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IBM Watson Discoveryの概要について

ここでは、IBM Watson Discoveryについて詳しく解説させていただきます。 IBM Watson Discoveryはテキストの検索や活用を行うためのAI(人工知能)であり、 IBM Watson製品の中において構築済みアプリケーションとして提供されているサービスの一つとなります。 IBM Watson Discoveryにおいては、AI搭載のエンタープライズ・サーチ・テクノロジーが、 ビジネス・データから重要な答えと洞察を引き出しユーザーの意思決定を強力にバックアップします。 昨今では企業が蓄積した莫大なデータを生かすためにテキスト検索、活用を行うことは必須となっており その前処理のテキストの「取り込み」「加工」「エンリッチ」(タグ付け)「学習」を AIが担当し、テキスト活用を行うために必要な一連の機能を搭載していることが大きな特徴となります。 このあたりの処理について簡単に説明させていただきます。 「取り込み」においては、DiscoveryのGUIに直接ファイルをアップロードする以外の方法でデータを取り込むことが可能となります。 一つはコネクターを利用することであり、これにより Microsoft SharePointやSalesforce、BOX、IBM Cloud Object Storageといった 外部サービスと連携して様々なデータを取得することが可能となります。 もう一つはOCR機能を利用することでハードコピーをスキャナで取り込んだイメージファイルをDiscoveryにアップロードすると、イメージ上の文字をテキストとして認識することができるなど多様な形式のデータをテキストとして認識することが可能です。 これにより、企業に蓄積されている多様なデータ(例えば電子データでなく紙媒体のみ存在するデータ)からテキストを読み込むことが可能となります。 「加工」においてはマニュアルなどの長い文書においてもIBM Watson Discoveryが分割して認識し 正しい形で効率的な検索を実行します。これにより検索結果はファイル単位ではなく、分割した粒度の単位で表示できるため、テキスト検索の精度が担保されるというメリットを上げることが可能となります。 「エンリッチ(タグ付け)」においてはタグ付けによる文書構造の理解や表構造の理解を行います。 これにより表も検索対象となり、IBM Watson Discoveryは検索結果に表を表示することもできるようになります。 「取り込み」「加工」「エンリッチ」(タグ付け)は前処理を担当する機能に該当し、 その後IBM Watson Discoveryが「検索」「分析」「学習」が実行します。 「検索」においてはテキストの前処理が完了した後の実際の検索が行われる過程となります。 画面には検索キーワード入力画面とカスタマイズメニューが存在し利用することが可能です。 IBM Watson Discoveryでは標準機能としてキーワード入力後に推奨キーワードが表示される機能や 綴りを間違えて入力した場合の修正機能も搭載しております。 「分析」では、検索が完了して文書が格納された後の分析の過程となり Dictionary Suggestions、コンテンツ・マイニング、分類器といった機能を活用することができます。 「学習」では検索キーワードと文書の関連性を学習させ、最適な順位になるよう成長させる機能となります。 一般的な全文検索と異なる点として、機械学習を利用しているため新しいデータを追加して学習を進めるほど 回答範囲が拡大し精度の向上が期待できるという点となります。 IBM Watson Discoveryにおいては文書構造の理解やチャットボットとの統合や使いやすいツール機能が準備されております。 また、IBM Watson Discoveryを導入することで時間の削減・コストの削減など多くのメリットがあり 多数の導入実績を誇ります。 以上がIBM Watson Discoveryの概要についての簡単な説明となりますが、さらに詳しく解説させていただきますので是非参考にしていただけましたら幸いです。

IBM Watson Discoveryに関連性の高い製品について

IBM Watson Discoveryに関連性の高い製品について説明させていただきます。 AIを利用する際には、その目的に応じた機能を搭載したサービスを利用することが 必要となります。 また、その機能は複数のサービスを組み合わせて利用することでさらに強力となりますので、 関連性の高い製品やサービスを理解することで、よりAIを有効活用しビジネスに役立てることが可能となります。 例えば本文で取り上げた イッツ・コミュニケーションズ株式会社のコールセンターにおける導入事例においては IBM Watson DiscoveryとIBM Watson Speech to TextとIBM CloudとWatsonコンタクトセンター構築支援サービス といったサービスを組み合わせて活用することで業務を大幅に改善することに成功しました。 ここでは、IBM Watson Discoveryに関連性の高いWatson AssistantとIBM Watson® Natural Language UnderstandingとIBM Watson Speech to Textについて簡単に説明させていただきますので、参考にしてみてください。

Watson Assistantについて

IBM Watson Discoveryに関連性の高い製品の一点目としてWatson Assistantを紹介させていただきます。 Watson Assistantは極めて高品質なチャットボット構築システムを可能にする プラットフォームであり最先端のAIのテクノロジーを駆使し 迅速かつ一貫性のある正確な回答を提供します。 Watson Assistantの特徴をいくつか紹介させていただきます。 Watson Assistantの特徴の一点目は包括的であるという点となります。 Watson Assistantにおいては、堅固なトピック理解力、AIを活用したインテリジェントな検索、人間のエージェントへの引き継ぎにより、他社のチャットボットと比較し包括的かつ高品質な回答を可能にします。 Watson Assistantの特徴の二点目は高速であるという点となります。 リアルタイムの自然言語処理(NLP)を使用して、わずかな手順で質問に答えユーザーの満足度を高めることが可能となります。 Watson Assistantの特徴の三点目がプログラミング知識が不要であるということとなります。 AIを活用した仮想エージェントをノーコードで簡単に作成することができるという点は 大きなメリットとなります。 また、高度な専門知識不要で簡単なコピー・アンド・ペースト操作でWebサイトにチャットボットを稼働させることができる点は大きな魅力と言えるでしょう。

IBM Watson Natural Language Understandingについて

IBM Watson Discoveryに関連性の高い製品の二点目として IBM Watson Natural Language Understandingを紹介させていただきます。 IBM Watson Natural Language Understandingは高度なテキスト分析する プラットフォームであり、自然言語理解を行いテキストを分析して、概念、エンティティー、キーワード、区分、評判、感情、関係、意味役割などのメタデータをコンテンツから抽出する ことが可能となります。 IBM Watson Natural Language Understandingの自然言語理解機能においては、 「カテゴリー」「概念」「感情」「エンティティ―」「キーワード」などの特徴と機能を有し、 高度な分析を実現します。 「カテゴリー」においては、5段階の分類階層を使用してコンテンツをカテゴリー化することが可能です。 「概念」においては直接言及されているわけではない概念を理解することが可能です。 「感情」においては特定のターゲット・フレーズや文書全体から伝えられる感情を分析することが可能です。 「エンティティ―」ではコンテンツで言及されているユーザー、場所、イベント、およびその他のタイプのエンティティーを検索することが可能となります。 「キーワード」では関連するキーワードを検索することが可能です。

IBM Watson Speech to Textについて

IBM Watson Discoveryに関連性の高い製品の三点目として IBM Watson Speech to Textを紹介させていただきます。 IBM Watson Speech to TextはAI(人工知能)を活用し音声をテキストに変換することができる 機能となります。 コールセンターなどで顧客からの問い合わせをテキスト化するなどで 業務効率の改善を図ることが可能であり、他のサービスと組み合わせて導入することで大きな効果を期待することができるでしょう。

IBM Watson Discoveryの機能について

IBM Watson Discoveryの機能について紹介させていただきます。 ポイントを絞り紹介させていただきますので参考にしてみてください。

文書構造の理解

IBM Watson Discoveryの機能の一点目が文書構造の理解となります。 Smart Document Understanding(SDU)を使用すると、文書内のフィールドを抽出するよう IBM WatsonDiscovery をトレーニングすることが可能となり、 アプリケーションから返される回答が改善されます。 SDUでは文書構造を学習させ、文書中のどこで分割するかを学習させることが可能であり、さらにユーザーが視覚的にそれらを把握することが可能となります。

チャットボット

IBM Watson Discoveryの機能の二点目がチャットボットとなります。 IBM Watson Assistantの検索スキルを利用することにより、アシスタントは企業の既存の文書またはデータを照会し、役に立つ情報を見つけて顧客と共有できるかどうかを確認することが可能です。 検索の成功度に基づいて、ユーザーと共有するさまざまなメッセージのドラフトを作成します。

NLPエンリッチメント

IBM Watson Discoveryの機能の三点目がNLPエンリッチメントとなります。 「エンリッチ」においてですが、文書中の文字列にタグ付けできるだけでなく、文書中の表をタグ付けして表構造をIBM Watson Discoveryに理解させることが 可能となります。タグ付け機能の活用などで業界固有の用語や表現の抽出を行うことができるようになります。

IBM Watson Discoveryの料金プランについて

IBM Watson Discoveryの料金プランについて説明させていただきます。 IBM Watson Discoveryの料金プランは3つあり、その中からユーザーに適した内容を 選択し利用することが可能です。 それぞれについて説明させていただきますので、参考にしてみてください。

Plus

IBM Watson Discoveryの料金プランの一点目がPlusとなります。 こちらのプランにおいては高度なNLPアプリケーションの構築やIBM WatsonAssistantとの統合が可能となります。 料金については500米ドルより可能で、文書、照会単位で料金が決定します。 IBM Watson Discoveryに設定されている料金プランの中で最も安いプランであり、30日無料版を利用することが 可能となります。

Premium

IBM Watson Discoveryの料金プランの二点目がPremiumとなります。 1つ以上のIBM Watson®サービスを使用して、分離とセキュリティーを強化できるプランとなります。 料金はインストール、文書単位で料金が決定しますがユーザーの利用方法などにより異なり、問い合わせをして見積もりする形となります。

IBM Cloud Pak for Data cartridge

IBM Watson Discoveryの料金プランの三点目がIBM Cloud Pak for Data cartridgeとなります。 IBM Cloud Pak for Data cartridgeはどこにでも導入して、任意のクラウドまたはオンプレミスで構築することができる プランとなります。 料金はインストール、文書単位で料金が決定しますがユーザーの利用方法などにより異なり、問い合わせをして見積もりする形となります。

IBM Watson Discoveryの導入事例について

IBM Watson Discoveryの導入事例について説明させていただきます。 IBM Watson Discoveryはテキストの検索や活用を行うためのAIであることは本文でご理解いただけたでしょう。 AIは様々な業種において活躍しますが、その代表例がコールセンターとなります。 各ベンダーではコールセンターに対応したサービスをリリースしておりますが、IBMにおいては「Watsonコンタクトセンター構築支援サービス」というサービスが存在します。 このサービスとIBM Watson Discovery、IBM Watson Speech to Textを組み合わせることで実績をあげた実例がございますので簡単に紹介させていただきます。
イッツ・コミュニケーションズ株式会社はケーブルテレビ放送局やインターネットサービスプロバイダ 事業を中心に運営している企業となります。 サービスの多様化に伴い、様々な問い合わせが増加し対応の難易度が上がっていたことをきっかけにサービスの導入を決定しました。 IBM Watson Discoveryはテキストの検索、活用の面で大きく業務の貢献いたしました。 具体的には、顧客とオペレーターの会話の内容をIBM Watson Speech to Textの音声認識によってテキスト化をして、そのテキスト内容をIBM Watson Discoveryがリアルタイムに解析して応対内容に 最適な資料などのコンテンツを弊社のナレッジベースから自動検索し、オペレーターのモニター画面に表示することを実現しました。 オペレータの熟練度の差は資料を参照せずに回答できる知識と問い合わせ内容に関連する情報の 所在に関する知識により生まれるため、同システムの導入によりそれらをなくし高水準のオペレーションを実現することができました。 それだけでなくテキスト化された通話内容の活用により、オペレーターを支援する管理者の各種業務を改善 (通話内容確認時間を1日あたり約100分削減)することができました。 従来であれば一回のモニタリングで一人のオペレーターの会話しか確認することができなかったのですが、 最大8名までモニタリングパネルで会話内容をテキストでリアルタイム表示することで 管理者が速やかにフォローすることやオペレーターに対する評価の時間を削減することが可能となりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか? IBM Watson Discoveryについて紹介させていただきましたので、 参考にしていただけましたら幸いです。