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はじめに

IT化が発展してきている中で、物事の利便化を図るためには、システム開発は欠かせません。システム開発におけるプログラミングで良く用いられているのはJavaになります。特にWebサービスの裏方であるバックエンド側のシステムを開発する際にJavaは良く用いられています。Javaには、作業効率を向上させるためのフレームワークが多数用意されています。この記事では、今回はその中でもSpring Frameworkに焦点を置きたいと思います。Spring Frameworkがどのようなものかを理解するために必要な考え方と、利点などについて記載していますので、今後システム開発での利用の検討に役立てていただければと思います。

Spring Frameworkの特徴について

Spring FrameworkはJavaフレームワークの1つで、アプリ開発における作業の効率化を向上させる非常に有用なツールになります。Javaの開発環境で用いることができ、Spring Framework自体はWebサイトより無料でダウンロード出来るオープンソース型となっています。Javaのフレームワークの1つであるSpring Frameworkの特徴を説明する前に知っておくべき単語について解説します。

①アスペクト指向プログラミング(AOP)

アスペクト指向プログラミングは、オブジェクト指向型のプログラミングとは異なり、各クラス共通の処理を集約し、1つのクラスで管理する指向プログラミングになります。例えば、クラス①、クラス②、クラス③に共通の処理a,bがあったとします。この共通の処理a,bを1つのクラス(アスペクト)に集約しすることで、それぞれのクラスで同じ処理を書く必要性がなくなり、アスペクトだけで管理、注入が可能になります。こちらも例として、本来クラス①で必要のない処理cがあったとしても、アスペクトを用いることで必要に応じて処理cをクラス①に組み込ませることができます。非常に柔軟性を持ったプログラムを構築することが可能になります。これにより、プログラムのテスト時に利用したコードを削除するときに誤削除を防いだり、集約したコードを削除するだけでよくなるので、作業負担が減少します。

②依存性注入(DI)

依存性注入は、クラス間の依存関係をなくし、外部から注入できるようにする仕組みになります。Webアプリ作成で用いられるJavaBeansはこれに該当し、各クラスはBeansに格納された情報を取り出して利用したりします。依存性とは、クラス①をコンパイルするにはクラス②がコンパイル可能でなければならないという、どちらかが正しくないと機能しなくなる仕組みのことをいいます。これだと、クラス①だけをテストすることはできなくなり、作業効率が悪くなってしまいます。そこで依存性の注入を外部から利用することで、その点の課題を解消しています。

③フレームワーク

そもそもフレームワークとは、アプリケーション開発などにおいて必要な機能や枠組みをまとめたものです。アプリケーションの作成に特化しているものや、操作性などに注力しているフレームワークがありますが、Spring FrameworkにおいてはWebアプリケーションの開発を円滑に行うための機能を備えています。

以上、Spring Frameworkを用いるうえで欠かせない概念になります。そのすべてを兼ね備えているのがSpring Frameworkになります。Javaを用いて開発を行うエンジニアは多く、多数の企業でも用いられているほどですので、学習しておいて損はないフレームワークになります。

Spring Frameworkを用いる利点などについて

Spring Frameworkを利用することで、作業効率が向上することは上述しました。例えばどのような作業に影響があるかを記載していきます。まず1つ目はプログラムの修正が簡略される部分です。AOPの概念により共通の処理は集約可能であるので、不具合などが生じたときに修正が少なくてすみます。2つ目はプログラムの独立性が確保でき、単体テストが行いやすくなる部分です。こちらはDIの考え方を踏襲しています。まとめると、開発を行うにあたって非常に重要な作業であるテストの負担を削減させることが大きな利点になります。

Spring Frameworkはそのような点でも用いることは良いことがほとんどなのですが、Spring Frameworkに含まれるツールは日本語にあまり対応しておらず、それぞれのツールの役割を理解するのは時間がかかります。学習コスト面ではかなりかかると言っていいと思います。その点も含めてSpring Frameworkをどう用いるかを考える必要があります。

まとめ

この記事では、Javaの有名なフレームワークであるSpring Frameworkについて、特徴と利点などを記載してきました。基本的にJavaを用いたシステム開発においてSpring Frameworkは広範囲で利用されており、Spring Framework内の1つ1つのツールの特徴の理解と実践力が必要となりますので、学習をしてSpring Frameworkを使いこなせるようにしていくことがエンジニアとしての技術力向上につながり、作業効率も向上するので是非習得したい内容であると思います。ご拝読いただきありがとうございました。