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  • PHPとHTMLを使ってでできること

はじめに

HTMLとPHPはWebシステムの開発を行う際の多くの場面で利用される言語ですが、それぞれ役割が異なります。また、どちらの言語をメインで利用するかによって職種も異なってきます。今回はHTMLとPHPを使う職種や、これらを使ってできることについて紹介していきます。

HTMLとPHPの役割

HTMLとPHPはいずれもWebシステムで利用される言語ですが、HTMLはCSS(Cascading Style Sheets)と共に画面デザインに必要な言語です。HTMLとCSSはマークアップ言語と呼ばれ、一般的に言われるプログラミング言語とは種類が違う言語です。「< >」のようなタグが使われ、文章の構成や色、表、ボタン配置等を定義でき、Webサービスの画面を構成します。なおCSSは「スタイルシート」と呼ばれることもあり、HTMLでは補いきれない細かいレイアウトの設定や、スタイル、色を設定できる言語で、HTMLと併用して画面デザインをより華やかに作り上げることができます。

対するPHPはいわゆるプログラミング言語と呼ばれるものの一つで、Web画面を通して行われた操作を受けて実際の行われる処理内容をプログラミングするための言語です。Webサイトで良く目にする部分の例を挙げるとすると、サイト内のお問い合わせフォームがわかりやすいことでしょう。お問い合わせフォームは、HTMLやCSSで作成されたフォームに名前やお問い合わせ内容等の必要事項を入力して、サイト運営側に主にメールの形式で送信します。必要事項を入力後、入力内容を確認する画面に遷移し、最後に「送信」ボタン等をクリックすると入力内容が相手に送られるという流れが一般的です。こういったお問い合わせフォームの中で、お問い合わせ送信前の確認画面に遷移する際にフォームへの入力内容を引き継いで表示させる処理や、ボタンをクリックすると設定されているメールアドレスに送信されるという処理をPHPが担っています。これらはHTMLやCSSといった静的な言語ではできないため、動的な処理を行えるプログラミング言語を使います。

PHPの歴史

言語の歴史を知ったところで正直なところ直接仕事に役立つことはありません。それでもPHPの成り立ちを知ることでHTMLとの関係性や、PHPの理解を深める一助となる可能性が高いため簡単に紹介しておきます。

PHPという名称は「Personal Home Page Tools」を略してPHP Toolsと読んでいたことが始まりで名付けられたもので、元々は一プログラマーが個人のWebサイトの動的な部分を作成するために自身で開発、利用していた言語でした。なおPHP開発時に使われていた言語はC言語でした。以上より、PHPはそもそもの開発意図がWebサービスのためだったということがわかります。その後1995年にオープンソースとして一般公開され、90年代後半にかけて広く利用される言語となっていきました。PHPはその他の言語と同様にバージョンアップを繰り返して進化し続けていますが、PHPの仕様がおおよそ定まった元祖のバージョンとされるのがPHP3.0でした。プログラミング言語としては30年という長い歴史の中で、3.0の仕様を引き継ぎながら、新機能の追加やフレームワークやライブラリの開発を経たPHPは、2021年時点で8.0のバージョンを最新としています。なおPHPの歴史については、PHPの公式ページにもさらに細かく紹介されているため、興味のある方はぜひご覧ください。

HTMLとPHPが使えるとどんな職種につけるのか

HTMLは画面構成、PHPは内部処理に使われる言語ということはここまでで紹介していきましたが、それぞれ異なる役目があるため、どちらをメインで使用するかによって職種も厳密には異なってきます。

HTMLを主に利用するのは、Webデザイナー(クリエイター)やフロントエンドエンジニアと呼ばれる職種の人達です。Webデザイナーはクライアントの要望を汲み取ってWeb画面の設計やコーディングを行います。フロントエンドエンジニアはWebデザイナーから受けた要件を元にHTMLやCSSでコーディングを行なって画面を作り上げていきます。なおフロントエンドエンジニアの場合は、HTMLとCSSだけではなくJavaScriptという主にブラウザ上で実行されるプログラミング言語の知識も必要となる場合が多いです。JavaScriptもPHPと同様にサイトの動的な部分を構成する言語ですが、どちらかというと内部処理ではなく画像の拡大や、切り替え、カーソルを当てると表示される詳細メニュー等の画面上に動きを与える役目を担う言語です。さらにユーザーが便利に利用できるためのUI/UXデザインに関する知識も必要となります。

PHPはフロントエンドエンジニアによってプログラミングする際に使われることもありますが、主に利用するのはサーバーサイドのプログラムを担当するバックエンドエンジニアです。フロントエンドエンジニアはユーザーが直接目に触れる部分の画面開発を行うのに対して、バックエンドエンジニアは、ユーザーが目にすることのできないサーバー側で処理される部分のプログラミングをメインで担当します。デザインに関する知識はそこまで必要とされない代わりに、サーバーOSや、ソフトウェア、データベース、ネットワークといったインフラ関係の知識が求められる場合が出てきます。また言語もPHPだけではなく、システムによってはJavaやPython、C系言語のスキル等が必要となることや、開発を効率的に進めるために各言語に用意されているフレームワークやライブラリの知識を習得する必要もあります。

各言語の難易度

言語を学ぶ場合に気になる難易度ですが、HTMLもPHPも比較的初心者でも学びやすい言語と言えます。特にHTMLは、タグを使うだけで簡単に記述が行え、覚えることも非常に少なく、コーディングした結果を自分ですぐに確認できるので、言語勉強を始めるきっかけとして向いています。Web系のシステムに携わるのであれば必ず知っておかなければいけない言語でもあります。

PHPもプログラミング言語に種別される中では簡単な言語の部類に入り、JavaやC言語のような開発環境も不要なため、自分のパソコン環境で気軽に学習を始められます。プログラミング言語には「コンパイル」という、プログラミングした内容を機械語に変換する作業が必要になるものがありますが、PHPはこのコンパイルを開発者によって実行する必要がなく、プログラミング言語の勉強を始めてする際に覚えることが少なくて済むので、プログラミングに集中できておすすめです。元々Webサイト用に開発された言語であることからHTMLとの相性がよく、データベースの接続もライブラリを利用して簡単に行える便利な言語です。

まとめ

HTMLはデザイナーやWeb系のエンジニアならずとも、IT業界の職に就くのであれば最低限知っておいた方が良いスキルの一つです。またPHPについて、今回はWebサイトの一部を構成する言語として紹介しましたが、その他にもショッピングカート機能やWebアプリケーションの構築、SNSの開発と様々な場面で利用できる言語です。近年多くのWebサイトで利用されているCMS「WordPress」の開発に使われている言語もPHPで、WordPressの細かいカスタマイズや、プラグインのカスタマイズ、開発にも欠かせません。それだけにプログラミング言語の需要においても長い間上位に位置する言語ですので、ぜひHTMLとPHPのスキルを習得し、多くのシステムで活躍できるエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。