIにとって非常に重要なテクノロジーとなります。 自然言語処理を理解するうえで重要なポイントは、「AIの言語理解」は「人間の言語理解」と根本的に別物であるということです。 自然言語処理においては2019年、GPT-2、BERTなど、ディープラーニングを応用した手法で大きなブレークスルーがあったことは知られておりますが Watson Natural Language Understandingでは業界最高水準のテクノロジーにより高品質なテキスト分析による 自然言語処理を実現します。 その特徴は「カテゴリー分類」「概念の理解」「感情分析」「エンティティの特定」 「キーワード検索」「メタデータ取得」「セマンティック役割の識別」「個人データ識別」などがあげられます。機能については 「チャットボットの作成」「マルチメディアファイル強化」「Twitter分析」「SMSメッセージ分析」 「文書間コンテンツ相関性」「機械学習アルゴリズムトレーニング」となります。 以上が簡単ではありますがWatson Natural Language Understandingの概要です。

自然言語処理について

Watson Natural Language Understandingを理解するうえで重要な自然言語処理について簡単に説明させていただきます。 自然言語処理とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる一連の技術であり、人工知能と言語学の一分野となります。 AIにおけるテクノロジーの発展や活用を行うことは自然言語処理の理解と発展が必須と言えるでしょう。 自然言語処理の問題は、人間が日常的なコミュニケーションに使う言語である自然言語とコンピュータが使う人工言語の乖離をいかに埋めるかという点にあります。 人間が使う自然言語は長い歴史に中で培ってきたものであり、かつルールや明文化の難易度が高いという性質を保有します。 そういった自然言語を莫大なデータを収集し、いかに精度を高めるかということが自然言語処理のポイントとなります。 Watson Natural Language Understandingはその代表例となりますが、それ以外でも多くのAIがこの問題に取り組み精度の向上に務めております。 近年の言語系のAIの中で大きな注目を集めているのがGPT-3(Generative Pre-trained Transformer 3) となります。 GPT-3は深層学習を使用して人間のようなテキストを生成する自己回帰言語モデルです。 その特徴は極めて高いテキスト能力を保有していることで、GPT-3で生成された文章は人間が作成したものと判別がつかないこともあり、潜在的なリスクを訴える専門家も少なくありません。 以上が自然言語処理と最近のトレンドの説明となりますが、 自然言語処理は形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析の四つの工程により実行されます。 それぞれについて説明させていただきますので参考にしてみてください。

形態素解析

自然言語処理の工程の一点目が形態素解析です。 形態素解析を簡単に説明させていただきますと、言語で意味を持つ最小単位に 分割しそれぞれの品詞などを判別する作業となります。 人間が使う自然言語をコンピューターが理解し自然言語処理を行うための重要な工程の一つと言えるでしょう。 日本語の代表的な形態素解析の手法としては、文から切り出した単語が属する品詞を辞書(自然言語処理用の)を用いて調べていき、結果得られた並びから正しく文節が構成される並びであるものを正解であるとするといったような方法が多く使われます。 その結果として日本語文法では、たとえば動詞のあとに格助詞がくることはできないなど不自然な用法を判別していきます。 近年の自然言語処理においては、確率的言語モデルによる形態素解析が一般的で「ラティス上の経路予測」と「点予測」がよく使われます。 「ラティス上の経路予測」は事前に生成可能な単語列を辞書を使って網羅的に列挙し、各単語間の連結部において両単語が連結して出現する確率に相当するスコアを付与し、文全体でこのスコアの合計がもっとも高くなるような品詞列を答えとする方法となります。 スコアの計算は隠れマルコフモデル (HMM, Hidden Markov Model) や条件付き確率場 (CRF, Conditional Random Field) などによりモデル化することで実現します。 「点予測」ではすべての文字の境界に対し、分割可能かどうかをサポートベクターマシン (SVM, Support Vector Machine) 等の分類器により判定する方法となります。 「ラティス上の経路予測」と「点予測」の詳しい解説についてはここでは割愛させていただきますが、いずれにせよ全世界におけるデータを収集することは事実上不可能であることや、単語の境界判別の問題、品詞判別の問題。未知語の問題、ルーズな文法の問題などの課題がありこれらに対してどのように解決していくかというのが自然言語処理における重要なポイントの一つと言えるでしょう。

構文解析

自然言語処理の工程の二点目が構文解析です。構文解析にはさまざまな手法が使われますが、 形態素解析で得られた単語間の関係性について図解化するなどの解析を実行し、その構造を分析します。 自然言語の文法からは、場合によっては何通りもの解釈が可能な文も存在し、特に日本語では文節間の係り受け構造を発見することが重要なポイントとされ、係り受け解析とも呼ばれます。 このような係り受け解析は人間が行う場合、瞬時に正しい内容を判断することが可能ですが コンピューターの場合はそれが困難となります。 そのため、様々なテクノロジーを使い構文を解析することになります。

意味解析

自然言語処理の工程の三点目が意味解析です。 意味解析は構文解析を実行した後に正しい意味を判断する工程となります。 例えば構文解析上は複数の回答が正しいと判定されるケースにおいて、 正しい意味を導き出すために様々な判断を行う必要があります。 人間であれば簡単に理解できる内容であってもコンピューターの 自然言語処理においては多くのデータから 正しい内容を導き出す必要があるため高度なテクノロジーが必要とされます。

文脈解析

自然言語処理の工程の四点目が文脈解析です。 複数の文にまたがる構文や意味解析を実行します。 長文になるとさらに複雑化する文章の意味を文脈から正しくコンピューターに理解させることが 必要となります。 代名詞の指す対象等を推定することや、複数候補がある中から修飾語が係っている内容を判別したり、 省略された名詞等を推定する照応解析などを実行しより精度の高い理解を目指します。

Watson Natural Language Understandingの特徴

Watson Natural Language Understandingの特徴についてポイントを絞り紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

カテゴリ分類

Watson Natural Language Understandingの特徴の一点目がカテゴリ分類です。 Watson Natural Language Understandingのカテゴリ分類とは、 5段階のレベルの分類階層を使用してコンテンツをカテゴリ化します。

概念の理解

Watson Natural Language Understandingの特徴の二点目が概念の理解です。 自然言語処理において難易度が高い点が、 コンピューターに人間の概念を理解し、正しい判断をさせることです。 Watson Natural Language Understandingでは本文内で必ずしも直接言及されているわけではない大まかな概念を高い精度で特定し、それらを実現します。

感情分析

Watson Natural Language Understandingの特徴の三点目が感情分析です。 感情分析も自然言語処理において高度なテクノロジーの一つであり、研究が進んでいる分野と言えるでしょう。 コンピューターの判断では難しい領域である感情分析ですが、Watson Natural Language Understandingでは 特定のターゲット・フレーズや文書全体から伝えられる感情を分析します。

エンティティーの特定

Watson Natural Language Understandingの特徴の四点目がエンティティ―の特定です。 コンテンツで言及されているユーザー、場所、イベント、およびその他のタイプのエンティティーを検索し それらの正しい情報を収集することで精度の高い自然言語処理を実現することが可能となります。

キーワード検索

Watson Natural Language Understandingの特徴の五点目がキーワード検索です。 Watson Natural Language Understandingではコンテンツを検索して、 関連するキーワードを調べ高い精度で自然言語処理を行うことが可能です。

メタデータ取得

Watson Natural Language Understandingの特徴の六点目がメタデータ取得です。 HTMLやURLの情報、Webページの作成者、ページ・タイトルや公開日を取得します。 その情報を基に正しい自然言語処理を行います。

セマンティック役割の識別

Watson Natural Language Understandingの特徴の七点目がセマンティック役割の識別です。 主語、アクション、目的語の形式に文を構文解析し、アクションの主語または目的語であるエンティティーおよびキーワードを識別します。

Watson Natural Language Understandingの機能について

Watson Natural Language Understandingの機能についてポイントを絞り紹介させていただきますので、参考にしていただけましたら幸いです。

チャットボットの作成

Watson Natural Language Understandingの機能の一点目がチャットボットの作成です。 会話型インターフェイスを任意のアプリケーション、デバイス、またはチャネルに組み込むという機能となります。

マルチメディアファイル強化

Watson Natural Language Understandingの機能の二点目がマルチメディアファイル強化です。 IBM Watsonのサービスを利用して、アプリケーションを構築します。

Twitter分析

Watson Natural Language Understandingの三点目がTwitter分析です。 Twitterのハンドルとハッシュタグを分析して、感情、感情的なトーン、キーワードを探します。

SMSメッセージ分析

Watson Natural Language Understandingの四点目がSMSメッセージ分析です。 Watson KnowledgeStudioとWatsonNatural LanguageUnderstandingを使用してSMSメッセージコンテンツをより適切に分類するためのカスタムモデルを構築します。SMSメッセージを分析してデータ内のエンティティを抽出し、さらに人間の注釈付きドキュメントを使用して機械学習モデルを作成およびトレーニングして機械モデルをNLUサービスに統合します。このNLUサービスを使用してドメイン固有のエンティティを抽出します。

文書間コンテンツ相関性

Watson Natural Language Understandingの五点目が文書間コンテンツ相関性です。 文書間コンテンツ相関性はPythonNLTKとIBMWatson Studioを使用して、ドキュメント間でコンテンツを関連付けます。 自然言語処理ではドキュメント、書籍、ソーシャルメディア、さまざまなソースのテキストコンテンツから洞察を得ることが含まれます。 ソース全体のテキストコンテンツの相関関係を見つけて、包括的な画像を取得することです。 Watson自然言語理解、Python自然言語処理ツールキット(NLTK)、およびIBM Watson Studioを使用して、 属性を持つエンティティのグラフを作成し、他のエンティティとの関係を使用して、さまざまなソース間でテキストコンテンツを相互に関連付けることが可能です。 相関アルゴリズムは、リレーションを構築するためのルールと文法を含む入力構成JSONによって駆動されます。JSON構成ドキュメントを変更して、ドキュメント間のテキストコンテンツ間の相関結果を向上させることができます。

機械学習アルゴリズムトレーニング

Watson Natural Language Understandingの六点目が機械学習アルゴリズムトレーニングです。 Watson Natural Language Understandingの機械学習アルゴリズムトレーニングでは、Nimbixを介してPowerAI仮想化ソフトウェアを利用し、機械学習アルゴリズムをすばやくトレーニングする方法を教えます。NVIDIA GPUとCUDA並列コンピューティングプラットフォームを使用して教師なし学習の反復を実行する場合、 Power以外のアーキテクチャよりも速度を上げることが可能です。 これらは機械学習の速度を上げたい人のために設計されており、IBMの新しいPowerAIを機械学習に活用できます。 また、これらはデータサイエンスの豊富な経験がない開発者にとっても非常に役に立つでしょう。

Watson Discoveryについて

Watson Natural Language Understandingに関連するキーワードとしてWatson Discoveryを説明させていただきます。 IBMではAIに関する製品やサービスを複数リリースしております。 Watson Natural Language Understandingはその中の代表的な一つとなりますが、 複数の製品、サービス、APIやテクノジーを組み込むことでより高機能なサービスを 構築することが可能となります。その一例がコールセンター向けの製品となり、 コールセンター業務に必要な機能をデフォルトで搭載することで顧客はすぐに高品質のサービスを開始することができるというメリットがあります。 Watson Discoveryはテキスト分析のプラットフォームとして知られております。 Watson Natural Language Understandingはテキスト分析のための自然言語処理を実現するAPIとなり、テキストを分析して、コンテンツから概念、エンティティ、キーワード、カテゴリー、評判、感情、意味役割などのメタデータを抽出する機能をもつことはすでに本文で説明させていただいた通りです。 Watson Discoveryは自然言語処理を利用して文書、Webページ、ビッグデータから有意義なビジネス上の洞察を支援することが可能で、その機能をいくつか紹介させていただきます。
Watson Discoveryの機能の一点目が文書構造の理解です。 Smart Document Understanding(SDU)を使用すると、文書内のフィールドを抽出するよう IBM WatsonDiscovery をトレーニングすることが可能となり、 アプリケーションから返される回答が改善されます。 SDUでは文書構造を学習させ、 文書中のどこで分割するかを学習させることが可能であり、さらにユーザーが視覚的にそれらを把握することが可能となります。 このようなトレーニングを行うことでWatson Discoveryは高品質な文書構造の理解を実現し、ユーザーを強力にバックアップすることが可能となります。 Watson Discoveryの機能の二点目がチャットボットです。 チャットボットは多くのビジネスにおいて顧客とユーザーを繋げるための有効なコミュニケーションツールとして活用することができます。 特に多くのユーザーを抱える企業や、ユーザーへの対応が業務において重要な役割を果たす企業において オペレーターの負荷を下げ顧客対応の品質をあげることに大きな効果を期待することができます。 Watson Assistantの検索スキルを利用することにより、アシスタントは企業の既存の文書またはデータを照会し、役に立つ情報を見つけて顧客と共有できるかどうかを確認することが可能です。 検索の成功度に基づいて、ユーザーと共有するさまざまなメッセージのドラフトを作成します。 もちろんIBMのAIを搭載した他の製品やサービスと組み合わせてサービスを構築、トレーニングすることでさらに高品質なチャットボットを作成することが可能となります。 Watson Discoveryの機能の三点目がNLPエンリッチメントです。 「エンリッチ」においてですが、文書中の文字列にタグ付けできるだけでなく、 文書中の表をタグ付けして表構造をIBM Watson Discoveryに理解させることが 可能となります。タグ付け機能の活用などで業界固有の用語や表現の抽出を行うことができるようになります。 Content Miningがその特徴の一つであり、コンテキスト、関係、パターンを深く理解するDiscoveryの極めて高度な機能を使用して必要な情報を見つけることができます。 データが構造化(テキスト文書)か非構造化(表、画像、グラフ)のどちらであるかに関係なく、ユーザーは、さらに効率的に作業して、最初から適切な情報を見つけることができるようになります。 また、Content Intelligenceもその機能の一つとなります。 Content Intelligenceにより事前作成されたNLPモデルを利用できるようになりました。これを使用することでユーザーは、文書の学習をスキップでき、契約書、請求書、注文書を使用してDiscoveryプロジェクトを構成できます。 この便利な機能は、一般的な契約ガバナンスの分野や調達の分野に携わる組織に特に適しているほか、LIBOR移行に必要な契約の変更内容を特定するのに有用です。

Azure Cognitive Service for Languageについて

Watson Natural Language Understandingに関連するキーワードとして Azure Cognitive Service for Languageを紹介させていただきます。 Azure Cognitive Service for Languageはテキストを理解し分析するための自然言語処理 (NLP) 機能を提供するクラウドベースのサービスで、MicrosoftのAzureから提供されております。 Watson Natural Language UnderstandingとはAIのテクスト分析という領域で共通点があります。
Azure Cognitive Service for Languageに関する機能についていくつか紹介させていただくと、まず一点目が固有表現認識 (NER)です。 固有表現認識はAzure Cognitive Service for Languageのサービスの中でも代表的なサービスの一つであり、 固有表現認識は、非構造化テキスト内のエンティティを識別や分類する機能を保有します。 機能の二つ目が個人を特定できる情報 (PII) の検出です。 個人を特定できる情報 (PII) の検出を使用すると、非構造化テキストに含まれる機密情報を特定、分類、編集することができます。 たとえば、電話番号、メール アドレス、身分証明書のフォームなどを検出することが可能です。 機能の三点目がキーフレーズ抽出となります。 キーフレーズ抽出においては、非構造化テキストが評価され、入力ドキュメントごとに、テキスト内のキー フレーズと主要ポイントのリストが返されます。 テキスト内で検出されたエンティティの ID が明確にされ、Wikipedia上のエンティティへのリンクが提供されます。 機能の四つ目がエンティティリンク設定です。 エンティティリンク設定ではテキスト内で検出されたエンティティの ID が明確にされ、Wikipedia 上のエンティティへのリンクが提供されます。 機能の五つ目がText Analytics for Healthです。 Text Analytics for Healthでは臨床メモや医師のメモなど、非構造化医療テキストから情報が抽出されます。人々の健康や医療、生活に直結するため利用方法について注意が必要となります。注意点として「Text Analytics for Health では医療デバイス、臨床サポート、診断ツール、または他のテクノロジ (病気や他の状況の診断、治療、軽減、取り扱い、防止での使用が意図されているもの) として使用することを意図されたり、使用できるようにされているものではなく、そのような目的でのこの機能の使用に対して、マイクロソフトからはライセンスや権利は付与されません。 この機能は、専門的な医療のアドバイスや医学的意見、診断、治療、または医療専門家による医学的判断に代わるものとして実装またはデプロイするために設計されたり、 それを意図されたりしたものではなく、そのようには使用しないでください。」と警告されておりますので事前に確認をしてください。 機能の六つ目がカスタム固有表現認識 (NER)です。 カスタム固有表現認識では機械学習インテリジェンスを適用してカスタム NER タスク用のカスタム モデルを構築できるようにする、クラウドベースのAPIサービスであり、 コントラクトや財務ドキュメントなどの非構造化テキストからドメイン固有のエンティティを抽出することができます。 カスタム固有表現認識により開発者は、カスタムの NER プロジェクトを作成しデータのタグ付けを繰り返し実行できます。 機能の七つ目が感情分析とオピニオンマイニングです。 感情分析とオピニオンマイニングでは書き表された言語が関係するインテリジェントなアプリケーションを開発するためのクラウドでの機械学習とAIアルゴリズムのコレクションを 提供します。これらの機能を利用することで、テキストマイニングを実行し正または負の感情に関する手がかりを得ることが可能になります。 それにより人々が特定の事柄についてどう考えているかを知ることができます。また、テキストの特定の側面と関連付けることができます。 感情分析とオピニオンマイニングでは感情機能分析が実装されており、文章とドキュメントレベルでサービスによって検出された最も高い信頼度スコアに基づいて、 感情ラベル ("negative"、"neutral"、"positive" など) が用意されています。 この機能は、positive、neutral、negative (肯定的、中立的、否定的) のセンチメントに関し、各ドキュメントとその中の文章に対して0と1の間の信頼度スコアを返し、それらを分析可能にします。 オピニオンマイニングは感情分析の機能の1つです。 この機能は、自然言語処理ではアスペクトベースの感情分析とも呼ばれる分析です。テキストに含まれる単語 (製品やサービスの属性など) に関連した意見について、より粒度の細かい情報を得ることができ、分析に役立たせることが可能となります。 機能の八つ目が言語検出です。言語検出とは書き表された言語が関係するインテリジェントなアプリケーションを開発するためのクラウドでの機械学習とAIアルゴリズムのコレクションであり、 言語検出を使用することでドキュメントを書くのに使われている言語を検出することが可能です。 様々な国家で使われている特定の言語、バリエーション、方言、一部の地域や文化で使われる言語の言語コードを検出し分析に利用することが可能となります。

GPT-3について

テキスト系AIに関連の深いトピックとしてGPT-3(Generative Pre-trained Transformer 3)について説明させていただきます。 GPT-3は深層学習を使用して人間のようなテキストを生成する自己回帰言語モデルとして2020年にリリースされましたが、業界に対して大きなインパクトを与えました。 GPT-3はサンフランシスコに本拠を置く人工知能研究所であるOpenAIによって開発され、イーロンマスクなどが出資していることで知られております。 その大きな特徴はその精度の高さです。 人間が作成したものと同等のクオリティーのテキストを生成できることで知られ、AIライティングを始めとした関係者に大きな衝撃を与えました。 オーストラリアの哲学者DavidChalmersは、GPT-3を「これまでに製造された中で最も興味深く重要なAIシステムの1つ」と説明しました。 GPT-3は文章を作成するだけでなく、絵をかくことや詩を作る、あるいは作曲を行うなど多くの業界にイノベーションを起こそうとしております。 プログラミングのような高度で専門的な分野に対しての波及が進むことも間違いありません。 AIの開発は過去様々な課題や壁に直面してきました。 その度にブレイクスルーが起き、現在は第三次AIブームと呼ばれております。 GPT-3のテクノロジーはまさに様々な業界に対して イノベーションを起こそうとしており、これが一つのブレイクスルーとなりAI開発の歴史に 大きな影響を与えるかもしれません。 いずれにせよGPT-3の今後の動きには大きな注目が集まっていることは 間違いありません。
また、2022年にOpenAIはユーザーの意図に従い、より加害性の低い言語モデル「InstructGPT」をAPIのデフォルト言語モデルとし、提供を開始したと発表しました。 GPT-3はインターネット上のデータで学習しそれを参考に文章を参考に生成するために、 学習に使うネット上のデータには人種差別的なものや暴力的なものもあるため、一般に望ましくない結果が生成されてしまうこともあるという点が問題点や課題として専門家の間で指摘されておりました。 「InstructGPT」ではそれらの問題点を解消し、より加害性の低い言語モデルを実現しました。 人間の誤った答えを模倣してしまうことが少なく、加害性も低くなっているという。また、人間による評価を行ったところ、様々なテストを繰り返した結果GPT-3と比較し、InstructGPTは幻覚のような創作をする頻度が少なく、より人間が生成した文章に近い形として出力されるという変更があったようです。 InstructGPTの開発には、RLHF(Reinforcement Learning from Human Feedback、人間のフィードバックを反映させた強化学習)という手法が利用されました。 これはラベル付けした人間が好む出力を予測し、微調整を行い文字を生成するという方法です。 OpenAIによるテキスト生成は多くの開発者やユーザーに利用されている一方で一部利用が制限されているケースもあります。 例えばソーシャルメディア、スパム、および政治的影響のある利用方法についてはOpenAIは基本的には許可しておりません。ソーシャルメディアプラットフォームを介して、ツイートジェネレーター、Instagram投稿ジェネレーター、制約のないチャットボット、またはその他のオープンエンドテキストジェネレーターなど、サードパーティにオープンエンド出力を提供するアプリケーションについては許可しておりません。 また、ソーシャルメディアまたはその他の適度にハイステークスのドメインに、コンテンツを自動的にまたは大幅に自動化された方法で投稿するアプリケーションについても利用許可をしておりません。 政治キャンペーンが有権者候補を特定またはターゲットにすることを容易にするツールなど、政治的決定/意見に影響を与えようとするアプリケーションについても利用を許可しておりません。 政治的、経済的、医学的、または文化的に機密性の高いニュース記事またはコンテンツの自動書き込みまたは要約のアプリケーションについても利用を許可しておりません。 不可逆的な危害のリスクが高いアプリケーション、または信用できないまたは非科学的な施設に基づいているアプリケーションや保護された特性(人種的または民族的背景、宗教、政治的見解、個人の健康データなど)に基づいて人々を分類するアプリケーション、人に関するデータから保護された個人情報またはその他の機密情報を抽出するアプリケーション、医学的または精神医学的状態を診断または治療すると主張するアプリケーション、 クレジット、雇用、住宅、または同様の必須サービスの適格性を判断するのに役立つアプリケーション、ペイデイローン、疑似医薬品、ギャンブル、マルチ商法、武器開発、戦争、国家情報、法執行機関などのリスクの高い状況での使用を目的としたアプリケーションなどについても利用が許可されておりません。 GPT-3は非常に高精度のテキストを生成しますが、その一方でユーザーが予期できないリスクや安全性に支障をきたすケースも考えられます。 AIと人間との共存については様々なメディアで取り上げられておりますが、AIを利用したテキスト生成もその一つであり、この後のテクノロジーの発展により安全性の担保がされるかなどについて注目が集まっております。

まとめ

いかがでしょうか? Watson Natural Language Understandingについて詳しく解説させていただきましたので 参考にしていただけましたら幸いです。