支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡


概要について

IBM Engineering Requirements Management DOORS Nextの概要について説明させていただきます。
IBM Engineering Requirements Management DOORS Nextは、IBM Engineering Lifecycle Management (ELM) ソリューションにおける要求管理アプリケーションです。製品要求の保管、カテゴリー化、リンクを支援し、レビューアー、デザイナー、テスト担当者、開発者などの利害関係者の間で製品要求を共有できるようなプラットフォームを提供します。要件管理アプリケーションというのは、プロジェクトの要件を管理するソフトウェアです。このソフトウェアは、要件の変更、優先度の変更、およびスケジュールの変更を追跡および管理するために使用されます。
要件管理アプリケーションの構造は、さまざまな利害関係者間のコミュニケーションツールとして使用できるように設計されています。また、他のプロジェクトと競合しないように、すべてのプロジェクトの要件の概要も提供します。 このソリューションは、IBM製品を統合して、ソフトウェアまたはシステムを開発するための完全な一式のアプリケーションを提供します。 要求管理アプリケーションは、WebクライアントとJazzプラットフォームを活用して、要求の定義、管理、および報告を行います。 これらは規制や標準への準拠を維持しながら、要件の変更をキャプチャ、追跡、分析、および管理できます。DOORS Nextを使用すると、組織とサプライチェーン全体で、プロジェクトの範囲とコストの管理を改善できます。
このソフトウェアはオンプレミスとクラウドで利用できるため、環境に最適な方法で展開できます。

構成について

IBM Engineering Requirements Management DOORS Nextを構成するコーポネントおよびテクノロジー、機能について説明させていただきます。
定義要求、設計モデル、実装要求、検証と各開発ライフサイクルによって様々なサービスとテクノロジーが 投下されております。
利害関係者、業務、システム、製品、ハードウェア、ソフトウェアなどに関する要求は、多様な観点からさまざまな詳細レベルで企業のビジネス・ニーズを表します。

要求

要求は、ダイアグラム、テーブル、フォーム、テキストなどの各種フォーマットで提供されます。
これらはプロジェクトに関連するメンバーが要求の作成、分析、レビュー、承認、設計、および開発に関わり実行されます。 IBM Engineering Requirements Management DOORS Nextにおいては複数のタイプの要求を共通リポジトリーに保管し、冗長性を取り除きます。 また、関連するコンテンツをつなぎ合せることは、大規模なプロジェクトで要求を効率よく管理するために重要です。 要求はさまざまな形で関連しています。ビジネス要求が製品要求を導き、次に製品要求がハードウェアとソフトウェアの要求を導きます。 製品要求は、コンポーネント要求につながり、詳細な要求がリンクされて、より包括的な要求になります。その結果、多くの依存関係を持つ関係の Webが形成されます。
IBM Engineering Requirements Management DOORS Nextでは、要求成果物間の関係を作成できます。 その後、グリッド・ビューやツリー・ビューを使用して、リンクのトップレベル表示やドリル・ダウン表示を見ることができます。

トレーサビリティ

トレーサビリティーは、プロジェクト要素を関連プロジェクト要素 (特に、要求関連の要素) にトレースするために使用します。
トレーサビリティーにより、方向付けから実装およびテストに至るまで要求が満たされているかを判別できます。 トレーサビリティー関係を作成するには、要求を他の要求、開発成果物、およびテスト成果物にリンクします。

トレーサビリティーでは、以下のアクティビティーがサポートされています。
一点目が導出、推敲、およびカバレッジ分析を実行します。 ここでは要求間をトレースして、ソース、導出、または要求間の依存関係を明らかにすることを実行します。 例えば、詳細要求では、概要を示すより一般的なフィーチャーの要求または利害関係者のニーズにトレースできます。 詳細要求では、概略要求を詳述します。 トレーサビリティーを使用して、すべての要求に対し、目的を完全に説明するために必要な詳述が行われていることを確認します。
二点目が影響分析です。トレーサビリティーを使用して、変更の影響を評価します。 利害関係者からの入力に基づいて要求がプロジェクトの途中で変更された場合に、 トレーサビリティーにより、変更の影響を評価できます。 これらのサスペクト成果物プロファイルが実装されている場合は、リンクされた成果物内で変更が生じると、 それらの成果物に対してサスペクト標識が生成されることがあります。サスペクト標識は、変更によって考えられる影響について、チーム・メンバーに警告を実行します。トレーサビリティーは、変更について協議するための基盤にすることができます。 これにより、変更の依存関係およびコストを明らかにすることができます。
三点目がライフサイクル・カバレッジ分析です。要求を実装して検証するために必要な開発項目とテスト項目がすべて揃っていることを確認します。
四点目が進行状況分析です。リンクされた要求、開発項目、およびテスト・ケースの進行ステータスおよび完了ステータスをトラッキングします。
五点目がレポート作成です。 上述のアクティビティーに加え、サインオフや監査レコードなど、他のアクティビティーもトラッキングします。

レビュー・ワークフロー

IBM Engineering Requirements Management DOORS Nextは、レビューによってコラボレーションを促進します。
要求ワークフローとは、指定されたタイプの成果物に可能な状態、およびこれらの成果物をある状態から別の状態に移動するために選択可能なアクションを定義する、状態遷移モデルです。 フィルターを作成すると、特定の状態にあるトピックを検索できます。 要求管理アプリケーションに搭載されたデフォルト・ワークフローを使用することも、独自のカスタム・ワークフローを作成することもできます。 要件のレビューをセットアップし、レビューアーを識別できます。レビュー所有者は、レビューの全参加者の進行度、コメント、および状況を確認できます。 Eメールのブロードキャストや指示の投稿に加え、レビュー状況の変更も行うことができます。 レビューアーは、コメントの投稿および投票を行うことができます。 デフォルト・ワークフローでは、成果物のライフサイクルは「新規」の状態から開始されますが、ユーザーは成果物を「進行中」、「レビュー中」、「承認済み」、「拒否済み」、および「完了」に移動するアクションを選択できます。

変更履歴のトラッキング

IBM Engineering Requirements Management DOORS Nextは、誰が情報を編集したか、どのような変更がどのような時に発生したかなど、プロジェクトの効率性およびチャーンを測定するためのメタデータを追跡および記録します。
プロジェクト要求のベースラインをキャプチャーし、ある時点におけるプロジェクトのスナップショットを確認することができます。プロジェクトを以前のベースラインと比較して、何が変更されたのかを特定できます。 DOORS Next は、成果物に加えられた変更の履歴を保管します。成果物のすべての改訂にアクセスして、どの変更がいつ発生したのかを確認できます。
また、成果物の履歴レコードを使用して、加えられた変更を元に戻し、成果物を以前の状態に復元することも可能です。

アーキテクチャ

ソフトウェア・アーキテクチャーは、Open Services for Lifecycle Collaboration (OSLC) 仕様に基づいています。
この仕様は、リソース、フォーマット、および RESTアーキテクチャー・サービスについて共通のセットを使用し、アプリケーション間でデータの共有が可能になっています。OSLC統合プロトコルを使用すれば、 IBM Engineering Requirements Management DOORS内の要求を DOORS Nextの成果物とリンクすることができます。 ReqIFを使用して2つの製品間の要求データを交換できます。
これはオブジェクト管理グループ (OMG) によって制御される要求交換フォーマットが進化した機能です。 ReqIFを使用すれば、異なる組織に所属するチームがそれぞれ別の要求管理ツールを使用して共通の仕様で作業し、ソリューションの一貫性のあるビューを構築できます。

メリットについて

IBM Engineering Requirements Management DOORSのメリットについて説明させていただきます。
ポイントをいくつかに絞り紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

品質向上

一点目が品質向上です。
ソフトウェア開発を行う際に要件を効率的に管理し、サービスを投下することで品質が向上することは言うまでもありません。 IBM Engineering Requirements Management DOORSを導入することで要件ツールに直接組み込まれた変更および構成管理により、プロジェクトのコストを管理することができます。
また、それだけでなく複雑な製品やシステムの要件を把握、追跡、分析するための高性能なプラットフォームとして機能することもIBM Engineering Requirements Management DOORSの大きな特徴と言えます。

コスト

二点目がコスト削減です。
IBM Engineering Requirements Management DOORSを導入することでリスクを最小限に抑えてパフォーマンスを向上させ、チームを最適化されることが可能になります。
これによりチームが開発コストを削減するというメリットを享受することができます。また、品質コストを削減し、顧客満足度を高めることができる点もIBM Engineering Requirements Management DOORSの魅力と言えるでしょう。

効率性

三点目が効率性です。
IBM Engineering Requirements Management DOORSでは要件の品質を評価し、INCOSEガイドラインに基づいて推奨事項を提供するRequirements Quality Assistantアドオンを備えたWatson AIを使用しております。 INCOSEガイドラインは、エンジニアリング システムの開発に役立つ標準です。これらは、複雑なエンジニアリング システムを開発、管理、維持するためのフレームワークを提供します。
INCOSEガイドラインは、製品がユーザーのニーズを満たしていることを確認したいエンジニアやシステム設計者が使用するように設計されています。 INCOSE 規格は、管理者が既存の製品やプロセスを評価して、それらを改善したり新しい機能を追加したりするためにも使用できます。
これにより、IBM Engineering Requirements Management DOORSではより良い要件をより迅速に記述し効率性を高めることができるようになります。

コンプライアンス

四点目がコンプライアンス管理です。
IBM Engineering Requirements Management DOORSでは製品開発ライフサイクル全体にわたって、要件からテストまでのトレーサビリティを管理しております。 これによってソフトウェア開発の各工程に及びコンプライアンス管理を実現し、組織として信頼性を獲得することが可能となります。

サポート

五点目がサポートです。
現在のソフトウェア開発は実に様々な手法が導入され、その多様さや複雑さは今後も増すでしょう。 IBM Engineering Requirements Management DOORSではソフトウェア開発において、アジャイル、リーン、DevOpsなど、あらゆる形態のエンジニアリングドメインにおける要件の管理を通じて、ソフトウェア管理をスムーズに推進することが可能となります。
これらのIBM Engineering Requirements Management DOORSのサポートは変化の激しい現在のビジネスにおいて非常に役立つでしょう。

クラウド

六点目がクラウドです。
現在のビジネスシーンにおいて、あらゆる企業はクラウド化したサービスを必要としております。 IBM Engineering Requirements Management DOORSではクラウドを使用して、すばやく起動して実行します。 これによりチームは不要なメンテナンスな保守における時間を削減し、本来のビジネス目標と技術革新に集中することが可能となります。

料金体系

IBM Engineering Requirements Management DOORS Nextの料金体系について紹介させていただきます。
IBM Engineering Requirements Management DOORS Nextは無料を含む4つの料金体系が用意されており、企業のニーズによって選択することが可能です。

サブスクリプション

IBM Engineering Requirements Management DOORS Nextはクラウドかつサブスクリプションで利用できます。
これらのサブスクリプションサービスに関する説明は以下の通りです。 IBM IoT Continuous Engineering on Cloud は、シングル・テナントのクラウド環境を提供するサブスクリプション・サービスです。
IBMクラウド・チームは、IBMソフトウェア製品の設定と実装を行い、継続的なインフラストラクチャー、アプリケーション、サポートを提供します。 インフラストラクチャー、アプリケーション、およびサポートを提供します。IBMクラウド・チームは、製品を安全な IBM SoftLayer データ・センターに配備します。
SoftLayerデータセンターに製品を導入し、24時間365日の可用性を確保するためにソリューションを監視します。 IBM のクラウド サービスは、99.9% のサービスレベル目標 (SLO) 可用性を提供し、数千のユーザーにサービスを簡単にスケールアップする能力を備えています。 数千のユーザーにサービスを拡張することができます。IBMは、パッチのインストールやアップグレードを含む、インフラ関連のすべてのサポートを提供します。 のインストールやアップグレードを含む、インフラ関連のサポートを提供します。

料金モデルについて

それぞれについて説明させていただきます。
一点目が無料のプランです。
このプランは、初めて利用される方がトライアルとして試すことが可能なプランで、IBM Engineering Requirements Management DOORS Nextの基本的な機能を確認することが可能となります。 利用にあたり特に条件はありませんので、登録後はマルチテナントのIBM Cloudインスタンスを利用しIBM Engineering Requirements Management DOORS Nextを使用することが可能です。このプランが利用できる期間としては30日となっております。
二点目がProfessional Subscriptionのプランです。 このプランでは、基本額(税別)127,500円で利用することが可能です。 このプランは無料プランの上位プランとして機能します。 セキュアなシングル・テナント・クラウドHTTPSサイトで提供され、さらにサポートを受けることができるため小規模な事業者に適しております。
三点目がEnterprise Subscriptionです。 このプランは企業によって見積もり設定後料金が変更します。 IPsec VPNトンネルを使用するシングル・テナントの仮想プライベートクラウドで提供されサポートを受けることができます。
四点目が永久ライセンスです。 ユーザー・シングル・インストール・ライセンスと12カ月間のソフトウェアのサブスクリプションを利用することが可能となります。

IBM Engineering Requirements Quality Assistant

IBM Engineering Requirements Quality Assistantについて説明させていただきます。 IBM Engineering Requirements Quality Assistantは、IBM Engineering Requirements Management DOORS Nextと大きく関連するサービスの一つです。
IBM Engineering Requirements Quality AssistantはWatson AIの能力を活用して、エンジニアリング要件を記述するときの品質を高めます。IBM Engineering Requirements Management DOORS NextのSaaSバージョンにバンドルされており、大きく利便性を高めることになりました。
まずはメリットについて説明させていただきます。

メリット

IBM Engineering Requirements Quality Assistantのメリットについて説明させていただきます。

コスト

メリットの一点目がコストの削減です。
プロジェクトを考える際に、非常に重要な点がエラーの修正です。 要件を記述する際の誤りが、すべてのエンジニアリング・エラーの大きな部分を占めますが、IBM Engineering Requirements Quality Assistantを導入することでこれらのエラーの修正に費やす時間を削減することでコストの削減に繋がります。 IBM Engineering Requirements Quality Assistantを導入することでエラーを早期に発見して修正作業を軽減し、コストの削減に繋げることが可能です。 特に大規模なプロジェクトであればその影響は非常に大きくなります。
このようにプロジェクトにおいて最も重要であるコスト面においてIBM Engineering Requirements Quality Assistantは大きく機能します。

チームの生産性

メリットの二点目がチームの生産性です。
あらゆるプロジェクトにおいて要件の修正や策定のやり直しは関係者のモチベーションを下げチームの生産性を低下させます。 当初から要件を最初から正しく策定し、精度を上げることでチームは重要なプロジェクトに集中しパフォーマンスを維持することができます。
IBM Engineering Requirements Quality Assistantのテクノジーにより従来のように無駄な修正によりチームの生産性を下げることを回避し、組織に活力を与えることが可能となります。

要件の強化

メリットの三点目が要件の強化です。
要件の精度を高め、実際のプロジェクトに反映することは大きな役割を担います。 INCOSEガイドラインに基づいて事前学習されたWatson AIによるレビュー機能を使用すると、修正が必要となりそうな個所が強調表示され、人手によるレビューの前にWatsonによって変更が提案されます。
これにより要件を強化することが可能になります。

機能について

IBM Engineering Requirements Quality Assistantの機能について説明させていただきます。
いくつかポイントを絞り紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

IBM Engineering Requirements Management DOORS Next

すでに本文で伝えたように、 IBM Engineering Requirements Management DOORS NextのSaaSにバンドルされました。 そのため、従来よりも使いやすくなった点が大きな機能の特徴と言えるでしょう。 IBM Engineering Requirements Quality Assistantではクラウドの強みを生かしながら企業のプロジェクト推進において大きな支援を行います。

要件品質

機能の大きな特徴として高い要件品質を維持することができるという点があげられます。
Watson Natural Language UnderstandingとIBM Engineering Requirements Quality AssistantはINCOSEガイドラインの80%以上をカバーする11の品質スコアを提供して、要件の品質向上を図ります。 Watson Natural Language Understanding サービスは、自然言語理解を使用してアプリケーションとサービスを構築するためのツールを開発者に提供するクラウド・ベースのサービスです。 これにより、開発者は非構造化テキストから情報を抽出し、構造化データから洞察を提供し、自然な方法で人々とやり取りすることができます。
IBM Engineering Requirements Quality Assistantは要件品質において、多くの課題を発見し解決することができます。 具体的にはアクターやユーザーが不明確、要件が複雑、ネガティブな要件、免責条項、単位の欠落、許容度の欠落、あいまい、受け身、不完全な要件、数量が不明などプロジェクトにおいて多く見られるケースです。

品質改善

AIによる品質改善も大きな特徴です。
IBM Engineering Requirements Quality Assistantでは要件エンジニアからのフィードバックを取り込んでいくため、使用すればするほど品質を向上させることが可能となります。 これらはIBM Engineering Requirements Quality Assistantにおける最大の機能の一つと言えるでしょう。 IBM Engineering Requirements Quality Assistantのツールはニュアンスやコンテキストをよりスマートに検出できるようになり、プロジェクトを強力にバックアップすることが可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
IBM Engineering Requirements Management DOORSについて詳しく解説させていただきましたので、参考にしてみてください。